茹でてから焼く「むねトロ焼き」:鶏むね肉を柔らかく仕上げる手順と、油なしで作る「無限きのこ納豆」

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概要

料理研究家リュウジの「休肝日クッキング」の回で、鶏むね肉の炒め料理が紹介された。リュウジはこれまで鶏むね肉のレシピを数多く出してきたが、今回の「むねトロ焼き」は「鳥の炒めの中では一番柔らかい」と話す。材料はほぼ鶏むね肉だけで、手順の要点は、片栗粉をまぶした肉を一度湯にくぐらせ、そのあと焼くことにある。肉だけでは栄養が偏るため、副菜として、しめじとエリンギを油なしで炒めて納豆と和える「無限きのこ納豆」も作った。

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繊維を断つように斜めに切る

使うのは350gほどの鶏むね肉1枚である。リュウジはまず肉を半分に切り、繊維の向きを確認してから、繊維を断つように切っていく。真横ではなく斜めに包丁を入れるのがポイントだという。垂直に切ってもよいが、斜めのほうが繊維をよく断てるので柔らかくなる、というのがリュウジの説明だ。聞き手が「鶏むね肉を垂直に切っている料理家はあまり見ない」と言うと、リュウジはこう切ると柔らかく仕上がると答えた。

大きさは一口で食べきれる程度にし、薄くしすぎない。今回はご飯のおかずにするため、食べ応えを残すことを優先している。リュウジは、鶏むね肉の調理法は需要が大きいので、レシピはいくつあってもよいと考えている。

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下味は液体塩こうじ、柔らかさの元は片栗粉

切った肉には液体塩こうじで下味をつける。リュウジ自身の商品で、今年はあまり登場していなかったという。塩こうじには肉を柔らかくする働きがあり、うま味もつくと説明した。分量は350gの肉に対して大さじ1と小さじ1。塩こうじに塩気があるので、塩は加えず、好みで後から振る。液体塩こうじがない場合は、塩小さじ半分と酒大さじ1で代用できる。ただしリュウジは、液体塩こうじのほうが味がついておいしいと勧めている。

肉を柔らかくするもう一つの材料は片栗粉だ。聞き手はすぐに水晶鶏を連想した。片栗粉も大さじ1と小さじ1ほどを加えてもみ込み、肉の表面をコーティングする。入れすぎると炒め物らしくならないので、量は控えめにする。漬け時間は5分から10分。長く漬けても効果はあまり変わらないとリュウジは言い、その間に副菜を作った。

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副菜「無限きのこ納豆」:油を使わずに炒めて水分を飛ばす

副菜にはしめじとエリンギを100gずつ、計200gほど使う。エリンギは半分に切ってから裂き、しめじも半分にしてほぐす。いつもより細かめにするのは、納豆と合わせたときに絡みやすく、箸でつかみやすくするためだ。リュウジは、この副菜は作っても作らなくてもよいと前置きしたうえで、主菜に野菜がないので、きのこと納豆でバランスを取るつもりだと説明した。聞き手が「ダイエットメニューっぽい」と言うと、リュウジもそうだと答えている。量が多めに仕上がるので作り置きにも向き、納豆はある程度日持ちするとも話していた。

調理法は炒める一択で、理由は「一番楽だから」だという。冷たいフライパンにきのこを入れ、油はひかずに火にかける。炒めると水分が抜けてきのこのうま味が凝縮し、それだけで納豆と合わせたときにおいしくなる。油を使うとカロリーが上がるので使わない。焼き色をつけるかどうかは好みで、目的は水分を飛ばすことにある。

調理中、きのこから水分が「ピーッ」と音を立てて蒸発した。リュウジはこの蒸発が大事だと強調する。茹でると余計な水分が加わり、うま味が凝縮しない。茹でるよりも、電子レンジで加熱するよりも、焼いたほうがきのこは味が濃くなってうまい、というのがリュウジの考えだ。

