リュウジの「生ハムの冷製塩パスタ」:玉ねぎソースと味の素で作る塩味の冷たいパスタ

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概要

料理研究家のリュウジが、毎年1品は出しているという冷製パスタの今年版を作った。これまでの冷製パスタはトマトソースが多かったが、今回は塩味である。材料は生ハム、玉ねぎ、レモン、にんにく程度で、リュウジは「最高に美味しい」と言い切っている。ソースに火を通さない作り方の理由や、生ハムの選び方、味の素の使い方についての持論も語られた。合間におつまみの「なめたま」も作っている。

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なぜそうめんではなくパスタなのか

リュウジはまず、冷たい麺にパスタを使う利点を挙げる。一つ目は安さだ。そうめんは手延べだと高く、意外と値が張る。使っているのは1.5mmのプレミアム系のパスタで、1食100円ほどだという。そうめんはお中元などでもらう機会も多いが、何度も食卓に出すなら安いもののほうがいい、というのがリュウジの考えだ。二つ目はうどんと違って冷凍ではないので、場所を取らないことである。

今回のパスタはペペロンチーノとも違うものだと説明している。レモンはフレッシュのほうが望ましいが、ポッカレモンのような市販のレモン汁でもまったく問題ないとのことだった。

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ソースの主役は生の玉ねぎ

撮影ではスタッフの分も含めて2食分を作ったが、分量は1人前で示している。玉ねぎは1人前50g。ぶんぶんチョッパーを使ってもいいが、リュウジは包丁のほうが得意なので包丁でみじん切りにする。今回は「玉ねぎソース」と呼べるほど玉ねぎが重要で、みじん切りにした玉ねぎが「いい味を出す」と話していた。

生の玉ねぎだと辛くないのかとスタッフが尋ねると、リュウジは辛くならないと答えた。ソースを作って置いておくと、塩の効果で玉ねぎの辛みが抜けるからだという。心配なら水にさらしてもいいが、たぶん大丈夫だとしている。辛みが苦手な人にも、玉ねぎをソースにする使い方はとても良いと勧めていた。

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料理には「偽物」の生ハムがいい

生ハムについては、スーパーで売っている日本製のパック入りが料理には向くと言う。リュウジ自身はこれを冗談めかして「偽物の生ハム」と呼び、料理に使うならこちらが好きだと話す。

リュウジの説明では、プロシュートやハモンセラーノのような高価な生ハムは、本国でしっかり熟成させて作るもので、日本の生ハムとは製法がまったく違う。日本の生ハムは液に漬けて作られ、旨味調味料も入っている。一方、本国のものは塩分がかなり強く、酸化すると臭みが出る。

その例として、リュウジはスペイン料理店での体験を語った。グレードの高い高級生ハムを頼んだところ、臭かった。生ハムそのものの匂いではなく、高価なため注文が少なく、酸化した匂いが出ていたのだろうとリュウジは見ている。だから生ハムは、スライス済みのものよりブロックで買ってその都度切るほうが美味しいという。店にある大きな塊から切る方式なら、表面は酸化していても、切り出した面は新鮮だからだ。

家庭で作るなら、イオンで売っているようなパック詰めの日本製生ハムで十分で、食べやすいとしている。本国のものより日本製のほうが美味しいと感じる人もいるのではないか、という見方も示した。生ハムは包丁で刻まなくても手でちぎればよく、量は30〜40g程度。普通の生ハムよりはしょっぱくないとはいえ、塩気はそれなりにあると注意している。

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調味料の組み合わせと「火を通さないオリーブオイル」

玉ねぎと生ハムを入れたボウルに、次の調味料を加える。

  • レモン汁:小さじ1
  • 塩:小さじ1/4
  • 醤油:小さじ1
  • 味の素:6振り
  • 黒胡椒:たっぷりめ
  • オリーブオイル:大さじ1と1/2
  • おろしにんにく:3g

