生米から15分、リュウジの「至高のトマトリゾット」

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概要

料理研究家のリュウジは、自分のトマトリゾットのレシピをインターネット上に一度も公開していなかった。そこで「緊急で」動画を撮ったという。リゾットは炊いたご飯がなくても作れ、生の米から短時間で仕上がる。リュウジはこの料理をもっと広めたいと考えている。動画では同席するスタッフと話しながら1人前を作り、煮込みの合間に副菜も1品作る。最後に、SNSで受けた「栄養が足りない」という指摘への考えを述べている。

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材料はシンプルに、1人前から

材料はニンニク、玉ねぎ、ホールトマト缶、米だけだ。キノコなどの具を入れたい人は入れればよいが、今回は「基本のリゾット」なので具は入れず、トマト味だけのシンプルなものにするという。

以前のレシピは2人前で作ることが多く、「1人前の分量が分からない」と言われてきたため、今回は1人前で作る。米はおよそ90gで、1人前よりやや多めになる。食べる量は人によって違うので80gでもよいとリュウジは言う。玉ねぎは60gほどで、細かく刻めば十分だ。

トマトはホールトマト缶を使う。今回は冷凍のストックがなかったので缶を開けた。使うのは半分の200gで、残りは袋に入れて冷凍しておけばもう1回分作れると説明している。

2人前の倍率をスタッフが尋ねると、リュウジは「ワンパンパスタ理論とは違う」と答えた。要点はたっぷりのお湯を用意することで、それさえあれば作れるという。

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焦がしニンニクを日本人好みの香りに

鍋とは別に、水500ccを沸騰させておく。これでリゾットを煮ていく。

フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、最初は強火で炒める。リュウジが「すごく重要」と言うのは、ニンニクを焦がすことだ。イタリアのリゾットでは一般にニンニクを焦がさないが、少し焦がしたほうが日本人好みの香りになり、トマトソースにも焦がした香りがよく合うという。ただし焦がしすぎると苦味が出るので、ガーリックチップくらいの色を目安にする。

その後に玉ねぎを加える。この日は玉ねぎで目がしみ、リュウジは包丁の切れ味が悪かったせいかもしれないと話した。切れない包丁は玉ねぎの繊維をつぶしてしまうので目にしみる。研ぎたての包丁で切ればまったくしみないそうで、簡易的なものでもいいので包丁は研いだほうがいいと勧めている。

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トマトは米と一緒に炒め煮にする

玉ねぎを炒めたら生米を入れ、油になじむまで炒める。続いてホールトマトもフライパンに直接入れる。リュウジによれば、トマトを水で割った「トマト水」で煮るレシピのほうが一般的だ。それでもフライパンに直接入れるのは、米にトマトの味がつき、そのほうがうまいからだという。

そこへ沸かしておいたお湯を、米がひたひたに浸かる程度まで注ぐ。あとは常に沸いている状態を保ち、15分煮るだけだ。

お湯を使う理由も説明している。水を入れると沸くまでに時間がかかり、その間にでんぷんが出て、仕上がりの悪いリゾットになる。そのため、別の鍋でお湯を沸かしておくことが「非常に大事」だという。

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塩・砂糖・うま味調味料で味を決める

味付けは塩小さじ1/2から始める。トマトは酸っぱいことがあるので、パスタのときと同じように砂糖も小さじ1/2入れる。うま味調味料はハイミーを6振り使い、なければ味の素でよい。

昆布だしでも代用できる。ただし昆布だしだと昆布の香りがつく。うま味だけを足せる調味料のほうが「純粋なトマトリゾット」に近くなるとリュウジは説明している。

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お湯は一度に入れず、継ぎ足していく

煮込みは中火で行い、米が水分を吸って鍋底が見えてきたらお湯を足す。ただリュウジは、そのタイミングは「割とどうでもよくて」、15分煮ることのほうが大事だと言う。

最初から大量の水を入れない理由も説明している。水が多いと米が鍋の中で「踊って」米同士がぶつかり、でんぷんが出すぎてもったりした仕上がりになる。それも悪くはないが、リュウジは一気に入れずに継ぎ足すやり方をとっている。

こうした手順の背景には米の違いがある。本場のリゾットはジャポニカ米ではなくカルナローリという米で作り、日本の米より水分が少ない。日本の米でリゾットを作るのは「難しい技」ではないが、やり方が違うのだとリュウジは話している。

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水分量よりも時間を守る

水分の飛び方は使うフライパンによって変わる。大きいフライパンは熱が伝わる面積が広いので水分が飛びやすく、お湯を多く使う。小さいフライパンなら少なくて済む。この日はIHの火力7で、大きいフライパンを使っていた。

そのため、お湯を何cc使ったかは気にしなくていいという。500ccを全部使うこともあれば、足りないこともある。家庭の火加減によって違うので、たっぷりのお湯を沸かしておき、ひたひたの状態で15分煮れば必ずリゾットになる、というのがリュウジの説明だ。分量より時間が大事で、2人前でも同じだという。

付きっきりでなければいけないかとスタッフが尋ねると、リュウジは「放置してもいい」と答えた。ただし水分がなくなったら足す必要がある。この感覚がつかめていれば、15分間付きっきりにならなくてもよいという。

