AI時代にITエンジニアが「上流転職」するなら、どの会社を狙うべきか:サラタメが挙げるULSコンサルティングとノースサンド

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概要

転職系YouTuberのサラタメ氏は、ITエンジニア経験者が今転職するならどの会社を勧めるかをランキング形式で紹介した。話者の前提は、AI時代には下流工程にとどまるITエンジニアは早めに上流工程へ転職しなければ危ないというものだ。動画内で社名と詳細が語られたのは第3位と第2位の2社で、第1位は動画内では明かされていない。以下では、話者がどんな基準で会社を選び、各社をどう評価したかを整理する。

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想定する視聴者と「PM力」「幅」という基準

話者はまず、この動画が誰に向けたものかを限定する。対象は、二次請け・三次請けのSIerやSESにいる人や、一見有力なIT企業にいても末端の仕事しかできておらず、このままでよいのかと悩んでいるエンジニアだ。一方で、GAFAM、メルカリ、LINEヤフー、サイバーエージェント、SmartHRのような企業で活躍している上位層は対象外とする。そのレベルになると人による部分が大きすぎて、自分から言えることはないという理由である。

話者によれば、AI時代に必要なのは「PM力」と「幅」の2つだ。PM力とは、対人スキルを中心に、要件定義、工数見積もり、技術選定、スケジュール管理、コスト管理までをまとめて担う力を指す。幅とは、言語・フレームワーク・インフラといったエンジニア領域だけでなく、ビジネスモデル、業務プロセス、マーケティング、AIまで含む知識と技術の広さのことだ。話者は、この2つは下流の仕事では身につかないと述べる。詳しい理由は過去の「ITエンジニア経験者の転職 完全ガイド」動画で説明しているとして、今回は結論だけを示した。

会社選びでは、この成長環境に加えて「採用間口の広さ」も重視したという。成長できる会社でも内定が取れなければ意味がないからだ。この2つの基準で選んだ結果、候補はSIerかITコンサルになったと話者は説明する。事業会社は悪くないものの、間口が狭く、年収も言うほど高くなく、仕事の幅が狭まるリスクもあるため、勧められる人が限られるという見方である。下流から上流への「逆転転職」なら、事業会社よりSIerやITコンサルのほうが狙い目だとしている。

第3位:ULSコンサルティング(旧ウルシステムズ)

第3位はITコンサルのULSコンサルティングだ。前年に社名を変えたばかりで、旧社名はウルシステムズである。勧めるポジションは、テクノロジー本部の「テクノロジーコンサルタント」。要件定義から開発、運用保守までを一貫して担う職種だ。

話者の結論は、採用間口は狭いが、成長環境としては断トツで一番だというものだ。PM力と技術の幅の両方が磨かれる点を高く評価しており、それにもかかわらず認知度が低すぎると述べている。間口の狭さが理由で3位にしたという。

技術にこだわる創業者と会社の成り立ち

話者はこの会社を「日本トップクラスに技術力が高いITコンサル」と表現する。大手コンサルで炎上した案件の「最後の駆け込み寺」として頼られることがある、とも話している。

技術力が高い理由として話者が挙げるのは、創業者の経歴と姿勢だ。創業者で現会長の人物は60歳前後とみられるが、今も現役でコードを書いており、毎晩のように寝落ちするまで書き続けているという。経歴として話者が紹介したのは次のとおりだ。中高生のころは秋葉原で部品を集めて自作PCを作り、東京大学ではマルチプロセッサーのアーキテクチャーを研究した。沖電気でエンジニアとして勤務し、在籍中の2年間はスタンフォード大学でコンピューターサイエンスの研究員を務めた。2000年、35歳のときにウルシステムズを起業している。起業の理由は、会社員のままでは会社やクライアントの事情で技術に純粋に向き合い続けるのが難しいから、というものだったと話者は説明する。同社から出ている技術専門書は40冊ほどあるという。

話者の見立てでは、こうした創業者に共感する技術志向の人が集まり、選考も厳しいため、技術力がさらに高まる循環ができている。

少人数で全工程を担う働き方

他社との違いとして話者が強調するのは、3〜5人程度の少人数チームで全工程を担う点だ。大手SIerや大手コンサルでは、スキルにばらつきのある人も含めた大人数で分業する。そこには仕組み化してスケールさせやすい利点や、転職希望者から見れば採用されやすい利点もあると話者は認める。そのうえでULSは、規模を広げるよりも深く濃く関わってクライアントから厚い信頼を得て、高単価を狙う方針だと説明する。働き手に対しても、幅広く採用するより「徹底的に鍛える」ことを魅力として打ち出している会社だという。

業績面では、直近の決算資料をもとに、売上が前期比27%増で、8期連続で過去最高を更新していると紹介した。指名での依頼が続いていることが背景にあり、現在は積極採用中だという。

