化粧品ルート営業から大手SaaS企業のフィールドセールスへ:月80時間の残業から抜け出した27歳の転職体験

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概要

転職系YouTubeチャンネル「サラタメ」の話者が、地方の化粧品会社でルート営業をしていたMさんにインタビューした回である。Mさんは27歳、大卒で、社会人4年目まで長時間労働の職場にいた。その後、バックオフィス領域の大手SaaS企業にフィールドセールスとして転職している。ルート営業は転職市場で評価されにくい。その経歴から何が不満で転職を決め、転職後に何が変わり、どう内定にたどり着いたのかを聞いている。なお、転職先の社名は動画内では明かされていない。

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固定客相手のルート営業で、スキルが伸びる実感がなかった

Mさんが最初に挙げた転職理由は、仕事の中身である。前職は決まった顧客を回るルート営業で、新しい商談相手と向き合う機会がほとんどなかった。成果を左右するのは、顧客とどれだけ仲良くなれるか、どれだけ信頼してもらえるかだった。仲良くなれば商談は決まるが、自分で取ってきたという感覚は薄かった。商談スキルのようなビジネススキルが上がっているという実感も得られなかったという。

話者は転職市場を細かく見ている立場から、ルート営業の経験は市場で評価が低くなりがちだと指摘した。そのうえで、そこに危機感を持ったのは良い判断だったと評価している。Mさん自身も、スキルが伸びていないと感じていたと認めた。

給与面の不満もあった。Mさんの印象では、メーカーは給与水準がそれほど高くない。同じ26〜27歳の人と比べて少し低かったと感じていた。会社は年功序列の色が濃く、営業成績を上げても報酬にはあまり反映されなかった。

ルート営業なのに月80時間の残業が生まれた理由

話者が不思議がったのは、ルート営業でなぜそれほど残業が多いのかという点である。新規開拓なら忙しくなるのも分かるが、決まった顧客を回る仕事ならワークライフバランスは良くなりそうに思える。ところがMさんの残業は、数えると月80時間ほどあったという。遅いときは明け方まで資料を作ることもあり、生活リズムも崩れた。周囲の社員も同じような働き方をしていた。

原因は社内業務の多さだった。顧客の管理を細かく行う必要があり、実績の分析も細かく、その内容を社内報告に回していた。定時内は通常業務で埋まるため、分析や資料作りは残業時間に回ることになる。

管理の細かさについて、Mさんは具体例を挙げた。顧客ごとの売上を1品ごとに出し、数か月後にどれくらいの実績になるかの見立ても1品ずつ立てる。扱う品目が増えるほど作業も増えていく管理方法だった。話者が「あまり意味がなさそう」と言うと、Mさんは、社内ではそれが普通だと刷り込まれていて、疑問の声は出なかったと答えた。話者は、若手は言いにくいとしても、ベテランが管理を緩めようと言ってほしかったと感想を述べている。

転職後の変化:年収、残業、リモートワーク

転職後の年収について、Mさんは前職の約480万円から転職時点で約530万円に上がったと話した。動画冒頭では約50万円のアップと紹介されている。

残業は、部署によって差はあるとしたうえで、Mさんの部署では月15時間ほどに減った。ほとんど毎日定時で帰るイメージだという。話者は社名を把握しており、かなりの成長企業なのに残業が少ないことに驚いていた。フィールドセールスとして受注までを担うなら忙しそうだという話者の問いに、Mさんは前職との違いを説明した。今の会社では顧客管理をそこまで細かく求められず、商談で拾った情報をきちんと記録すれば問題ないという。

一方、リモートワークの自由度は下がった。前職ではいつでもリモートワークが可能だったが、今の会社で可能なのは週1日程度である。話者は意外だと反応したが、Mさん自身はもともと出社したいタイプで、出社で構わないと考えている。社内でリモートを増やしてほしいという不満も特に聞かないという。オフィスは快適で、コーヒーなどを自由に飲めるフリードリンクの環境もある。

毎日の新規商談が成長の実感につながっている

Mさんが最も大きな変化として語ったのは、成長の実感である。今の職場では毎日のように新規の商談があり、商談相手も、求められる説明のしかたも毎回違う。Mさんはこれを「本当に成長環境」と表現した。

話者は、前職では仲の良さが大事だったのに対し、今はツールやサービスが相手にメリットをもたらすことを論理的に納得してもらう必要があるのではと尋ねた。Mさんはこれを認めた。基本とされるヒアリングからクロージングまでの一連の流れをしっかりこなさないと、顧客に価値が伝わらない。それを毎日繰り返すなかで力がついてきたと感じているという。

