「撮れ高のない国」メキシコを歩く:メキシコシティ、テオティワカン、グアナファト、ティファナ

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概要

この動画は、一人旅をする投稿者が、メキシコのカンクンから首都メキシコシティへ移り、テオティワカン遺跡、グアナファトを経て、国境の街ティファナで旅を締めくくるまでの記録である。タイトルどおり、投稿者は各地を「面白くない」とこき下ろすことが多い。ただし、プロレス観戦や屋台料理には率直に感動しており、評価の振れ幅そのものが動画の特徴になっている。以下、訪れた順に投稿者の体験と感想を整理する。

14分で読めます
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カンクンからメキシコシティへ

旅はリゾート地カンクンから始まる。投稿者によれば、カンクンは美男美女のカップルや家族連ればかりで、一人でいた自分は浮いていた。一人では楽しくないし、お金を使わないと楽しめない場所だったという。そこから飛行機で首都メキシコシティへ向かった。

空港に着いたのは4月中旬の夜7時で、まだかなり明るかった。空港のトイレにはプロレスをモチーフにした装飾があり、投稿者は「タコスとプロレス」というメキシコのイメージどおりだと話す。市の中心部については、東京並みとは言わないまでも大都会だと評した。

夜10時ごろ宿へ向かう途中で寄った公園では、周囲の人々がマリファナを吸っていた。投稿者が聞いた話では、この公園は吸ってよいが、ほかの場所では違法になるという。投稿者自身は吸わないと断ったが、話した相手は葉の入った大きめの小袋を渡そうとしてきた。そうしたやり取りから、メキシコ人は優しく陽気だという第一印象を持ったと語っている。

その公園で買ったのが、よもぎ色をしたタコス・アル・パストールだった。投稿者は初めて見るタイプだと言い、食べてみると「チーズが少しくどい」ので普通のタコスのほうが好みだという。それでも、うまいことはうまいと付け加えている。

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メキシコシティの街と食事

翌日から市内を観光した。投稿者が調べたところでは、メキシコシティの人口は約920万人で、神奈川県の人口と同じくらいだという。朝の交通はみんなが信号をあまり守らないため、混沌としがちだったと話す。ヨーロッパ風の建物の間で陽気な人々がたむろして話し込んでいる光景を、投稿者は気に入っている。

屋台が多いので、食事に困ることはないと投稿者は見ている。朝食兼昼食には、メキシコの伝統的な朝ごはんだというチラキレスを食べた。トウモロコシの生地にタバスコのようなソースをかけ、チーズと鶏肉をのせたような味で、「まあまあおいしい」という評価だった。添えられたパンもカリカリだったという。投稿者はここで、パナマやコロンビアなどで食べてきた食事と比べて、ようやく食事のセンスがまともな国に来たと喜んでいる。

街歩きの途中では、20ペソの大きなピザも食べた。パイナップル、チーズ、ハムがのったもので、「これ以上言うことがない」ほどうまいと絶賛している。歩いた一帯については、治安が悪そうに見えて実はそれほどでもないと感じたとも話す。ただしこれは、場所も調べていない状態での「空気感による勝手な判断」だと本人が断っている。

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バスコンセロス図書館:漫画棚の日本語版

最初に訪れた名所は、知る人ぞ知るスポットとされるバスコンセロス図書館である。入口は木に隠れてわかりにくい。内部は棚が立体的に組み合わされた構造で、投稿者は『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の神殿や映画『CUBE』を見たデザイナーが作ったとしか思えない、と表現した。「勉強する気のない図書館」とも評している。

投稿者が熱心に見たのは漫画の棚だった。1000冊ほどありそうな漫画はほぼスペイン語版で、『NARUTO』『アオハライド』『GANTZ』『桜蘭高校ホスト部』『鋼の錬金術師』『BLEACH』『聖闘士星矢』『ベルセルク』などが並んでいた。その中で『特攻の拓』の5巻だけがなぜか日本語版で、理由がわからないと首をかしげている。結局、見どころのある場所だとは認めた。一方で、自分のように普段本を読まない人間には図書館は緊張する場所だ、とも話している。

