転職面接の逆質問は「質問」ではなく「仮説の確認」:サラタメによるNG6パターンと有効な10パターン

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概要

転職面接の終わりに「そちらから何か質問はありますか」と聞かれたとき、何を話すべきか。転職系YouTuberのサラタメは、この逆質問をその場の思いつきで済ませたり、「特にありません」で終えたりするのはよくないと言う。結論は、一次面接ではキャリアパスについて、最終面接では未来予測について、自分の仮説をぶつけて確認することである。動画ではまず避けるべき逆質問を6パターン挙げ、続いて効果的な逆質問を一次面接向け6パターン、最終面接向け4パターンに分けて解説している。

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結論:素朴に質問せず、仮説を確認する

サラタメが最初に強調するのは、逆質問で素朴に「質問」するのはよくないという点だ。ビジネスパーソンとして低レベルだと見なされかねないので、やるべきなのは質問ではなく仮説の確認だという。

一次面接なら「御社のキャリアパスについて教えてください」と聞くのではなく、「私は何年後をめどにこういう仕事に取り組めたらと考えていますが、どうすればその仕事に到達できますか」と確認する。最終面接なら「〇〇さんの未来予測を教えてください」ではなく、「〇〇業界は今後こうなると私なりに予測しています。なので一社員としてはこういう力が重要になると考え、それを重視して働きたいと思っていますが、どう思われますか。ぜひご意見を聞かせてください」という形で投げかける。

サラタメは、これだけ理解して実践できるならこれ以上動画を見る必要はないとまで言う。転職面接では逆質問よりも自己PR、志望動機、転職理由といった他の設問のほうが圧倒的に大事なので、そちらの準備を優先すべきだという立場である。そのうえで、より詳しく知りたい人向けに以降の解説が続く。

論外の3パターン:調べれば分かる、ざっくりすぎる、欲望丸出し

避けるべき逆質問のうち、サラタメが「論外」とする3つがある。

1つ目は「調べれば分かるパターン」だ。「今最も注力している事業はどれですか」「全国に拠点は何か所ありますか」のように、自分で調べれば分かることを聞く質問である。リサーチ不足で志望度が低い、さらにはコミュニケーション能力が低いと見なされ、大きなマイナスになりうるという。

2つ目は「ざっくりすぎるパターン」で、「職場の雰囲気はどんな感じですか」「業務の流れを教えてください」といった抽象的すぎる質問を指す。サラタメは、逆質問は自己PRや職務経歴、転職理由、志望動機といった本編に対するおまけであり、限られた時間で答えにくい質問は避けるべきだと説明する。「職場の雰囲気」と言われても、年齢層や社員のバックグラウンドのことなのか、働き方の文化なのか、入社後の教育体制なのか、社内のコミュニケーション方法なのか分からない。「業務の流れ」も、1日単位か1週間単位か年間単位か、チームの連携の話か、独り立ちするまでの流れか判別できない。結果として、この人のコミュニケーションは雑だと受け取られてしまう。

3つ目は「欲望丸出しパターン」、つまり待遇面や条件面ばかり聞くことだ。「残業はどのくらいありますか」「有給は取りやすいですか」「退職金はありますか」などがこれに当たる。サラタメは、聞きたい気持ちは分かるとしつつ、それを隠すのが面接だと言う。応募者はお客さんとして行くのではなく一人のビジネスパーソンとして臨むのだから、面接は要求する場ではなく、会社に何を与えられるかという「貢献」の話だけをすべきだという。待遇や条件は面接前の募集情報で確認するか、内定後のオファー面談で話せばよいとしている。

「成長できる環境ですか」も欲望の一種になる

欲望丸出しパターンについて、サラタメは補足を2つ加えている。

1つ目は「成長意欲」という欲望を丸出しにしてしまうケースだ。勉強熱心な人は残業や有給のことは聞かないが、「御社ではどんなスキルが身につきますか」「御社は成長できる環境ですか」といった質問はやってしまいがちだという。一見良さそうだが、市場価値を自分で高めたいのではなく会社に高めてほしいという欲望が漏れており、会社に頼ろうとしていることが伝わってしまう。大きく分ければ貢献側ではなく欲望側の話なので、控えるべきだとサラタメは言う。

2つ目は例外の存在である。基本的に待遇について聞くのはやめたほうがいいが、即戦力人材で、なおかつ年収などが転職の最優先事項になっている人なら、逆質問で直接聞いてもよいとサラタメは考えている。具体的には、内定がほぼ確実で、むしろ自分が会社を選ぶ立場にあり、「年収が100万円以上上がらないなら内定を承諾しない」というほど強いこだわりがある人だ。

