ミスターオリンピア2026オープン予選:ニック・ウォーカーとデレク・ランスフォードの仕上がりに驚いた解説者の予選レビュー

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概要

ミスターオリンピア2026オープンボディビルの予選(プレジャッジ)を、配信映像と高画質写真・動画で振り返るレビューである。話者(Instagram名「ネック」)は、トップ4は下馬評どおりの顔ぶれだったものの、ほぼ全員が前年から仕上がりを上げてきたと評価する。なかでもデレク・ランスフォードとニック・ウォーカーの2人に最も驚いたという。予選時点では「ニックを推す」と述べる一方、翌日の決勝で体を大きく変えてくるのが「ボディビルあるある」なので、まだ結果は分からないとも繰り返している。

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暗い背景とライティングが筋肉の質を見せた

話者がまず称賛したのは会場の見え方である。ライティングと背景が素晴らしく、筋肉の細かい筋一つ一つに強い影が入っていたという。今回は背景が暗く、出場した全選手の仕上がりがよく見えたと話者は述べる。90年代から2000年前後のオリンピアのステージで選手がよく見えた理由も背景にあったのではないか、と推測も添えた。ただし個人ポージングでは背景の色が違っていたため、今後は比較審査でもこの見せ方にしてくれるかもしれない、とも話している。無料ライブ配信がここまで寄った映像を流してくれたことで、コンディショニングも分かりやすかったという。

トップ4の顔ぶれと前評判

トップ4は、前年王者のデレク・ランスフォード、前年6位のニック・ウォーカー、2024年王者で前年4位のサムソン・ダウダ、前年3位のアンドリュー・ジャックドである。アンドリューは記者会見で脱いで見せ、優勝候補と言われていた。

話者によると、デレクは前年に優勝したものの、上腕二頭筋が「パンケーキ」のように薄い、セパレーションがないなどと強く批判され、「今までで一番批判されているチャンピオンかもしれない」状態だった。今回はその批判を覆そうとするかのように、大きく進化していたという。ニックは「過去最高」「自己ベストの体」で、優勝しても全くおかしくないと評価した。サムソンも良くなっていた一方、アンドリューには特にアーノルド・クラシックからの進化はあまり見られなかった、というのが話者の見立てである。

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ニック・ウォーカーのウエストが「トップ4で一番きれい」だった

話者が今回最も驚いたのは、ニックのウエストがトップ4で一番きれいに見えたことだという。ニックは従来、ウエストが太い、バブルガット気味だと言われてきた選手だった。しかしアブドミナル・アンド・サイでは、アンドリューよりもはっきり腹筋が分かれていた、と話者は指摘する。外腹斜筋のぶん幅はあるものの、そこもタイトに見えたという。

比較審査では入れ替わり立ち替わり長時間ポーズを取らされていた。話者は、前年のピッツバーグ頃のニックなら呼吸が乱れて腹が出てきただろうと振り返る。今回は腹筋の溝が深く、「グランドキャニオンそのもの」で一番ハードだったと評した。アンドリュー、サムソン、デレクも呼吸するとわずかに腹が出るのは人間として当然だが、今回のニックは腹筋の見せ方でもアンドリューを下していたと言っても過言ではない、という評価である。絞りも3位になった2022年より良く、過去ベストではないかと話者は見る。モスト・マスキュラーでも腹筋が常に割れて見え、「一人だけ画質が4Kのよう」だったと表現した。

デレクは背中と下半身、アンドリューはスケールと課題

デレクについて話者は、ハムストリングスと臀部のコンディションを高く評価した。フロントポーズでも脚のカットの深さが目立ち、バックダブルバイセプスは「完全なるバック」で、ぶっちぎっていたという。全体のパッケージとしてのバックダブルバイセプスならニックも強いが、背中単体ならデレクだと話者は見ている。臀部もデレクがぶっちぎりだったという。一方で、上半身がハードに見えづらいのは彼の「毎年あるある」であり、腹筋も体の中央部分なのでアブドミナル・アンド・サイでは少し薄れてしまう。それでもデレクは「オールタイムベスト」で、前日に登場した時点で驚いたと話者は語る。

アンドリューは肩幅とフレームが巨大で、胸にはストリエーションも入っており、コンディションは決して悪くなかっただろうと話者は述べる。ただ、隙間が埋まりきっておらず、特に内転筋が埋まりきっていないという。かつての強みだった腹斜筋も浮き出てこなかった。それがコンディションのせいなのか、ポーズの取り方が変わったせいなのかは分からない、とも付け加えている。比較の中でアンドリューだけが中央にスイッチされなかったため、4位はほぼ固いのではないか、と話者は推測する。ただしこれも明日次第だとしている。一方、フロント・ラットスプレッドではアンドリューが輝き、肩幅と腕の長さが作るスケール感は圧倒的だったとも評価した。