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アレナ・メヒコでのプロレス観戦

この旅で投稿者が最も高く評価したのが、プロレス観戦である。会場はメキシコ最大のプロレス会場とされるアレナ・メヒコで、1万8000人を収容できるという。当日券は会場で買え、周辺の屋台ではマスクや土産物が売られていた。

会場はすり鉢状で見やすく、投稿者は日本武道館のようなイメージだと話す。席は前から5番目で、500ペソと高かったという。ビールはメキシコのテカテで、500ミリリットルが130ペソ。投稿者は安いのではないかと話している。ただ、缶の縁にイチゴシロップのようなものが付けられていて、なぜそんなことをするのかと不思議がっていた。

試合は夜8時半から10時半まで、ほぼ2時間続いた。投稿者は「命をかけて人を楽しませるという心意気」に心を動かされたと語る。最も安い席なら100ペソほどで入れるが、臨場感がまったく違うので、500ペソを払ってでも良い席で見てほしいと勧めている。ここまで満足できるとは思っていなかった、というのが投稿者の締めくくりである。

14:53

ラグニージャの「泥棒市」とすき家

翌日は日曜日にだけ開かれるという巨大な「泥棒市」を目当てに、地下鉄でラグニージャ駅へ向かった。地下鉄の切符は5ペソ。路線が多くややこしいが、困っていればメキシコ人が助けてくれると投稿者は言う。実際、赤い服の女性が手助けしてくれた。投稿者の体感では、メキシコ人は7割がとても良い人で、残りは普通の人と、薬物中毒者や極悪人のような人に分かれるという。女性専用車両もあり、車内はきれいでも汚くもなく、乗客のおしゃべりでうるさかったと話している。

市場の奥はにぎわっていて、懐かしいベイブレードを見つけたときには少し期待した。しかし結論は「期待ハズレ」だった。面白いものが売っていると思える瞬間は一度もなく、あれではただの骨董市だと酷評している。

治安については、大都市なので大通りを歩くかぎり暴力的な犯罪には遭いにくいのではないか、と投稿者は見ている。路地に入れば良くないことが起きるかもしれず、人の多い場所ではスリなどに注意が必要だという含みも残した。

その後、たまたま入ったショッピングモールで、好物のすき家を見つけた。注文したのはチーズ牛丼で、なぜかコロッケと味噌汁が付いてきたという。クリームチーズが入っている点を除けば、日本の牛丼より少し質が落ちる程度だと投稿者は評する。米の感じと肉の味は日本とまったく同じで、地球の裏側でこれを出せていることは素晴らしいと評価した。

18:56

テオティワカン:太陽のピラミッドと月のピラミッド

テオティワカン遺跡の入場料は90ペソ。投稿者が見たメインの展示は太陽のピラミッドで、高さ64メートル、底辺の長さは「224メートルだったかと思う」と、うろ覚えであることを断りながら紹介している。投稿者の説明では、この遺跡は墓なのかどうかもわかっておらず、建設者も不明だという。その理由として、この文明が文字を持たなかったことを挙げた。テオティワカンという名前も、14世紀にアステカの人々が発見した際に勝手に付けたものだと話している。

遺跡内のミュージアムでは、2センチほどの小さな土偶や、ピラミッドの内部から何度も見つかったという人骨を見た。首の下に人間の下顎を飾った展示もあったという。続く月のピラミッドについては、高さ46メートル「だったかな」と記憶をたどりながら、太陽のピラミッドよりかなり小ぶりだと説明した。こちらは神への供え物として人間を生贄にしていた場所だといい、太陽のピラミッドより左右対称のものが多いので、そうした雰囲気が確かにすると投稿者は感じている。幅40メートルほどの「死者の道」については、両側の建物を墓だと思い込んだ勘違いから付けられた名前だと紹介した。

周辺の土産物売りが鳴らす笛の音には何度も苛立っていた。それでも投稿者は、マチュピチュやエジプトの本物のピラミッドには及ばないものの、雰囲気はあり来る価値はあると一度は評価している。ところが帰り際に太陽のピラミッドを見直し、そのデザインが『スター・ウォーズ』のストームトルーパーにそっくりだと気づくと、もう「雑魚ピラミッド」にしか見えなくなったという。