即戦力人材とポテンシャル人材では立場が違う

この例外の話から、サラタメは応募者の立場の違いに話を広げる。どこの会社でも採用されるような即戦力人材にとって、逆質問は企業側が自社をもっと好きになってもらうために設けた時間にすぎず、その出来で内定が左右されることはない。だから即戦力人材はこの動画を見る必要はなく、自己PRや転職理由、志望動機の解説を見たほうがためになるという。

一方、未経験転職などのポテンシャル人材にとって、逆質問はまだ審査の時間である。志望度や働く意欲、コミュニケーション能力が確認されているので、それらが厳しくチェックされている前提で、緊張感を持って臨んでほしいとサラタメは話す。

ミスりがち①:聞く相手を間違える「恥かかせパターン」

ここからは、転職について勉強している人でも意外とやってしまう3パターンである。

1つ目は「恥かかせパターン」だ。質問の内容自体は悪くないのに、聞く相手を間違えているために「答えられなくはないけど、俺にそれ聞く?」という微妙な空気になってしまう。質問を1つだけ決め打ちで持っていくと起こりやすいという。

サラタメによれば、一次面接の面接官はたいてい現場に近い社員なので、実務や現場のことを聞くべきであり、最終面接の役員クラスには業界全体や会社全体の大きな話を聞くべきだ。これを逆にすると問題が起こる。一次面接で「御社の5年後のあるべき姿はどのようなものだと思われますか」と聞いたり、最終面接で役員に「今回の募集ポジションの仕事内容の一番の魅力は何ですか」と聞いたりするケースである。役員は「そのポジションで今働いていないから」と感じてしまう。ほかに、ITエンジニアが開発環境、たとえばバージョン管理の方法について人事担当者に聞いてしまう例もよくあるという。人事も把握している可能性はあるが、現場のエンジニアが出てきたときに聞いてほしい内容だ。

最悪ではないが、後味の悪い面接になり、コミュニケーションが下手なのかと思われる。サラタメは、自分が聞きたいことを聞くのは大切だが、その前提として相手が答えられるかどうかのほうが優先だと言う。相手が知っていて気持ちよく話せそうな内容の中から、自分が聞きたいことを選ぶべきだという。

ミスりがち②:面接本編との一貫性がない

2つ目は「一貫性がないパターン」だ。逆質問はおまけであり、本編は職務経歴、自己PR、転職理由、志望動機の回答である。逆質問がこれらと一貫していないと、本編でいい話をしていても「あれは嘘だったのか」と疑われ、足元をすくわれるとサラタメは注意する。

例として挙げられたのは、自己PRで「チームで成果を出すのが強みで、それを重視している」とアピールしたのに、逆質問で「個人の成果はどのように評価されますか」「リモートワークで個人作業する機会は多いですか」と聞いてしまうケースだ。もう1つは、志望動機で「現職の営業はノルマ達成が優先されていて納得できない。顧客満足にこだわる御社でこそ営業をしたい」と語ったのに、逆質問で「昇進のスピードは速いですか」「最短で評価を受ける人の特徴を教えてください」と自分の出世のことばかり聞いてしまうケースである。これでは、顧客満足の話は志望企業に合わせるための嘘だったのではないかと思われかねない。

ミスりがち③:回答への反応で失敗する

3つ目は「反応でミスるパターン」、つまり回答へのリアクションが薄いことだ。センスのいい質問を用意して安心してしまい、面接官の話をあまり聞かずに「なるほどですね」で終わらせる人が多いとサラタメは言う。面接は審査の場であると同時にコミュニケーションの場なので、回答に適切に反応してキャッチボールができるかも見られている。

サラタメが示す型は、まず感謝を伝え、そのうえで「共感」「追加質問」「アクションプラン」のいずれかを選ぶというものだ。具体例として、応募者が「御社のここが競合に真似できない強みではないかと思いますが、どう思われますか」と聞き、面接官が「そこも強みだが、実は顧客と長期的な信頼関係を築けていることがすごい。10年以上取引している顧客が7割を超えていて、そこに誇りを持っている」と答えた場面が挙げられている。

このとき、まず「ありがとうございます」と感謝する。共感なら、それが今後のメーカーにとって何より大事なポイントだと思うと伝えて終える。これが最も簡単だという。追加質問なら、「10年以上の顧客が7割という数字はすごいですね。なぜ御社だけがそういう関係を築けているのでしょうか。最も大きな要因はこれでしょうか」と仮説をぶつける。締めに向かいたいならアクションプランがよく、サラタメはこれが一番使いやすいと考えている。「顧客との長期的な関係は私も重視してきたが、現職はベンチャー企業なので10年スパンの付き合いはなかなかない。働かせていただけるなら、10年スパンの関係性を意識して営業活動したい」といった返し方である。

