ハンガリー出身の寿司好きを最高峰の店へ リュウジと大将のおまかせを食べ歩く

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概要

料理研究家のリュウジが、以前の撮影で親しくなった外国人のオットーを、自身が「1番美味しいと思っている」寿司店に連れて行く企画である。ねらいは単純で、寿司が好きで日本に住むことまで決めた人が、トップクラスの店でどう反応するかを見ることだ。大将が次々に握る寿司と、その背景にある仕事の工夫、オットーの母国ハンガリーの食文化との比較が、会話の中で語られていく。

9分で読めます
1:14

寿司のために日本へ来た29歳

オットーはハンガリー出身で、寿司がとても好きで、それを飛び越えて寿司のために日本に定住したとリュウジは紹介する。現在は鳥取に住み、自宅の隣は魚屋だという。初めて寿司を食べたのは15年前、北海道でのことで、その15年後にリュウジとこの店に来られたことに縁と運を感じると話した。年齢は29歳で、リュウジは自分より10歳下だと知って驚いていた。

オットーによると、いろいろな寿司を食べてきたが、ここまで格式の高い店には来たことがないかもしれないという。ふだん食べているのは主に鳥取の寿司で、とても美味しいが、地元で揚がったネタを使うため、全国に出回らないものがある一方で、鳥取にはないネタもある。鳥取ならではの例として、傷みが早いモサエビを挙げると、大将もよく知っていると応じた。

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なぜ最初にマグロを出すのか

最初に出たのは塩で食べるマグロだった。オットーはまずシャリを褒め、大将によれば完全無農薬の米を使っている。マグロについては、口に入れる前からとろけるようで脂を感じると表現し、大将も「今日のマグロは当たり」と応じた。

いきなりマグロから始まることについて、大将は時代の変化を理由に挙げる。昔はつまみが先に出て、お腹がいっぱいになった頃に寿司を出すのが一つのコースだった。しかし今は「おまかせ」の時代で、客は寿司を食べたくて来ているのだから、最初に寿司を出したほうがいい、という考え方だ。大将はこのやり方で20年余り店をやってきたという。

リュウジは大将を「プロフェッショナルすぎて回転寿司も行く」と紹介し、大将も研究の一環だと認める。そこから話は鳥取の回転寿司に移り、オットーは、回らない寿司が負けるほど美味しいチェーンがあり、関東や関西から食べに来る人がいると話した。鳥取とは関係のない「北海道」という名前だという。リュウジは興味を示し、オットーの案内で鳥取に行こうという話になった。

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十四代の酒粕ダレと、家庭での和食

次のネタには、塩のほか、日本酒「十四代」の酒粕で作った特製のタレが添えられた。オットーは自宅で粕汁をよく作るといい、酒粕を使った焼き物など、和食をかなり作っていると話す。好物は穴子で、穴子のケバブも作るという話に、リュウジは「普通のケバブよりうまいかもしれない」と笑った。

ヒラメはしっかりとした歯ごたえ、カワハギも好評だった。寿司ネタで何が一番好きかと聞かれたオットーは、大トロと答え、リュウジに「若い」と言われていた。

7:51

間人ガニ、タチウオ、特大のボタンエビ

大将が「今日食べてほしい」と出したのが、京都の間人(たいざ)のカニである。大将はカニの中でトップだと位置づけ、その理由を漁場の近さに求めた。すぐに漁に出てすぐに戻って来られるので鮮度がよい、という説明だ。出されたのは小ぶりのカニで、2貫で1匹分、つまり1貫が半身にあたる。オットーは小さな魚介が好きだといい、柚子がよく合っていると評した。

続くタチウオを、オットーは楽しみにしていたという。これまで韓国料理でしか食べたことがなかったからだ。口にすると「こんなにとろけるものなんだ」と驚いていた。

ボタンエビは特大サイズで、リュウジもこの店でこれほど大きなものは食べた覚えがないという。大将によれば、半分に切って包丁を入れると味が変わってしまうため、1尾をそのまま出す。オットーは、先日食べたブドウエビに匹敵する味だと話した。

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キャビアを「天然の味の素」として使う

日本でトップレベルのカニに続いて、キャビアをのせたネタも出た。大将は、ぐちゃぐちゃに混ぜてしまってかまわないと言う。オットーは、キャビアのえぐみが強すぎず、ネタの邪魔をしないと感じ、大将がキャビアを調味料のように、「味の素」のように使っていると表現した。リュウジはそれを「天然の味の素」「黒い味の素」と言い換えている。

オットーは、鳥取の知人がキャビアのためのチョウザメ養殖を始めたと話す。リュウジに贈りたかったが、まだ何年もかかり、4年後と聞いているという。ハンガリーでは昔、10メートルほどのチョウザメが獲れたという話も出た。

12:15

ハンガリー初の和食本に載っていた「鯉の寿司」

海外の魚を寿司にしてほしい、という話題から、オットーはハンガリーで最初に出版された和食のレシピ本について語った。当時は海外の魚が手に入らず、しかもハンガリーは周りを他国に囲まれていて海がない。そのため本の寿司は、鯉、チョウザメの寿司や煮物、そしてナマズの寿司といった淡水魚ばかりだったという。ナマズはハンガリーでは高級魚で、レシピでは生で食べることになっていたらしい。

淡水魚を生で食べて大丈夫なのかという問いに、基本的には駄目だという声が上がる一方で、鯉の洗いのように日本でも生で食べる例はあると話が続いた。リュウジは、執筆者は一度は日本に来たことがあるのだろうが、一度来ただけでは本質は見えないとし、修業ゼロ日で書いたようなものだと評した。ただし、それに対して、ナポリタンのように家庭からそこそこ美味しいものが生まれることもある、という声も出ていた。

