「よろしくお願いします」は消えるのか――AIと消費電力による言語変化の仮説と、焼肉の焼き方から見えた「気遣い」の正体
ゆる言語学ラジオゆる言語学ラジオの雑談回である。前半では水野太貴が「丁寧な言い回しは、AIの消費電力を理由に近い将来消えるかもしれない」という仮説を出し、堀元見と議論する。水野自身もこの説を強く信じているわけではない。関心があるのは、消費電力が言語変化の要因になるという、これまでに見たことのない変化が起こりうるかという点だという。中盤では話が対面の会話に移り、水野が焼肉で肉を焼くのが速すぎるのではないかという悩みを、自著『会話の0.2秒を言語学する』の議論と重ねて掘り下げる。最後に同書の部数報告、印税寄付の今後、新しいポッドキャストについて話している。
AIを挟んだメールは「AI同士の対話」になる
水野の出発点は、メールのやり取りにAIが入り込んでいる現状である。メールを書くときに生成AIを使う人は多い。受け取る側も、要件が詰め込まれた読みにくい「幕の内メール」をAIに要約させる。音声入力の精度も上がっており、水野の知人にはスマホに向かって話した内容をAIに整形させ、ビジネス文書やメールにする人がいるという。送り手も受け手もAIを使うなら、実際にはAI同士が対話しているような形になる、と水野は考える。
水野が面白がるのは、AIがカジュアルな話し言葉をフォーマルな文面に直している点だ。「このメールは失礼で腹が立つから、あなたの会社とは仕事したくないと返しておいて」という依頼が、きれいなビジネス文面になって送られる。受け手のAIはその包装をはがして中身だけを取り出す。堀元も、これでは余計な変換が二回起きているだけで、最初から中身を送ればよいという理屈は本質的にはその通りだと認める。
消費電力が敬語をなくすという仮説
ここで水野が持ち出すのが、OpenAIのサム・アルトマンCEOの発言である。ChatGPTに対する「ありがとう」「お願いします」といった礼儀正しい言葉が、数十億円分の電力消費につながっているという話だ。AIの消費電力が問題になれば、「お世話になっております」や「引き続きよろしくお願いします」は真っ先に削れる部分になる。そうなると、フォーマルとカジュアルの二つの形式を使い分けるのをやめ、消費電力を抑える観点から一本化する未来もありうる、と水野は言う。
その世界では、「よろしくお願いいたします」と送ると電力を無駄遣いするマナーの悪い人と見なされ、フランクな言葉遣いのほうが地球に優しく配慮が行き届いているとされるかもしれない。そうなってもあなたは敬語を使い続けるか、というのが水野の問題提起である。
堀元は、回りくどく真意を言わない話し方が嫌いなので、個人としてはこの方向に賛成だという。ただ、社会としては100年、200年経ってもそうはならない気がするとも言う。水野も、自分は二つの形式があるのは好きで、あってもいいと思っていると立場を明らかにしている。そのうえで、言語変化の要因として消費電力が効いたケースをこれまで見たことがなく、そこに新しい現象が起きるかもしれない点が興味深いのだと説明する。言いにくい言葉が変わったり、同じ意味の形式を二つ持つのは無駄だとして言語体系が効率を保とうとしたりすることはある。しかし消費電力という軸が加われば、丁寧な言葉以外にも予想外のところが変わる可能性がある、というのが水野の見立てである。堀元も、丁寧語かどうかはともかく、消費電力で言語行動が変わることは十分ありそうだと応じる。
ポケベル語と電報――技術の制約が言葉を変えた例
堀元は似た現象としてポケベルを挙げる。ポケベルは電話回線を使うため数字しか送れず、当時の女子高生は数字にメッセージを対応させる独自の言語を発達させた。「49」は「至急」で、待ち合わせ場所にいるから早く来いという意味になる。「11014」は「会いたいよ」を表していたという。1を「あ」とも「い」とも読み、「01」の部分は10から来ているのではないか、といった読み方の由来も、堀元が見ているサイトの説明として紹介された。堀元はさらに、文字数で課金される電報の世界でも、なるべく切り詰めて伝える工夫があったはずだと付け加える。水野はこれらをテクノロジーの制約による言語変化とまとめ、堀元はそのもっとドラスティックな変化が今起きていそうだと言う。
「言い訳」があれば慣習は一気に変わる
水野がこの説を推したい理由は、ほとんどの人がメールの「お疲れ様です」や「よろしくお願いします」に意味がないと薄々感じている点にある。水野自身、「引き続きよろしくお願いします」は何も言っておらず、何を引き続きお願いされているのかがずっと気になっていたという。誰かが「それはエコではない」と言い出せば、それを言い訳にして一気に変わるのではないか、と水野は考える。
堀元は、これは食器洗浄機が普及した理由と同じだと応じる。食洗機は「楽ですよ」と売っても「手で洗えばいい」と言われて広まらなかったが、「水道代が安くなり地球に優しい」と訴えたことで、それが購入の言い訳になって普及した、という話を聞いたことがあるそうだ。エコは言い訳としてかなり強い、というのが堀元の見方である。
水野はやや違う例として、Amazonの日本上陸を挙げる。本をネット通販で買える仕組みは、書店への配慮や面目があって、どの出版社も言い出せなかった。出版社が皆で組んで作るわけにもいかない。そこへ海外からまったく別の事業者が来たことで作れてしまった、という話を聞いたことがあるという。誰かが悪者を引き受ければ、欲しかった仕組みにあっさり転ぶ。言い訳を用意することが大事だ、と二人の意見は一致する。
水野はさらに、敬語をうまく使えず失礼になっていないかと不安に思っている人は多いと指摘する。ゆる言語学ラジオでも、失礼語辞典を読む回のように「誰かに失礼になるかもしれない」という話は再生数が伸びる。こうした潜在的な不安が広くあるなら、一形式でいいじゃないかという動きに共感する人も少なくないだろう、というのが水野の考えである。
非効率こそが礼儀だと考える人々
これに対し堀元は、今の社会を見るとそうならない気がすると述べ、非効率をよしとする人が多い例を挙げる。不動産投資の会社を経営し、インフルエンサーとしても知られる藤原社長が、日程調整ツールに怒っていたという話だ。
スピアのようなツールでは、リンクを開いて空いている時間を押せばその場でミーティングが確定し、カレンダー登録やオンライン会議のリンク生成まで済む。テキストで候補日を送ると、返事が来るまでの数時間に予定が埋まって往復が発生することがあるが、ツールなら確定を押した瞬間にカレンダーが押さえられるので行き違いがない。堀元はこれをとても便利だと思っている。ところが、40歳前後で合理的にバリバリ進めるタイプに見える藤原社長が、「最近の若いやつはツールで日程を送ってくるが、礼を失している」と強く怒っていた。
堀元はその気持ちがまったく分からないという。好意的に解釈すれば、「俺と会いたいなら日程をお前が真心を込めて送れ」ということだろうと推測する。それでもTwitterで賛同する人が多かったのを見て、相手のために無駄な時間を使うことこそが礼儀だと考える人は相当数いるのだと感じたそうだ。水野も、パートナーへのプレゼントにカタログギフトや金券が嫌がられるのは、相手のことを考えた時間の過程を喜んでいるからだと同意する。こうした価値観がなくならない限り「今後ともよろしくお願いします」もなくならない、というのが堀元の見方である。
堀元はさらに、宛名の「行」を二重線で消して「様」に直す慣習を挙げる。何の意味もなくインクの無駄だと何十年も思われながら続いている。結婚式の招待状の返信で「ご出席」の「ご」を消して丸をつけ、「喜んで」と書き添える作法も同じで、二人とも毎回ググるかどうかで盛り上がる(ご祝儀袋の書き方は二人とも毎回調べるという)。堀元は、みんなが資源の無駄だと思いながらも、常識を知っていることを示すプロトコルとして機能するから生き残るのではないかと考える。
水野は、それは今まで変える口実がなかったから均衡が保たれていただけだと返す。堀元も、インク不足はいま切実ではないが、電力のように切実な理由なら変わるかもしれないと一部認める。ただ、核融合が実用化されて電力逼迫がなくなるほうが早いかもしれない、とも付け加えた。水野も、技術の進展速度は考慮に入れておらず、あくまでシナリオの一つだと断っている。
AIネイティブの子どもへの懸念をめぐって
水野は最近、「AI時代に言葉をどう使うべきか」「人々が自分で言葉をまとめなくなることに危機感はあるか」といった取材をよく受けるという。ただ、自分にはあまり切実な危機感がなく、歴史的にこういうことばかりだったという意味で楽観的だと話す。堀元も、生成AIとのやり取りで脳が腐る(ブレインロット)という派手な見出しには、そんなことはないと思っている。
一方で水野は、言語化やビジネス文書の作成、悩みの相談を自分でやった経験のあるうえでAIに外注している大人と違い、それを一度もやったことのないAIネイティブの子どもがどうなるかには、かなり危機感があると述べる。言語学者の川原繁人先生が新著『言語学者、生成AIを危ぶむ』で示している立場も、言葉を習得途中の子どもに使わせることへの反対であり、大人の利用をやめろと言っているわけではない。水野自身も同じ立場だという。
堀元はこれに対し、Macが普及し始めた頃に「学生にMacを持たせると脳が腐る」という論調が流行ったが、今ではクリエイティブの源泉として高校生に与えようという動きさえある、と述べて楽観を崩さない。AIの出力を見て「そうじゃない」とやり取りするうちに、自分でも考えるようになるはずだという。
水野は、別の角度から予想を示す。テキストではAIを挟むことで精度の高い返答ができるが、対面ではそうはいかない。そのため、テキストチャットでの印象と対面での印象がずれる現象が起き、即座に応答できるアドリブ力がより評価されるようになるのではないか。『会話の0.2秒を言語学する』で、0.2秒以内に応答しないと能力が低い、あるいは否定的な感情を持っていると思われがちだと論じたことを踏まえた見立てである。堀元も、マッチングアプリのチャットを生成AIに書かせている知人は多く、面倒だからという理由で、中にはAPIを使って完全に自動返信させている人もいると聞いたと話す。
水野はさらに、手紙から電話、メール、LINEやDiscordと、人類はより速くやり取りする手段を求め続けてきたが、行き着くと疲れて揺り戻しが起きていると指摘する。そのうえで、子どもにデジタル機器を与えても大丈夫だったという経験から今もどんどん与えているが、AIまで行くと実は越えてはいけない一線だったのに気づいていないだけ、という可能性はないかと問う。それは事後的にしか分からないから、川原先生は警鐘を鳴らしているのだろう、と水野は言う。
川原先生が特に警戒しているのは、子どもがAIと会話するツールで、本の中ではベネッセのAIしまじろうが例に挙がっているという。子育て中の先生は、子どもが機械と遊んでいてくれると親として助かる気持ちは分かるとしつつ、身体性やマルチモーダル性を伴わない相手との会話で「会話とはこういうものだ」と学んだ子どもが、人間と本当に会話できるのかを問題にしている。堀元はここで、テッド・チャンの短編(自動で子どもを育てる機能を備えた木製のロボットのような人形に赤ん坊を育てさせる話)を思い出し、その結果、赤ん坊が木製のものにしか親近感を抱かなくなるという落ちだった気がすると紹介する。水野は、大人でもAIに依存し、AIとの対話の末に亡くなった人の遺族が訴訟を起こした例もあると付け加える。
最終的に堀元は、自分は「むちゃくちゃになったらそのとき考えればいい」と思っているのかもしれず、それは子どものいない人間の意見だと認める。自分の友人がそうなったら感じ方は変わるかもしれない、とも言う。水野は、AIへの危機意識は別として、望むと望まざるとにかかわらずAIによる言語変化は毎年のように観測されるだろうとまとめ、その候補として「引き続きよろしくお願いします」「お疲れ様です」、そして「田中は今不在にしております」のような敬語を挙げた。堀元は、取引先の社長に送ったメールに、秘書への「適当に丁寧な挨拶を添えておけ」という指示まで含めてそのまま返信されてきたというアメリカンジョークや、領収書の宛名に「前株で」と言ったらそのまま書かれる話を持ち出し、結局みんな直接的なコミュニケーションをとりたい欲があるので、それがむき出しになっていくのかもしれないと述べる。水野は、AIが人間の人間性をより強く照らし出すかもしれない、と話を締めくくった。