効果的な逆質問の鉄則:仮説・意図・引用

効果的な10パターンに入る前に、サラタメは個別のパターンよりも大事な鉄則として「仮説」と「意図」の2つを挙げ、おまけとして「引用」を加える。

仮説とは、冒頭で述べたように「私はこう考えましたが、この認識についてどう思われますか」という形で聞くことだ。「どうですか」「何ですか」「AとBどちらですか」という聞き方はレベルが低く、熱意が感じられず、逆質問の時間があるから一応聞いてみただけのように見えてしまうという。

意図とは、なぜその質問をするのかを先に伝えることだ。「入社後なるべく早く成果を上げたいと思っているので質問するのですが」「前職では〇〇という経験をしてきたのですが、御社では××という環境だと伺ったので」のように前置きする。これがないと、面接官は「なぜそんなことを聞くのか、この答えている時間は何なのか」とモヤモヤするとサラタメは言う。

引用は、やってもやらなくてもよいが、やるとコミュニケーションがうまくいっている感じを演出できる。「先ほどこういうお話がありましたよね。そのお話を伺って御社で働きたい気持ちが強くなったので」のように面接官の言葉を引用すると、家で念のため作ってきた質問ではなく、会話の中で本当に興味が出て聞いているという印象になり、逆質問の時間が盛り上がるという。

一次面接向け:本命はキャリアパス系

一次面接の面接官は現場クラスの社員が多いため、現場の仕事内容、キャリア、評価といった具体的な話を聞き、業界全体や会社全体の壮大な話は避けるのが賢明だというのが基本方針である。

サラタメが最もすすめるのはキャリアパス系だ。「何年後をめどにこういう仕事に取り組みたいと思っていますが、これまで中途入社でそういう方はいらっしゃいますか」と聞く。ベストなのは、そういう社員がいることを事前にウェブサイトなどで調べておき、「どんな社員さんだったのですか。どう工夫すればそこに到達できますか」と聞く形で、これは鉄板だという。よくある例はマネジメントで、「2年後をめどに5名程度のマネジメントができるようになりたいのですが、そういう社員さんはいましたか。どうすれば任せてもらえますか」という聞き方が示された。

この質問のよさについて、サラタメは採用側が継続性、つまりすぐ辞めないかを気にしている点を挙げる。長期的な視点を持っていること、長く働くつもりであること、さらにその視点の解像度を高めたいという意欲が伝わるという。シンプルに「3年後、5年後にはどのようなキャリアパスが考えられますか。前の会社ではこうだったのですが」と聞くこともできる。

一方で「キャリアチェンジや部署異動の機会はどれだけありますか」という質問は、サラタメはリスキーだと見ている。営業職で応募しているのに、採用前からマーケターになることを考えているのかと思われかねないからだ。ただし、志望企業がそうした機会を打ち出していて、それが志望動機に含まれているなど本編との一貫性があるなら、使ってもよいとしている。

一次面接向け:面接官ターゲット系と評価基準系

2つ目の面接官ターゲット系は、面接官本人のことを聞くパターンで、面接官と自分の境遇が近い場合にかなり有効だという。たとえば未経験から中途でコンサル業界に転職しようとしている人が、同じく未経験から中途でコンサルに入った面接官と話す場合である。「入社を決めた最大の理由は何でしたか」「今最もやりがいを感じる瞬間は」「この仕事の一番の魅力は」といった質問が挙げられた。

サラタメの一番のおすすめは、「入社前と入社後でギャップはありましたか」と聞くことだ。ギャップはいい話でも悪い話でもよく、どちらを話すかは面接官に委ねられる。きれいに進めたい面接官なら「入社前よりもホワイトでいい印象になった」と話すかもしれないし、ハードワークであることを先に伝えておきたい面接官なら「入社前はキラキラした会社だと思っていたが、泥臭い仕事もある」と話すかもしれない。本音やウェブサイトに載っていない情報を引き出せるのがよいという。

3つ目の評価基準系は、どう評価されるかを聞くもので、会社と自分の適性を確認でき、入社後の行動指針も得られる。「今回のポジションで特に重視される評価ポイントは何ですか」「中途入社ですぐ昇進する人や早期に成果を出す人にはどんな特徴や工夫がありますか」「このポジションで活躍するために一番大切な要素は何ですか」などが例だ。

サラタメが好むのは、数値目標以外を聞く形である。「数値目標以外で、プロセスや行動面で評価される要素があれば教えてください」と聞く。評価基準を聞くと、多くの会社では結局「数字、ノルマを達成しているか」という答えになり、話が盛り上がらない。分かりきっている数字の部分を除外して限定することで具体的な話になり、社風やカルチャーについてウェブサイト以上に踏み込んだ情報が聞けるという。

