転職面接はどこでもほぼ同じ流れで進む:「継続性」と「再現性」から考える質問と答え方

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概要

転職の面接は会社ごとに違うように見えて、実際にはほぼ全部が同じ流れで進み、同じような質問しかされない。転職系YouTubeチャンネルを運営するサラタメはこう主張し、その流れを順に追いながら、内定につながる答え方を解説している。5年前に公開して200万回以上再生された同テーマの動画の最新版という位置づけで、その後の5年間に転職成功者や採用担当者へ重ねてきた取材を反映したという。今回はWeb面接、一次面接と最終面接の違い、業界・職種ごとの特殊な質問についても触れている。

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なぜ面接はどこの会社も同じになるのか

サラタメが「ほぼ全部同じ」と言い切る根拠は、採用側の事情にある。応募者にとって転職の面接は人生で数回しか経験しないものかもしれない。一方で面接官は、年間に何十人、何百人という応募者と面接する。一人ひとりに合わせて独自の質問や展開を用意する余裕はないため、面接はマニュアル化していく。効率的で的確な流れができると、ほかの会社もそれを真似する。その結果、どこの会社の転職面接もほぼ同じ内容になる、というのがサラタメの説明である。

4つのパートと、面接官が見ている2つの点

面接はおおむね「入室、自己紹介、転職理由、志望動機、職務経歴、自己PR、逆質問」の順に進む。サラタメはこれを4つのパートに整理している。

  1. 導入パート:入室・自己紹介
  2. 継続性の確認パート:転職理由・志望理由
  3. 再現性の確認パート:職務経歴・自己PR
  4. おまけパート:逆質問

サラタメによれば、大事なのは2と3で、1と4は名前の通り「おまけ」にすぎない。面接官が見ているのは「継続性」と「再現性」の2つだけであり、この2つさえ押さえれば確実に内定が取れる、とサラタメは言う。

継続性とは、長く働き続けられるか、すぐに辞めないかということだ。1人を採用するには100万〜200万円かかり、すぐに辞められると大損になる。ただ、長く働くだけで仕事ができない人を採っても意味がない。そこでもう一つ見られるのが再現性で、サラタメはこれを「即戦力性」と言い換えてもよいとしている。即戦力になれるか、すぐには無理でもいずれ戦力になるポテンシャルがあるか、前の職場での活躍をこの会社でも再現できるか、という観点である。まとめると、企業は「仕事ができて辞めない人」が欲しく、「仕事ができずすぐ辞めそうな人」は絶対にいらない、というシンプルな話だとサラタメは述べる。

即戦力採用では2と3の順番が入れ替わる

この流れには例外がある。即戦力として採用される人の面接では、2と3が逆になり、先に再現性が確認されることが多いという。即戦力採用では「どれだけ即戦力なのか」の1点が最大の関心事なので、それを確かめられる職務経歴と自己PRを先に聞く。反対にポテンシャル採用では、長く育成するためにも継続性のほうが重要になり、転職理由と志望理由が先に聞かれる。

5年前の動画では再現性パートを先としていたが、それは当時の解説がサラタメ自身の実体験をもとにしていたためだという。サラタメはマーケターとして即戦力採用で転職することが多かった。今回は膨大な取材をもとにしており、しかもチャンネルの視聴者には別業界へポテンシャル採用で飛び込む人が多い。そのため、ポテンシャル採用型の流れで解説している。

導入パート:入室と自己紹介

入室については簡潔に触れている。リアル面接ではノックを3回し、「どうぞ」と言われてから入室する。着席は面接官に促されてからで、勝手に座らない。自分が先に部屋で待つ場合、席の指定がなければ入口側の下座に座る。Web面接では5分前には入室して待機し、つながったらすぐ自己紹介を始めるのではなく、まず音声が届いているかを確認する。

自己紹介は「お礼、名前、今の仕事内容、ざっくりした強み、よろしくお願いします」の順に話す。例文として、食品メーカーで法人営業として大手チェーンの顧客を担当し、複数の部門や取引先を巻き込むプロジェクト型の営業を得意とする人物の自己紹介が示された。

ポイントは簡潔さで、絶対に1分以内、できれば30秒程度にまとめるのがベストだとサラタメは言う。必要なことは後で聞かれるうえ、この段階はまだ面接本編の前で、自分が話すターンではなく面接官のターンだからだ。すぐに面接官へボールを返す意識が大切になる。学歴や実績を盛り込む人も多いが、くどくなりやすい。新卒1〜2年目で業務経験が少なく学生時代について深掘りしてほしい場合や、「前年比○%」「MVP」のような実績にどうしても触れてほしい場合は、軽く入れる程度にとどめる。