サムソンは「流れのあるマスモンスター」だが皮膚の厚さが気になる

サムソンについて話者は、ボディビルダーとしての完成度は素晴らしいと評価する。一方で、ニックと比べると皮膚がわずかに分厚く柔らかい印象があり、少し水っぽく見えたという。後半は汗ばんでいてカットが飛んでしまったとも述べた。フロントラットは出し方も腹回りも改善していた。ただ背中ではやや劣勢で、臀部やハムストリングスも隆起してはいるが、隣の2人が硬いぶん見劣りしたという。それでも彼の体には「流れ」があり、美しいマスモンスターだと話者は表現している。

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高画質写真で見た比較

HD写真を使った比較では、話者はまずデレクの上腕二頭筋が改善していると指摘した。ピークがめちゃくちゃ高いわけではないが、セパレーションが出てサイズアップしているという。二頭筋のトレーニングを頑張っていたので、批判を覆そうとする意気込みがこの結果につながった、と話者は受け止めている。前半の比較審査や個人ポーズでは下半身が特に割れていて、サムソンと比べても脚の幅では負けていない。脚、ウエスト、背中が作るXフレーム、つまり砂時計型が素晴らしく、審査員席から見ても評価される理由が分かる、と話者は述べた。

サムソンはデレクよりウエストが細く、それが彼のシェイプを生んでいるが、背中のボリュームではデレクが上だという。ニックは、写真の瞬間が悪かったのか背中はそれほど出ていないものの、上腕二頭筋のピーク、脚の硬さ、腹部の凹凸が際立っていた。腰の幅も今回は悪目立ちせず、アンドリューとあまり変わらないように見えたという。

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何が勝負を分けるか――セパレーションと、ニックの体型を審査員が選ぶか

話者は、サイズが拮抗する選手同士では、すべてはセパレーションであり3Dの凹凸だと述べる。その点で観客の目線を引きつける「目線のブラックホール」になっていたのがデレクとニックだった、という見方である。ただ、明日サムソンとアンドリューが改善してくれば分からない。特にアンドリューには上がってきてほしい、とも話している。

最も筋肉質で迫力で観客を驚かせられるのは今回のニックだと話者は見る。その一方で、サムソンのように見る者をうっとりさせる選手もいる。サムソンは体重が一番重いはずで、実際にサイズもとんでもない。そのサイズを際立たせるコンディションを明日持ってこられるかが焦点になる、という。

話者が問題として挙げたのは、ベストを持ってきたニックのようなプロポーションの選手を、ミスターオリンピアの審査員が1位に選ぶのかという点である。話者は自分がひいき目に見ている面もあると認めたうえで、審査員の目線に近い上手からの映像(Gilco Productions)を見ても、今回のニックは素晴らしいと述べる。ワイドなウエストは悪さをしていないどころか重厚感を生み、凹凸の多さを作る要素になっている、という評価だ。唯一の弱点として話者が挙げたのは、フロントでの外側広筋の付着位置である。腰付近まで上がっていかないため、正面から見ると脚がやや狭く見えやすいという。それ以外では、サイドもバックも脚は4人の中で1番、上腕も一番割れていて、カーフも最高、胸も絞り切っているのに張りを失っていない。バックダブルバイセプスもバック・ラットスプレッドも世界最高峰だ、と話者は並べた。そのうえで、予選の時点では「ニックを推す」と述べ、視聴者にも誰が良く見えたか意見を求めている。

5〜8位争い:ブランドン以外は自己最高順位の可能性

5〜8位あたりには、ブランドン、ミハル・クリゾー、トニオ・バートン、リーガン・グライムスが並んだ。話者によれば、ブランドン以外は全員が過去最高順位になりそうだという。クリゾーは状態が良く、筋肉のクオリティ、特にマッスルファイバーが最も出ていたと話者は評価する。トニオはこれまでの最高が8位なのでトップ6に入れば自己ベスト、リーガンも最高が9位なので現時点で自己ベストの位置にいる。43歳のブランドンについては「よくここにまだいるな」と驚きつつ、素晴らしいと評した。話者は、全員が自己ベストに近い体を持ってきていたと見ている。

個人ポージング①:アンドリュー・ジャックドとトニオ・バートン

後半は、上位6人に入りそうな選手の個人フリーポーズを、高画質映像に差し替えて見ていく構成になっている。

アンドリューは188cm、41歳で、37歳ぐらいでプロになったと話者は紹介する。脚は最近、内転筋まで埋まってきているが、バックポーズではもう少し埋まってきてほしいという。一方、フロントでは隙間はなく、あの長さの脚がこのサイズなら相当大きく見える、とも述べた。サイドチェストはポーズの取り方が改善しており、胸は素晴らしい。輪郭で勝負できる選手だが、最近は中身も追いついてきたと評価している。