ここで2〜3年働けば他のSaaS企業や別業界にも転職できそうか、と話者は尋ねた。Mさんは、しっかり力をつけていけば十分やっていけると答えた。前職では外の世界が怖かったが、今はそう感じないという。

話者はこれを受けて、SaaS企業を勧める理由を述べた。年収は大体500万円前後、頑張れば若手で600万円ほど。話者によれば、この幅はどの会社でもあまり変わらない。ただ、今の会社でうまくいかなくても次に移れる、もっと年収の良い会社に行けるかもしれないという見通しを持てると、年収が同じでも人生の安心感が変わる、というのが話者の考えである。Mさんもこれに同意した。

数字で詰めるより、プロセスを重視する社風

成長できる環境は厳しい環境でもあるのでは、と話者は問いかけた。Mさんは人によるとしつつ、社風としては数字でガチガチに詰める文化ではないと答えた。数字を達成するためにどんな目標を立て、どう進めるのかというプロセスを重視する会社だと感じているという。

上司との関わり方も変わった。前職は個人商店的で、上司が部下の仕事にあまり関与せず、細かく把握できていなかったのではないかとMさんは振り返る。今の会社では報告の体制が整っていて、ミーティングの回数も多く、上司の関与が大きい。話者は、数字は細かく提出させるのに教育は行き届かない前職を「変な会社」と評した。

転職活動で一番大変だったのは時間の確保

月80時間の残業を抱えながらの転職活動で、Mさんが最も苦労したのは時間の確保だった。企業分析に加え、面接をどこに入れるかという時間の組み立てが難しかったという。面接対策や応募書類の準備は、土日か、仕事を終えた夜10時、11時以降の寝る前に行っていた。面接は、なけなしの休みを取って受けに行くような状態だった。ある程度の在宅勤務が許されていたことも助けになり、隙間の時間を使って少しずつ進めた。話者は、出社必須の職場だったらかなり厳しかっただろうと述べている。

内定のために取り組んだこと:自己分析とミスマッチの防止

有形商材のルート営業という、市場価値が低く見られがちな立場からの転職成功について、話者はMさんに秘訣を尋ねた。Mさんは、自分の経歴の市場価値が低いことは自覚していたと話す。そのため、とにかく情報を集めたという。サラタメのSaaS業界向けの動画も見たが、企業研究と自己分析は動画を見るだけでは足りないと考えていた。

自己分析で重視したのは、転職で何を実現したいのかを自分の中ではっきりさせることだった。「今の職場から脱出したい」だけでは軸がぶれてしまう。転職先で何を叶えたいのかを言語化できるようにしたという。

もう一つは、ミスマッチの防止である。転職先候補の社風、営業の進め方、仕事の進め方が自分の望むものと合っているかを、YouTubeやSNSの情報から拾って確認した。合わない会社に行っても転職する意味がない、というのがMさんの考えだ。情報源としては、企業の公式サイトより、SNSや、その会社から転職した人が書き込むOpenWorkのような口コミサイトが役に立ったという。

面接の質問の「意図」を読むための情報収集

面接でどんな質問をされるかといった選考プロセスの情報は、口コミサイトには少ない。話者がこの点を尋ねると、Mさんは転職エージェントからかなり教えてもらえたと答えた。

そのうえでMさんが強調したのは、質問の背景を理解することだった。何を聞かれるかはエージェントから教えてもらえる。しかし、その質問の目的や、会社がどんな人物を求めているのかは、OpenWorkなどに書かれた社員の生の声から読み取れることがある。例として挙げたのが昇格基準である。数字を大きく上げた人が昇格するのか、組織への貢献やプロセスを大事にする人が評価されるのか。それによって、面接での答え方も、前職の経験をどの角度から振り返って話すかも変わってくる。だからエージェントの情報とSNSなどの情報を組み合わせて対策することが大事だ、とMさんは話した。

話者はこれに同意した。質問内容を聞くだけでは、相手が何を知りたいのかまでは分からないことがある。エージェントに聞くのもよいが、自分で調べて質問の意図を把握したうえで回答を作るのが最も強い、というのが話者の見方である。そうした準備があったからこそ、Mさんは逆境から転職できたのだろうと話者は締めくくった。

話者の結論

インタビューの後、話者は自分の見解として、SaaS業界への転職はまだチャンスがあると述べた。Mさんが転職したのも今年のことだという。そのうえで、4年制大学卒、営業経験あり、若手という3つの条件がそろっていて、真剣に転職活動に向き合えば、十分に内定の可能性があるとまとめた。