「違くない?」「ヤバみ」は日本語の乱れなのか 言語学者と検証する新しい言い方の仕組み
ゆる言語学ラジオ「違くない?」「違うくない?」「ヤバみがある」。こうした言い方は日本語の乱れとして批判されやすい。ゆる言語学ラジオのこの回では、堀元見があえて「乱れだ」と主張する側に立ち、水野太貴と、番組の監修者で日本語学者の高田祥司が、これらの表現を擁護する。高田の立場ははっきりしている。どの表現にも形と意味の面で生まれる理由があり、日本語の歴史の中で繰り返し起きてきた変化と同じ仕組みで説明できる、というものだ。
堀元の言い分:「違う」は動詞なのに「くない」が付いている
堀元の反論は文法的な理屈に基づいている。「美しくない」のように「〜い」で終わる形容詞なら「〜くない」にできる。しかし「違う」は動詞であり、本来の否定形は「違わない」、確認するなら「違うんじゃない?」になるはずだ。だから「違くない」はおかしい、と堀元は言う。水野も、「違う」はワ行五段動詞なので「違わない」になると確認する。
これに対して高田は、まず問いを立て直す。「違う」という動詞が、なぜ「寒く」「珍しく」のような形容詞型の活用をするようになったのか。堀元は冗談で「若者がけしからんから」「AIのせいだ」と返すが、高田は明確な理由があると説明する。
形の理由:名詞「違い」が「い」で終わる
一つ目の理由は形にある。「違う」の名詞形は「違い」で、「い」で終わっている。「長い→長く」と同じように「違い→違く」と捉え直されると、形容詞のように扱われることになる。
ただし、これだけでは説明がつかない。「笑う」にも名詞形「笑い」があるが、「笑くない」とは言わない。高田はここで、「違うくない」と「違くない」は別の現象だと強調する。「笑うくない」は動詞の終止形に「くない」が付いたもので、形容詞化とは関係がない。そのため議論はいったん「違くない」に絞られる。
もう一つの疑問もある。形容詞化したと言うなら終止形の「違い」が使われるはずだが、「僕とあなたは違い」とは言わない。高田はここで「ちげえ」という形を示す。「長い→なげえ」「高い→たけえ」と同じ変化をしている以上、話し手は「ちげえ」の手前に形容詞のような「違い」を想定していることになる。「笑う」からは「わりい」とは言わないので、違いは明らかだ。堀元も「ちげえ」は気にならなかったと認め、「違くない」には怒るのに「ちげえ」には怒らないのは「言行不一致だ」と突っ込まれる。
意味の理由:「違う」は状態を表す動詞
二つ目の理由は意味にある。「違う」は動作や動きを表さず、状態を表す。動詞らしくない動詞だ。英語で「be different from」と言うように、意味の上では形容詞に近い。「笑う」が形容詞化しないのは、この意味的な近さがないからだと説明される。
つまり「違くない」は、「い」で終わる名詞形という形の上の形容詞らしさと、状態を表すという意味の上の形容詞らしさが重なった結果だという。さらに、対義語の「同じ(だ)」は形容動詞なのに「違う」は動詞で、品詞がそろっていない。「違う」が形容詞に寄れば、両方が形容詞的なカテゴリーに収まることになる。出演者は英和辞典で「different」の訳に動詞の「異なる」が載っていて妙に感じた経験も挙げ、「違う」の形容詞化はむしろ体系をすっきりさせる変化だと面白がる。
「違うくない」:「くない」が切り離されて広がる
堀元は「違くない」には納得したが、「違うくない」は動詞にそのまま「くない」を付けているので弁護の余地がないと言う。出演者たちは実例として「足りるくない」「悪くない」、さらに過去形に付いた「あったくない」まで挙げ、いろいろな語に自由に「くない」が付くようになっていると確認する。
高田の説明では、「違くない」のような形容詞型の「〜くない」が多く使われるうちに、「くない」の部分だけが切り離され、相手に確認するときの表現として一般化した。その最初の一歩が、動詞にも付けることだった。堀元はこれを味の素にたとえる。少しだけ入れていたものを、何にでも入れるとおいしいと気づいて何にでも入れるようになり、やがて一部の人に嫌われるようになった、というわけだ。
名詞にも付くのか:「雨くない」「猫くない」
話は名詞に付くかどうかへ進む。「パソコンくない」はさすがに言わないが、堀元は「今日は雨くない」ならぎりぎり言えそうだと感じ、猫そのものではなく人の様子について「あいつちょっと猫くない?」なら言えるかもしれないと話す。
高田は、手がかりは程度性だと考える。「くない」が付く語は程度を表せるものが中心だ。具体的な動物を指す「猫」には「ちょっと猫」「絶対猫」という言い方がない。一方で、状態や性質を表す名詞、たとえば猫っぽさを表す使い方なら「くない」が付いていく流れは起こりそうだ、と見ている。
リスナーから届いた「無理くない」「嘘くない」
番組が「日本語の乱れ」を募集したところ100件以上が集まり、その中に「〜くない」が非常に多かった。あるリスナーは周囲の人が「無理くない?」をよく使うと報告している。高田によれば、これは形容動詞の語幹「無理」に「くない」が付いたもので、動詞への拡大とは別の広がりだ。活用するカテゴリーである動詞、形容動詞へと進出していることになる。
