引きこもり時代の自分を救った親友の家族の店へ リュウジが地元・千葉の「小料理灯り」を再訪する

YouTubeで開く ↗
概要

料理研究家のリュウジが地元の千葉に戻り、中学時代からの親友・ミヤの両親が営む「小料理灯り」を訪ねた。もとは寿司屋で、現在は小料理屋として営業している。リュウジはこの店を「若い頃一番世話になった」場所と呼び、寿司も料理もここで覚えたと語る。酒を飲みながら料理を味わう回だが、話の中心は自分のルーツになったこの家族との関係にある。リュウジは、この店の味と人の両方を視聴者に伝えたいという立場で話している。

11分で読めます
1:01

成人祝いも出張寿司もこの店だった

リュウジがこの店に通っていたのは20代の頃で、成人の祝いもここで開いてもらったという。リュウジの家族も皆この店に来ていて、寿司屋だった頃は店主がリュウジの家まで出張して寿司を握ってくれたこともあった。若い頃には店主に市場へ連れて行ってもらい、魚について教わった。リュウジはこうした経験から、寿司の基本はここで覚えたと話す。

撮影は当日の昼に決まり、その日の夕方に店を訪れた。リュウジは、今回は仕込みも演出もない「やらせなし」の普段どおりの営業だと強調している。店主は、事前に知らせてくれれば仕入れを用意しておいたのにと笑っていた。店は個室もあり、リュウジは店内の清潔さに感心していた。

2:33

刺身の盛り合わせ マグロ、カンパチ、ギザギザに切ったタコ

最初に出たのは刺身の盛り合わせだった。リュウジはまずマグロを食べ、新鮮で臭みがまったくないと評した。刺身の角がピンと立っているのを指して、寿司職人だった店主の包丁の腕を褒めている。カンパチにも同席者そろって「美味しい」と声が上がった。

特に反応が大きかったのは北海道産のタコである。タコは波打つようなギザギザの切り目を入れて切られており、リュウジはこの切り方のおかげで醤油がよく絡むと説明した。歯ごたえについても高く評価し、目利きも包丁さばきもできるからこの味になると話している。

23:10

千葉の酒・梅一輪と、千葉の地酒事情

酒は千葉の地酒「梅一輪」を頼んだ。リュウジによれば、千葉で酒といえば梅一輪で、知らない人はいないほどだという。同席者が初めて聞く銘柄だと言うと、リュウジは千葉には酒蔵がたくさんあると説明した。飲んだリュウジは「帰ってきたなって感じがする」と話している。

後半には千葉の酒事情に話が広がった。リュウジによると、千葉の居酒屋の看板には「梅一輪」と書かれていることが多い。リュウジの理解では、看板に銘柄名を入れると酒造会社が看板代を出してくれる仕組みがあるという。一方で、千葉は酒蔵が意外と多いのに、千葉の地酒を置いている店が少ないのが弱点だとも指摘した。その理由を「千葉の人って千葉嫌いなんだよ」と冗談めかして語ったが、すぐに「諸説ある」ということにしておこうと付け加えている。

5:06

「千葉にはうまい店がない」と言ってきたが、ここにはある

リュウジは普段から「千葉にはうまい店がない」と言っていることに触れたうえで、この店はうまいと断言した。初めて来た同席者も、落ち着いた雰囲気で、初めてなのに常連のような居心地の良さがあると話している。

店へのアクセスについては、総武線沿いで東京駅から1時間かからず、駅から歩いて15分ほどだとリュウジは説明した。そのうえで、遠方から人が押し寄せると店主が休めなくなることを気にかけ、行くなら必ず電話で予約するよう繰り返し呼びかけている。店側も、予約してもらえれば受け入れの量を調整できると話した。

8:05

もつ煮とエビフライ、そして自分が作っていた時間のかかる料理

もつ煮は意外と人気の品だという。リュウジは、昔からミヤの母親が作っていた料理かもしれないと振り返っている。

続くエビフライについて、リュウジは「人生で食べたエビフライの中で一番うまい」と話した。衣ばかりのエビフライが多い中で、これはほとんどがエビだという点に驚き、手作りのタルタルソースも褒めている。撮影スタッフも興奮して黙り込むほどの反応だった。