総合評価として投稿者は、エジプトのピラミッドを見たことがある人には物足りないが、見たことがない人なら相当感動すると思うと述べた。コロナ禍の前はピラミッドの上まで登れたが、今は登れない。そのせいで感動が薄かったのかもしれないと投稿者は考えており、今のところはそこまで勧めないが、登れるようになったら行ったほうがいいとまとめている。

24:22

日曜無料の美術館とポソレ

美術にはまったく興味がないと言いながら、日曜日は入場無料だというので国立の美術館にも足を運んだ。10分ほど並んで無料のチケットを受け取ったという。メイン展示はモネだったが、投稿者は名前を知っているだけで、どういう画家かはわからないと話す。作品をきれいだと認めつつ、自分には鳥山明の原画のほうがずっと美しく見えるとこぼした。

夜は、伝統料理のポソレを食べるために有名チェーン店へ行った。投稿者は日本でいえばサイゼリヤやデニーズのような店だと説明している。店は22組待ちの大繁盛だった。トウモロコシのスープであるポソレを味わったあと、雨の中でも踊り続ける人々を見て、「情熱の国メキシコ」だと感心している。

27:07

グアナファト:カラフルな街の評価

次の目的地は、写真映えする街として知られるグアナファトである。メキシコシティからバスで約5時間。4列シートで734ペソかかったが、投稿者によれば1年前は600ペソほどで、毎月少しずつ値上がりしているという。バスターミナルには日本語の表記もあった。中心部への路線バスは8ペソで、ウーバーなら100ペソほどかかると聞いたそうだ。

ホテルの屋上からは、一軒ごとに色の違う家が並ぶ景色が見えた。投稿者は「絵本の世界に来たよう」だと言い、この値段でこの景色なら良いと話している。ドミトリーは18人部屋だった。どこを切り取っても確かにきれいだと認める一方、「世界一美しい街」という評判には異を唱えた。ヴェネチアやギリシャのサントリーニ島のほうが好きで、そちらのほうがずっと映える、というのが投稿者の立場である。日差しが非常に強いため、サングラスは必須だとも勧めている。

街歩きでは、土産物を買うならここと言われるイダルゴ市場に寄った。2階が土産物店、1階が屋台という構成で、投稿者はプロレスTシャツが欲しかったが、値段がもう少し安ければ買ったという。屋台ではカルニタスなどを頼み、30ペソとメキシコシティより安かった。餃子のような料理は意外と辛く、うまいが見たとおりの味だという。ここで投稿者は、メキシコ料理はどれも同じような味になると漏らしている。グアナファトについては、物価が安めの山の中のリゾート地で、カンクンと違って一人で来ても浮かない雰囲気だと評価した。

メキシコ版ロミオとジュリエットの舞台とされる「口づけの小道」については、普通の日本人は物語を知らないので何の感情も湧かないだろう、カップルが写真を撮りに来ればいい場所だと話す。35ペソのケーブルカーで上ったピピラの丘からは、黄色、黄土色、青、赤、紫、水色、緑の家々が一望できた。iPhoneで撮った映像より実物のほうがきれいだという。映画『リメンバー・ミー』の舞台だとも紹介し、ここに来て投稿者は「グアナファトは来る価値があるかもしれない。こういうのが好きな人なら」と認めている。家々の色については、政府がペンキ代を補助しているのではないか、と推測を交えて話した。一方で、最もカラフルな通りでは建物の汚れや落書きが目立ち、直してほしいと不満を述べている。

32:25

ゴキブリの群れと絶品のトウモロコシ料理

グアナファトでは、10分ほど鳴り続ける騒音にうんざりする場面や、ゴキブリが大量に群がる場所に遭遇する場面もあった。画面に映るだけで20匹ほどいて、投稿者は1平方メートルあたり30匹ほどいたと振り返っている。

対照的に絶賛したのが、60ペソのトウモロコシ料理である。マヨネーズ、チーズ、レモン、トウモロコシに謎のソースを合わせたもので、エジプトで食べた料理に少し似ているという。投稿者は「世界中のコーン料理の中で一番うまい」とまで言った。ホテルの屋上では、1.2リットルのビクトリアビール(約340円)を飲みながら景色を楽しんでいる。

2日間の総括として、投稿者は街並みはとてもきれいだがそれ以外は特にない、メキシコシティより少し物価が安い程度だと述べた。それでも、写真映えを求める人は来たほうがいいと付け加えている。