水野と堀元は、「無理だ」も「猫だ」も同じ形なので、「無理くない」が定着すれば名詞に付く例も出てきておかしくないと言う。高田は、「名詞+だ」を形容動詞と見るかどうかには長い論争があるので別の回に譲るとしたうえで、可能性はあると認める。一方で、「無理」は「絶対無理」「ちょっと無理」と言えるように程度性をもつ点は押さえておく。さらに別のリスナーからは「嘘くない」をよく言うという投稿もあった。名詞に付いてはいるが、「嘘」には程度性がありそうだという話になり、名詞への拡大はすでに始まっているのではないかと一同は盛り上がる。
「くない」の切り出しは「けれども」と同じ現象
では、なぜ本来の切れ目とは違う「くない」の部分だけが独立したのか。「長くない」は「長く+ない」、つまり形容詞連用形の「く」に否定の「ない」が付いた形で、「くない」という単位はもともと存在しない。
高田によれば、本来の切れ目とは違うところで切り直す現象は、日本語の変化の中で珍しくない。その例が接続助詞「けれども」だ。これは過去の助動詞「けり」から来たものではなく、形容詞の已然形語尾「けれ」に逆接の接続助詞「ども」が付いた形に由来する。古い用例の「高けれども」は「高けれ+ども」だったが、「けれども」で切られて独立し、どの語にも付く表現になった。
堀元はすぐに、「違うくない」に怒る人は「言うけれども」にも怒らなければならないはずだと気づく。そういう人は見たことがない。こうした切り直しは一般的な変化として起こる、というのが高田の結論だ。
「ヤバみ」の面白さ①:ネガティブな語がポジティブになる
後半は、堀元が「絶対乱れている」と言う「ヤバみ」や「尊み」「バブみ」に移る。高田はここにも乱れではない面白さが二つあると言う。
一つ目は「ヤバい」の意味の広がりだ。もとは危険を表していたのに、今は程度がはなはだしいという意味で、良い評価にも使われている。高田によれば、ネガティブな語がポジティブな意味に変わるのは日本語でよく見られる変化だ。「すごい」はもともと「ぞっとするほどひどい」という意味だったし、「すさまじ」も同じような嫌な意味だった。古文重要単語の「いみじ」も、良い意味にも悪い意味にも程度がはなはだしいことを表すが、もとは「忌む」を形容詞化したネガティブな語だったと高田は説明する。英語の「awesome」も、もとはぞっとするような意味で、褒め言葉になった例として挙げられる。
「ヤバみ」の面白さ②:「さ」と「み」の意味の違い
二つ目は、形容詞を名詞化する接辞「み」だ。「うまみ」「甘み」のように「み」は形容詞に付くが、「眠さ」のように「さ」で名詞化するものもある。高田は、両方が付く形容詞で違いを考えるよう促す。
出演者は「臭さ」が臭い状態そのものを指すのに対し、「魚の臭みを取る」の「臭み」は特定の、より具体的なものを指す感じがすると言う。「深さ」と「深み」では、「井戸の深さ」とは言うが「井戸の深み」とは言わず、「言語の深みにはまる」とは言う。高田はさらに、「4メートルの深さ」「20キロの重さ」のように定量的な場合は「さ」になると指摘する。一方「深み」「重み」は、自分が感じ取る主観的なものだ。高田は単純化して、「さ」は客観的、「み」は主観的だとまとめる。
堀元は、「さ」と「み」は同じ意味で、どちらが付くかが決まっているだけだと思っていたと言う。つまり「ヤバみ」はルール違反だと考えていた。しかし意味が違うと分かり、「眠みがある」と言いたくなる気持ちが分かったと認める。「眠さ」は客観的すぎて他人行儀であり、自分が今眠いなら「眠み」のほうが自然に感じる、という。高田によれば、「嬉しさ」「眠さ」「しんどさ」のように本来「さ」で名詞化していた形容詞に「み」を付けることで、実感としてそう感じていることを強めているのだという。
断定を避ける表現としての「み」
水野は、SNSでは若者が断定を避けて「私はこうかも」「個人的には」と言う傾向が強まっていると言われており、「み」の流行もその延長ではないかと述べる。高田はこれを「非常に鋭い」と評価する。「嬉しい」と言い切ると強く響くが、「嬉しみ」と名詞化すれば少し婉曲に、やわらげて言える面があるという。
高田はさらに、かつて若い女性が「退屈な感じ」「運命感じちゃったみたいな」と、「〜って感じ」「〜みたいな」でぼかしていた表現と共通点があると指摘する。水野も、平成のギャルの「〜みたいな」と現代の「嬉しみある」「ヤバみあるんだけど」は同じ傾向かもしれないと応じる。「嬉しみが深い」も、「嬉しい」と言い切るより遠回しになっているという。
これを受けて、将来ビジネスメールの「していただけますと幸いです」が「嬉しみがあります」になるかもしれないと冗談が飛ぶ。「嬉しみが深い」の「深い」も直接すぎるので「嬉しみが深みがありみがありみが……」と無限に続けてフェードアウトすればいい、という悪ふざけで盛り上がる。
残された問い
番組の結論は、「違くない」「違うくない」「ヤバみ」のいずれにも形と意味の上での理由があり、「けれども」の成立や「すごい」の意味変化など、日本語が過去にもたどってきた変化と同じ仕組みで説明できるというものだ。ただし未解決の点も残る。「くない」がこの先「猫くない」のような名詞にまで広がるのか、その前提となる「名詞+だ」を形容動詞とみなすべきかについては、話者たちも見通しを示すにとどめ、別の機会に扱うとした。リスナーからの投稿で最も多かった「すごい美味しい」のような「すごい」の用法も、この回では取り上げていない。
ゆる言語学ラジオ。最近さ、違くないとか違うくないっていう人いるよね。はい。はい。あれ日本語の乱れですよね。あれね、日本語の乱れじゃないです。違うの?