もう一つのポイントは徹底した練習だ。緊張で頭が真っ白になっても口が勝手に動くレベルまで、鏡で表情を見ながら声に出して練習する。ここを流暢に話せれば面接全体に勢いがつくが、噛んでしまうと後まで引きずるから、というのが理由である。

転職理由:不満は「長期目線・客観的・試行錯誤」で語る

転職理由の質問は「なぜ今の会社から転職しようと思ったのですか」という形で来る。まずNGなのは、ネガティブな不平不満をそのまま言うことだ。「ブラック企業で残業まみれ、パワハラだらけだった」と話すと、「うちに来ても文句を言いながらすぐ辞めそうだ」と思われ、継続性を感じてもらえない。

ただし、ネガティブな要素をゼロにするのも怪しい。今の会社が大好きで不満がまったくないなら、なぜ転職するのかという話になり、嘘をついているのか、情緒不安定なのかと疑われる。多少のネガティブ要素は残してかまわない。そのうえでサラタメは、次の3つを意識するよう勧めている。

一つ目は長期目線で語ることだ。「今の仕事で成長を感じられないから今すぐ転職したい」では短期目線に見える。そうではなく、「今も成長は感じているが、以前に比べて鈍化している。長期的に考えると、今のタイミングでより厳しい環境に飛び込むべきだと思った」と伝えれば、不平不満に聞こえにくくなる。

二つ目は客観的に伝えることだ。残業の多さを理由に転職する人は多いが、「残業が多すぎて辛かった」と主観で語ると不満に聞こえる。「月60時間超えの残業が1年ほど続き、そのうち3分の1は80時間を超えていた」と事実だけを伝えれば、印象はだいぶましになる。長期目線と組み合わせて「今は大丈夫で、仕事にコミットすることで成長もできている。ただ、このままでは勉強の時間が確保できず、ビジネスパーソンとして成長していくうえで不安がある」と語れば、よりポジティブに聞こえる。

三つ目は試行錯誤を伝えることだ。営業職からマーケティング職に移りたい人が「うちではマーケに行けないのですぐ転職しようと思った」と言うと、すぐ辞めそうな印象になる。まず営業で一定の実績を残し、そのうえで上長に異動を掛け合ったが無理だったので転職を決意した、と伝えるほうがよいという。

志望理由:会社の魅力ではなく業務内容を軸にする

志望理由も継続性の確認パートに属する。サラタメは、NGパターンとして「欲望丸出し」と「ポジティブすぎる妄想」の2つを挙げる。

「年収を上げたい」「残業を減らしたい」といった欲望丸出しの回答は通用しない。採用側はあなたの欲望を満たすためではなく、会社に貢献してくれる人を探しているからだ。一方、自分の話をせずに会社を褒めまくるのも意外にダメだという。たとえばベンチャーなら裁量がもらえる、SaaS業界なら効率的に働けてワークライフバランスが良くなる、といった言い方である。サラタメによれば、こうした回答は情報不足のまま曖昧なイメージで語っている印象を与える。ベンチャーで裁量を得られるかは結局自分次第であり、SaaSは効率化されている分だけ数値管理が厳しいこともある。こうした懸念点を理解していない応募者は、入社後に「ギャップがあった」と言ってすぐ辞めそうだと思われてしまう。対策は企業研究で、「御社にはこういうメリットがあるが、こういう懸念点もある。それも含めて働きたい」と言える状態を目指す。そのリサーチにはAIが使えるとサラタメは付け加えている。

そのうえで勧めるのが、業務内容を軸にすることだ。志望理由の切り口は年収、勤務地、人間関係、ワークライフバランス、キャリアアップなど選択肢が多いため、多くの人が迷走しやすい。しかし結論は「募集ポジションの仕事内容が自分にマッチしていて、その仕事がやりたいから」である。採用側は社員に所属してほしいのではなく、入社してしっかり働いてほしい。だから「当社を志望した理由は」という質問は、実質的には「なぜこの仕事がしたいのか」という質問だとサラタメは言う。「なぜうちの会社が好きなのか」と聞かれていると勘違いすると、答えがすれ違ってしまう。

継続性パートの深掘り質問

面接時間が1時間ほどと長い場合や、転職理由と志望理由だけでは面接官が理解しきれなかった場合には、追加の深掘り質問が来ることがある。サラタメは3つの系統を挙げ、特に最初の2つが多いとしている。

