冷凍里芋といりこ・カツオで作る山形内陸風の芋煮——リュウジの「簡単版」とカレーうどんのシメ

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概要

料理研究家のリュウジが、動画内の「ママ」キャラクターとして、山形の郷土料理である芋煮を家庭向けに作る回である。山形の芋煮会ではショベルカーで鍋をかき混ぜるほど大がかりに作られる。リュウジはこの料理を「山形の人でなくても超簡単にできる」形に組み直して紹介する。冷凍里芋を使う理由、山形の味を再現するための出汁の工夫、残り汁で作るカレーうどんのシメまでを順に追う。ただしリュウジ自身は、これは山形の人の監修を受けたものではなく、本人の解釈による芋煮だと繰り返し断っている。

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山形の芋煮と、今回作る「内陸風」

冒頭でリュウジは、山形には芋煮会でショベルカーを使って作る芋煮があると紹介する。そこで使うショベルカーは毎年新調されているという話も添えた。最近は山形料理を続けて扱っているので、そろそろ芋煮をやるべきだというのが今回の動機である。

芋煮は地域によって味が違い、内陸は醤油味、庄内は味噌味らしいとリュウジは説明する。山形では牛肉を使う。今回作るのは内陸風の醤油味の芋煮だ。ごぼうや大根を入れる作り方もあるらしいが、今回は里芋、牛肉、きのこ、こんにゃく、長ねぎというシンプルな材料に絞った。本当は生の里芋から作る版もやろうと考えたという。そちらの方が美味しいが、多分みんなやらないだろうと判断し、簡単バージョンにしたと話している。

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なぜ冷凍の里芋なのか

里芋は冷凍品を500g使う。リュウジがまず強調したのはここである。冷凍里芋は下処理が済んでいる。生の里芋は皮をむき、一度煮こぼしてからでないと使えない。生のまま鍋に入れると煮汁がどろどろになってしまう。そのため家庭で作るなら絶対に冷凍里芋が良く、スーパーで売っているとリュウジは言う。

食事中の雑談では、袋の容量も話題になった。店ではおおむね250〜300gの袋と500gの袋が売られている。今回のレシピは500gを1袋丸ごと使い切る分量で組んだ。250gの袋なら全体を半量にして作ればよい。余った里芋は冷凍庫で忘れられがちなので、使い切れるのは利点だという点で、リュウジとスタッフの意見は一致した。

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牛肉・きのこ・こんにゃく

牛肉はオーストラリア産の牛バラの切り落としで、とても安かったという。国産の方が良いと言えば良いが、海外産でもすごく美味しいので安い方を買ってきてほしいとリュウジは勧める。牛バラがあれば牛バラが良いとも言う。薄切りなので下処理はせず、そのまま鍋に入れる。

きのこは、山形だからということで舞茸とひらたけを使った。舞茸は味がすごく強いが芋煮にはよく合う。ひらたけは食感が良く、リュウジが好きだから選んだ。他のきのこで代用してもよいとしている。どちらも手で裂いて入れる。

こんにゃくは手間を最小限にしている。袋から出し、蛇口から出るお湯で洗うだけで、茹でこぼしはしない。スプーンでちぎると味がしみやすくなる。こんにゃくに入っている黒い粒についても少し話した。リュウジによれば、あれは海藻で、昔の名残として入れているだけで本来は入れる必要がないと聞いたことがあるという。ただし確かなことは言えないので、詳しい人はコメントで教えてほしいと呼びかけていた。白いこんにゃくもあると補足している。

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長ねぎの「青い部分」

長ねぎの扱いにはリュウジのこだわりがある。収録では、買ってきた長ねぎが1本折れていた。しかも青い部分がほとんどない、白い部分ばかりのものだった。リュウジはこの料理では青ねぎの部分がすごく大事だと言う。関東ではあまり使わないが、たとえばうどんでは青い部分を使うだろうとも話す。

切り方は斜め切りにしたが、焼き鳥のねぎのようにぶつ切りにする地域もあるという。視聴者には、家に残っている青い部分も使ってほしいと勧めた。長ねぎを除けば、切る作業はほとんどない。

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煮るだけで炒めない

芋煮は炒める工程がなく、本当に煮るだけの料理だとリュウジは説明する。炒める工程があったらショベルカーでは作れないだろう、という冗談も交えている。

手順はこうだ。まず水850ccを鍋に入れ、こんにゃくを入れる。こんにゃくはいつ入れてもよいという。続いて牛肉、里芋、舞茸を入れる。長ねぎはまだ入れない。

リュウジは以前、老人ホームで料理を作っていた。そのときに芋煮を何度も作ったという。おじいちゃんおばあちゃんは煮物系が好きで、作りやすいこともあって、芋煮はすごく人気のメニューだったと振り返る。

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牛肉のアクは取る、豚は取らない

牛肉を入れるとアクがかなり出るので、リュウジはこれを丁寧にすくう。リュウジ自身はきのこまで入れてからアクを取るが、タイミングは人によって違うので好みで調整してよいという。

スタッフから、アクを取らないと味が違うのかと聞かれ、リュウジは違うと答えた。特に今回のように澄んだスープの芋煮ならアクは取った方が良い、牛のアクは強いからだという。一方、豚のアクはあまり取らない。牛のアクは黒っぽく見た目が良くないので取ってしまう、豚のアクはそこまで黒くない、というのがリュウジの説明である。今回は思ったほどアクが出なかった。

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山形の「出汁入り醤油」をどう再現するか

味付けで、リュウジは今回の工夫を説明した。山形の芋煮のレシピを調べると、出汁を入れているものもあるが、多くは醤油だけで味をつけている。理由を調べると、山形では出汁入りの醤油がよく使われているらしいことがわかった。それで作る芋煮が美味しいらしい。