焼肉で肉を焼くのが速すぎる問題
対面のコミュニケーションの話が出たところで、水野が「僕、焼肉屋で肉を焼くのが速いですか?」と尋ねる。堀元は即座に速いと答える。二人は収録の合間にマネージャーと三人でよく焼肉に行くが、水野は三人分の肉をすごい勢いで焼いていくという。
水野がこの問題を考えるきっかけは、以前堀元に言われた「水野さんって定型の気遣いしかできないよね」という言葉だった。サラダを取り分け、おしぼりを配るなど気が利くように見えるが、言うべきでないであろう他人の秘密は平気で口にする。場面ごとに相手が何を望んでいるかを汲むことができていない、という指摘である。
これを踏まえて水野が自己分析すると、肉を焼くのも気遣いではなく、網という資源が空いていたら埋める、という最適化にすぎないという。それも同席者ではなく、店の回転率の観点での最適化だと口を滑らせ、堀元に「なんで店の人目線なんだよ」と突っ込まれる。サラダを取り分けるのは、誰も取らずに食べ始められない時間が無駄だから。グラスが空いたら次の飲み物を聞くのも、相手を思ってではなく、空いていたら埋めたほうがいいから。そこに真心はなく、自分が今まで気遣いと言われてきたものは、相手の心を参照しない「PのときはQせよ」という規則に落とし込めるものだった、と水野は整理する。もっとも、何もしないよりは上等だとも考えており、この人はこうしてほしそうだからこうする、という上の段階とのあいだには大きな認知的リソースの差があると述べる。
水野によれば、なかなか食べない人の皿に肉が滞留していれば気を回すことはあるという。ただ、堀元が同席者の皿に肉が4枚たまっているのを見たと言うと、水野は4枚になると検知すると答え、堀元に2枚で検知すべきだと言われる。水野は2枚だとゆっくり食べているだけの可能性があると反論しつつ、自分は腹が減っているから食べたいという欲望もあると認めた。
怖いのは、焼くのが速いと誰も教えてくれないことだと水野は言う。最適な焼き方は受験でも出なかったので、自分のような人間は網に何も乗っていない時間を埋めたがってしまう。堀元はこれを受けて、水野の人生は余白を埋め続けていると指摘する。まる一日どころか一時間も何もしない時間がなく、堀元と二人で食事に行くときでさえ、堀元がトイレに立った時間のために本を持っていく。焼き網もそれと一貫しており、水野は「余白を埋める」という一行のソースコードで表せる産業用ロボットだ、と堀元はからかう。
『会話の0.2秒を言語学する』と同じ構造
水野は、焼肉は例にすぎず、自著の話と構造が同じだと考えている。自分は間を埋めて早く動こうとし、そのリズムで場を支配してしまう。食べるのが遅い人や胃袋の小さい人もいるのに、焼くペースという場の資源を管理できる有利な立場にいながら、その務めを果たさず、自分が食べたいから焼いている。会議のファシリテーターでもないのに喋りすぎてしまうのと同じことを、自分はいろいろな場所でしているのではないか。言語学を勉強して会話の問題に気づいた今、それに気づいたときの恐怖は大きいという。
堀元は、水野は悩むのが好きで自分を痛めつけるのが好きだと言いつつ、実際には水野は一緒に焼肉に行った人を平均より圧倒的に楽しませる能力が高いと評価する。速く焼かれても誰も気を悪くしておらず、「こいつ焼くの速いな」と事実として思われているだけで、問題はないというのが堀元の見方だ。水野が、食べたいペースは直接観察できないと言うと、堀元は見れば分かると返し、自分は食べていない人がいれば次の一枚は自分の分だけ焼く、と説明する。水野はこれを聞いて、常に全員分を同時に焼いていたのは自分なりの公平の実践で、ロールズの無知のベールに従った「社会主義的な焼肉」だったと冗談めかし、焼けた後で分配すればよいのだから一枚ずつ焼いてもよいのだと初めて気づく。堀元は、人数分一気に焼くべきだという思い込みを「劇場のイドラ」ならぬ「焼肉のイドラ」と呼ぶ。
堀元は水野のこうした思い込みの別の例として、誰かに会う前の予習を挙げる。水野は、会う相手に著作があれば読んでいくことを鉄のルールにしている。できれば全著作を読み、厳しければ最新刊を一冊読むが、一冊だけだと後悔するという。月に会う著者の数を制限しないと予習量が追いつかないほどだ。堀元も読んでいったほうが楽しいのは分かると言いつつ、時間がなければ諦めて出たとこ勝負にする。水野の姿勢は肉を全部焼くのと似て強迫的に見え、それでなぜ楽しく生きられるのか不思議だと述べる。水野は、きついとはあまり思っておらず、読書は自分の認知特性に合っているからできるが、アーティストの全作品を聴いてから会うのは負荷が大きくてできない、と答えている。
焼肉を焼くべきは「一番がさつな人」
水野はそれでも、もっと場に合ったペースで焼ける人がいるのに、なぜ自分が率先して焼きたがり、しかもそれを気配りだと自己認識しているのか、という論点は残ると食い下がる。会話に参加しながらうまく焼くという理想の状態は存在しないのか、と問う。
堀元の答えは、存在しないのではないか、というものだ。細やかに気を配る人が焼くと、会話のリソースを配慮に持っていかれ、焼肉屋の店員のようになって場に入れない。それはその人がかわいそうだ。だから、あまり何も考えない人が焼いているほうが場全体の幸せは最大化され、一番がさつな人が焼くのが正しいと堀元は言う。「人は能力の限界まで出世する」というピーターの法則になぞらえて「人はがさつさの限界まで肉を焼く」とまで言うが、水野にはその例えは無理があると指摘された。
水野が、ネギタン塩をひっくり返してネギを全部網の下に落としてもいいのかと尋ねると、堀元は、みんな薄々気づいているが言わないだけで、会食での食事は社会的な媒介にすぎないから、よほどの食事ガチ勢でない限りベストの状態で食べられなくてもいいと思っているはずだと答える。水野は昔、目上の人に「肉を何回もひっくり返すな」と注意されたことがあり、肉汁が落ちて美味しくなくなるからだというその指摘が、焼肉に関する配慮が初めて芽生えた瞬間だったと振り返る。裏を返せば、それまで誰も言ってくれなかったということでもある。水野は視聴者に、自分の食べたいペースで肉を焼く人が焼肉を仕切っていたらどう思うか、コメントで教えてほしいと呼びかけた。
トングを持つことは責任を引き受けること
堀元によれば、みんなが一番嫌なのは、焼いていいのか、失敗したら嫌だとくよくよする状況だという。水野が、焼肉に失敗して嫌だということがあるのかと驚くと、堀元はそれを自己肯定感の高い陽キャの発想だと指摘する。
水野の考えでは、網に置かれた肉はその人の持ち物になり、管理責任はその人にある。トングは使われるために置いてあるのだから、誰かが使えばいいし、持って後悔したら置けばいい。これに対し堀元は、陰キャは一挙手一投足がおかしくないかを常に気にして生活していると説明する。トングを持てば責任を引き受けたことになり、一度持ったトングを置けば「焼こうとしたけれどどうしていいか分からなくなったんだな」という目を向けられる。だからサラダにトングが添えてあっても取り分けない。体育のバスケットボールでパスされるのが怖いのと同じで、ボールを持てば責任が生じる。堀元は、自分で肉を焼かねばならない状態は地獄の業火に焼かれるような罰であり、網の上の肉に自分を重ね合わせるとまで言う。
だから陰キャにとっては、水野が置いた肉が多少焦げていてそれを食べるほうが、責任を負うよりよほど軽い罪であり、水野が率先して焼いたり取り分けたりしてくれることはありがたい、というのが堀元の結論である。水野は、肉を焼くのはやめないが焼き方は調整しそうだと答えた。
網に置くことと、肉を管理することは別
話は焼き加減にも及ぶ。堀元は、水野がタンなどを赤みの残る状態で取らず、しっかり火を通したがると指摘する。レアのほうがうまいので、レアで食べればいいのにと薄々思っていたという。水野の答えは、網に置かれた時点で自由市場なのだから、なぜあなたが取らないのか、というものだった。堀元は三人で三枚なら一人一枚ずつだと思っていたが、水野にとってはそれも所有の条件ではない。
水野の世界モデルでは、空いている網という資源を活用するまでが自分の仕事で、三枚焼けばそれぞれ一切れずつ各自のものになる。置いた責任はあるので焼けたら回すが、取りたいタイミングで取ってもらえばよく、なぜ水野が「いいよ」と言うまで待っていたのかが逆に理解できないという。堀元は、水野が置いてトングを持っているのだから水野が面倒を見るのだろうと勝手に思っていた。
焼けているのに相手が取らず、どんどん焦げていく場合について、水野は、満腹なのかその部位が嫌いなのかを推論するが、基本的に不可解な自然現象のように捉えると言う。「焼けてるっぽいよ」と言うときには、網の脇ではなく相手の皿に置き、タレに放り込むこともあると水野が明かすと、堀元はそれを自己決定権の侵害、インフォームド・コンセントを無視したパターナリズムだと笑いながら責める。一方で水野は、相手が取らずに網の脇で焦げている肉は、いらないのだろうと判断してそのままにするかもしれないと言う。
ここで二人の違いがはっきりする。堀元は、自分が作った料理を一番うまい状態で食べてほしい欲があり、恋人に出した野菜炒めが放っておかれると気になる。冷めたものを食べて料理が下手だと思われたくないというプライドかもしれない、と自己分析する。水野は、自分の作った料理を食べてもらえなくてもどうでもよく、お腹がいっぱいなのか嫌いなのかと考えるだけだという。焼肉の網は同席者によって分割される領域であり、最初に置くことには関与するが、その後各自の領域で焦げたものについては関与しない、というのが水野の考えである。
堀元は、そのモデルで生きていない人も一定数いると述べ、陰キャの視点を再び説明する。焼肉全体を仕切るモデレーター型の人がいれば、その人が「焼けたよ」と言う前に食べると「なぜ今食べたのか」という目にさらされる。モデレーターがいなくても、変なタイミングで食べる人というレッテルを貼られるリスクがある。水野は、「変なタイミングで食べるよね」と言われるならキャラクターとしておいしいのではと返すが、堀元はそれこそ陽キャの発想で、陰キャは注目を避けるために参加しているのだと言う。文化祭の打ち上げに一人だけ来なかったら空気を壊したと思われるから仕方なく参加するのと同じで、ボールは持たされたくない。だから誰かが食べ始めるまで様子を伺い続ける。水野は焼けた肉をまず上座や偉い人から順に回し、自分は最後に取るので、責任を一切負わずに済む陰キャにとってありがたい。従いたい人は「従いたい」と言い出せないが、従いたくない人は「自分で焼くからお前は焼くな」と言える。だから水野はそのままでいい、と堀元は結論づける。元陰キャとして、良い従属先がいるのが一番嬉しいという。
水野は最後に、焼肉は正解を誰も教えてくれないのに参加者の裁量が大きく、人間力が出る場なのではないかと述べる。人を見て何を求めているかを考え、場全体をうまく整えられる人が良いとされる。どのくらい焼けたら美味しいと思うかや箸のマナーなど、文化資本の差も出る。水野の実家は、油が家中に飛び散るホットプレートで焼肉をする家だったので、焼肉にはあまりなじみがないという。堀元は、上流階級の焼肉のハビトゥスがありそうだと応じた。
『会話の0.2秒を言語学する』6万部と印税寄付のこれから
最後の話題は水野の著書の報告である。昨年8月末に刊行した際、告知動画で3万部突破を目標に掲げていたが、刊行から6か月の時点で6万部に達し、目標の2倍を達成した。番組内では報告していなかったため、改めて視聴者に感謝を述べている。印税の寄付については、収録時点から見て翌日の朝に、ゆる学徒カフェで贈呈式を行う予定だと話している。
目標を早く突破したため、次の目標は10万部に置いているという。10万部に達すると新潮社が革装の特装本を作ってくれる、というのも水野の楽しみの一つである。堀元の『読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全』はまだ2万6000部ほどだが、3000部ずつ重版を重ねており、水野はロングセラーの傾向だと評価する。