  • 価値観系:「仕事で大切にしていることは」「どんな人と働きたいか」、さらに今の会社や大学をどういう基準で選んだかといった意思決定を問う質問
  • 理解度系:「当社の商品の印象は」「当社の課題は何だと思うか」「なぜ競合他社ではなくうちなのか」など。志望理由の別の切り口とも言える
  • キャリアプラン系:この業界や当社で今後どんな仕事に挑戦したいか

答え方のポイントは、転職理由・志望理由と方向性をそろえることだ。どの質問も結局は継続性を確認している。「こういう価値観だから御社で働きたい」「御社をこう理解しているから自分は合っている」「こういうキャリアプランがあるからすぐには辞めない」というように、最終的に継続性へつなげる意識を持てば的確に答えられる、とサラタメは述べる。

再現性パート:職務経歴と自己PRはセットで聞かれる

職務経歴と自己PRは、続けて聞かれることが多い。サラタメは3つの型を示している。「どんな仕事を経験してきたか」から「そこで身につけた強みと、弊社での活かし方」へ進む型、「成功体験」から「成功要因の自己分析」へ進む型、「失敗・挫折・困難だった経験」から「どう乗り越え、何を身につけたか」へ進む型である。

このパートで何より大事なのは、再現性の証明が「ハイスペックの証明」ではなく「マッチングの証明」だと理解することだ、とサラタメは強調する。ハイスペックさを示そうとすると、「MVPを取った」「関東ブロック1位」「前年比200%」といったアピールばかりになる。しかし企業が欲しいのは、とにかくできる人よりも、社内で足りないポストにぴったりはまる人である。だから結果を並べるより、仕事の中でどんな工夫や試行錯誤をしてきたかという業務内容を詳しく伝えるほうがよほど大事だという。

職務経歴はSTAR法で伝える

職務経歴や成功体験を聞かれたら、STAR法で答えるよう勧めている。Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の順に話す方法である。当時どんな仕事をしていて、どんな困った状況だったか。それを分析して何が課題だと考えたか。課題を踏まえてどんな行動をしたか。その結果どうなったか。この流れで語ると、自然に即戦力らしい印象になるという。

サラタメは理由をこう説明する。状況から話し始めることで、冷静に状況を分析できる人だと伝わる。課題に触れることで、上司の指示を待つのではなく自ら課題を見つける主体性があると思ってもらえる。つまり、自分で考えて行動してくれそうだという印象を与えられる。

最近の採用企業への取材では、STAR法を面接官のマニュアルに書き込んでいる企業も非常に多いという。応募者がSTAR法で話せているかをチェックし、結果しか話さない応募者には、面接官が「どんな状況だったか」「どんな課題を見つけたか」と追加質問して補う。そうしたマニュアルが今は主流になりつつあると、サラタメは取材結果として紹介している。

自己PRは解像度と具体性が勝負

強みを聞かれて「営業力」「交渉力」「コミュニケーション能力」と答える人は多いが、それでは曖昧すぎるとサラタメは言う。「○○力」で終わらせず、「○○な○○力」まで分解する。営業力なら「複数のキーマンとの調整力」「短時間で納得を引き出す力」のように表現するということだ。

解像度が重要なのは、自己PRのゴールがやはりマッチングの証明だからである。企業が求める人物像に精密に合っていると思ってもらうには、粗い言葉では刺さらない。サラタメは、似た募集枠でも求める人物像が大きく異なる例を挙げている。同じ経理職でも、上場済みの大企業とスタートアップでは仕事内容が違う。同じ営業職でも、不動産営業では強いクロージング力が求められるのに対し、SaaSの営業ではむしろ逆に、適切な期待値調整力が求められる。さらに同じSaaS企業でも、freeeとSmartHRではサービスが違うため、アピールすべき点も変わってくるという。

再現性パートの深掘り質問

こちらにも深掘りのパターンがある。面接官がもっと詳しく知りたいときや、話が本当か確かめたいときに聞かれるもので、他者評価系、弱み系、キャリアプラン系の3つだ。

他者評価系は、「同僚からどう評価されることが多いか」「上司からどんなフィードバックを受けるか」など、他人の視点から見た自分を問う質問で、意外と答えにくい。弱み系は短所や改善点を聞く質問である。遅刻癖やメンタルの弱さ、営業職志望なのにコミュニケーションが苦手といった致命的な弱みは避ける。そのうえで試行錯誤を添えるのがポイントだという。例として挙がったのは、「営業全般は得意だが、役職者や経営層への提案力が弱い。試行錯誤しているが経営層の悩みを理解しきれておらず、最終的には上長とタッグを組んでクロージングすることが多い」という答え方だ。少し頼りなく聞こえるかもしれないが、若手営業がこう話せば「若手ならそんなもの。課題意識があるなら育てられそうだ」と受け取ってもらえ、内定につながるとサラタメは見ている。