14:03

苦手な人にも出す貝、国産トリュフ

大きな貝が出たとき、同席者の一人は嫌な予感がしたと警戒していた。大将は、その人のためにわざわざ仕入れたと言い、「絶対いける」「大丈夫だという時しか出さない」と勧める。実際に食べると、臭みはなく甘いと受け入れられ、大将の言葉どおりになった。

国産のトリュフの話題も出た。採れる場所はなかなか教えてもらえないらしい。ポルチーニは日本でも採れるという話に、オットーは鳥取で自分もかなり採っていると答え、リュウジはその知識の多さに感心していた。

15:52

予習で食べたあん肝と、締めたばかりのイワシ

オットーは予習のために、前日、港町で一番美味しいという回らない寿司店に行っていた。そこで断然美味しかったのがあん肝で、だからこの店のあん肝を楽しみにしていたという。大将のあん肝はアルミホイルで丸く整えたもので、オットーは「やばい」と繰り返した。

イワシは当日締めたもので、脂が乗っているがあっさりしており、オットーは「フレッシュ」と表現した。ここでリュウジが私生活を尋ね、オットーは独身で、恋人も「絶賛募集中」だと答えている。

17:20

酸っぱすぎない小肌は和食の締め方

小肌については、オットーは酸味と旨味のバランスがちょうどいいと評した。小肌はよく食べるが、酸っぱすぎることが多いという。大将の説明では、ポイントは締め方にある。自分は寿司屋の締め方ではなく和食の締め方、割り酢で締めているため、酸味をそれほど感じないのだという。

18:04

生きたトラフグの白子をしゃぶしゃぶで

続いて出たのはトラフグの白子で、フグは生きた状態から使っている。白子は出汁でしゃぶしゃぶにして食べる。オットーにとっては、いつもの茹でた白子とは全く違うものだった。春野菜とワカメもしゃぶしゃぶにし、ワカメは湯にくぐらせると色が緑に変わる。リュウジは出汁がかなり出ていると感じ、オットーの表情を「マジでうまい時の顔」と評した。

20:01

ウニとシャリを混ぜて焼く、封印された一品

コースの中で「一番豪華」とされたのが、ウニをたっぷりシャリと混ぜて焼き上げる一品だ。生のウニと焼いたウニを同時に楽しめ、海苔で包んで食べてもいいという。オットーは、ウニをこんなに焼いていいのかという背徳感もあると笑った。

リュウジが驚いたのは、チーズが入っているような味がすることだった。大将によれば何も入れておらず、安いウニではこうはならない。リュウジは自分ならクリームやバターを入れるだろうと話し、シャリの酸味がないとくどくなるのではと指摘した。大将も同じ経験をしており、普通のご飯でやってみたらくどく、シャリのほうが合うという結論になったという。かつては客にとても好評だったが、ウニの値段がどんどん上がったため、この料理は封印されたと大将は語った。

オットーは、養殖のウニでは質が落ちるのかと尋ね、大将に「いいことを言う」と言われた。大将は、今北海道で行われている養殖ウニは天然より甘いらしいと聞いているが、そこまで技術が進んだのかは分からないと留保をつけた。キャベツを食べさせるウニの養殖についても話題になった。ウニはこのあとバフンウニに続いてムラサキウニも出ている。

24:39

穴子の塩とツメ、ハンガリーとの違い

穴子は、オットーが見ないで食べても分かると言い当てた。まず塩で食べ、オットーは香りがよく、甘すぎず辛すぎないと評して「もっと欲しい」と話した。次にタレで出し、大将は穴子100%で作ったツメで、普通は使う水あめを一切使っていないと説明した。オットーは、こちらのほうがさらにうまいかもしれないと言う。

オットーはここで、日本では魚の種類ごとに食べ方が特化していると指摘し、それを日本特有のものだと述べた。ハンガリーでは全部同じやり方にすることがあり、唐辛子、パプリカで仕立てるという。リュウジは、日本人には食への探求心があると受けた。

26:23

大トロの巻物と、満腹で来た理由

終盤には、オットーの好物の大トロが出された。オットーは食べるのがもったいないと言う。巻物に使った海苔は、本来は海苔だけで食べるためのもので、巻物には向いていないと大将は説明した。

まだいくらでも食べられると話すオットーは、実は来る前に食事を済ませていたと明かした。お腹をすかせて来ると何でも美味しく感じてしまうので、あえてそれを避けるためだったという。それでも感動するうまさだったと話している。オットーの店のケバブは生地から作っており、以前リュウジが褒めた揚げピザと同じ生地だという話も出て、今度ケバブを食べに行こうという約束になった。最後はプリンと抹茶の甘味で締めくくられ、オットーは甘すぎないのがいいと評した。

29:01

来日10年目に食べた「一番うまいもの」

感想を求められたオットーは、ちょうど今年が来日10年目で、寿司のために日本に来た中で、今日いただいたものが一番うまかったと思うと答えた。リュウジはその評価の高さに驚き、10年目にここで食べられたことに縁を感じると応じた。この出会いも、ハンガリー料理をきっかけにした知人とのつながりから生まれたものだったという。

一番感動したネタとしては、タチウオとあん肝が挙がり、オットーも確かにその2つはすごかったと同意した。リュウジは次は鳥取編を撮りたいと話し、オットーが鳥取の方言で「ぜひ来てごしない」と答えて動画は終わる。