10万部に達したら、水野は寄付の枠を増やすつもりだという。今回は寄付を受けたいという言語学関係者から多くの応募があったが、一人に絞らなければならなかった。枠を増やすとともに、企業にスポンサーとして一枠どうかと営業をかける展開も考えている。
これに対し堀元は、NPOを作らないと機会損失が大きいと指摘する。法人が個人に普通に寄付すると損金に算入できず、100万円を渡すとそれにかかる法人税(堀元の例では33万円ほど)も負担することになり、企業にとって実質133万円の持ち出しのように見える。寄付金を損金算入できる認定NPOを通せば法人税分が浮くので、そうしないと企業は手を挙げにくいだろう、というのが堀元の見立てである。認定を取るのは大変なので、どこかに落ちている認定NPO法人を買ってこられないか、と冗談を交えつつ話し、隠れ蓑にして汚職や脱税をするつもりは一切ない、と「いい意味で」を連発して笑いを取った。そのうえで、理念に共感した企業が認定NPOに寄付し、そこを通じて言語学の関係者にお金を渡す形なら違法ではなく、事務や窓口を担ってくれるところが名乗り出ればの話だと真面目に整理している。
水野によれば、今回の寄付は所得税と住民税を払った後のお金から出している。刊行時の告知動画では経費に算入すると話していたが、それは厳しそうだと分かったという。学生に納税させるか自分が納税するかという選択なら、自分が納税するほうがいい、と水野は判断した。この分野は堀元が得意なので相談するかもしれないと話し、10万部突破時に協力できる関係者がいれば、と呼びかけた。登録者が約44万人いるのだから、まだ38万人は買っていない計算になる、という冗談も添えられている。
新ポッドキャスト「神保町で会いましょう」
水野は本の執筆動機の一つとして、堀元抜きで面白いものを作れるか試したいと語っていたが、同じ動機で始めたものがもう一つある。水野がMCを務める街ブラのポッドキャスト「神保町で会いましょう」である。コンセプトは、ゲストを招いて神保町に何かを「プロジェクション」してもらうことだという。
初回のゲストは、ジャンクションの写真集で知られる大山さんだった。水野が大好きなこの人物は、古本屋でもカレー屋でもなく竹橋ジャンクションに向かい、街のコンクリートを見て「拡張された千葉」と言ったという。千葉の山を切り崩して砂を採り、それがコンクリートになって東京の建築ができているので、大山さんは神保町に千葉を投影したわけである。収録時点ではまだ2回分しか録っていないが、水野は結構面白いと感じている。
初回を聴いた堀元は、水野がしっとりしていて、文化人っぽい会話をしていてモテそうだったと評し、ゆる言語学ラジオでは堀元に引きずられているだけなのかと冗談を言う。水野は制作の方針の違いを説明する。制作に入っているポッドキャスト制作会社は、スタジオでがっちり台本を組んで作ることを望まず、環境音が入ってもよく、工事やトラックの音も入っている。長尺で回して面白い部分だけを使うので、ゆる言語学ラジオが90分収録で80分以上の素材になるのに対し、大山さんの回は4〜5時間のロケで2時間程度の番組になったという。違う筋力を使ううえ、これまで堀元にかなり頼っていたことにも気づいたそうだ。堀元は、自分は3分ほど展開がないと何かしなければと慌てる性質なので、ゆる言語学ラジオには展開が多く、いらない展開を作ってコメント欄で怒られると話す。脱線が多いと感じている人には「神保町で会いましょう」のほうが合うかもしれないという。
締めくくりに二人は、焼肉について「自分ならこうしたい」「水野タイプをどう思うか」という意見をコメントで寄せてほしいと呼びかけた。水野は、ポッドキャストはYouTubeと違ってコメントが見えにくく、刺さっているのか不安なので、面白いと思ったら感想を書いたりXで投稿したりしてほしいと付け加えている。
[音楽]
ゆる言語学ラジオ。丁寧な言い方ってあるじゃないですか。
敬語ってことかな。
とか遠回りの言い方とか、持って回った言い回しとか。あれ近い将来消えるかもしれないっていう、
うん。そうかな。
大胆な仮説を僕が唱えていって。
おお、水野説。
その理由は消費電力のせいでそうなるんじゃないかとちょっと思ってる。
お、意外性ある主張だね。
はい。とりあえず論旨を聞いていただければと思います。最近僕が考えているのが、例えば誰かにメールを送る時に生成AIを使う人っていますよね。
いっぱいいますね。
はい。で、逆に来たメール、特に分かりにくい、いわゆる幕の内メールとか言われるやつを、
あ、俺知らんかも。
あ、そうですか。要件が詰め込まれた読みにくいものとか幕の内メールとか言ったりするんですけれども、その要約をAIにさせるっていうこともありますよね。
うん。よくありますね。
で、しかも最近音声入力の精度が結構上がっていて、僕の知り合いとかでもスマホに向かってバーってこう喋っていって、それを元にAIに綺麗に整形させてビジネス文書とかメールの文面を作る人がいると聞いたんですよ。で、そうするとAIを噛ませてメールを作って、メールが送られて、AIを噛ませて受け手が解読をするという。だから全部AI噛ませでやり取りをする。
確かに。
つまり実際はAI同士が対話してるみたいな形になりそうだなとこう思っているんですよ。
送り手と受け手がそれぞれAIを使ってるわけですね。
はい。面白いのは、ビジネス文章にまとめる時って、カジュアルに喋った言葉をフォーマルな言い方に改めるっていう作業もAIが結構していることが多いと。例えば「なんかこのメールすげえ失礼だしむかつくから、ぶっちゃけあなたのところとは仕事したくないって返しといて」みたいな依頼に対して綺麗にこう整形されて送られるみたいな風になると、ある時人類が「あれ、これAIを間に挟む必要なくね」というか、つまりビジネスっぽい形に整えるって作業をカットすれば直接喋れるじゃん。
うん。だってそうだよね。AIがわざわざ外側を作って相手に送って、で、相手のAIがその外側を剥がして中身だけ取り出してるんだ。意味ないもんね。
そう。余計なやり取りが2回出てきてますよね。
確かに。最初っから中身を送った方がいいじゃんっていうのは、本質的にはそれはそうだね。
はい。で、OpenAIのサム・アルトマンCEOが、ChatGPTに対して「ありがとう」とか「お願いします」って言った礼儀正しい言葉が数十億円分の電力消費に繋がっているって。
うん。なんかニュース聞いたことあるかも。
そう。発言してたんですね。AIによる消費電力の問題が持ち上がってきた時に、カットできる部分として「お世話になっております」とか、メールの最後の「引き続きよろしくお願いします」みたいなやつカットしたら消費電力すごい減るって
まあそうでしょうね。
人類が気づいたら、じゃあもうフォーマル・カジュアルっていう形式を併用するんじゃなくて、消費電力を抑えるという観点から一本化したらどうかみたいな未来がなくはないなって思ったんですよね。
うん。
だからその世界では多分「よろしくお願いいたします」みたいなの送ってると、逆に「あ、電力無駄に使っててマナー悪いな」。
そう、
「SDGsじゃない」みたいなレッテルを貼られるとしたら、むしろフランクな言葉遣いでビジネスのやり取りをする方が地球に優しくてしっかり配慮が行き届いてるみたいな世界になったとしたら、あなたは敬語を使い続けますか?っていう問題提起ですね。
面白いね。なんか僕それ賛成なんですよ。なんか持って回ったことをみんなモニャモニャ言って真意言わないの嫌いだから、ズバッと言ったらええやんと。「もっと金が欲しいです」とかね、ドカッと言ったらいい論者だから、僕、水野さんのそれには賛成なんだけど、社会としては俺そんなに100年200年ってならない気すんだよな。
はい。僕もこれ結構ラディカルな問題提起で、僕自身がそうなること強く信じているわけではないんですけど、僕はなんでこの仮説を言ったかというと、言語変化、言葉が変わるっていう理由に、これまで消費電力が要因になって変わったケースを見たことがなくて、そこに対する新しい挑戦が起きるんじゃないかと思ってるのが興味深いんですよね。
それ面白いね。
だから実際には丁寧な言葉じゃないかもしれないけど、消費電力のせいで言語行動が変わるっていうのはめっちゃありそう。
はい。その消費エネルギーで言うなら、言いにくい言葉とか、同じ意味なのに2個形式を持っておくのが無駄だみたいな形で効率性を言語体系が保とうとするのはあるんですけど、そこに消費電力っていう軸が来ると、しかも丁寧な言葉以外の全く予想してないようなこととかが消費電力のせいで変わるみたいなのってなくはないなって思ってるんですよね。
でもさ、それにちょっと似た現象でさ、ポケベルの時にさ、独自の言語変化したの知ってる?
あ、知らないです。
独自のポケベル用の言語が発達したんですよ。
へえ。それ自然言語というか日本語みたいなやつなんですか?
そう。女子高生とかがポケベルで数字を送って、それにメッセージを対応させる
うん。ああ。
ていうことを女子高生は当時やってて、例えば水野さん、「49」って送られてきたら
よろしく。
違う。至急だから急げ。
ああ、
待ち合わせ場所とかにいるから早く来いよって意味で「至急」。
なるほどね。
じゃ、これ何だと思います?「11014」。
普通に読むとね。EOEみたいなね。
うん。成立してないね。
でもEってご飯を「いい」って言うから。
あ、「いい森」みたいなねありますから。
はい。飯田さんていう苗字のEとかご飯の飯ですから、「ご飯が美味しい」。
はい。全然違います。これはね、「会いたいよ」。
なんで1が…
文化があったっぽくて
ああ。50音に対応させたのかな?数字を
多分。で、1はEとも読むから、1文字目の1は「あ」で2文字目の1は「い」で、で、なんか01がね、10から来たと思われるって書いてある。俺が見てるサイトには。で「た」らしいですね。
ああ、「てん」で「た」と読むというか、こうちょっと違う読み方して。
そうすね。ま、でもだとしたらここ1101じゃなくて1110なんじゃねえかとかね。そういう話もありますけどね。ま、11014が「会いたいよ」に対応してたらしいよ。当時は。
「会いたいよ」と11014は数字と文字数一緒ですけどね。
ポケベルはね、数字しか送れないらしいす。
ああ、
電話回線を使ってるから。
なるほどね。
だからそういう独自文化が発達したっぽいっすね。
はあはあはあ。
そういうコミュニケーション上の制約からね。
そうだね。日本語と何かを対応させるっていうのは確かにありそう。
そう。みたいなのがさ、多分電報の世界とかでもあって、文字数で課金されるからなるべく切り詰めて発言できるようにしようみたいな工夫とかあったはずだから
うんうん。
ま、ちょっと近いよね。電力。
そうですね。テクノロジーの制約ってことですよね。
そうだね。ま、だからそれのもっとドラスティックな変化が今起きてそうだね。
なんで僕がこの説を推したいかと言うと、ほとんどの人がメールにつける「お疲れ様です」とか「よろしくお願いします」って意味ないってうっすら感じてるっていうのが僕は興味深いと思っていて、つまり誰かが「いや、これいらないよ」って言い出したらコロっと変わりそうというか。実際その「引き続きよろしくお願いします」って何も言ってないから僕もずっと気になってたんですよね。これ引き続き何をよろしくお願いされてるんだろうかみたいなことを思っていたわけで、そこにどこかが「それエコじゃないですよ」って言い出したら、みんな「じゃあこれを言い訳にして日本語を変化させてもいいんだ」ってなるんじゃないかという。
そうだね。電力っていう言い訳すごいわ。あ、てかそれあれじゃん。食器洗浄機が普及した理由と一緒じゃん。
あ、そうなんですか。
食器洗浄機も最初売り出した時は「いや、手で洗えばええやん。それを使う意味がないじゃん」。「楽ですよ」だとダメだったんですよ。で、結局「節水になりますよ」と。
ああ、
水を使わなくていいから水道代も安いし地球にも優しいですよって言うから、みんなそれが言い訳になって食洗機を買った、っていう話聞いたから、やっぱエコに訴えかけるのって言い訳としてめっちゃいいんじゃない?