ゆる言語学ラジオ。本日はですね、日本語の乱れを全力で擁護するという会。あ、糾弾してる人はいっぱいいるけどね。擁護するんですね。はい。誰もね、違うくないのこと守ってあげてないですよね。確かに、ボロクソ言われてますね。
この言語学とか日本語学の観点から見ると、大変面白い変化であり、決して乱れてるわけじゃないということを強力な助っ人と共にですね、説明していきたいと思っております。ということで、本日のゲスト、ゆる言語学ラジオの監修者でいらっしゃいます日本語学者、高田祥司先生です。お願いします。監修者番号004、高田祥司です。よろしくお願いします。はい、よろしくお願いします。日本語を全力で擁護しにやってきました。いや、助っ人として最強の弁護士がね、来てくれたわけですね。はい。
まず堀元さんに聞きたいんですけど、違くないとか違うくないって何がそんなに嫌なんですか?はい。だってさ、違うんじゃないとかが本来の日本語の形だったはずでさ、違うに「くない」はつけられないでしょ。うん。なんでつけられないんですか?あれ、なんでだろう。あ、分かった、分かった。美しくないとかは言えるんですよ。だから美しいみたいな形容詞、何々「い」で終わるやつは何々「くない」にできるんだけど、違うは動詞だから「くない」はつけられないんじゃない?そうですね。違うは違わないみたいになるから、ワ行五段動詞ですもんね。これが堀元さんの言い分ですね。じゃあ弁護人に出席していただきます。裁判。弁護人の高田先生にご意見聞きましょうか。違うくない、違くないは高田先生から見てどう見えますか?
違くないっていうのは、確かにおっしゃる通り、違うという動詞が違くという形で形容詞のように活用してるってことですよね。うん。じゃあなぜ違うという動詞が違くという形容詞のような活用になったのか、寒くとか珍しくとか、そういう形容詞のような活用になったのはどうしてでしょうね。
だから若者がけしからんから。今の10代ってのは了見がおかしいから、そいつらのせいですよ、全ては。え、30代でそれ言うの珍しくね。ちょっと早すぎるか、老害が。知性の劣化がやっぱり。10代のやつってダメなんだよ。AIのせいで。AIなんか活用してるからいかんのだ。紙と鉛筆で戦いなさい。特に理由はないと。若者がけしからんから。うん。そんな感じの気はしますけどね。
でもこれ明確な理由がちゃんとあるんですよね。まず違うという動詞。これ名詞の形はどんな形ですか?違いですね。なんか気づくことないですか?違いですよね。あ、だから美しいみたいに形容詞っぽく「い」で終わってるってことですか?そうですね。違うには違いという形があって、名詞のように「違いが分かる」みたいになってるんですけど、違いという名詞の形が「い」で終わるっていうのは1つのポイントですよね。「い」で終わることで、これがあたかも形容詞のような形で捉えられると。はあ。なるほど。だから例えば長い・長くで、違い・違くというように。だから形の面で形容詞化する、そういう理由はあるわけですよね。なるほど。
違うという動詞が活用によっては違いっていう「い」で終わるから、形容詞として改めて捉え直すみたいなことが起きた。ただちょっと考えてほしいんですけど、じゃあ笑うだったら笑いという名詞の形ありますよね。うん。うん。うん。でもこれ、笑いは笑くてみたいにならないですよね。確かに。それ、笑うくない?あ、でも言えるんじゃない?笑うくない?はい。これは動詞の笑うに「くない」がついてるので、これは別に形容詞化はしてないですよね。え、そうかな?違うくないと一緒じゃないですか?現象は。あ、えっと、違うくないと違くないがまず違うんですよね。
あ、いや、そうなの?違うくないと違くないも違うんですか?難しい。あ、でもそうか。笑くないとは言えないか。それ、笑うくないは言えるな。笑くないは言わなさそうですね。あ、うん。だからまず一旦、違くないと違うくないは違うっていうところからスタートしましょう。難しいな。え、何?余計な難しさ出さないでくれる?違うくないと違くないは違う。堀元さん、でも違うくないと違くないは違くないと思ってるってことですよね。でも高田先生は違くないと思ってるわけです。めっちゃ難しい。
じゃあさっき違うが形容詞化してるっていう話をしたんですけど、終止形の違いっていう形は、これどうですか?使いますか?いや、使わないですね。僕とあなたは違いとは言わないですね。うん。言わないですね。終止形になってないのに、じゃあなんで形容詞化してるっていう風に言えるのか。ああ、そっか。そっか。今度はまた違いという形として解釈できる理由がわかんないってことね。あくまで名詞の形として違いっていうのはありますけど、形容詞の終止形としては使われてないですよね。うん。うん。そうだ、そうだ。だからやっぱ変なんだよ。10代のやつの頭が悪いからこんな形を作り出すんだ。そうに違いない。確かに余計な仮定を立ててますよね。違いっていう形容詞の終止形があるって仮定した上での論ですもんね。そう、そう。そこ変に思いますね。終止形が使われてないのに形容詞化してるっていうのはちょっと言いにくいんじゃないかっていうことを言う人もいそうですね。
だけどちょっと考えてみてください。ちげえって聞いたことないですか?ああ、言いますよね。ちょっとヤンキーっぽいやつとか。それはちげえよって。これどういう形でしょうね?長い、なげえ。あ、長いがなげえになったり、高いがたけえになったりとか。はい。うん。うん。ていうことは、ちげえって言えるってことは、その手前に違いがあるっていうことになっちゃいますね。高いがたけえになるのと同じ変化をしてるんだ。そうだね、あれは。せやな。あ、そう。だから違いというそのものの形は使わないんですけど、ちげえという形は使ってますよね。