キャリアプラン系は、職務経歴や強みを話した流れで「それを活かして当社で何をしたいか」と聞かれる形でも出てくる。ただ、これらの深掘りは必ず聞かれるわけではない。職務経歴・自己PRと方向性がそろっていれば十分なので、考えすぎる必要はないという。

逆質問:丸投げではなく仮説を確認する

面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれる逆質問はおまけのパートである。とはいえ、大きなミスをすればそれが原因で落ちることもあるため、事故を起こさない程度の準備はしておく。

サラタメの結論は、一次面接ではキャリアパスについて、最終面接では未来予測について質問すること。そして、丸投げではなく仮説を確認する形で聞くことだ。「御社のキャリアパスを教えてください」ではなく、「3年後に○○の仕事に取り組みたいと考えていて、そのためにはこういう資質が必要だと考えている。この認識は合っているか。どうすれば3年後に任せてもらえるか」と聞く。最終面接でも、「業界の未来予測を教えてください」ではなく、「業界はこうなっていくと予測していて、社員としてこういう力を磨きたい。この考えをどう思うか」と投げかける。準備するなら2個程度用意しておくとよいという。

補足1:業界特有・職種特有の質問

基本の流れはどの業界・職種でも共通で、この内容を学ぶだけで70点、ぎりぎり内定ラインくらいまでは行けるとサラタメは見ている。ただし余裕をもって内定を取りたい人、特に倍率の高い人気企業を狙う人は、志望する業界や職種に特有の面接傾向を理解しておくことが必須だという。サラタメは取材を通じて、SaaS、コンサル、人材紹介、M&Aの各業界と、営業職、マーケター、ITエンジニア、メーカー技術職について調査を済ませているとしている。

補足2:Web面接の心得

Web面接には落とし穴が多く、サラタメは準備編で10個、本番編で9個の注意点を挙げている。今回はそのうち4つを紹介した。

準備編の一つ目は、背景、アイコン画像、表示名を整えること。洗濯物のパンツや放置された空き缶など、だらしない生活を連想させる背景は避け、特徴のないバーチャル背景ぐらいが一番よいという。アイコンは証明写真風のものか設定なし、表示名は漢字の本名にしておけば、面接官がすぐに誰か分かる。二つ目は、本番と同じ環境でのリハーサルだ。確認するのは映り方、ネット環境、カンペの見方、ツールの4点。Web面接では画面の半分に台本を置いてカンペを見られるが、練習しないと読んでいることがばれる。ツールについては、普段はTeamsを使っていて面接がGoogle Meetだったために操作に手間取る、といったケースがあるという。

本番編の一つ目は、5分前に入室して待機すること。リアル面接なら早めに会社へ着こうとする人でも、Web面接ではぎりぎりでいいと考えてしまいがちだという。二つ目は、感情表現を3割増しにすること。Web面接は会社に足を運ばなくてよい反面、感情や人間性が確実に伝わりにくい。いつもより元気に振る舞い、面接官が話している間も画面越しに分かるほど頷くなど、話を聞いている姿勢を体で示すことが大事だとサラタメは述べる。

補足3:最終面接の心得

今回の解説は基本的に一次面接を想定しており、最終面接は切り口が少し変わる。最大の違いは面接官だ。一次面接には現場担当者や人事担当者が出てくることが多く、スキルや業務経験を主に評価する。最終面接には役員や社長が出てくることが多く、より長期的な視点で評価する。そのため一次面接では再現性が、最終面接では継続性、つまり転職理由や志望理由が深掘りされることが多い。

最終面接で意識すべきキーワードとして、サラタメは「未来」「一貫性」「人間性」の3つを挙げる。会社が目指す未来と、応募者がビジネスパーソンとして目指す未来が一致していると思わせること。一次面接と最終面接で言っていることが同じで、面接全体の言動に一貫性があること。そして役員や社長は人間性を非常に重視するため、一緒に働きたいと思わせる人柄であること。この3つを押さえれば最終面接で確実に内定が取れる、というのがサラタメの結論である。