うん。僕ちょっと違うけど思い出したのは、Amazon.comが日本に上陸した時とかは、本を通販で買う仕組みっていうのをどの出版社も言い出せなかったんですよね。それはその書店さんに対する義理というか配慮というか
[咳払い]
面目みたいなのがありますからね。
そうですね。A社が「本をネット通販で買える仕組みを作ります」っていうと角が立つ。でかと言って、じゃ出版社みんなで組んで作ろうというわけにも当然いかないですよね。なのでネットで本が買えるサービスがあったら便利だと思っていた地域や属性の人はいたでしょうけれども、日本の現状の仕組み上それを作れるプレイヤーがいなかったと。で、その時に海外から全然違う事業者っていうのがあれば作れちゃった、っていう話を、ま、聞いたことがありまして。それなんかも、どっかが「あ、分かりました。うちが悪者になります」っていうことになれば、欲しいような仕組みを作れるんだとなればコロっとそっちに転ぶっていう
言い訳を用意するって大事だね。
と思いますね。他にも敬語うまく使えなくて相手に失礼になってないか心配してる人とかってやっぱり世の中にはいっぱいいて、ゆる言語学ラジオの過去の回でも「無礼語辞典」を読むっていう回とか、「させていただく」はなぜ嫌われているのかっていう回みたいな、誰かに失礼になるかもしれないという話は伸びるんですよ。それやっぱり失礼にならない言葉遣いをしたいということの現れですよね。こういう潜在的な恐怖が人々の中に結構あるのだとしたら、もうそういうのやめて1形式でいいんじゃないっていう動きに対して共感を示す人も結構いると思うんですよね。あ、ちなみに僕はスタンスをはっきりさせておくと、2形式あるのは好きだしいいなと思って
あってもいいってね。
はい。あってもいいと思ってるんですが、それとは別にその消費電力という観点から言語変化が起こるっていう可能性は捨てきれないなと思ってるっていう感じですね。
うん。なんかね、僕はそうかもしれないなと思いつつ、なんか今の社会を見てるとそうならない気がして、非効率をよしとする人たちっていっぱいいるじゃん。
ははは。
僕の記憶に新しいので言うと、大和財託っていうね、社長が名物インフルエンサーの会社があるんですけど、不動産投資をプロデュースする、
藤原さんという方ですかね。
藤原社長が極論をむっちゃ言ってるの好きでずっと見ちゃうんですけど、藤原さんがこないだ切れてて、メールで日程調整をする時に最近の若いやつツールを送ってくると。
うん。うん。
Spirっていうね、ツールなんかが有名ですけど、「以下のリンクから空き時間を予約してください」って言って、そのリンクを開けるとカレンダーの空きっていうものが送られてきて、じゃあ俺この1時間って押して確定を押すとそこでミーティング決まるっていうようなツールで、これ便利なんですよ。
そうですよね。勝手にカレンダー登録もしてくれるし、場合によってはオンラインミーティングとかであればリンクも生成して送ってくれる。
生成してくれるのもあるし、あともっと言うのは即時で決まる。だからつまり候補日って普通にテキストで送るとさ、送られてきて数時間経って「あ、じゃあここでお願いします」って送ったら「あ、ごめんなさい。この数時間の間に埋まっちゃいました。今ここだったらいけます」みたいな往復が発生する可能性があるじゃない?
ダブルブッキングがね、起きちゃう。
Spirだと絶対そうならないわけよ。
はい。
そう。リンク送られてきて確定って押した瞬間にそいつのカレンダーがロックされるから、もう確実に行き違いがないっていう安心感があるので、すごく僕は便利だと思うんですよ。そしてこの大和財託の藤原さんって、まだ年も若いし多分40そこそこで、割と合理的にバリバリ行くタイプなのに、このSpirにめっちゃ切れてて
うん。
「最近の若いやつ、なんかツールで日程を抑えてくれって送ってくるんだけど、礼を失しています」ってめっちゃ怒ってて。あ、それ怒るんだって僕びっくりしたんですよ。
うん。うん。だって本人だってきっと忙しい方でしょ。
そう。多分ね、代弁すると、俺と会いたいんだったらその日程をお前が真心込めて送れって話だと思うんですよ。
うん。うん。
カレンダーから自動的に抽出されたものを送ってくんなみたいなことだと思う。僕その気持ちは全くわかんないんだけど、Twitterで賛同する人めっちゃいて、「分かります。あれ失礼ですよね」って言ってるのを見て、あ、この人たち合理で動いてないんだな。だってそっちの方が合理なんですよ。藤原さん側も絶対メリット大きいわけよ。そこにスケジュール1発で合う方が手間減るから。なのに嫌がってるってことは、非合理的な作業をすること、相手のために無駄な時間を使うことが礼なんだと思ってる人が相当数いるんだなっていうのを見て思って。なんか他の事例でも見てて結構そう思うから
はい。ま、だからね、例えばパートナーのプレゼントとかを、カタログギフトとか金券を渡すのが嫌がられるのってそういうことですよね。
そうですね。
考えている時間、この人のことを思ってる時間がどれぐらいあったのかっていう過程を喜んでるわけじゃないですか?
そう、そう、そう。だからそれがなくならない以上、結局「今後ともよろしくお願いします」もなくならない気するけどな。うーん。あ、ていうかね。あ、もっといい例えあったわ。あれ、「どこどこ行」っていうやつを二重線で消して「御中」にするやつ。
はいはいはい。
あれさ、何の意味もないじゃん。
意味ないね。確かに。
で、あのインクの無駄じゃん、あんなん。
確かにね。
だからあれやめたらいいなって、多分何十年も前からずっと思い続けてるよね。
あの結婚式の招待のはがきとかもね、初めて出席した時ね、「出席」に丸って言っちゃったよね、俺。
うん。「ご出席」の「ご」を消して。
あ、そうですね。「ご出席」の「ご」消して「出席」に丸するみたいなやつ。
ま、てか「喜んで出席させていただきます」に。
そうだ。上に「喜んで」って書くんだ。そう、そう、そう。あれ毎回ググるよな。んで、え、どうすんだっけってならん?
いや、もう俺は覚えた。
あ、さすがだね。自信ある?それに
え、あるよ。
俺毎回ググるよ。一応。
俺はあのご祝儀の封筒の書き方を毎回ググって。
あ、そう。俺もそれググる。
うん。はがきはいけるね。
はがきはいけるんだ。
あと最近はみんなもうはがきじゃなくて、あ、ウェブでやるやつありますね。
でもいずれにせよ、ああいう無駄なことをさ、資源の無駄だなってみんな思いながら、「私は常識知ってますよ」ってプロトコルとして機能してるから、そのために生き残り続けるんじゃないかなって気する。
うん。だから今はそれで口実がないから均衡を保ってただけだと思うんですね。だから何か口実があった時にそれってなくなりますよねという話を僕はしている。
はいはいはい。そうだね。だから電力みたいな切実なこと言えればいいのかもしれないね。今だから「行」を「御中」に直すのはさ、インクの無駄なんだけど、多分そんなに切実じゃないじゃん。
はい。
世界が今インク不足に直面してないから問題になってないだけで。確かに電力なら行けるかも。まあでもあれかもな。核融合が実用化されたら電力逼迫なくなるから、そっちの方が早いような気もする。
そうですね。そのテクノロジーの進展がどのぐらいの速度かっていうのは観点に入れてないので、あくまでも、ま、シナリオの1つではあるんですけど、僕はそのここ最近、AI時代に言葉をどう使うべきですかとか聞かれる
取材よくされてるね。べき論みたいな話ね。
「言語は学ぶ必要があると思いますか?」とか「人々が自分で言葉をまとめるということをやめたことに対して危機感はありますか?」
なんかそれ引き出そうとしてるよな。
まあまあそうでしょうね。「由々しき問題です」みたいなこと言って欲しい感じはありますよね。
うん。
ま、実際由々しい問題ではあると思うんですけど、あんまり僕に切実な危機感がないというか、割と楽観的に、こういうことばっかだったからなっていう。
うん。いや、僕もそうで、なんかよく言われんじゃん。生成AIとやり取りしてるせいで脳が腐るみたいな
はい。ブレインロットっていうね、派手な見出しが結構ニュース記事で踊ってますけど。
俺そんなことないと思うけどなって気するんですけどね。
うん。うん。ただ僕らは、例えば何かを言語化するとかビジネス文章を作るとか、悩みがあった時に自分で考えたり、あるいは人に相談するっていうことをやった後に、AIを使ってそれを外注していますけど、AIネイティブでそれやったことない子供がどうなるのかに関しては関心あるというか、危機感結構あるって感じかな。[咳払い]
うん。ああ、危機感あるんだ。
ありますね。川原先生って最近ね、『言語学者、生成AIを危ぶむ』っていう本書かれて、かなり生成AI否定派なんですけど、川原先生が本の中で書いてるのも、基本的には言葉をそんなに習得してなかったり発達過程にある子供に使わせるのが反対だっていう立場なので、大人が使うことをやめろと言ってるわけではないんですよね。で、それは僕も同じかなっていう。
なんかね、Macintoshが入り始めた時に「学生にMacを持たせるな」って言説が流行ったんですよ。
はい。
学生にMacを与えると脳が腐るみたいなこと書かれて。全く同じだなと思って。[笑い]
はいはい。
でも今逆じゃん。MacBookってさ、クリエイティブの源泉だから、高校生とかには与えてクリエイターにしようみたいな動きあるから。なんか結局生成AIもこうなんじゃねえかなと僕は思うんですけどね。
ま、そうですけどね。ただ自分の感情を自分で言葉にするとか問題を切り分けるみたいなのって、1回自分でやってみないと…あ、でもま、そうか。ずっとAIがあればもう別にそれでいいって話なのかな。
もうそうだし、なんだかんだ言われたもの見て「そうじゃなくない?」とかさ、やり取りしてるうちに己でもやるだろうっていう気すんだけどね。
あ、なるほどね。AI1回噛ませると、テキストチャットではすごくできるように見えるっていう現象起きると思うんですね。対面で会った時にテキストチャットとの印象が違うっていうのはめっちゃ起きそうだと思っていて
ああ、ありかもね。
つまりこれ、あの、ま、僕が書いた『会話の0.2秒を言語学する』っていう本でも、0.2秒以内に応答をするっていうので、それに遅れると能力が低いとか否定的な感じを持ってるんじゃないかって思われるみたいな話をしましたけど、より即時的な応答が評価が上がりそうだとは思っていて、それなぜかと言うと、テキストコミュニケーションだとAIを噛ませることで精度が高い返答ができるんですけど、対面環境だとそうはいかない。AI噛ませられないので、
そうだね。不可能だから。
喋ってすぐ答えることが評価されそう。
そう。っていうアドリブ力みたいなのが問われたりとか。LINEとかメールでやり取りをする分においては、あんまりグっと評価が上がるみたいなことって起きづらいのかなとか、みたいなのは考えますけどね。
あ、そうかもね。それはめっちゃあるかも。
うん。対面だった時印象違うなとか、対面だった時全然頭切れないなみたいなのは起きそうですよね。
マッチングアプリのチャット、生成AIに書かせてるって知り合いむっちゃいるもん。
あ、そうですか。
うん。
それどういう動機ですか?
めんどくさいから。
はあ。ああ、
だから人によっては完全に自動化してるみたいな。そのメッセージ自動でAPIとかで読み取って、それで勝手に返してくれるっていうのを構築してるみたいな話も聞いた。
あ、そうなんだ。
だからだいぶテキストコミュニケーションはね、侵略されてますよね。
うん。それは面白いですね。だから人々は手紙の時代から電話を発明し、そして電話の後に、ま、メールっていうコミュニケーションツールも見つけ、さらにメールよりもより早いチャットツールですね。LINEとかDiscordとか作り出したと。で、ここまで行くとやっぱ疲れるんだなっていうのが僕面白くて、いっぱいやり取りしたいっていう欲を達成し続けた時に、揺り戻しとして、もういいわってなっているわけですよね。
だからさ、テキストコミュニケーションも円熟期を経て、今みんな食傷してるわけじゃん。
そうかも。その意味では、堀元さんAIに対して結構楽観的だって言ってたけど、実はあのAIの登場が行きすぎてる分岐点の可能性もありません?子供にデジタルツールを与えても子供はそんなにとんでもないことにはならないっていうのがあったから、今デジタルデバイスとかをガンガン、ま、与えていっているんだけど、実はそれAIぐらいまで行くとアウトだったのに、それに気づいてないだけかもしれないじゃないですか。
うん。あ、なるほどね。だから本当はもう与えちゃいけない領域に入っているんだ。
あ、そう、そう、そう。で、それ人類は判断できないから。目で見えないから。
そう、事後的にしかわかんないよね、それ。
そう、そうなんですよ。ま、だからこそ川原先生とか警鐘を鳴らしているんだと思うんですけど。
うん。俺やっぱテクノロジー楽観論者だからさ。「いや大丈夫だって」。むしろそことやり取りするうちに、むしろめっちゃみんないろんな能力発達するだろうって僕は思ってますね。
[笑い]
うん。なんかね、川原先生が本の中で警戒してたのは、子供がAIと会話するツールに特に警鐘を鳴らしていて、ベネッセが開発したAIしまじろう。しまじろうと子供がしりとりすると。で、先生もお子さんを育ててらっしゃるんで、子供が機械と遊んでいると親としてすごい助かるという気持ちはわかる。だけども、そうすると生身の人間じゃないツールとのコミュニケーションで、あ、会話ってこういう感じなんだなんて学ぶわけじゃないですか。で、そこにはそのマルチモーダル性、身体性とか伴ってないから、それで会話を覚えた後、人間と会話本当にできるのかみたいなこととかは考えたりします。
それね、テッド・チャンが書いてた。
あ、そうなんですか。
「全自動式…」何でしょ?