え、てか、ちげえにキレてる人あんまいなくない?うん。それはなんか違うってことだなって俺勝手に思ったけど。なんでその違くないにキレたのに、ちげえにはキレなかったんですか?そういう言行不一致ですね。そうかな?言行不一致ではないだろ、別に。でも確かに言われたらそうだね。ちげえって言ってるってことは、違いが多分手前にあるはずだよな。だって違うからいきなりちげえにならないもんね。ならない。笑うとかもさ、われえとは言わないもんね。言わないですね。ヤンキーみたいな。お前それわれえやとか言わないもんね。言わないです。あ、そうだね。て考えると、ちげえが成立してるってことは、違いという形容詞みたいなものがあるって前提置かないと変だね。うん。少なくともなんか脳内で逆順処理してますよね。ちげえを聞いた時に、違いからこうなったんだろうって処理してますね。そうだね。
さっきの笑うが笑いという名詞の形はあるのに、笑くてのような形容詞化した形がないっていうのは、これは違うという動詞がそもそも状態的な意味を表してますね。動詞らしくないでしょ。動詞なんだけれども動詞らしく……。うん。違うという行動できないですもんね。うん。動作とか動きを表してない。そういうところで形容詞に近い性格を持ってるわけですね。うん。英語でもね、違うっていう時って be different from と言いますもんね。形容詞だね。うん。だから品詞は、違うというのは動詞なんですけど、これは元々形容詞に近いような意味を持ってるので。うん。違うがそもそも形容詞的な動詞なんだ。うん。だからその、形の類推で形容詞のようになっていると。うん。なるほど。コンボなわけですよね。意味的な形容詞っぽさと、違いという「い」で終わるっていう形的な形容詞っぽさの両方がある。そういうことですね。だから形の面と意味の面と2つの理由から、違うという動詞が違くのような形容詞の形になってるってことですね。うん。うん。
もっと言うとさ、違うは動詞だけどさ、同じだとかはさ、形容動詞ですよね。うん。同じだって形ですもんね。はい。でも対義語じゃないですか?違うと同じって。うん。あ、品詞が揃ってないのか。揃ってないの?あ、そう、気持ち悪いね。変だなってみんな多分思春期の頃思ったんですけど。今初めて思いました。あ、そうですか。思ってないです。でもこれ、違うが形容詞に寄ってくれれば、両方とも形容詞的なカテゴリーの中に収まるから嬉しいね、そっちの方が。すごいいいですよね。さっき英語でね、be different from が出てきた時に「異なる」っていう風に訳が載ってて、異なるは動詞だけどなってやっぱ思ったんですよね。つまり形容詞の訳に動詞がついちゃってて妙だなって思ったこと。違くないとかちげえが認められる多様性を認める社会が実現すれば、同じと違うの品詞も揃うわけです。ああ、でも世界平和かもしれないな。そうだよ。仲良くできる。手を取り合ってみんなが同じ集団でやっていける世界になるかもしれないね。
はい。ということで本日から違うを形容詞にする党、ここに立ち上がりました。発足。それ政党でやることなん?そう民主主義でやらなくてもよくない?別に。国政政党じゃなくて地方から。違う違う違う、そう。地方自治の大切さを説きましょうじゃないんですよ。じゃなくて、別に勝手にみんなが使ってたらそうなってくるってことよね。多分なってますからね、現実。それすごいね。立法府を通さなくても社会って変えられるんだ。そんな話か、これ。
まあ、なんかその違うが形容詞に寄ってきてる方は認めますよ。うん。なんか違くないとかちげえは納得できると。うん。でもさっきの話だとさ、違うくないはまた別の話なわけでしょ。違うくないに関しては弁護の余地ないんじゃないですか、これ。弁護の余地なし。気持ち悪いでしょ。だってこれは、動詞の違うにそのまま「くない」っていう形容詞につけるやつをつけてるわけだから変ですね。これ最近の新しい言い方ですよね。でもめっちゃ言いますよね、みんな。これだけあれば足りるくないとか、これ悪くないとか見ますよね。うん。先週あったくないみたいな、過去形にまでつけてる。あったくないも確かに言ってる人いるわ。いろんな単語に自由に「くない」がつくようになってますよね。うん。何でもつけていいって感じですね。
うん。これはまた別のことと考えられますよね。なんでこういうことが起こったのか。これは違くないとか、形容詞の「くない」の形が多用されるに従って、「くない」の部分だけが切り離されて、相手に確認をする時に使われる表現として一般化してきたと。違くないみたいなちょっと変わった形が定着したことによって、「くない」がさらに権力が上がったってことですかね。そうですね。「くない」の部分がいろんな言葉に対して使えるようになってきたと。うん。あ、はあ。もうだからみんな慣れすぎちゃって、何にでもつけちゃおうこれってなったんだ。だから第1歩目が動詞にもつけちゃおうってことですよね。ああ、味の素みたいなもんだね。うん。最初はちょっとだけ入れてたのに、なんかもう、あれ、これ入れると何でもうめえなと思って何でも入れるようになっちゃった。ああ。てことでしょ、多分。そうかもしんないですね。で、それやりすぎて、あいつは悪魔の手先だみたいなことを言われるようになったんだろうな。確かに。でも嫌われてますからね、味の素もなんか一部の人からやたら。そうそう、一緒じゃない。何にでもかけるようになっちゃうとみんなから嫌われるっていう。うん。
うん。でも僕今の話聞いてて思うのは、まだ動詞にしかついてないけど、名詞に直接つけたりってあんまできないですよね。パソコンくないみたいな、猫くないとか。ああ。あ、でも今日は雨くないとか言える。ギリ言うような気もする。見たことないけど。なんか、だから動作とかっぽいものの名詞だったら「くない」でいけるかな。うん。水野チベットスナギツネくないって言えるかもしれないね。言える言える。こいつ言えない。人なのに。違くない。いや、チベットスナギツネくないは言えないかもしれないけど、猫くないは俺言えるかもって思ったよ。あ、そうですか。なんかあいつのそういうとこ猫くないって。だから猫を見てあれ猫くないって言うんじゃなくて、様子とかに対して、あいつちょっと猫くないは言えるかもだけど。そう、言えそう。ギリ許せる気がしてきた。始まってますね、じゃあ。「くない」の勢力拡大が。だいぶ今来てるね。来てる。ブームがだいぶ来てるんだな。本当に10年後とかは猫くないよ。猫に対しても言う時代が来てるかもしれないですよ。うわ、本当だ。