その醤油を手に入れたかったが、視聴者にその醤油を買ってくれとはなかなか言えない。そこでリュウジはその醤油の成分表を確認した。カツオといりこが入っていたので、普通の醤油にカツオといりこの出汁を足せば、向こうの味に近づくのではないかと考えた。

ただしリュウジは、料理好きの山形の人のコミュニティを知らないので本当のところはわからないと断っている。今日は自分なりに解釈した芋煮なので、「こんなの芋煮じゃない」とは言わないでほしいと先回りして頼んでいた。

調味料は次の通りである。

  • 砂糖:大さじ1。どの文献を見ても入っているので、甘さを出すために入れる。
  • 醤油:大さじ5。今回は醤油味なので、ここがいちばん大事だという。
  • みりん:字幕では分量が聞き取りにくい。概要欄のレシピでは大さじ3。
  • いりこだし(顆粒):小さじ2と1/3で、スティック1本分ほど。いりこがなければ昆布だしでもよい。
  • 鰹粉:大さじ2で、約10g(大さじ1が約5g)。

鰹粉がなければ、花かつおを砕いて粉にしてから入れるのがポイントだという。削り節のまま入れると歯に挟まるからだ。それならほんだしといりこだしでいいのでは、と思う人もいるだろう。しかしリュウジは、生のカツオの風味はやはり違うと答えている。いりこだしについても、すごく美味しいと思ったから使っているという。

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弱めの中火で15分、あとは放っておく

調味料を入れたら蓋をして煮込む。火加減は弱めの中火で、火力メーターなら1〜5のうち2くらい。時間はおおむね15分としている。リュウジによれば、15分でも味はかなりしみる。20分、30分と長く煮るほど里芋に味は入るが、煮すぎると里芋が崩れやすくなる。目安は15〜20分、長くても30分程度だという。

煮ている間にアクを取る必要はあるかとスタッフが尋ねた。リュウジは鍋を見せ、最初にしっかり取っておけばその後はほとんど出ないと答えた。あとは蓋をして放っておくだけである。こんなに簡単なら日々の食事になる、それを伝えたかったとリュウジは言う。ご飯と一緒に食べてもよく、シメも用意しているとした。

15分後に蓋を開けると、里芋はきちんと煮えていて、煮汁は澄んでいた。最も気をつけるべきは里芋が煮えているかどうかだとリュウジは念を押している。

18:07

長ねぎは最後に入れる

長ねぎは最初には入れない。入れると、とろとろになりすぎるからだ。最後に入れて3分ほど煮る。老人ホームで作っていたときもこの手順だったという。ただ当時は白だしを使っていて、最近はいりこが好きなので、いりこだしに替えている。

仕上げにリュウジは味見をして、塩を2つまみ加えた。普通は入れなくてよく、自分の好みに合わせただけだとしている。これで山形の内陸風芋煮の完成である。

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試食:澄んだ出汁と海外産牛バラ

食べてみて、リュウジとスタッフはまず出汁の強さを挙げた。スタッフは、関東の煮込みのようでいて味は関西っぽいという感想を述べている。最初に一度アクを取っただけで、ここまですっきりするのかという驚きもあった。

リュウジは、出汁をがんがん入れているのではなく、カツオが効いているからだと説明する。肉が国産ではないことにも触れた。海外産でもバラはとても美味しいという。リュウジは七味唐辛子が好きなので、途中で七味を振って味を変えている。お酒に合うという。

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シメ:残り汁をカレーうどんにする

リュウジは、芋煮は絶品のシメまでやってほしいと強調する。芋煮を2/3ほど食べたあたりでシメに入るのが目安だ。

作り方は次の通りである。残った汁に水を100ccほど足す。薄まった分を補うため、いりこだしを小さじ半分ほど加える。冷凍うどん2玉は電子レンジで5分ほど温めておく。火を止めてカレー粉を大さじ1と1/2ほど入れ、水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1程度)でとろみをつける。

鍋に残った里芋は、食べやすいように軽くつぶす。カレーに入ったじゃがいもがうまいのだから里芋がうまくないわけがない、とリュウジは言う。うどんを入れて軽く煮込み、残り汁の量によって塩で調整する。このルーはご飯にかけても美味しいという。リュウジによれば、この食べ方は山形の人たちもやっているそうだ。

食べた2人は、魚介の出汁と牛の出汁が合わさったダブルスープにうどんを入れるのだから、うまくないわけがないと評した。牛出汁の効いたうどんは他ではなかなか食べられず、芋煮をやらないと食べられない味だという。リュウジは、この食べ方を最初に考えた人は天才だと言った。最初は普通のうどんでいいのではと思っていたというスタッフも、牛でやるならカレーうどんにした方がいいと納得していた。酸味がなく出汁感の強い味なので、関西の人もきっと好きだろうという点でも2人の意見は一致した。

芋煮は店で食べられるのか

最後にスタッフが、山形では芋煮を店でも出すのかと尋ねた。リュウジは、芋煮を出す店があるのかよくわからないと答えている。芋煮はみんなで集まって作る家庭料理的なものという印象があるという。それでも、自分たちのような「にわか」は店でも食べてみたいと話した。

動画は、作り方が簡単でシメまで楽しめるのでぜひ作ってほしいという呼びかけで締めくくられる。あわせてリュウジは、山形の人に向けて「もっとこうしたらいい」という点があればコメント欄で教えてほしいと頼んでいた。今回の芋煮があくまで山形の外から解釈したものであるという留保は、最後まで残されたままである。