知らん。
正しいタイトルは「デイシー式全自動ナニー」っていう
何を言ってるのか全然わからんな。
っていう短編があるんですよ。これテッド・チャンの書いた。これから木製のロボットみたいなやつで、子供を育てるための機能が全部備えられたからくり人形、
うんうん
っていうのに子供を育てさせるっていう短編で、それをやった結果、その赤ちゃんは木製のものにしか親近感を抱かなくなったみたいなオチだった気がする。
だから全く同じですよね。それって人間じゃないものに育てられた赤ちゃんって、人間とコミュニケーションできなくなるんじゃないか。
そうそうそう。AIに依存しちゃう方とかね。
これ大人でもいいけれども、それ最近だとね、AIに自殺を…命を絶たれた方の遺族が訴訟とかしてましたから、大人でもそうなわけですからね。
ああ、分かった。俺あれかも。それでむちゃくちゃになったらそん時じゃないって思ってるかも。
ああ、なるほど。
なんかこれ子供いないやつの意見だ。
うん。うん。うん。
なんかピンとこんな、その問題意識ってなりました。今。
そうすね。とか自分の友人がそうなった時にどう思うかみたいな話ですよね。これ
そうね。そしたらマジでなんか来るかもしれないな。
そう、そう、そう。ちょっとこうふわふわしてきたんでまとめますけど、ま、AIに対する危機意識みたいな話はともかくとして、望むと望まざるとに関わらず、AIによって言語変化するというのは今後も多分毎年のように観測されるんじゃないかなっていう気がしていて。で、その、ま、候補の1つとして「引き続きよろしくお願いします」とか「お疲れ様です」とか敬語ですよね。「田中は今不在にしております」みたいなやつとか、もうめんどくせえからカジュアルスタイルでいいじゃんっていう風になるかもしんないなと思っていると。
そうね。あとその話聞いてる間、ずっと僕の頭に浮かんでるのがアメリカンジョークで、取引先の社長にメールを送ったらこう返ってきた。「ああ、デイブのバカか。あんなやつからのメール適当に返しとけばいいんだよ。そうだな。『親愛なるデイブ。その日は残念ながら予定があっていけません。しかしまたのお誘いを心待ちにしております』とかなんとか書いて送っとけ。ああ、なんか適当にいい感じの挨拶も添えておけよな」って。秘書がそのまま送ってたっていうジョークを思い出して。
はい。だとね、領収書の宛名に「前株でお願いします」って書かれるみたいなやつありますよね。
あ、そうですね。株式会社の意味の前株って書いて欲しかったのに、そのまま書いちゃう。
だから結局みんなそういう直接的なコミュニケーション取りたい欲ってのはあるから、それ剥き出しになっていくのかもしれないすよね。
うん。ま、その意味ではAIがより人間の人間性を浮き彫りにするというか、強く照射するかもしれないと思った話でした。
うん。うん。うん。うん。
今直接的なコミュニケーション、対面でのコミュニケーションで話出たんで、僕が最近気づいたことなんですけど、僕、焼肉屋で肉焼くの早いですか?
ああ、早いっす。
知りたくなかったかも。それ
僕らよく収録の合間に焼肉行くじゃない。
はい。
で、大体僕とマネージャーさんと水野さんの3人で行くんですけど、3人分の肉すごい速度で焼くから、早えなって思いながら食ってます。いつも。
堀元さんに言われて僕胸に突き刺さっている言葉があってですね。「水野さんって定型の気遣いしかできないよね」って。
[笑い]
ひどすぎるだろ、俺。でもそう、あのサラダとかすごい取り分けてくれる。すごいですよ水野さんって、サラダ取り分けてくれるし、おしぼり配ってくれるし、めっちゃ気い使えるなって思うけど、でもその人の、多分あんまり言っちゃいけないであろう秘密とか割と言うから、こいつ定型の気遣いしかできないなっていうのを思ったんですね。
うん。人間の機微の部分ができないってことですよね。こういうことを言ってほしいんだろうな、この人は、とか。
[笑い]
あ、そう、そう、そう、そう。
この人の時にはこういう風にしたらいいだろうってのが全くできてないっていうことを、一番鋭利な形で言われたじゃないですか。
[笑い]
ごめんって。
で、僕焼肉焼くのとかも率先してね、焼いてるんですけど、堀元さんの言葉を踏まえると、多分僕気遣いじゃなくて全体最適しかできてないんですよね。
ああ、なるほど。
つまり今網の上に何も乗っていなくて網は寝かせられていると。であればこのリソースを使ってガンガン供給していった方がよかろうと。
うん。全体最適でもないな、それ。その工場の最適化みたいな。生産最適みたいなこと。
ごめん、そう。全体ってのはその場の参加者ではなくて店です。
[笑い]
あ、店の回転率とかを考えた時にね、最も早く捌けるように、その…あ、ごめんなさい。やっぱこの話やめますわ。
なんで店の人目線なんだよ。[笑い]
やっぱ引きで見ている、俯瞰でね。
お前、店の利害関係者じゃないでしょ。回転率上げても儲からないよね。
見てとかね。そのおしぼりとかも僕のとこで寸詰まりが起きてるとやだとか。
まあまあ
あとはそのサラダの取り分けとかも、なんで僕率先するかって言うと、誰もサラダを取らないせいで食べ出さない時間が無駄だと思ってるんですよね。だからとっとと取り分けてしまうという風にしていて。そうか。俺、真心がなくそれやってるわけだから、そういうの気遣いじゃないやんって最近気づいたんですね。
そうだね。だからタスクを消化しているロボットと何も変わらないですよ。
そう。飲み物が空いてたら「次何か飲みますか」みたいに聞いてるのとかも、相手のことを思っているとかじゃなくて、空いていたら埋めた方が良かろうと。で、それはその焼肉をポンポンポンポン焼いてしまうのと何も変わらないんじゃないかみたいなことを考えまして。
[咳払い]
うん。店の回し者だもんね。やっぱりずっとそう、グラス空いたら飲み物頼んだ方が利益率上がるし。
[笑い]
ま、別にその水で良いって言うんだったら水でも全然いいんですよ。
はい。
だからともかくその人が円滑に動くために水とかがあった方がいいならば埋めたいって思っちゃっていて。で、怖いのはですね、これって誰も教えてくれなくないですか?
確かに。こいつ焼くの早えなあって思ってても誰も言えないもんね。
肉を焼く最適な時間って、少なくとも2014年の名古屋大学の前期の試験では出なかったんですね。で、センター試験でも出なかった。
そう。受験で習わないね。
そうです。だから僕みたいな人間は、網に何も乗っていない時間っていうのを埋めたがってしまうんですよ。
いや、そう。今俺同じこと言おうと思っててさ、水野さんの人生って余白を埋め続けてるよね。
はい。その、ちょっとごめんなさい。なんかまだ鋭利な言葉来ます?これもしかして
[笑い]
今振りかぶってるところす。まだ振りかぶってるとこです。水野さんの人生ってさ、その丸1日空いてて特に何もしない時間とかないわけじゃん。
うん。うん。
で、丸1日どころか1時間もないでしょ。何もしない時間。
え、ぼーっとするってこと?うん。ないね。
だからその常に本読んだりとかさ、何かしらしてるじゃん。俺と2人で飯食いに行く時も、堀元さんがトイレに行ったら困るからって言って本持ってくでしょ。
で、読んでるでしょ。
だから余白を全部埋めちゃうんすよ、あなたは。
うん。うん。
で、焼き網も全部同じでさ、余白があったら埋めようとする。一貫してますよね。だから行動として。
はい。そうですね。
だから全て水野さんって1行のソースコードで表せて、「余白を埋める」なんですよ。
え、振りかぶっただけですよね。まだ振り下ろしてない。
まだ全然。まだ全然。いや、だからその人生全体が余白を埋めているだけのロボットと何ら変わりがない、産業用ロボットと言っても差し支えないかもしれないですよね。
え[笑い]え
あの、ただベルトコンベアをどんどん埋めていく産業用ロボットと言っても何の差し支えもないかもしれないですね。
[笑い]
え。この人にこういうこと言ったら言うなみたいなのとかってのはできるタイプですか?
あ、僕はだから大丈夫そうだなと思って今埋めてます。水野さんの余白を今埋めています。
[笑い]
でもそうなんです。そう…違う違う違う違う。
[笑い]
あ、違う違う違う。
めっちゃ認めたな。「そうなんです」って言うたね。
てか、ま、僕がだから自分で考えて整理したことというのはそれで、僕が今までしてた気遣いとか、周りから「気が使えるね」って言われたことは全く気が使えていなくて、相手の心とかを参照せずに
うん。
自分が「PのときはQせよ」みたいな形に落とし込める。ま、それが堀元さんの言う定型の気遣いという、お箸とか取り皿とかを回すってことなんでしょうけど。これ何もしないよりは僕上等だと思ってるんですよ。
そう思う。
でもその上のステージですよね。
うん。
今この人はこうして欲しそうだからこうしようみたいなのとの隔たりってすごいんですよね。
ああ、まあそうだろうね。
今このジャンプアップするために多分使わなきゃいけない認知的なリソースすごい。今オートメーション化してるんですよね。その肉焼くとか飲み物を注文するみたいなのって。検知したら動くみたいな、なんかロボットみたいだ。
いや、だからそうなのよ。産業用ロボットと一緒だよね。網空いてるから入れようっていう。ひたすら動かしてる。
さすがにね、肉を食べるペースが遅くて滞ってる人とかがいたら、肉がこう皿の中で滞留していたら気を回しはしますけれども。
でも俺水野さんと焼肉行ってるけど、そう、一緒にいる人が全然肉食ってなくて4枚ぐらいは滞留させてるの見たことあります。
あ、4枚やると検知します。[笑い]
ウィーンって検知するんだ。いや、2枚ぐらいで検知したらいいのにね。そ、2枚食ってないなって思ったらもう焼くの
これはね、2枚はね、食べるのがただ遅いだけの可能性も
食べるの?あ、まあでもそうか。
お腹いっぱいとかじゃなくてね、
ゆっくり食ってるだけ。
ゆっくり食ってるだけっていう説もあるんで。
でも2枚余ってたらさ、どっちにしろさ、焼くペースが早すぎることは間違いないからさ。
でも俺はお腹減ってるじゃん。その方がどうか知らないけど。
[笑い]
その欲望はあるんだ。
食いたい。俺は肉食いたいって。
いや、じゃあいいんじゃない?だから俺、それで中途半端に罪悪感を抱いてる水野さんが一番卑怯だと思うよ。
へえ。
カイジの鉄骨渡りでさ、ごめんごめんって言いながら前のやつを押していく。あれが一番醜悪だと言ってたわけですよ。
[咳払い]
堀元さんの言い方に直すと、気骨がないってやつですよね。
ない。そう。だから「悪人だと思いなさい、押すなら」っていうことをカイジで言ってるんだけど、ま、だから水野さんもそれで良くて、なんかこいつ食うの遅せえなって思いながら、でも俺肉食いたいし同じペースで焼くかが一番いい気するけどね。
なるほどね。でも僕はこの焼肉の例というのはあくまで例に過ぎなくて、実はこれ僕の書いた『会話の0.2秒を言語学する』の話とめちゃくちゃ構造一緒だと思うんですね。
そうなん。
それどういうことかというと、僕はとにかく間を埋めて早く行動しようとすると。で、そのペース、そのリズムで場を司ってしまっているわけですよね。でも食べるのがゆっくりの方とか胃袋が小さい方もいるわけで、僕は有利な立場、肉を焼くペースを司るという有利な立場、場のリソースを管理できる立場なのに、その務めを果たしてないわけじゃないですか。自分が食いたいから焼くっていう風にしていて、肉焼く資格あんまない立場の人間が焼いちゃってるなと思って。
え、で、それ会話もそうですよね。会議のファシリテーターみたいにずっと喋ってたり、ファシリテーターじゃなくてもいいじゃん。なるわけで、僕は多分会話における問題ってのは言語学を勉強したから気づいたんですけど、僕焼肉みたいなことをいろんな場所でしちゃっていると思うんですね。それに気づいた時の恐怖。
うん。
しかも何かこうやって焼肉は誰も言ってくれない。焼くの早いとかやっぱ言ってくれないので、これを入試問題に採用すべきだという話。
その結論は少なくとも間違ってるな。もっとみんな学ぶことあるから。そんな些末な問題に付き合ってる暇ないから。化学とか物理とかやってくれよ。日本の未来を担う若者は物理分かってくれや。
ああ、そっか。そっか。いずれにせよ僕は、いわばその焼肉から自分のこう醜さというか、エゴイスティックな部分に気づいたという話ですね。
うん。なんかやっぱ水野さんってさ、悩むの好きだよね。
え、そうかな?