で、これがね、もうあっちこっちで使われるようになって、最終的には皇族関係者も使うようになったら、くない庁御用達っていうでしょうね。ええ。いや、良かった、良かった。やっと処理できた。この「くない」の話が始まった時からずっと、くない庁御用達が頭の中にあって、どこかでダジャレを言いたいって思ったんですけど、今抜群のタイミングで言えたんでよかったです。うん。そこは多分タイミング違くないってみんな思ったと思います。大ウケで良かったです。爆笑ですよね。よかった。
あ、高田先生と僕、始まってしまったって思ってましたよ。じゃあ、おさらいすると、元々形容詞とかの後ろに確認用法として出てきた「くない」、なんとかくないっていうのが動詞にも使われるようになり、堀元さんの観察だと名詞とかでも場合によっては使えそうだっていうことですね。うん。まだ一般的には活用する動詞とか形容詞にとどまってるとは思いますけどね。うん。
うん。で、元々「くない」っていう形は、形容詞の連用形の「く」に否定の「ない」がついた形ですよね。長くないだったら長く・ないですよね。じゃあなんでこの「くない」の部分だけが切り離されて、動詞なんかにも使われるようになってきたのか。うん。あ、確かによく考えたら、長く・ないっていう分析が我々できてるわけだから、「くない」で切っちゃうやついないですよね。うん。これ実は、元々の切れ目とは違うところで切っていくっていうことが行われてるわけですよね。実はこういう現象って、日本語の変化の中でそんなに珍しいことではないんですよ。あ、そうなんですか。切り間違えちゃうんですか、みんな。
例えば「けれども」っていう表現がありますよね。きついこと言うけれども、そんなやり方じゃダメだっていうような表現がありますけど、このけれどもってどうやって生まれたかと言うと。あ、まさか「けり」ですか?過去の助動詞の「けり」ではなくて、形容詞の已然形ですよね。已然形の「けれ」に「ども」がくっついてる。は、形容詞の已然形の「けれ」、そんなあり……。なんとかこそなんとかけれ、みたいなあるじゃん。長けれ、みたいな。そう、なんか係り結びみたいなとこでね、出てくるね。なんか「ば」つけるとかね。例えば「天高けれども」、これは日蓮上人の言葉ですけど、高けれどもっていうのは高いけれどもってことですが。なるほど。形容詞「高し」が活用されて、已然形が「高けれ」で、そこに已然形につく逆接の接続助詞の「ども」がついてると。うんうん。ああ、はははは、本当だ。「くない」で切ってんのと全く同じ現象です。だから元々は高けれ・どもだったんだけれども、けれどもで切っちゃったわけですね。そのけれどもの部分だけが切り離されて。ほんまや。使われるようになってきたと。あれ、じゃあけれどもと一緒なの?あれ。そういう話になるね。違うくないの「くない」って、けれどもと一緒か。てことになっちゃうな。
てことは違うくないに怒ってる人って、けれどもにも怒んなきゃいけないよね。そうなりますよね。元々はそうですよね。「言うけれども」って言うのおかしいだろうと。だってそれ高けれどもの「け」のとこなんだから、高けれ・どもで切らなきゃいけないだろうって怒ってないといけないわけですね。そうですね。言行を一致させるためには。そんな人見たことないですね。はい。
だから結構一般的な変化としてこういうことは起こるわけですよね。今回実はこの日本語の乱れ回をやるにあたって、あなたが思う日本語の乱れありますかっていうことをリスナーの皆さんから募集したところですね、100件以上来まして、その中になんとかくないがむちゃくちゃ来てます。やっぱり。まあ当然、違くない、歩くくない、この辺めっちゃ気になりますって言ってる方もたくさんいますし、面白いなと思ったのはですね、匿名さん、「無理くないがめっちゃ使われます。私の周りの人よく使ってるんですけど、これなんすか」っていうの来てますね。
これは形容動詞の無理だの語幹の無理に「くない」がついてるっていうことで、さっきの動詞についてるのとはまた別の広がりを見せてるっていうことですね。いろんな品詞の後につくようになっていってると。うん。現状、活用するようなカテゴリーのところ、動詞・形容動詞に進出してるってことですよね。名詞にはまだちょっとしてなさそうだけど、無理だにはいけてるってことだね。うん。うん。でも僕思うのは、無理っていうのを形容動詞っていう風に捉えずに、無理プラス「だ」の名詞だって捉えたら、別にもう名詞に「くない」をつける人が出てきても全然おかしくなさそう。そう。俺も今同じこと言おうと思ってさ。これ無理だとも言うし、猫だとも言うじゃん。うん。だから無理くないをみんな当たり前に言うようになったら、猫くない絶対言うようになるよな。言えるようになる気がしますね、僕は。まあ、その名詞プラス「だ」が形容動詞なのか、名詞プラス「だ」なのかについては、ちょっと論争が長いことありますので、また別の回で是非お願いします。触れることは不可能ですけれども、でも、その可能性はありますよね。
うん。まあ1つ言えるのは、その無理っていうのは、あくまで形容動詞、形容詞なので程度的な意味を持ってるわけですよ。で、程度性がありますよね。これ絶対無理だとか、ちょっと無理だとかね。猫とかそういう一般的な名詞っていうのは性質とかではないので。ちょっと猫だとかね、絶対猫だとかあんまないですもんね。猫という具体的な動物を指したりとか、具体的な対象を指す、そういう名詞ではなくて、もう少し状態とか性質を表すような名詞だったら、おそらくこの「くない」がついていくっていう流れは起こりそうですね。なるほど。もっとふわっとした名詞に対して起こるのか。例えばその猫であっても、人に対して、例えば猫っぽい人っていますよね。猫っぽさというようなことを表す時に、「あの人ちょっと猫くない?」みたいな言い方は、もしかしたら出てくるのかもしれない。程度性ありますもんね、それはね。ちょっとだけ猫っぽいみたいな。うん。うん。