味付けは酒に合う方向を意識している。撮影では2食分のうち一方をポッカレモンにして、生レモンとの違いを比べることにした。醤油は小さじ1なので醤油味にはならず、味をまろやかにする役割だという。塩気のほうが立つのは、生ハムと合わせるためである。

黒胡椒はリュウジの電動ミルで少し粗めに砕く。普通の手回しのミルではここまで粗くならないそうで、胡椒は粗いほうがいいとのこと。なければ粗挽き胡椒を振れば十分だとしている。

オリーブオイルはJ-オイルミルズのものでいいと言う。普段のパスタではオイルの一部を最後に回しかけることが多いが、今回は分けずに最初から入れる。ソースに火を通さないので、オイルの風味がフレッシュなまま残るからだ。おろしにんにくは最初「5gくらい」と言いかけ、3gで十分だと訂正した。ガーリックパウダーなら6振り程度。にんにくのパスタではないので、多くは入れないという。

全体を混ぜたら冷蔵庫で冷やしておく。レモン汁の代わりにポン酢を使ってもいいという話も出た。

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味の素はチーズの代わりとして使う

この回でリュウジが長めに語ったのが、味の素の使い方である。イタリアではこうした旨味をチーズで補うが、パルミジャーノ・レッジャーノは普通の家庭ではなかなか買えない。そこで味の素をチーズの代わりに入れると、チーズを入れたように美味しくなる、とリュウジは説明する。

昆布だしや鶏ガラスープではなく味の素を選ぶ理由は、香りがないことだという。香りをつけないので、生ハム、玉ねぎ、オリーブオイルといった素材の味が主役として生きる。リュウジによると、この「香りがない」という性質を生かした調理をしている人は、YouTuberにも料理研究家にも料理人にもほとんどおらず、たぶん自分だけだという。味の素を使うことを批判する人もいるが、本当の使い方を分かっていないとも述べた。

話題は「森田さん」と呼ばれる人物にも及んだ。リュウジによると、その人は建築家で、料理が理屈で組み立てられているので旨味調味料を上手に使えるという。逆に理屈ではなく感覚で作る「天才」タイプの人は味の素を使わない。リュウジは、使えないと言うほうが正しいかもしれないと付け加えた。勉強しないと味の素は使いこなせない、というのがリュウジの見方で、使い方を身につければこれほど便利なものはないと話していた。

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アレンジの提案

パスタを茹でる湯は多めに沸かす。オリーブオイルベースのパスタなので、具を足すならアスパラガスやレタスなどを混ぜても美味しいという。アスパラを使う場合は、麺と一緒に茹でるといいとしている。

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湯が沸く間に作る「なめたま」

湯を沸かしている間に、リュウジはなめこと卵で一品作った。パスタだけではタンパク質も野菜も足りないので、それを手軽に補うつまみという位置づけである。

卵2個を溶いて軽く塩胡椒し、油をひいて強火で焼く。シリコンスプーンで寄せながら火を入れ、半熟になったら火を止めて取り出しておく。同じフライパンになめこを袋から直接入れて軽く炒める。スタッフはなめこを炒めたことがないと言っていたが、リュウジは炒めると美味しいと勧め、ハムやベーコンを足してもよさそうだと話した。なめこは火を通せばすぐ食べられる。

ここに鶏ガラスープの素を小さじ1/3、水を大さじ2加える。少し水分が入るのがポイントだという。炒めてもなめこのぬめりは消えず、水を加えることでむしろぬめりが戻ってくる、とリュウジは説明した。そこに卵を戻して一瞬で混ぜ、味が薄ければ軽く塩胡椒して完成。酒のつまみにもご飯のおかずにもなる。

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茹で湯の塩分は1.5%、茹で時間は表示より長め

茹で湯の塩分は普段より強めにする。普段は約1%だが、今回は水1Lに対して塩15gの1.5%。冷水で洗うと塩分が抜けるので、その分を見込んで少ししょっぱい湯にする。

麺は1.5mmか1.4mmくらいの細めがいい。カッペリーニでも美味しいが、そうめんのような味に変わるという。リュウジは、人は食感で感じる味がかなり変わると話した。