さらに水分を出すために塩をふたつまみ加える。リュウジによれば、塩を入れると浸透圧の影響で細胞壁が壊れて水が出てくる。油なしでもきのこにつやが出て、かさも落ち着いてくる。冷たいフライパンから徐々に温度を上げることで、うま味も引き出されるという。ヘラで押しつけるとさらに水が出る。この段階で味見をした聞き手は、塩だけなのにうま味が凝縮していると驚いた。リュウジは、このきのこは鶏肉の付け合わせにしてもよいと話している。

ここに納豆を加える。今回は2パック使ったが、1人で食べるなら1パックで十分で、きのこも半量でかまわない。付属のタレも2パック分入れる。タレのかつおだしと、きのこについた塩味だけで十分おいしいとリュウジは言う。味見をして、必要なら塩をひとつまみ足す。足さなくてもよい程度だという。かつお節と醤油だけで仕上げてもおいしいとも話していた。完成した副菜はいったん冷蔵庫で冷やしておく。

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鶏肉は「焼き」だが、まず一度茹でる

むねトロ焼きは「焼き」と名付けているが、一度茹でてから焼く。フライパンに水を入れて沸騰させる。リュウジは鍋ではなく「必ずフライパンでやってください」と念を押し、理由は後で分かると言った。

湯が沸いたら、肉を1切れずつ離しながら入れる。まとめて一度に入れるとくっつき、おいしくならないという。湯に入れると表面全体が固まり、半生の状態になる。リュウジはこれを水晶鶏の原理だと説明した。茹でる時間は1分弱と非常に短く、この時点では中まで火は通っていない。聞き手が「今のはコーティングするだけの作業か」と確認すると、リュウジはそうだと答えた。

茹でた肉を引き上げてフライパンに戻し、軽く油をひいて強火で焼く。最初から油で炒めるとカリッとした仕上がりになるが、先に茹でておくと表面に水分が残り、トロッとした食感になる。焼き始めると片栗粉が反応して、すぐにしっかりした焼き色がつく。焼く時間はごく短く、聞き手は「もう火を止めるのか」と驚いていた。

リュウジは、もう火は通っていると答えた。断面に赤い部分はなく、少しピンクが残るくらいが一番柔らかいという。コメント欄で「これで大丈夫なのか」と心配されることがあると聞き手が言うと、リュウジは「信じてください」と答えた。味付けをしている間にも余熱で火は入る。

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味付けは黒胡椒・ガーリックパウダー・アジシオ

味付けは火を止めてからする。黒胡椒をまんべんなく振り、ガーリックパウダーを8振りほど加えて和える。黒胡椒だけでもよいが、ガーリックパウダーを加えるとおいしくなるという。仕上げにアジシオか塩を振る。塩にするとさっぱりした味になる。これは好みで、振らなくても十分に味があるとリュウジは言う。

盛り付けた肉を箸で持ち上げると、するりと滑り落ちるほど柔らかい。リュウジは、むね肉にトロの部位があったのかと思うような柔らかさだと表現した。ただし調理法としてはあくまで炒め物で、水晶鶏を作ってから炒めたものだ、と繰り返し説明している。無限きのこ納豆には小ねぎを散らして仕上げた。

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試食:「最近の胸肉レシピでトップ」

熱いご飯にのせて食べた聞き手は、ひと口目で「リピート決定」と言い、ヘルシーでとてもおいしいと評した。普通に鶏ハムを作るよりおいしい気がするという聞き手の感想に、リュウジも同意する。リュウジ自身も、最近の鶏むね肉レシピの中でトップだと評価した。

リュウジは、片栗粉をまぶした肉をそのまま焼く方法も何度も試してきたという。そのうえで、茹でてから焼くほうが「絶対」においしいと話す。焼く工程を加えると表面の水分が飛び、うま味が凝縮する、というのがリュウジの説明だ。聞き手も水晶鶏を作ったことがあり、いろいろな人のレシピと比べても、焼きを入れたほうが圧倒的によいと言う。二人とも、水晶鶏を焼く作り方をしている人は見たことがないと話していた。