自分を痛めつけるの好きだなっていうのをめっちゃ思います。
ま、でも成長するきっかけになりますからね。
いや、なんか産業用ロボットとかさっきふざけて言っちゃったけど、俺ね、水野さんって焼肉を一緒に行った人を平均値より圧倒的に楽しませる能力が高いと思う。
はあはあ。
だから、ま、確かに人が食ってるペース無視して早めに焼いたりするんだけど、別にそれで気ぃ悪くしないからみんな。
あ、そうですか。
うん。こいつ焼くの早えなとは思うよ。事実として。こいつ自分の食いたいペースに合わせてむっちゃ焼くなとは思われてる。
そう。だって食いたいペースってさ、直接観察できないから。
[笑い]
できるよ。ちょ、そいつが食ってる様子見りゃわかんだろ。
いや、焼肉を食べてる間僕は肉に集中してるから、その人が食ってるペースとかちょっとね、関心の外ですよね。
いや、じゃ、見たら分かるのよ。ま、でもだから、
え、どうなの?してんの?その焼肉行って自分が焼く側になったら、それぞれの人が食うペースを観察しながら焼くんですか?
え、[笑い]いや、いや、そうだよ。
え、常に意識して。
いや、なんでだよ。いや、違う、違う。視界に入るじゃん。なんかこいつ食ってねえなっていう。
うん。うん。
ま、だからとりあえず次の1枚は俺の分だけ焼くかとか。
あ、1枚だけ焼くとかします?
する。
俺、基本全員分焼き続けるよね。
はい。機会の平等ですよね。それは僕なりの公平の実現。
[笑い]
無知のヴェール。どこの席に座るかわからない状態で公平に分配されるよ。そう。
[笑い]
ロールズの正義論に従って肉焼いてんだ。
[笑い]
社会主義的な焼肉なんで、僕は。
違うだろ。絶対。
やっぱ同じものをね、皆さんにこう同じ大きさで同じサイズで配るっていう方が公正だ。確かにね、資本主義ってね、食べるものはより食べていくっていう効果がありますからね。
[笑い]
確かにそれ不公平だもんな。良くない。
そう。堀元さんばかりがこう富をね、蓄積して肥えていくわけですよ。
[笑い]
確かに再分配する必要あるからね。
そう。なので同じタイミングで焼いちゃってましたけど、確かに。あ、でもさ、だから俺それも今発見だわ。1枚ずつ焼いて良いっていう。
いや、いいんですよ。
網に乗ってでね、確かに焼けた後に分配すればいいですよね。なんで俺人数分同時に焼いてたんだ?
ま、だからそういうもんだと思ってたからじゃない?劇場のイドラとかそういうやつ。その、これが
[笑い]
そうだわ。人間が自然と抱きがちなイドラのうちの1つ、焼肉のイドラ。[笑い]
うわ、マジ?
これ多分そうだと思う。
うわあ。これ確かにみんな知らないだろうな。
でもやっぱさ、水野さんってそういう思い込みが多分結構あるよな。
人数分一気に焼くべきだみたいなやつだね。
そうそうそうそう。そう思ってるからそう行動してるっていうのかなり多い気がするんだよね。
例えば何すか?なんか2つ目挙げるの怖いけど。
会う人の予習してかなきゃいけないとか。
ああ、
水野さんってめっちゃ本読んでくよね。誰かと会う時は、その人が書いてる本があったらそれ読んでいくっていう。
それはそうじゃないですか。
なんか鉄のルールみたいに課してない?
あ、そうですね。だから著作がある人と会うのって、月の中で制限をかけないと予習量が上回るんで。
[笑い]
ちょ、だから読んでいかなくていいのよ。そういう時は。
え、ダメですよ。失礼だから。[笑い]
すごいな、お前。
あと本読まずに行ってしまうと、本読んでから行った時に比べて楽しさが劣後するので
あの分かります。それは僕もめっちゃ分かる。
だからそのために時間使っちゃうのもったいないから、入念に予習したいですよね。
うん。でもやっぱそれなんか思い込み感は多分あって。あの僕も水野さんと同じタイプだから、できればその人の本読んでいきたいのよ。
はい。
ただ僕は全然時間なかったら適当に諦めんの。まあ出たとこ勝負で行こう。で、別に気が合わなくて楽しくなかったらそれはそれでいいやって思ってるんだけど、水野さんはなんか脅迫的にめっちゃ本読んで行ってるなっていう気がする。
僕はだから堀元さんよりもう1個制約が激しくて、できたら全ての著作を読んでいきたいが、
すげえな
厳しければ1冊、近刊を読んでいくっていう感じですかね。でもそれは1冊しか読まずに行くと後悔しますね。やっぱ。
うわあ
本当はだから全部読んで読書ノート付け終わって会いたいっすね。
やっぱそういうことだわ。それなんか肉全部焼いてるのに近い。
ああ、
なんかこれやらなきゃっていう、ちょっと脅迫的に見えますね。
あ、そうですか。
うん。それで楽しく生きてんの不思議でしょうがない、俺。なんで水野さん楽しく生きられるんだろう。
え、楽しいじゃん。
そんな圧の量で生きてたら、常人だったらおかしくなるぜ。
はあ。ま、でもきついってあんま思ってないですからね。
うん。それもよくわかんないんだよな。
なんかね、本を読むのは別に僕じゃなくてもできますけど、例えばアーティストさんとかの制作物を全て目を通したり聞いたりしてから来いとかだと、大変かもね。うん。あ、そうだね。集中して音楽だけを聞くみたいな時間はあんまり取ってないせいで、それを全部してから行くっていうのは結構僕にとって負荷が大きいからできないけど、読書は認知特性に合ってるからできるって感じかな。
なるほどね。え、ちょっと話戻すとさ、結局その焼肉も水野さんは問題視してるんだけど、俺結局問題ないと思ってるんだ。お前肉焼くの早えなって思われつつ、あるいは言われつつ、水野さんと焼肉食ってると多分大体の人楽しいから、それで解決してて、今別に問題って僕はないと思うんですよね。うん。はあはあ。早えなこいつ、肉焼くのって思われてるだけ。
うん。じゃあ俺みたいなやつは率先して肉を焼きたがるなっていう論点もある。ああ。つまりもっとその場を最適に回す、焼肉をいいペースで焼ける人がいるのに、なぜお前は焼肉を焼きたがってるんだっていう。で、しかもそれで僕は周りに気を回してるみたいな自己認知をしてるわけじゃないですか。そうだね。それやばくないかっていう。
なんか世の中はさ、焼肉焼くのに適した人なんていないんじゃないかっていう説があって。え、でももっと僕より細かいとこまで見て采配してる人っていません?いると思う。ただそれ焼肉屋の店員さんみたいになっちゃうから。ベストなタイミングでみんなに肉を提供しようとか思うと、そいつ場に入れてないから。うんうん。だからそれはそいつがかわいそうじゃん。ああなるほどね。てなると水野さんぐらいあんま何も考えないやつが焼いてるのが、場としての幸せの総量を最大化してるから、合ってるっていう気しますよ。
できないんすか?会話に参加することと適切なタイミング…あの僕、ちょっと技術向上するわ、今回堀元さんと話して思ったんですよ。1枚ずつ焼くとか、そもそも自分が肉焼き係を最初に名乗り出ないみたいな引っ張りはもうちょっとできてしかるべきだと自分に対して思うんですけど、それはそうとして、ある程度会話にも参加しながらうまく焼くっていう、僕でいう理想の状態って存在しないんですか?
うん。存在しないんじゃない?あ、そうなの?なんか、じゃあめっちゃ細やかな気配りしちゃう人って会話のリソース持ってかれるじゃん。うん。その気配りの方にね。そう。だから無神経なやつが焼肉を焼いてるのが場としてはむしろ最適だと思うよ。あ、え、だってマルチタスクで頑張って配慮するやつって繊細なやつだから、そいつが肉焼いてたら場が全然楽しくない。場を楽しめなくなるから。あ、うん。うん。
だから合ってるよ。場の中で1番ガサツなやつが肉を焼くのが正しいっていう。ピーターの法則みたいなさ、人は能力の限界まで出世するみたいなのと一緒でさ、人はガサツさの限界まで肉を焼くみたいなことが言えるかもしれない。ピーターの法則言ったあたりから違うかもってなってたやん、顔が。なんとか力技で行こうとしたんですけどダメでしたから。無理ですよ。結局1番ガサツなやつが一番向いてんじゃない?
あ、そうすか。僕がそのネギタン塩を焼いた時にひっくり返してネギを全部網の下に落としたりしててもいいですか?そう。ネギ全部網の下に落ちたなってうっすら思ってるけど、でもみんな言わないから、それは。まあ別にいっかっていう。そっか。細かくてどうでもいいことなんすか?ネギタン塩のネギが落下するのって。
あのね、会食ってさ、食事ってただの社会的な媒介に過ぎないから、まあ今ベストで食えてないけどまあいいかってみんな思ってる気がするよ。ふん。よっぽど食事ガチ勢じゃない限り。なるほど。昔1回、肉焼いてたら何回もひっくり返さないでって目上の人に言われたんですよね。うん。焼肉ガチ勢はそうだよね。そう。肉汁が落ちるから。肉汁が落ちれば落ちるほど美味しくなくなるから、できれば1回だけひっくり返すだけにしたいっていうね。
そう。そう。だからそれ言われて、僕の中での焼肉に関する配慮が初めて芽生えたのはそこでしたね。だからその人が僕に何回もひっくり返すなって言うまで、今までの人生で誰も僕に何回もひっくり返すなって言ってくれなかったということでもあるわけじゃないですか。小費。そう。[笑い]それも、まあだから食事ガチ勢は怖いな、そこ。うん。そうだね。でも世の中のほとんどの人って食事ガチ勢じゃないから気にしなくていいんじゃないって僕は思うけどね。
ちょっとコメント欄で、肉を自分が食いたい速度で焼いてる人が焼肉を司っていたらどう思うか、ちょっと教えてください。僕に成長の余地があるのかどうか知りたいですね。うん。うん。あんま気にしないと思うけどね、みんな。てかむしろ1番みんなが嫌なのは、肉焼いていいのかな?でも俺がやって失敗したらやだなっていうくよくよだと思うから。焼肉に失敗してやだとかあるんだ。ある。へえ。ああ、自己肯定感高いやつの発想。陽キャの発想だわ。
だってさ、網に置かれた瞬間に自分の持ち物になるじゃないですか。その管理責任はその人にあるから[笑い]管理不届きですよね、それは。あ、その世界モデルで生きてないです、陰キャは。陰キャって一挙手一投足がおかしくないかを常に気にして生活してるから、私のような人間がトングを手に取ってしまった。私のような人間が肉を持ってしまった。もう引き返せない。終わりだ。死ぬしかないみたいな気持ちになりますよ。なります。
なんで?トングはだって使われるために置いてるわけだから、誰かが使えばいいじゃないですか。そう。でもそれってさ、もう持ってしまった時点で引き受けたことになるから、責任を。責任を引き受けたくないですよ。うん。持って後悔したら置けばいいじゃないですか。いや、無理、無理、無理、無理。[笑い]いや、だって持って置くって最も無様な行動だから。そんなことをしてしまったら私はもう恥で生きていけなくなりますよ。[笑い]
え、焼肉ってそんな選択の連続だから。そうですよ。己の醜さが全部出てくる、そういう空間ですから。トングを持って置くなんてやった日には、あ、こいつ1度は肉を焼こうと思ったけど、どうしていいか分からなくなって置いたんだなという目を周囲から向けられるという。もう生きていく価値がないんですよ、そんな私には。え[笑い]え、ええ。
ちょっとこっち寄りすぎたわ。だから責任負うのが怖いから、世の陰キャってサラダがあってトングがあったとしても取り分けないんですよ。そういうことか。へえ。あ、だからあれですよ。体育の時間にバスケットボールでパスされるのが怖いとかと一緒。ああはいはい。ボールを持ってしまったら責任が生じるから、責任を持ちたくない。そうね。奪われるリスクもありますからね。そう、っていうのと同じですよ。
はあ。あ、そうなのか。俺それ思ってないからサラダとか取り分けちゃうけど。だからそれがありがたいじゃん。陰キャにとってはバスケットボールのパスが回ってこなくてよかったって思えるから。だからwin-winなんですよ。ああ、そうか。で、陰キャにとっては多少焦げた肉を食うとかの方が、責任を負うよりよほど軽い罪だからありがたいんですよ。え、よほど軽い罪。[笑い]よほど軽い罪ですね。やはりその肉を己で焼かねばならぬという状態は、地獄の業火に焼かれるに等しい、そういう罰だから、もうそれは[笑い]
え、重ね合わせるんですか?その肉に。あ、そうですよ。焼かれてるな、俺今地獄の業火にって思いますから。ああ。焦げてる肉も醜悪な自分の映し鏡だと。そう、そう。だからそう考えると、水野が置いた肉が多少焦げててそれを食わなきゃいけない方がよほど楽。ふーん。な、win-winだから俺いいと思うけど、それ。なるほどね。やめないで欲しいですけどね。そうなんですね。僕多分肉焼くのはやめないんですけど、焼き方とかはやっぱ調節しそうだなと思いますね。