あまりすすめない3パターン:業務内容、チーム・組織、事前準備

一次面接向けの残り3つは、サラタメとしてはそれほどすすめないが、使う人もいるだろうとして紹介されたものだ。

業務内容系は「典型的な1日の流れ」「入社して最初の3か月の仕事」「扱う案件の規模や月間担当件数」などを聞く定番の質問である。実務の詳細が分かる大事な質問だが、大事すぎるがゆえに募集情報やウェブサイトにすでに載っているはずで、相当具体的に掘り下げないと「調べれば分かるパターン」にはまるリスクが高い。そこだけ意識すれば普通に使えるという。

チーム・組織系は「配属予定のチームはどのようなメンバー構成ですか。現職ではこんな感じなのですが」と比較しつつ聞くもので、職場環境や人間関係は大事なので聞いておく価値はある。ただ、人間関係にパフォーマンスが左右されやすいタイプかと懸念される可能性があるため、最優先の質問ではないとサラタメは言う。逆質問はメインを1つ、サブを2〜3個持っていくのがベストだと考えており、チーム・組織系はサブとして持っておく程度がよいとしている。

事前準備系は「内定をいただけた場合、入社までに準備や勉強しておくことはありますか」「業務で使うシステムやツールで事前に触れておいたほうがいいものはありますか」といった質問だ。意欲の高さはアピールできるが、定番すぎて就活生っぽく、浅い印象を与えるという。第二新卒などかなり若い転職者ならありだが、基本的には使わなくてよいとサラタメは考えている。

一次面接については、キャリアパス系、面接官ターゲット系、評価基準系の3つから選ぶのがよいというのがサラタメのまとめである。

最終面接向け:「よろしければ」と「業務に活かす」のスタンス

最終面接は選択肢がそれほど多くないとサラタメは言う。役員クラスが出てくることが多いので、現場の話よりも業界全体や会社全体といった高い視座の話を聞くのが基本だ。そのうえで、スタンスについて2つの補足がある。

1つは「もしよろしければ教えてください」というスタンスで聞くことだ。役員クラスが語る業界や会社全体の話は、本気で考え抜いた内容だったり非常に勉強になる内容だったりするので、「時間が余ったから聞かせて」という軽いテンションで聞くものではないという。

もう1つは、サラタメがより大事だとするもので、自分の業務に活かそうというスタンスで聞くことだ。大きな話を聞くと、経営者インタビューのように上滑りし、「それを聞いてどうするの」という雰囲気になることがある。そこで、業界や会社全体の話を聞いたあとに「その上で社員に期待している行動や考え方は何ですか」とセットで聞けば、その微妙な空気を払拭できるという。

最終面接の本命は未来予測系

サラタメが最終面接で最も使いやすいとするのが未来予測系で、業界未経験者にも経験者にも使えるという。「志望企業が属する業界は今後こうなると私なりに予測しています。その上で、私のような一社員にはこういう力が重要になると思います。なのでこういう力を重視して働きたいと思っていますが、どう思われますか」と、未来予測から自分のアクションプランにつなげる形だ。

具体例として、未経験からM&A業界に転職する場合が挙げられた。「今後はAIの発展によって、案件のソーシングやデューデリジェンスといった業務の自動化が進むと思っています。M&Aの仕事にはスマートさが大事というイメージがありましたが、そういう環境になるからこそ、現場に足を運び、売り手や買い手の信頼を足で稼ぐような泥臭さが大事になると思うのですが、どう思われますか。ぜひ〇〇様のご意見をお聞かせください」という聞き方である。サラタメは、AIはどんな業界にも絡められるキーワードだとも付け加えている。

この質問のよさについてサラタメは、遠い未来を見据えながらその会社、その業界で働きたいという長期的な視点を示せること、その視点の解像度を高めようとしていること、さらに仮説を持っていることを同時に伝えられる点を挙げている。

残りの3つは簡潔に紹介された。課題系は「今後の事業環境を踏まえると、最も大きな課題はここではないかと思うが、どう思われますか」と今後の課題を聞くパターン。差別化ポイント系は「今後の事業環境を踏まえても、御社のこの強みはこの先も強い差別化ポイントであり続けると思うが、この考えはいかがでしょうか」と聞くパターン。社会的意義系は「御社の事業にはこういう社会的意義、社会へのインパクトがあると思うが、どう思われますか」と聞くものだが、きれいごとっぽく爽やかすぎるため、使う人は限られるかもしれないとサラタメは述べている。4つのうち、個人的には未来予測系が一番使いやすいというのがサラタメの見解である。

結論

動画の最後でサラタメは改めて結論を繰り返す。一次面接の逆質問はキャリアパスについて、最終面接の逆質問は未来予測について、単に聞くのではなく自分で考えた仮説をぶつけて確認すればよい。ダメな6パターンと効果的な10パターンを解説したが、軸になるのはこの2つだという。