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煮込みの合間に副菜:ちくわとエリンギのバター柚子胡椒炒め

煮込みの途中で、リュウジはX(旧Twitter)で「自分の料理は栄養が足りない」と言われたことに触れた。トマトと米だけのリゾットでは野菜が足りないし、1品ですべてを補うのも難しい。そこで、煮ている間にもう1品作る。

冷蔵庫に余っていたエリンギを手で裂いて100gほど使い、バターと柚子胡椒で炒める。途中でリュウジは「タンパク質が足りない」と気づき、ちくわ2本を輪切りにして加えた。

柚子胡椒は小さじ2/3ほど入れる。バターと柚子胡椒はとても合い、ちくわが入ると魚介のうま味も加わるという。リュウジが使っている瓶の柚子胡椒はしっかり味がついており、ちくわ自体にもうま味があるので、うま味調味料は入れずに醤油を軽く回しかけて仕上げた。リゾットを作る間に簡単にできる「添えもの」として紹介している。

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15分後の仕上げ:好みの濃度に調整する

15分煮た時点では、まだ水分が多く「しゃばい」状態で、完成ではないとリュウジは言う。必ず味見をする。この時点で米はかなりアルデンテなので、もっと柔らかいほうがよければあと5分ほど煮る。

そこから火を強めて水分を飛ばし、自分の好みに調整する。リュウジはもう少しもったりしたほうが好きなので、さらに火を入れた。ベタッとしたのが好きな人もさらっとしたのが好きな人もいるので、ここは各自で調整するしかないという。リュウジの好みは、鍋を傾けたときにとろっとして、線が引けるくらいだ。この日、沸かしたお湯は少し残った。

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粉チーズではなくピザチーズを使う理由

仕上げのチーズは、多くの人が使う粉チーズではなくピザチーズにする。ひとつかみ、30〜40gほどだ。理由はコストで、リュウジによれば粉チーズは1本300〜400円ほどする。リゾットにたっぷり入れようとすると1食で100円くらいかかってしまう。ピザチーズなら安いものを買えば数十円程度で済む。この日もスーパーの安いピザチーズを使った。本場のリゾットなら削ったパルミジャーノを使うところだが、日本のピザチーズはおいしく、リゾットにもよく絡むので、最近はこちらを使っているという。

チーズを入れたらヘラで乱暴に混ぜず、さっくり和える。かき混ぜても間違いではないが、混ぜすぎると米が削れてもったりした食感になるという。最後に少し良いオリーブオイルを回しかける。なければ安いもので構わない。器に盛ってパセリを振れば完成だ。リゾットはスピードが大事なので、手早く盛り付ける。副菜には刻みねぎを散らした。

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試食:アルデンテの軽い仕上がり

試食したスタッフは、トマトの風味とチーズのコクがあり、自分が作るものとはまったく違うと感想を述べた。リュウジによれば、この仕上がりはアルデンテだ。塩加減は控えめにしているので、好みで食べるときに塩を一振りしてもよいという。スタッフも、一振りすると味が締まる感じがすると話している。2人とも「軽い」と評価していた。

副菜のちくわとエリンギの炒め物も好評だった。スタッフは「これが優勝じゃん」と言い、リュウジもうま味調味料はいらなかったと振り返った。柚子胡椒は瓶入りでもチューブでもおいしいという。

量については、90gの米でできるリゾットはかなり多い。コース料理なら2人前ほどになるが、リュウジなら1人で食べてしまうし、空腹なら1人前でもいけるという。倍量を作るときはすべての材料を倍にし、たっぷりのお湯を用意して、ひたひたでぐつぐつ煮える状態を15〜16分保てばよい。ワンパンパスタより簡単かもしれないとリュウジは話した。

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アレンジと、リゾットを広めたい理由

このリゾットは辛みがないので子どもでも食べられる。辛くしたい場合はラー油や一味唐辛子などを足せばよい。具を入れるのも簡単で、キノコなら仕上がりの5分前くらいに入れれば問題ないという。ブロッコリーも合うし、シーフード、ベーコン、ハムなども入れてよい。今回のレシピは「基礎」なので、自分の好きな食材を加えてほしいとリュウジは言う。

リュウジ自身、若い頃はリゾットばかり食べていた。人が来るときにもよく作り、評判がいいという。人にはあまり出さない料理なので、「今日は生からリゾットを作るからちょっと待っててね」と言えるのは少しかっこいいのではないか、とも話している。収録中に酒を飲むのを忘れるほど真剣だった理由については、こんなに簡単で使いやすい調理法なのにみんながリゾットを作らないからだと説明し、パスタを作る感覚でリゾットも作ってほしいと語った。

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栄養バランスへの指摘に対する考え方

締めくくりにリュウジは、SNSで自分のパスタが「具が入っていないから栄養バランスが悪い」と言われ、話題になっていたことに触れた。リュウジの考えはこうだ。料理を食べる人それぞれが、タンパク質が足りないと思えば足すように、自分で考える力を養ったほうがいい。そういう考え方ができれば、どんな料理でもおいしく食べられる。自分が1食で完全な栄養食を作るより、見る人の考え方が変わるほうが、いろいろな食事を楽しめるはずだという。

そのためリュウジは、この考えを変えるつもりはないと明言した。そのうえで、今回のような副菜は今後も紹介していくと述べている。