それで言うと全然関係ないんだけどさ、水野さんって割といっぱい焼くよね、肉。どういうこと?多めにウェルダンにするよね。あ、はいはい。赤身の状態で取らないという意味ですか?そう。レアで食わずに結構ちゃんと火通したがるよな。そうか。いや、だからそれもその名家の生まれじゃなかったから知らないんすよ、その相場を。うん。そうだ。え、なんかタンとかってさ、ちょっと赤っぽくても別に食っていい。レアっぽい方がうまいから、レアで食ってもいいのになとは僕はうっすら思ってて。
ああ。それはだから網に置かれた段階でその自由市場なので、なぜあなたが取らないのかって話ですよね。[笑い]あれ競争だったんだ。市場での競争が行われてたんだ、あれ。そう。だからね、レアであればあるほど先取りできるじゃないですか。[笑い]本当は3枚置かれた時に、え、その権利あったの?俺に。3人で食ってるから3枚はそれぞれのものだと思ってたんだけど。でもそれもその全く所有の条件ではないというか。そうか。そうか。
あ、レアなのにいらないの。いただきますっていう。今食べ時だから全部食うねとか、権利もありますよね。確かにね。やっても面白いかもね。あ、そう。だから網に肉を乗せることとその肉を管理することって僕別だと思ってるんで。ああ、それ面白いモデルだな。
つまりその僕は網というリソースが余っていると活用するまでは僕の仕事ですけど、その後3枚焼いてるということは、あなたそれぞれ一切れずつあなたのものですよって言って。で、まあとはいえ置いた責任はあるので、焼けたと思ったら皆さんにお回ししますけど、別に取りたいタイミングで取っていただければいいので、そのターンをなぜその僕がいいよというまで待ち構えたのかが逆に理解しかねる[笑い]感じ。ああ、そうか。
え、僕の世界モデルでは、水野が肉を置いたから、でトング持ってるから、あいつが面倒を見るんだろうなって僕は勝手に思ってたの。でもそうじゃなかったんだね。あ、うん。だから場をね、支配してるとまでは思ってないんです。僕の感覚としては。そう。肉を送り出してるだけ。そう。ごめんなさい。言い方ちょっとそんな不正確にやめてください。あの網というリソースが空いているので全体最適化するです。はい。やめてください。[笑い]
だから本当に産業用ロボットだよね。一旦そのベルトコンベアに置いて、あとは流れてくから次のラインに任せるみたいな。え、いい意味で産業ロボットなんだよね。そう、そう。いや、すごい。いい意味で産業ロボット。うん。いい意味で脳が全くなくて他人の配慮ができない産業ロボットだってこと。いい意味でプログラム通りに動いているだけ。いい意味で人間としての意味は全くない。[笑い]いい意味でね。いい意味で。いい意味で本当にそうだなって思います。なるほどね。え。
ちなみにあれどうですか?網に置いた後にむちゃくちゃ焦げてるんだけど、そいつが取らなくて、これもう食えるよって言って、その網の端の方、そいつ寄りのところに誘導して置いたのに、なおそいつが取らなくてどんどん焦げてってる時どうします?うん。あ、それは満腹なのか、あるいはその部位が嫌いなのかって推論しますけど、ただ不可解ではある。うん。な[笑い]んでだろうな。およそ僕の常識では説明ができない現象が起きてるので、説明したいという欲に駆られる。[笑い]そう。
あ、自然現象みたいに捉えてるんですね。そう。だってその方は米農家で一生懸命稲を育てたのに、収穫期に取らずに冬を迎えるみたいなこと。そう。鳥が全部取っていくみたいなね。そう、そう、そう、そう。意味がわからないですよね。
うん。え、そういう時聞く?リアルに想像すると、まずだから焦げてて、あ、焼けてるっぽいよって言って置くよね。あ、僕でも焼けてるっぽいよって言った時、網の脇じゃなくて皿に行くかもな、俺。行くわ。水野さんと焼肉行った時。そうだわ。アグレッシブに。うん。攻めてるね。でもそれってそのパーソナルスペースの侵害じゃないですか?そうだね。その権利を踏みにじってますよね。自由に食べる権利がみんなにはあるはずなのに。[笑い]いい意味の産業ロボットがやってるわけだね。[笑い]そう。もう人間を人間と見ずに強制的に食わせる。
なんならね、タレでいいとか言ってタレのとこに放り込んだりします。あれとかもね、言わばしずかちゃんがお風呂に入ってる時にのび太がどこでもドアで入ってくるみたいな。完全に犯罪。そうと言える。タレで食うかレモンで食うかっていう選択肢は我々にあるはずなのに、それを踏みにじって押し付けてくるパターナリズム。インフォームドコンセントを無視してますよね。いい意味で。いい意味でいい意味で自己決定権を侵害している人権侵害者ですよね。いい意味で。[笑い]
それ言ったら何でもいいわけじゃねえさ。だから取らなくなって網の脇にあったとしたら、まあ焦げてるわけだもんね。うん。それはもうなんかいらないってことだろうと思って判断しますけど、でも網からどけもしないかもね。うん。ほっとくかな。あ、だからやっぱ水野さんと僕とで自分が置いた肉への責任感違うわ。そうだね。僕は結構気になるから、焦げてたら、え、もういらないとかお腹いっぱいとか、なんかなんとかしようとしちゃうかも。
はあ。それはその網というリソースを有効に活用したいという思想ですか?いや、それとは全く違って、僕自分が作った料理をうまい状態で人に食って欲しい欲があるの。へえ。へえ。だから恋人とかに野菜炒め作ったよって言って出して、食わないでほっとかれるとめっちゃ気になるの。うん。うん。俺のベストで食って欲しいなっていう。はい。はい。なんか冷め切った状態のもの食べて、なんかあんま美味しくないなみたいな、こいつ料理下手だなって思われたくないみたいなプライドなのかな、これ。
うん。へえ。その状況で僕、肉野菜炒め作って食べてくれなくても、僕はどうでも良いですね、まず。ああ。だからやっぱ水野さんは独立した個人として切り分けてる感じがするよね。そうだね。だからそれこそまさにお腹いっぱいなのかなとか、肉野菜好きじゃないのかなっていう風に考える。うん。
で、それはそれとして、焼肉は肉野菜と違って、なんとなく網の中にも自分の領分エリアがあって、それを管理するのはその人の責任だと僕は考えているので、焦げたものを放置するのもその人の自由であり、究極的にはその網っていうのが参与者によって分割されるリソースなので、最初に置くということについては僕が関与するが、その後彼らの領域の網において焦げたものができることには何の関与もないですね、僕は。
これ面白いな。そのモデルじゃないよ、みんな。ええ、みんなっていうか、少なくとも水野派じゃない人は一定数いると思う。席について誰かが肉を焼き始めたら最後、その人が許可を出すまで食べられない仕組みだと思ってるんですか?とか。まあやっぱ陰キャはさ、衆目にさらされることを何より恐れているから。はい。ちょっとまだ食うべきじゃないタイミングで食い始めちゃったら、ああ、あいつ肉の食べ頃も分からない愚民なんだなあって思われたくないじゃん。
だから仮に僕みたいなタイプじゃなくて、焼肉全体を支配するモデレーターみたいなタイプの人だとしたら、その人が焼けたっぽいよって言う前に食べ始めた段階で、モデレーターのやつが、え、なんでこいつ俺がベストのタイミングにしようとしてんのに今食ったの、みたいな感じに思う、その目にさらされるのが怖い。そうそう。で、仮にそのモデレーターみたいなやつがいなかったとしても、変なタイミングで肉を食っていたら、その場にいる参加者からは変なタイミングで肉を食うやつという烙印を押されるリスクがあるじゃないですか。それを何より避けたいわけです。
え、なんで?おいしいじゃん。いやいやいや、美味しいかどうかなんてどうでもいいんです。クソまずいものを食べてでも注目にさらされたくないんです。あ、違う違う違う違う違う。お肉が美味しいかどうかじゃなくて、変なタイミングで肉食べてるやつだって、例えば。あ、キャラクターとして美味しいってこと。そう、そう。その、え、お前変なタイミングで肉食うよねって言われたら、え、嘘みたいな、やばみたいな。俺普段からこの赤さで鶏肉とかも食べてんだよねみたいな。死ぬ死ぬみたいなね。そう、そう、そう。そういう下りとかできるじゃないですか。
陽キャだね、それはね。やっぱ注目に晒されたくないんですよ。え、なんで来たの?その注目に晒されたくないのに。[笑い]いや、そう、避けがいに来てるだけですよ。陰キャは避けがいなっていう。クラスの文化祭の打ち上げに1人だけ来なかったらさ、空気を壊したやつだと思われるだろうなと思うのと一緒ってことですよね。そうだ。仕方なく参加しててボールは持たされたくない。はあ。っていう状態においては。え、大人の会食は違くない?まあ、基本的にはそうだね。うん。
でもとはいえ基本的な精神性は一緒で、大人の会食においても変な行動したと思われたくないから、水野がいっぱい肉を置いてたら、とりあえずそいつは様子を伺い続けるわけですよ。はい。で、少なくとも誰かが食い始めた時にしか食わない。ふーん。そこ周り見てるんだ。そう。で水野さんの場合は、ある程度焼けてきたっていうタイミングで、多分自分だけに肉を取ることに罪悪感があるから、水野さんがディストリビュートするわけよ。そのまま。そうですね。むしろだから僕最初に自分の皿に肉を持っていきはしないですね。人に渡すよね。焼けたものは。そうそう。
上座とかその場のなんか偉い人から順に回していって、最後に自分が食べるっていうスタイルですか?そうやってるね。だからそれがありがたいわけですよ、陰キャとしては。その責任を自分で一切負わなくていいから。うんうん。水野に従属したいと思ってるから、陰キャは。だからいい従属先としてそのままであってほしいですけどね。
なるほど。そうなんですね。でもそれも結局人見てやらなきゃいけないことなので、人見れない…あ、違えた。えっと[笑い]いい意味で人見れないから。あ、そうそうそう。いい意味で人見れないからそこが問題ですよね。うん。でもさ、従属したいやつは従属したいですとは言い出せないわけよ。注目されちゃうからね。それだから水野さんがそれやってくれることは嬉しい。で、従属したくないやつは、いいや、俺勝手に焼くから、お前焼くなよって言えるから。ああ、そうか。そうか。
だから結局水野はそのままでいいって結論になりそう。ふーん。あ、そうなんですね。と思うよ。ああ、そうですか。やっぱ元々陰キャで従属したかった民の僕としては、やっぱいい従属先がいるって一番嬉しいから、水野さんはそのままでいるべきだと思うね。あ、そうですか。うん。これちょっとね、立場違う人いると思うので意見聞きたいですね、皆さんに。確かに教えてほしいですね。
そう。これ焼肉ってやっぱ正解を誰も教えてくれない割に、参与者の裁量権がかなり大きいので、実はこれその人の人間力がかなり出てる場に立たされていたんじゃないかとは思うんですよ。そう。焼肉はかなりそうかもね。だよね。人を見て、この人が何を求めてるのかみたいなこと考えて、その場全体をうまくアレンジできる人がやっぱりいいとされますよね。まあそうでしょうね。はい。そうか。
だから焼肉って考えてみると、結構文化資本の差が出ると思いますよ。肉がどれぐらい焼けたら美味しいと思うかとか。まあもちろんね、お箸のマナーとかエチケットみたいなのも当然そうでしょうし、私の家とかだとホットプレートでね、あの家中に油が飛び散るようなね、劣悪なホットプレートでね、焼肉ですね。[笑い]そう、そう、そう、そう、そう。煙、煙の状態で食べたような家なので、焼肉そんな馴染みないし。はい。うん。そうだね。上流階級の焼肉のハビトゥスがね、あるような気がしますよね。うん。そうですね。[音楽]
長くなっちゃいましたけど、ちょっと最後に1テーマだけサクっと。昨年の8月末に『会話の0.2秒を言語学する』っていう本を出して、出るよっていう告知動画の時に3万部を突破したいという風に言っていたんですけれども、おかげ様で出版から6ヶ月経った現在、今もう6万部。むっちゃ売れたね。まで行きまして。目標を2倍達成してますね。そうなんですよ。で、その報告をゆる言語学ラジオの中ではしていなかった。ああ、そうかも。ツイートとかはしてたけどね。はい。本が出た後にどうなったのっていうこと全く話していなかったので、まずちょっと皆さんに感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。ありがとうございます。