35:34

空港まで乗せてもらう

グアナファトに飽きた投稿者は、旅の締めくくりにティファナへ向かうことにした。空港まではバスなら80円ほどだと思われたが、行き方がわからなかったため、周囲の人に声をかけて車に乗せてもらうことにした。最初に声をかけた人がすぐに引き受けてくれたという。投稿者は、ヒッチハイクというより声をかけて乗せてもらっただけだが、とても優しかったと感謝している。

約4時間のフライトでティファナに着いたのは夜12時半だった。その夜は空港に泊まったが、ティファナ空港は空港泊の条件があまり良くないと投稿者は話す。投稿者にとってティファナは9年ぶり2度目の訪問である(動画内では「10年ぶり」とも言っている)。

37:58

ティファナ:物価、治安、シーザーサラダ

翌日は昼12時半ごろに起き、ダウンタウンまでローカルバスで向かった。運賃は14ペソで、タクシーなら100数十ペソ取られるので、昼間ならバスのほうがいいという。ただし夜は勧めないと断っている。泊まったホテルは1泊1万5000円。部屋はきれいだが、ティファナは土日のホテル代がかなり高いと不満をこぼした。ホテル周辺は治安が悪く、少し先には危なそうな人が多くいたとして、注意を呼びかけている。

投稿者はティファナを酒、暴力、ドラッグ、殺人の街だと表現し、撮影しづらいことを視聴者に断っている。実際に街中には行方不明者の張り紙が大量にあり、重装備の警官も多く見かけた。夜9時ごろの雰囲気は9年前と比べて良くなったと感じたものの、携帯電話のひったくりを目撃したため、やはり気をつける必要があると述べている。

食事では、シーザーサラダ発祥の地として知られるホテル・シーザー下のレストランを訪れた。店員が目の前で、当時のやり方でサラダを作ってくれる。値段は155ペソ(投稿者の換算で約1200円)で、量の少なさに「ふざけている」「殿様商売」と不満を漏らした。味はうまいにはうまいが「こんなもん」で、皆さんは行かなくていい、とまで言っている。ただ、付け合わせのパンにソースをつけて食べるのはとてもうまく、むしろパンを食べるためにサラダを頼むような感覚だという。

この評価は、続けて頼んだフェットチーネで覆る。パスタは「味に浅みしかない」ほど厳しい出来で、比べると先ほどのシーザーサラダが深みのある味だったように思えてきた。投稿者は前言を撤回し、まずいパスタでサラダの評価を上げさせる作戦なのではないかと冗談めかしつつ、結果的には大満足で、おすすめかもしれないと締めた。

45:00

国境のフェンスとティファナの夜

黄色いバスに乗って向かったのはティファナビーチである。投稿者が来た理由は、海に向かって無数の鉄柱が突き刺さる国境のフェンスを見るためだった。その向こうにはカリフォルニア州サンディエゴが見える。鉄柱の間隔は20センチほどで、細身の人なら通れそうだと冗談を言いつつ、「いろいろ考えさせられる」と話した。バスの車窓から見たフェンスは万里の長城のようだったという。

投稿者は、国境に壁を作らなければならなかった大きな理由はドラッグ関係だと説明した。2013年には国境付近に約500メートルの地下トンネルが掘られ、麻薬が密輸されていたという。それが摘発されて警戒がさらに厳しくなった、と投稿者は「とかなんとか」と曖昧さを残して紹介している。なお、この時期のメキシコは意外と涼しく、ビーチで海に入っている人はいなかった。

夜は店で70ペソの酒を頼んだが、「これまで飲んだ酒の中で一番まずい」と酷評した。ソースと醤油と塩水をアルコールに混ぜたような味だという。

最後に投稿者は、世界三大風俗の一つとされるティファナの「香港(Hong Kong Gentlemen's Club)」を「調査」したと報告した。コロナでティファナは厳しい状況だと聞いていたが、9年前と変わらず完全に復活していたという。詳しい話は日本に帰ってから絵を描きながら説明したいとして、ここでは語らなかった。治安面については何も言わない、死んでも文句を言うな、と突き放すように述べ、ティファナ編を終えている。動画の最後では、太ももがひどく日焼けして痛むことを見せて終わる。