茹で時間は、表示の6分ではなく6分半から7分。冷水で締めると麺が引き締まるので、冷製では長めに茹でるという。ここでリュウジは、冷製パスタという文化はイタリアにはあまりないと話した。麺を冷たくすること自体が日本的で、以前作った冷やしカルボナーラのようなものは本場にはない。カルボナーラは冷やすものではない、とも言う。一方で日本人は冷やし中華のように冷たい麺が大好きだとし、イタリアにも冷製パスタはあるが多くはない、と補足した。

麺の太さについては、太いと硬く締まりすぎるので細いほうがいいとしつつ、最近流行りのワシワシした太麺のような食感が好きな人には、太麺の冷製も美味しいと話した。ただし、その場合はソースをかなり濃くしなければならない。今回はオイルのさっぱりしたベースなので、そうした調整はいらない。少し硬めが好みなら6分半くらいでいいという。

冷やし方と水気の切り方

麺を待つ間に、ボウルにたっぷりの氷水を用意する。夏はきちんと氷水を張ったほうがうまいとリュウジは強調した。このタイミングで洗い物もしている。視聴者から洗い物をしないと言われることがあり不服なので、ちゃんとしているところを見せたい、という理由だった。皿は冷やしておくとなお良い。そこまでしなくてもいいとしつつ、撮影では皿を冷凍庫で冷やしていた。

茹で上がった麺は流水で冷やしてから氷水で締める。今回は2人前なので流水を併用したが、1人前で手が熱くないなら、絶対に氷水につけたほうがいいという。「冷製は冷えていれば冷えているほどうまい」というのが、リュウジ自身の好みである。

重要なのは水気をしっかり絞ること。水気が残ると味がぼやける。インスタグラムではキッチンペーパーで水気を取る人もいて、リュウジも昔はそうしていたそうだ。ただ、毎回キッチンペーパーを使うのは手間だという。冷やしたソースと麺をよく混ぜ、盛り付けでは麺を少し巻きながら盛ると見栄えがいい。仕上げに黒胡椒と乾燥パセリをかけて完成となる。

実食:玉ねぎの効いた塩パスタとワイン

試食では、なぜか定期的に送られてくるというワインを開けた。リュウジ自身も中身の説明を聞いていないので、何のワインかよく分かっていないという。

先に食べたなめたまは、シンプルで、ちょっとしたつまみにちょうどいいと好評だった。味が濃すぎないので、ワインにも合うとリュウジは話した。

冷製パスタについてリュウジは「とんでもなくうまい」と言い、塩パスタにした意味が分かったと述べた。生の玉ねぎは辛くなく、むしろいいアクセントになっていて、生ハムも効いているという評価だった。スタッフからは、表参道で2,000円取っても文句は出ない、という声も上がった。生レモンとポッカレモンの食べ比べについては、どちらがどちらだったか誰も覚えておらず、リュウジは「多分だけどどっちも美味しい」と笑っていた。

塩気は生ハムがあるぶん少し強めなので、気になる人は塩を小さじ1/4から1/5程度に減らしてもいいという。ただ、夏は汗をかくので自分たちはこれくらいでいい、とも話していた。

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オリーブオイルの追いがけで味は変わるか

最後に、仕上げにオリーブオイルをかけて食べ比べた。リュウジは冷製だから変わらないと思っていたが、実際には変わったと述べている。ワインと合わせるなら絶対にやったほうがいいという。J-オイルミルズのオリーブオイルは癖がなく、玉ねぎの香りが強く出るこの料理では、香りの強いオリーブオイルでなくてもいいと説明した。広告案件のような流れになったことを笑いつつ、案件ではないと念を押していた。

締めくくりの話題は再びなめこだった。リュウジによると、なめこのレシピはこれまで、令和ロマンの2人と即興で作った動画の1本しか出していない。なめこが主役のレシピもやってもいいかもしれない、と話して撮影は次へ移った。