あ、ていうかね、匿名さんからすごいの来てるぞ。「嘘くないってめっちゃ言ってます」。ああ、嘘くない。そうね。それだったら行けそうですよね。これ名詞ですけど、「くない」で行けるんだね。うん。程度性あるか?いやいや、嘘だ。全然あるよな。うん。ありそうだね。あ、だからもうやっぱ来てるじゃん。猫くないの時代が。来てるね。もうすでに始まってるんだ。立ち上げますか?独立行政法人くない推進会立ち上げますか?やっちゃいますか?それ。ドカンと。だから「くない」をさ、権利取っとけばさ、この後絶対来るから、むちゃくちゃ儲かる可能性あるぜ。確かに。特許。くないの?商標取れるかな?無理。広い分野でまとめて取っちゃいましょう。確かに商標ってね、商品名とかいろんなカテゴリーが決まってるから。食品とかね。そうそうそう。それ全部で使えるように、全ジャンルで先に申請出しといたらボロ儲けかもしれないです。世界進出狙えるかもしれない。行っちゃいましょう。
あと日本語の乱れで気になってんの、やばみね。何でも「み」つけるでしょ、みんな。はい。なんとかみがある。これは絶対乱れてますよね。まあ確かにね。やばみに限らず、なんとかみがあるとかめっちゃ言うよね、みんな。バブみとか言いますけど、どうですか?乱れですか、これ?いや、これは乱れじゃないですね。乱れじゃないです。乱れじゃないんだ。やばみという表現、そもそもこれ2つ面白ポイントがあると思うんですよ。ほほほ。1つは、やばいを今までよりも広い意味で使うようになってきたと。ああ、そうですか。今やばいをポジティブな評価で使ってる例が非常に多いですよね。あ、そうか。それ当たり前すぎて俺気づいてなかったけど。そうか。そうか。元々は危険だみたいなイメージだったのが、程度が甚だしいみたいな意味になって、いい意味でも使いますよね。
そうですね。そこがまず1つ面白いところですよね。だから元々ネガティブな意味を表していたものをポジティブな意味に使うようになっていってると。で、これよく日本語で見られる変化なんですよね。うん。うん。そもそもすごいというのが、元々はゾッとするほどひどいっていう。うん。そうだそうだ。古文で習いましたわ、それ。そうですよね。凄まじとかもね。すさむみたいでしょ。嫌な意味ですね。はい。元々はネガティブな意味を表してたものが、ポジティブな意味を表すようになっていってると。今古文の話がちょっと出てきましたけど、古文の重要単語で「いみじ」ってありますよね。あ、ありましたね。あれ、それ程度が甚だしいみたいな意味じゃなかったでしたっけ?ネガティブな方にもポジティブな方にも程度が甚だしいという意味を表してるんだけれども、元々はこれやっぱりネガティブな意味を持ってたわけですね。全く同じだ。すごいと。いみじの「いみ」って多分「忌む」っていう、忌み言葉とかの忌むべきことの「忌み」ですよね。それを形容詞化したのがいみじなので。でも英語でも結局 awesome ってどっちにも使うから。あ、そうかも。ゾッとするみたいなもんです。はい。元もゾッとするみたいなことですけど、褒め言葉にもう使うので、よくあることですね、言語では。
うん。もう1つのポイントである「み」をつけていくっていう表現なんですけど、まず「み」がつく単語の品詞は何でしょうか?うまみとか言いますよね。甘みとか。だから甘い、形容詞じゃないですか?形容詞を名詞化するために「み」がつくんですが、形容詞を名詞化する時にもう1つ「さ」をつけるものもありますよね。眠いとかは眠さですもんね。うん。まあ最近眠みって言ったりしますけど、本来は眠さですよね。名詞化する時の「さ」と「み」にはどんな違いがあるのかっていうことですね。はあ。いや、今「さ」と「み」何が違うのかなと思ったら、臭さと臭みは両方行けるなって思ったんです。そう。両方行ける形容詞の場合にどんな違いがあるのかってのをちょっと考えてみましょうか。臭さは臭いという状態自体を指してる感じがして。あ、すごくいいですね。すごくいいですね。臭みは、なんかあの魚の臭みを取るみたいな、なんか特定のものって感じしますけどね。うんうん。ああ、特定の、もう少し具体的なっていう感じですかね。あ、そうですね。具体的にこの臭さみたいな。
もう1個例をあげると、深さと深みとか。あ、そうですね。そうですね。深さと深みあるな。どうでしょうか?面白い。深さは具体的な感じする。井戸の深さであって井戸の深みとは言わないし、言語の深みにハマるみたいなことは言うから、抽象的なのが「み」で具体的なのが「さ」なんじゃないですか?うん。もう1つ足しましょうか。はい。4mの深さと深みだったらどっちですか?深さです。うん。4mの深さとか20kgの重さとか、具体的に。そうですね。うん。定量的だと深さ、重さ、「さ」になるんですね。そうですね。はい。深みとか重みっていうのは主観的。そうですね。もっと主観的で、自分で感じられる。なるほど。そういうものってことですね。つまり形容詞の名詞化の「さ」と「み」にはちゃんと意味的な違いがあるんですね。うん。うん。だからやばさからやばみに移行するのにも、何かしらの動機があるだろうって考えるのは自然ではないでしょうか。
あ、いや、俺さ、一緒だと思ってたのよ。「さ」と「み」は。で、だからどっちを使えるかは決まってるから、やばみとは言えないものをルール違反して言っちゃってるんだと思ってたら、意味がそもそも違うのか。そういうこと。はあ。てかそう考えると、眠みがあるって言いたくなる気持ちなんか分かるわ。うん。うん。眠さだとさ、ちょっと客観的すぎるというか、眠みがあるの方が、よりめっちゃ今俺眠いんだよね感ある気がする。多分眠さって、自分が眠い時あんま言えないですよね。眠さが今あるとかって。うん。なんかそうね。他人行儀な感じちょっとするかもね。うん。だからむしろ自分が眠いんだったら眠みの方が自然に感じますよね。うん。ああ、そうかも。なんかしっくり来るわ。一瞬で論破されとるな。確かに。あ、僕の雑魚みが今……。雑魚な。雑魚かったですね。あ、でもなんかすごいしっくり来ました。そうか。「さ」と「み」って意味的な違いあるのか。気にしてなかったわ。