トニオ・バートンはアメリカの選手で、前年8位、それ以前にも8位の実績がある。今年はニューヨーク・プロとリージョン・スポーツフェストで2勝した。肩と胸の厚み、背中の広がり、ウエストのラインが作るシェイプが良く、バックでも強いという。バックダブルバイセプスは現役選手の中でも4本の指に入りうると話者は評価した。各部位が丸くポップしているのも特徴だという。話者はかつて彼の肩を疑っていたが、動くとストリエーションが入るので、今はフェイクではないと考えていると述べている。

個人ポージング②:ミハル・クリゾー

クリゾーは185cmで、最高順位は2023年の7位である。話者は上腕のサイズと、身長に対する脚のサイズに注目した。肩を怪我したことで逆に脚が強化され、ハムストリングスも最近強化されたという見方である。絞れていて、ウエストは外腹斜筋の分の幅はあるものの、タイトにコントロールできていた。課題として話者が挙げたのはポージングで、右肩が上がり左右差が出ていたという。ポージングがうまくなればさらに良くなるとしつつ、このライティングの中では特に脚の改善が目立った、と評価している。

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個人ポージング③:サムソン・ダウダ

2024年王者のサムソンは今回が5回目の出場である。話者は「メタリックなサムソン」と表現し、脚の割れ方が加速していると述べた。ウエストは一時期と比べて大幅に改善し、細いウエストからの広がりが美しいXを作っているという。下半身はヨーロッパ・プロより改善していた。サイドチェストの厚みはナンバーワンと言っても過言ではないが、胸は少し張りを失ったかもしれない、と留保もつけている。

バックダブルバイセプスはヨーロッパ・プロから大きくは変わらない。ただ、右脚を後ろにすると内転筋が埋まるので、その方がいいと話者は指摘した。肩も腕も胸も丸く、それぞれがつながって見えるという。腕を下ろしてリラックスしていても、引きで見ると非常に大きい。話者は「分からんぞ」と勝負の行方に含みを持たせ、2024年に優勝したときよりサイズは上がっていると「多分今確定したと思う」と述べた。その一方で、2024年の体を超えられるかについては「どうでしょうね」と結論を保留している。

個人ポージング④:ニック・ウォーカー

最高順位3位のニックについて、話者は絞り込みがタンパのときより良く見えたと述べる。一瞬「脚のサイズを犠牲にしたか」と感じたものの、すぐに張っていると言い直している。バックダブルバイセプスはこれまでのニックで一番で、バック・ラットスプレッドもシャープになった。「こんなシャープなニックはオリンピアで見たことないかも」という。上半身はサイズを失って見えないが、下半身はどうか、少し上がヘビーに見えるかもしれない、と話者は留保をつけた。それでも前年とは大きく違うルックスで、「1年で別人」だと評している。

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個人ポージング⑤:デレク・ランスフォード

前年と2023年の王者であるデレクは、髭を剃って登場し、見た目も前日と大きく違っていたという。脚のカットが深く、上腕二頭筋もサイズアップしている。セパレーションの強さうんぬんより「また違う選手になっていないか」と感じるほどで、顔まで違って見えたと話者は語る。サイドポーズでは脚のラインの数、胸の厚み、上腕三頭筋、肩のすべてが優秀で、ハムストリングスも臀部も良くなっていた。

バックダブルバイセプスでは僧帽筋と後背筋の存在感が大きく、バック・ラットスプレッドでは肩幅まで非常に大きく見えたという。背中の硬さでは2023年に優勝したときぐらいに見え、脚は「かつて見たことない」レベルだと話者は評した。弱点として残るのは腹筋の割れにくさぐらいで、胸のストリエーションももっと強い選手はいる。ただ、それを言っていられないほど下半身が改善している、というのが話者の評価である。デレクは168cm、33歳で、決して大柄ではない。前年のアーノルド・クラシックやピッツバーグで優勝したときとは別人だと話者は驚きを示している。

予選時点の見立てと残された問い

話者は予選時点ではニック・ウォーカーを推し、デレクもそれに並ぶ驚きの仕上がりだったと見ている。サムソンにも十分チャンスがあり、アンドリューには決勝での上積みを期待している。残された問いは、翌日の決勝で各選手がどこまで体を変えてくるか、そしてニックのプロポーションを審査員が1位に選ぶかどうかである。話者は決勝もライブ配信で解説する予定だと告げて、レビューを締めくくっている。