リュウジは柔らかさの理由を二つに分けて説明した。片栗粉のコーティングが肉の水分を逃がさないこと、そして塩こうじの効果で肉そのものが柔らかくなっていることだ。この二つが合わさって、トロを食べているような食感になるという。聞き手も、生ではないかと少し疑ったが、ちゃんと火が通ったうえで柔らかいと確認している。

鶏むね肉はパサつきやすく、上手な調理法が分からない人も多いだろうと二人は話す。リュウジは、このレシピなら失敗せずに誰でも作れると言う。茹で加減を自分と同じようにすればよく、もし火を入れすぎても少し硬くなる程度で、まずくなるわけではない。そのうえで、今回の火の通し方は「ベスト中のベスト」だったと自己評価した。

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味変・ダイエット・SNSでの広がり

二人は同時に、レモスコ(レモン風味のホットソース)が合うと思っていた。実際にかけてみて、リュウジは「合わないわけない」と話す。普通のレモンでもおいしいという。

リュウジは、ダイエット中の人にとてもよいレシピだと勧める。片栗粉は使うが量は多くない。聞き手は、肉が薄衣をまとったように黄金色に輝いていると表現した。

聞き手は最近のXの傾向にも触れた。画像を4枚まとめて投稿できるためか、鶏むね肉などのヘルシー食材を使ったリュウジのレシピを「これがうまい」とまとめて紹介する投稿が増えているという。聞き手の見たところ、そうした投稿をしているのは特に女性が多く、よく拡散されている。だからこのレシピも目に留まりやすい「X向き」の料理だ、というのが聞き手の見立てである。

ご飯もあっという間に一杯食べ終えた。リュウジは、むね肉はご飯のおかずにしにくいという思い込みがあったが、これはさっぱりしていながらご飯が進むと話した。

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きのこ納豆の評価とアレンジ

無限きのこ納豆について、リュウジは手間が少ないので、やる気がない日でも作れるだろうと話す。食べた聞き手は「体に優しい味」と言い、常備したい味だと評した。リュウジは、炒めてきのこの水分を凝縮させる方法がかなり好きだと言う。うま味調味料はあえて入れず、きのことタレのうま味だけで完成している、という評価である。

リュウジは、毎日の動画投稿や企業案件で忙しくしている自分が今欲しいのは、こういうご飯だと話した。こってりした洋食もよいが、たんぱく質と野菜をバランスよく取れる食事がよい、という。むねトロ焼きは弁当にも入れられる、という話にもなった。アレンジとしては、聞き手が梅を入れることを提案し、リュウジも合うだろうと答えた。

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発想のきっかけはセブン‐イレブンの「むね焼き」

このレシピを考えたきっかけについて、リュウジは次のように語った。安元さんが勧めていたセブン‐イレブンの「むね焼き」を食べたくて店に行ったところ、すでに販売が終わっていた。そこで自分で作れないかと考え、どうすればトロのような食感を出せるかを検討した。リュウジの中で一番柔らかいむね肉料理は、片栗粉をはたいて湯にくぐらせる水晶鶏だった。しかしそれだけでは水晶鶏にしかならないので、焼いてみた。そうするとご飯によく合うようになった、という経緯である。

聞き手が「ある意味、安元さんのおかげ」と言うと、リュウジは安元さんの貢献が大きすぎると笑った。リュウジは安元さんについて、下手な料理研究家より知識があるだろうと評価している。二人の間では今後のコラボの話も出ていた。

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9〜10年目でも新しい発見がある

最後にリュウジは、料理を始めて今年で9年目か10年目になると振り返った。これだけ長く続けていると新しいものを生み出すのは難しくなってくるが、今回のように挑戦することはとても大事だと話す。そして「やっぱ料理楽しいな、新しい発見がある」と語り、作れば必ずリピートしたくなるレシピだと締めくくった。残った納豆については、梅を入れるなどいろいろアレンジできるという話をして、回は終わった。