今言ったように、すごく単純化して言うと、「さ」は客観的、「み」は主観的っていう、そういう違いがあるわけですよね。例えば嬉しさとか眠さとかしんどさとか、元々は名詞化をする時に「さ」がついてた形容詞に対して「み」をつけることで、嬉しみとか眠みとかしんどみとか、そういう形で主観的な意味を表す形容詞に対して主観性を表す「み」をつけていくことによって、実感としてそういうことを感じてるという、それを強めていくっていうことですね。
うん。SNSの若者の傾向としてよく言われるのが、断定調を避けて、私はこうかもとか、個人的にはこうだって言い回しがすごい増えてるんじゃないかと言ってる人が結構いっぱいいて、なんかもしかしたらその傾向の延長なのかもしれないですね。あ、非常に鋭いですね。それは本当ですか?形容詞を名詞化する時に「み」をつけるって言いましたけど、例えば嬉しいっていう風にダイレクトに言ってしまうとちょっと強く響くわけですよね。でもそれに対して、嬉しみっていう形で名詞化することによって、少し婉曲的な、和らげた表現にできるっていう、そういう側面もあります。
そうだわ。てかさ、ビジネスメールでそれよくやるじゃん。何々してくださいって言うと偉そうだから、何々していただけますと幸いですみたいな言い方するっていうのがあるから、もしかしたらそれも幸いがちょっと強いから、何々していただけますと嬉しみがありますとかに今後なっていくかもしれないですよね。ビジネスのマナーがなくはないと思い……。でもでもマジでその可能性あんじゃない?あるかもしんないですね。何年後かぐらい。うん。あとやっぱ今みんな主観的な感覚とかに「み」をつけてるんで、堀元さんはやっぱめっちゃ客観的なものにあえて「み」をつけることでバズを狙うっていう手もあります。あ、それ面白いかもしれないですね。やっぱこのテーブル長みがあるんですよ、みたいな感じでボケましょう。ああ、そうか、そうか。みんなやってないことをどんどんやってたらいいのか。とか、みんなやっぱ短い音節の形容詞ばかりに「み」をつけたがるので、あえて長い、片付けがたみがありますとか言って驚かせましょう。あ、いいですね。片付けがたみがある。いいですわ。「さ」しかみんな言わないんで、ここでコーナーで差をつけてください。あ、やりたいっすね。
さっきそのビジネスメールのお話が出てきましたけど、一昔前に若い女性が、「ちょっと退屈な感じ」とか「運命感じちゃったみたいな」とか、なんとかって感じとか、なんとかみたいなっていう形で、ぼかし表現をよく使ってましたよね。で、あれも一種の婉曲的に表現するっていうそういうもので、この「み」で名詞化してるっていうのは、1つ表現と共通するところがあるということですね。面白い。いや、確かに、なんとかみたいなっていう喋り方って、平成のギャルの喋り方として典型的によく言われたと思うんですけど、やっぱ現代のギャルの感じもしますもんね。嬉しみあるわとか、やばみあるんだけどとか使ってる人、同じ傾向にあるかもしれないですね。うん。当時「みたいな」を連呼してた人は、今「なんとかみがある」を連呼してるかもしれない。
例えば嬉しみがあるとか嬉しみが深いとか、何々みがあるとか何々みが深いっていう形で表現してますけど、やっぱりその嬉しいっていう風に言い切ってしまうよりもちょっと遠回しな表現になってますよね。そうです。でもさ、嬉しみが深いだとさ、深いのとこがさ、ズバリすぎるからさ、嬉しみが深みがあるとかにした方がよくない?そうですね。ありみがあるとかね。やっぱもっと、ありみがあるとか、嬉しみが深みがありみがあるとかにした方がいい。「ある」って。だめだめだめ。ちょ、直接すぎてきつい。嬉しみが深みがありみがありみがありみがありみがってなるよ。あ、まあそれだったらグッとは来ないから聞きやすいかな。え、じゃあ今後、嬉しみが深みがありみがありみがありみがありみが……。あ、うん、うん。そういう風にしてくれ。あともうシグマとかで。シグマ1から無限大まで、ありみ。そう、そう、そう、そう。でつけてもらえれば、もう分かるから。それで俺は。そうだ。だからフェードアウトしてけばいいんだ。嬉しみが深みがありみがありみがありみがありみ……。あ、うん。あ、うん。聞きやすい。なんかグッとこない感じするというか。聞きやすかったか?今の。すごい聞きやすかった。皆さん今後これで喋ってください。
あとですね、匿名トムさん他10人ぐらいから、むちゃくちゃ、1番来てるやつがありまして、「すごい美味しい」とか、「すごく」とすべきところに「すごい」をそのまま使っちゃってる表現。これ気になりますねって言ってる。これ日本語の乱れじゃないですか?このすごいに何が起きてるのかってことを書いた本がもうすぐ出るんですよ。おお、そうなんすか。著者、高田先生。おお、高田先生の本だ。先生の新刊が出るということでですね。はい、おめでとうございます。お、ありがとうございます。そして本日お世話になっている監修の高田先生の本の広告ということでですね、しっかりお金をもらっております。堀元さん。え、広告案件となっておりまして、東京書籍様からしっかりお金をもらっております。ありがとうございます。ありがとうございます。やっぱね、監修の先生の本だからこそ、無償でPRするっていうのはさ、高田先生が遠慮しちゃうじゃない?そんなことすると。そんな悪いなみたいな気持ちにさせないために、あえてお金をもらっています。欲しくないんすよ、本当は。本当は無償でやりたい。でも高田先生に気を使わせるのが申し訳ないから、仕方なく広告いただきました。これだろ。天誅を受けろ。