店主は、リュウジが昔この店でエビフライではなく天ぷらを食べていたことを覚えていた。話はリュウジ自身の料理にも及ぶ。リュウジは若い頃、家で作った料理を店に持ってきて食べてもらったり、店の厨房を借りて料理したりしていた。当時作っていたのは何時間もかかる手の込んだ料理ばかりで、店主から「おめえ、まだ作ってんのか」と言われ、待たされたこともあったという。店主は「時間も調味料」だと振り返る。一方でリュウジは、当時の自分には経験値がなかったので、セオリーどおりに作るしかなかったと話している。

31:27

小肌が好きになった理由

同席者に勧められてアジの刺身を頼んだ流れで、リュウジは小肌の話をした。リュウジは普段から小肌が好きだと公言しているが、そのきっかけはこの店の店主が作る小肌がとてもうまかったことだという。作り方を一度教わったこともあると明かしている。

終盤には実際に小肌が出された。リュウジは「うまさが変わってない」と喜び、軽く漬けたうえで塩も振ってあると仕込みを説明した。同席者は、事前に連絡していれば寿司の用意もしてもらえたかもしれないのに、当日に決めたリュウジのせいだと指摘している。

13:25

ブリカマ焼きと「一番最初の師匠」

ブリカマの塩焼きについて、リュウジは寿司屋らしい塩の当て方だと評した。塩を表面にふわっと付け、足りなければ自分で少し足して食べる。ブリカマにはレモンを絞ったほうがいいとも勧め、脂が乗っている時期だと話している。リュウジは、焼き魚を好きになったのもこの店がきっかけだったという。

同席者が店主を「大先生」と呼んでからかうと、リュウジは店主を「一番最初の師匠」と表現した。飲食のことを色々教わったからだという。具体例として挙げたのがうま味調味料の話である。少量を使っている店はあるということを最初に教えてくれたのが店主で、この話は自分の本でも書いているとリュウジは話した。

店がいったん休業していた事情を尋ねられると、店主は「色々ありました」とだけ答えた。リュウジは、自分が料理研究家として有名になった頃にはまだ店が再開していなかったと振り返っている。

14:40

うずらの軍艦、大トロのねぎま 忘れられない味

リュウジが強く覚えている一品が、寿司屋時代に出してもらったうずらの軍艦である。店主に「これ食べたことあるか」と聞かれ、何も乗っていない軍艦を出された。店主は後ろを向いて生のうずらの卵をポンと乗せ、食べてみろと言う。食べると驚くほどうまかった。リュウジは、この軍艦を出す店を今もひとつも知らないという。

もうひとつ挙げたのは、大トロをねぎまの串にして焼いた料理だ。今はもう出していないだろうとしながらも、若い頃に食べて「世の中にこんなうまいものがあるのか」と思ったと話している。リュウジは、この店で食べたものは味として覚えているものばかりだという。

この日はイワシも出た。リュウジたちは添えられた大根おろしが妙においしいと何度も首をかしげていた。

15:54

親友ミヤの登場と、引きこもり時代の話

途中からミヤが店に合流した。2人は今年の正月にも会っている。中学時代の仲間と年に1回必ず飲み会を開くのが昔からの習慣で、グループLINEも続いているという。

ここでリュウジは、自分の人生の転機を語った。引きこもりだった時期に家が火事で全焼し、同級生たちはリュウジが死んだと思っていた。そのとき唯一連絡をくれたのがミヤで、この店の電話から「大丈夫か」と連絡してきたという。リュウジは嬉しくなって会いに行き、地元のデニーズにミヤや他の同級生と集まった。それをきっかけに付き合いが再開した。その後リュウジが世界一周の旅に出たのも、ミヤに誘われたからだという。

リュウジは「多分ミヤがいなかったら俺は今ないんだよね」と話す。終盤でもこの話に戻り、ミヤの家族がいなければ今の自分はなく、ミヤに「世界中行こうよ」と言われたことで、もう一度世の中と関われたと語った。そして、人生はちょっとしたことで変わるものだとまとめている。

19:21

昔から変わらない性格と、失恋の夜の電話

リュウジの昔の性格を聞かれたミヤたちは、まったく変わっていないと答えた。いつも余計なことを言い、自分から折れることがないという。リュウジ本人も、昔からごちゃごちゃ言うほうだと認めている。

恥ずかしい思い出として、ミヤは次の話を明かした。リュウジが当時の彼女と別れたとき、号泣しながら電話をかけてきた。ミヤが一通り話を聞くと、最後にリュウジが言ったのは「話を聞いてくれてありがとう」ではなく「あ、すっきりした」だったという。リュウジ本人は泣いていないと否定し、同席者からは「最低」と笑われていた。