なので、まあ次も執筆活動やりたいと思っていますし、あとは印税を寄付するっていう話ですけど、僕ら視点でちょうど明日、印税の贈呈式をゆる学徒カフェでやろうと思っているので、皆さんが場合によってはね、印税の使い方に共感して購入してくださった方もいると思うので、ちゃんとそのような趣旨で寄付が行われそうだということをご報告させていただきます。うん。お金がもらえると助かるぞという言語学徒の方を支援するってことですね。
はい。そうですね。すでにこれもnoteとかでは書いたんですけれども、思いのほか早く3万部という目標を突破していたこともあったので、次の目標、10万部に据えていまして、これもまあ簡単な数字じゃないことは分かっているんですけれども、まあ10万部行くとまず新潮社が革製のね、なんか特装の本を作ってくれるっていうご褒美が。そう、あれ欲しいね。そう。あれをもうね、名作を書いてる作家の中に僕と、やっぱ堀元さんのね、特に堀元さんの本。うん。下ネタ大全行きたいな。それ言ったらね、快挙ですから。
でもあの本まだ2万6000ぐらいなんだよな。でもすっごいコツコツ増刷してますよね、あれ。コツコツ、そう。3000部ずつぐらい刷り続けてるから。でもそれいいサイクルだと思いますよ。はい。それロングセラーになる傾向を示してると思うので、まあ僕ら2人ともだからそこを目標にしようねという話はしていて、で、僕はちょっとその10万部行ったら寄付の枠をちょっと増やそうと思っています。お、もっと多くの人にお金渡すと。[咳払い]
そうですね。今回も印税の寄付を受けたいという言語学徒の方からの応募はいっぱいもらって、で、その中で1人に決めなきゃいけないという制約があったんですけど、他にもやっぱ寄付したい人ってそれを見てるといっぱいいて。10万部行ったら枠を増やすと共に、あと企業にね、こういうようなことやってるんですけど、1枠どうですかって言って営業かけてみて、企業スポンサーもね、いれば枠増えますから、そんな展開もできたらなと思っています。そうですね。
僕は水野さんのその様子を見ながら、NPOを作らないと機会損失がすごいってめっちゃ思ってました。機会損失。法人から個人に普通に寄付するとさ、損金に算入できないからさ。うん。うん。だから税金分も企業は損することになるんですよ。[咳払い]で、100万円あげるとその100万円にかかってる法人税33万円とかも取られる形になるわけですよ。実質持ち出しが133万円になるみたいに見えると。はい。
そうですね。でもこれ認定NPOっていうのかな?寄付金を損金に算入できるNPOを通して寄付すれば法人税分が浮くから。うん。そうしないと企業が手上げづらいだろうなとか。[咳払い]ああ、なるほど。なんとかその辺に落ちてる認定NPO法人買ってこれねえかなとか見てます。認定NPO法人を買ってこれないかな。やっぱね、落ちてる宗教法人とか今なかなかないから。落ちてる宗教法人。宗教法人ってやっぱ非課税でさ、寄付金とか受け取れるからあれすごいんですけど、あれはなかなかないですね。
認定NPO法人とかも落ちてるやつあればね、なんとか買ってきてそれやった方が、最終的にね、多くの皆さんに還元することができるっていうメリットが大きいので、そういうことができたらいいんじゃないかなっていうのを見てて思いましたね。え、その買収した認定NPO法人を他の用途とかで使いたいとか思ってないですもんね。うん。もうもちろんそれを隠れ蓑にして汚職がいっぱいできるなとかは一切思ってないですよ。はい。言っちゃだめ。やりたい放題だな。脱税とかは一切思ってないですよ。そう。いい意味で汚職するってことですよね。[笑い]いい意味で汚職ってなんだよ。いい意味で脱税をするってことですね。いい意味でも脱税。あ、そうなんですか。
いや、まあそれは冗談にしても、マジでそれ損金に算入できないと、企業さん手上げてくださいって言った時にあげづらくなるから。それなんかステップとしてあった方がいいかなって気しました。なるほどね。なんかNPO法人とかって立てるのがすごい大変なんですよね、確か。うん。てか認定取るのが大変だと思う。あ、そうなんですね。はあ。そうみたいなのが、ちょっと税務上の処理で気になったとこですね。
まあその辺は今のうちに考えても仕方ないと思うんで、10万部突破した時に、まあもしかしたらね、見てる方とかでそういうとこに勤めてらっしゃる。そうだね。ご協力いただける方とかいらっしゃれば。あの、そう、今から言うことはすごく汚職っぽいんですけど、別に汚職じゃなくて。いい意味の話ですよね。いい意味…いや、本当にいい意味の話です。認定NPOが隠れ蓑になるみたいな形で、水野さんに共感してそこに金出すよって言ってくれた企業がその認定NPO法人に寄付して、うん。うん。で、そのNPOを通してその言語学徒の方にお金渡すとかすると、多分普通に損金算入できるようになる気がするから。それは別に問題じゃないんです。その理念に共感して、実際にそのなんか事務方とか窓口みたいなのを代わりにやってくれるところが名乗り出ればの話ですよね。
うん。そう、そう、そう。これ全然違法なことじゃないと思うので、それはやってもいいんじゃないかなって。今回の水野さんの寄付がね、水野さんが普通に所得税、住民税払った後の金から出してるから。あ、そうなんですよね。予約開始の告知動画の時に経費に算入するぞみたいなこと言ってましたけど、それはやっぱ厳しそうだと。実際ちょっと厳しいってなって、あ、なんかもったいなかったなっていう気になりましたね。
まあ、でもさ、それで選択肢がさ、学生がそれを納税するか僕が納税するかっていう話になったんで、まあだったら僕が納税した方が全然いいだろうなっていう。学生さんに納税させるのわけわかんないんで。うん。っていう感じですね。まあその辺は僕はあんま得意じゃないことですけど、堀元さんすごい得意なことだと思うんで、もしかしたらちょっとご相談に上がるかも。うん。いい形にできたらいいすね。
はい、という皆さんありがとうございますというご報告。そして登録者数がね、今時点で44万人ぐらいいるんでね、もうちょっとみんな買ってくれてもいいですよね、全然。[笑い]堀元さんの本も僕の方もね。あれ確かにそうだね。なんか水野さんの本6万部って聞いたからむちゃくちゃ売れたなって思ったけど、44万人いるって考えるとね、まだ38万人は買ってないわけですから。そうですね。で、普段の動画が1番下でも、まあ10万回ぐらい再生されるわけですから。もっとされてんじゃないかな。その普段の方が買ってくれればね。そうですね。すぐ達成。見てくれてる方が全部買っていただければいいので。
まだ読んでないという方がいれば、読んだ方が満足してくださったからこそコツコツと売れ続けているので、内容については僕も出すまでおっかなびっくりでしたけど、やっぱりこれ面白かったんだと僕も自信を深めたところなので、是非お買い求めいただければ幸いです。概要欄、固定コメントにリンク貼っておきますので、皆さん是非お買い求めください。
はい。『会話の0.2秒を言語学する』の執筆動機の1つとして、堀元さん抜きで面白いものを作れるかどうか試したいというようなことも言ったんですけど、実はもう1個その動機で始まったものがあります。番組ですね。新しく僕がMCを務めるポッドキャスト番組が始まりまして、『神保町で会いましょう』という街ブラポッドキャストなんですけれども。
ここ最近僕あのプロジェクションプロジェクション言ってますけれども、そのポッドキャストのコンセプトはゲストを招いて神保町をプロジェクションするというようなコンセプトで。だから神保町に対して何かをみんなが見出していくと。そうですね。はい。具体的には1番最初の回でゲストに来てくださったのが、ジャンクションの写真集とかでおなじみの大山顕さんで。うん。すごい水野さんがね、ベタ褒めしてた方ですね。
大好きな大山さんが、神保町の古本屋でもカレー屋でもなく竹橋ジャンクションに向かっていき、[咳払い]町のコンクリートを見て拡張された千葉みたいなこと言ってましたよね。[笑い]ああ、いいですね。大山さんの言葉のセンスって感じがしますね。そう。千葉の山を切り崩して砂を作って、それをコンクリートにして東京の高層建築とかができているので、大山さんは神保町に対して千葉をプロジェクションするっていうことをやっていて。そんなような形で色んなゲストに神保町に対して違うイメージとかを投影してもらうという番組です。まだ僕もちょっと現時点では2回しか収録してないんですけど、結構面白いと僕は思っています。
そう思います。僕初回をすでに聞かせてもらったんですけど、水野さんがしっとりしてて、あ、ゆる言語学ラジオじゃないとこんなにこいつしっとりするんだって思いました。俺しっとりしてました?しっとりしてたよ。え、なんかちょっと文化人感がやっぱ強いというか。ははは。親しくない人に水野さんってそこまで溶けないから、あんまふざけないで普通に文化人っぽい会話してて、あ、なんかモテそうだなって思いました。ああ、俺の方出ちゃってたか。[笑い]
こっちだよ。そっちの方はお前猫をかぶってるんだよ、外で。違う、違う、違う。外で猫をかぶってた。本当の自分はゆる言語学ラジオで堀元さんに釣られて[笑い]そうかな。そうなっているんですけど。まあでもなんか違う方の水野さん見れたんで、そこちょっと面白かったんでね。
そう。あのね、ゆる言語学ラジオと思想が全く違って、今回番組制作に入ってる風っていうポッドキャスト制作会社、うん、まずスタジオでがっちり台本を組んで作るというものをやりたくないと。音悪くていいというか、環境音が入ってても問題ないという、まあ街ブラなので。うん。トラックの音ガンガン入ってましたね。そう、工事の音とかうるさかったですし。
で、さらに長尺でダラっと回して面白い場所だけ使いたいっていう。だからゆる言語学ラジオって90分収録したら80分以上の素材になるんですけど、その番組はね、大山さんの回も4、5時間ロケして2時間の番組みたいな感じだったので、そこの辺も結構ゆる言語学ラジオと違う筋力を使うし、あと堀元さんに今までだいぶ頼ってたんだなっていう。うん。
そうなんですよ。僕3分ぐらい展開がないと何かしなきゃって慌てるっていう性質があるので、展開がやたら多いですからね。はい。うん。ゆる言語学ラジオとかゆるコンピュータ科学ラジオはってことですよね。そうです。そうです。で、明らかにいらない展開をいっぱい作ってコメント欄で怒られるっていう。今必要ないですって言われ続けるから。[笑い]
あ、そうだね。だからあのテンポだと脱線が多いって思う人は『神保町で会いましょう』は。そう、そう、してるからね。うん。まあ脱線というか、ずっと会話のやり取りみたいなことしてますけどね、あの番組も。テーマがあって喋ってるわけじゃないから、目に入ったものの話したりとか。もう大山さんに至ってはその神保町に来て最初に橋のコンクリート触って、コンクリートはね、大事だよみたいなこと言ってましたから、それはそれでなんか違う聞き味ですよ。[笑い]そうですね。言ってたね。延々と砂の話をね、ずっとしましたね。そう。はい。まあみたいなものが週更新で今やっているので、よかったら是非聞いてみてください。聞いてみてください。
そんなわけで今日は雑談回で雑な話をしてまいりました。ここまでの話でね、色々意見持った方いると思いますので是非書いてほしい。特に焼肉だな。焼肉、私はこうしたい。水野タイプに対してこう思うっていうのを教えてほしいですね。はい。あと『神保町で会いましょう』っていうそのポッドキャストは、やっぱゆる言語学ラジオと違ってYouTubeじゃないんで、感想あんまね、見れないんですよ。寂しい。そう。Xとかで調べるしかなくて、これみんなに刺さってんのかなって不安なので、是非面白いと思ったらコメント欄に書いたりとか、まあXで呟いたりしてくれると嬉しいです。ぜひお願いします。以上にしましょう。ありがとうございました。ありがとうございました。
堀元さん、うまく話せなくて悩むことってありません?よくあります。そんな悩みを抱える方にぴったりな本を書きました。ほう。[音楽]タイトルは『会話の0.2秒を言語学する』。会話のわずかな間にフォーカスした1冊です。是非皆さん買ってください。
記事公開