タイトルは『文法、どこにありますか?』ということで、Twitterで僕の友人のにほごんと、こいつですね。今画面に出てますけど、日本語検定の公式キャラクターですかね。うん。うん。怪獣にほごんが友人でいらっしゃる。すごいいいです。E.T.みたいな世界観でいいです。よく文法についてやり取りをしてるんですけど。はいはい、うんうん。皆さんからそのやり取りを本にしてほしいという声をたくさん頂いてまして、で、実現の運びとなりました。なるほどなるほど。Twitterでウケてるやつが本になる、よく見るやつですね。本の体としても、高田先生が説明をしていくっていうスタイルじゃなくて、にほごんと、ちょっと闇落ちしたにほごんと、高田先生の……。闇落ちしたにほごん。闇落ちしたにほごんいますね。はい。この3人が会話をしていくっていうスタイルで、1トピック10ページもないかな。うん。で、色々なトピックについて、にほごんが不思議に思い、高田先生が解説を加え、闇落ちしたにほごんがトリックスターのように振る舞うっていう。そいつ何なんだよ。闇落ちしたにほごんって何?闇落ちしたにほごんは、にほごんが納得しかけたところで、ややこしい例を出してきたりします。え、でもさ、これあるじゃんっていうやつだ。そう、そう、そう。この3人の掛け合いで文法について説明していくという、そういう本になってます。
だからね、今日僕は高田先生の説明聞いてすぐ雑魚みを発揮しちゃいましたけど、あれじゃなくて、結構闇落ちしたやつがしぶとく粘ってくれたりするんですね。結構戦ってきますよね、手ごわく。うん。まあただ、にほごんがその発言をきっかけに、あれ、これってこういうことじゃないのかっていう新たな気づきを得たりもするので、その辺りの関係性にもよく注目っていう感じですね。てかだからあれだ。悪魔の代弁者っていうことはありますよね。会議とかでこれでいいねって言ってる時に、いや、でもそれ予算足りますかとか、とりあえず否定してみるっていう技法のこと、多分悪魔の代弁者って言うと思うんですけど、闇落ちしたにほごんで表現合ってるかも。だから悪魔の代弁者にほごんだよ、それ。そうかもしれない。議論を深めるためにあえて反対するやつ。あの、ここまでの発言は全て日本語検定さんのチェックを通っておりませんので、公式見解ではございません。全カットになる可能性もまだございます。なんでそんなリスク負ったんだよ。闇落ちした水野なのか、お前。
なのでこの本、学校の文法の授業が苦手だった人でも読めると思うし、小さいトピックを短く読ませるスタイルなので、読書筋力ない方でも、対話形式でもあるし読みやすいし、あとは今回この日本語の乱れを擁護するというような体でいくつかの表現を取り上げましたけど、まさにこんなような回に近い読み味になってる本だと思いますので。じゃあ今回が面白かった方にはおすすめの本ってことですね。ですね。いわゆる日本語の乱れとされてる表現だけじゃなくて、正しいとされている表現の中にも、例えば「布団で寝る」と「布団に寝る」はどう違うのかとか、日常的に使ってる言葉の使い分けについて、にほごんが素朴な疑問を持つわけですね。それについて2人で考えていくと。で、それと一緒に読者の皆さんにも考えていただきたいっていう、そういう本になってます。
なるほど。うん。ちなみに今回の本って、Twitterでそのにほごんと高田先生がやり取りしてたやつを書籍化しようみたいな感じで動き出したわけじゃないですか。はい。はい。どこで闇落ちしたにほごん出したんすか?それ最初になかったじゃないですか。そいつどっから来たんすか?それ。これは書籍で初登場するんですけど、あることをきっかけに、にほごんの中から生まれてきた。あ、出てきた。え、魔人ブウみたいなやつ出てきた。確かにあの、モワモワモワっていう感じで。そうですね。犬かなんかが垂れたのをきっかけに、わって、にほごんの頭から出てくるんですか?僕とのやり取りの中で、にほごんが頭から確かに煙を出してます。いきなりすぎる。何があった?ここ知りたいでしょ?みんな読まないとわかんないっす、これは。あ、本の中に出てくるんだ、その下りが。あ、なるほどね。そうです。漫画もありますから。この後が楽しみになりました。
はい。ということで『文法、どこにありますか?』はバリューブックスに仕入れていただいてますので、皆さん是非バリューブックスで買ってください。はい。概要欄にリンクがあります。買った方には特典映像として、堀元さんが気になってる日本語表現をもう1個だけ、高田先生と僕で全力で擁護したいと思います。ちなみに表現は何ですか?はい。これフォームにも似たようなのがいっぱい来てるんですけど、「かわいいがすぎる」ですね。うん。まあ最近確かに聞きますね。ね、これは絶対変ですからね。かわいいがすぎるって、そんな文法ないですよね。なるほど。まあじゃあこのかわいいがすぎるがどうなってるのかについて話しますので、聞きたい方は是非バリューブックスでご購入ください。Amazonで買ってもついてこないので気をつけてください。
そして引き続き皆さんからのチャンネル登録、高評価、感想のコメントお待ちしております。皆さんがね、今回の表現を聞いてどう思ったかも是非コメントで教えてください。あと今回使った日本語の乱れ募集フォーム、開きっぱなしにしておきますので、また似たようなことをやる機会があれば読み上げるかもしれませんので、気になった方がいればそちらから是非どしどしお送りください。以上にしましょう。ありがとうございました。ありがとうございました。ありがとうございました。
この番組は一介の言語オタクによる楽しい言語トークです。できる限り裏取りをするよう心がけておりますが、不正確な内容が含まれる場合があります。テロップやコメント欄などで補足をしていきますので、適宜ご参照ください。
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