有名になった今の関係について、ミヤは友達としては何も変わらないと答えた。ただ、以前のように頻繁には会えなくなったという。忙しくて時間が合わないのが理由だ。2人ともまだ独身で、どちらかが結婚したら焦るだろうと冗談を言い合っている。リュウジによれば、ミヤはリュウジの家族からの信頼度も最大だという。同席したスタッフについては、普段はあまりテンションが上がらないのに、ミヤといると上がるとリュウジが話している。

正体当て マグロの筋の唐揚げ

店主の家族から、何の料理か当ててみるよう出された一品があった。リュウジと同席者は全員フグだと答えたが、正解はマグロの筋だった。通常は捨てる部位だという。リュウジは「料理研究家失格」と降参しつつ、とてもうまいと評した。竜田揚げに近い仕立てだったようだ。

25:07

天ぷらと、母親が作る天つゆ

天ぷらは衣がきれいに花を咲かせていた。天つゆに大根おろしと生姜を溶かし、イカの天ぷらを絡めて食べるのがリュウジのおすすめだという。リュウジは、イカの火の通し方も完璧だと評した。天つゆはミヤの母親が作っていて、出汁の香りがまったく違うとリュウジは話している。

リュウジによれば、この店は寿司屋時代からつまみがおいしかった。寿司を握るだけでなく、つまみも出し、頼めばコースも組んでくれる店だったという。

27:04

初めての恋人を連れて来た夜

リュウジは、初めてできた恋人を連れて来たのもこの店だったと明かした。当時あまりお金を持っていなかったのに、出されたものを全部食べてしまった。会計のとき、店主は「今いくら持ってる」と聞き、本当はもっと高いけれど、恋人を連れてきているのだから出せる金額でいいと言ってくれたという。リュウジは、こんなことは一生忘れないと話し、改めて感謝を伝えた。そのうえで、今食べてもとてもうまいことに感動している。

フグの唐揚げをハイボールと楽しむ場面では、リュウジがもう40歳になったことにも話が及んだ。店主の息子、つまりミヤと同い年だという。

28:46

柿のサラダと、ミヤの母親に注意されたこと

終盤には柿のサラダが出た。インスタグラムで見た料理を作ってみたものだという。人気の品で、リュウジは酒飲みの好みを分かっていると評した。

ミヤの母親は、リュウジが若い頃によく叱られたことを覚えていた。ひとつは、人と話すときに目を見ないこと。体は小さくても目を合わせないと偉そうに見られる、と注意されたという。もうひとつは貧乏ゆすりで、これもやめろと言われていた。リュウジは、貧乏ゆすりはリラックスしているときに出てしまうので勘弁してほしいと頼み、ぎりぎり許してもらったと笑っている。

32:28

「人に金は貸すな、あげろ」という教え

リュウジは、店主夫婦によく言われた教えとして「人に金は貸すな」を挙げた。この言葉は店主のものだという。お金を貸してほしいと言ってくる人がいたら、そのとき出せる金額を渡して「これしか出せないから持って行ってくれ」と言えばいい。貸すのではなく、出せる分をあげればいいという考え方である。リュウジはこの教えを今も覚えていて、実際にかなり実践していると話した。

締めの茶碗蒸しについて、リュウジは出汁がしっかり効いていると喜び、またこの人たちの料理を食べられると思っていなかったと語った。店主は「うちは素朴だから」と謙遜した。リュウジは、普段からたくさん食べている自分が言うのだから本当においしいと返している。さらに、うまいものを食べてほしいという気持ちが料理に表れていること、店がきれいで清潔感があり、飲食に誠実に向き合っていることが分かるとも話した。

35:20

締めの後に

締めの挨拶で、リュウジは改めて視聴者に頼んだ。この動画は公開するが、来るなら予約をしてほしい。店も、満席なら断るので余裕のあるときだけ来てほしいと話している。

撮影を締めた後も会話は続いた。リュウジは、ミヤを「俺の人生に影響与えた人間のトップ3」、もしかしたらトップかもしれないと語った。2人は互いに怒ったことも怒られたこともあり、取っ組み合いの喧嘩をしたこともある。それでも翌日には謝り、今も一緒に飲んでいる。そうした関係を確かめ合いながら、2人は改めて乾杯した。