勧める理由:成長、年収、働き方

話者が挙げる理由は3つある。1つ目は技術者として成長できることだ。ULSには難易度の高い案件が集まり、超上流の企画から開発・運用保守まで一貫して担うため鍛えられる。勉強会やテック合宿もあるが、これは特別なものではないと話者は補足している。ULSを経た人はBig4などのコンサルにも事業会社にも転職できるという。

一方で、話者が取材で聞いた話として、ULSは「沼」だと紹介した。面白く複雑な案件を一度経験すると、他社の案件が面白いと思えなくなるという意味だ。大手に行くと上流だけ、あるいは一部分しか関われないこともある。外資系コンサルに移ると年収は上がるが、仕事が面白くないと言って戻ってくる人がよくいるという。

2つ目は年収だ。平均年収は957万円。話者の整理では、30代後半で1000万円、40代で1500万円が狙えるという。外資系コンサルのほうが高いとは話者も認めている。成果主義で昇給が早く、転職後2〜3年で400〜500万円上がる例もあると述べ、話者が調べた事例を紹介した。

  • 20代で二次請けSESから転職し、3年後に420万円上がって1000万円を超えた例
  • 前職630万円から入社時720万円、3年後に1050万円になった例
  • 36歳でSIerから転職し、前職650万円、入社時780万円、3年後に1150万円になった例

3つ目はワークライフバランスだ。平均残業時間は25時間で、みなし残業は40時間分。週2回のリモートワークも使える。ただしプロジェクトによっては忙しいこともあるため、ワークライフバランスを最優先にする人の転職先ではないと話者は念を押している。

懸念点:即戦力でないと厳しい

最大の懸念は間口の狭さだ。必要な経験は、バックエンド開発の実務経験3年以上と、要件定義から開発までの一貫した業務経験の両方で、基本的にどちらも求められる。話者によれば、求人票には「2年以上のシステム開発経験」とざっくり書かれていることも多いが、内定実績を見る限り実際はかなり難しい。インフラのみ、フロントエンドのみの経験では対象外だと話者はみている。学歴を重視する会社ではない気もするとしつつ、若手の内定者にはGMARCH以上が多いという。面接では、前職で何をしていたか程度ではなく、担当プロジェクトの技術や立ち上げの背景について、全体像から細部まで深く掘り下げて質問されるという。

一方で、学歴が日東駒専程度でGMARCHに届かない28歳の二次請けSES出身者が内定を得た例もあると話者は紹介した。最終的な評価は、内定難易度は高いが成長環境としてはベストで、AI時代に必要な力が最も身につく転職先だというものだ。この動画の主な対象層にはハードルが高いかもしれないが、今届かなくてもいつかはこういう会社を狙ったほうがよい、というのが3位にした理由である。

第2位:ノースサンド

第2位はITコンサルのノースサンドだ。話者は、ULSとは特徴がまったく違い、成長環境よりも採用間口の広さで選んだと説明する。ITエンジニアとしての実務経験が何かしら1年以上あれば内定のチャンスがあり、学歴も不問だという。内定例として、高卒で三次請けSESの人や、Fランク大学卒で30代、二次請けSESで運用保守が中心だった人を挙げた。

懸念として話者が最初に挙げるのは、PM力は身につくが技術・知識の幅は期待しにくいことだ。ULSが「ITエンジニアでありITコンサル」という技術屋の道だとすれば、ノースサンドは完全にITコンサルで、良くも悪くも技術から離れる。ただ話者は、AI時代には技術から離れることをそれほど恐れなくてよいのではないか、むしろそちらが勝ち筋ではないかとも考えており、それが2位にした理由の一つだという。

「ベイカレクローン」としての事業と業績

話者はノースサンドを「ベイカレクローン」と呼ぶ。ベイカレントのビジネスモデル、つまりIT領域に特化したコンサルティングをワンプール制で行う形を、ベイカレント出身者が起業してほぼそのまま再現した会社群を指す言葉だ。他の例としてライズ、ビジョン、ディルバートなどを挙げ、ノースサンドとライズは上場まで果たしていると述べた。

ノースサンドの売上推移として話者が示した数字は、2018年に約10億円、2022年に44億円、2023年に91億円、2024年に約164億円である。2015年創業で、2025年11月にグロース市場へ上場しており、わずか10年での上場だと話者は評している。

差別化の軸は「人間力」

他のベイカレクローンとの違いについて、話者は「人間力・働きやすさ・人を重視している」こと、言い換えれば「コンサルっぽくない」ことだと説明する。前田社長自身がインタビューで、事業内容やビジネスモデルで差別化するのは難しいと語っており、こだわっているのは人間力と働きやすさだという。一般的なコンサルがスキル・競争・個人主義のイメージだとすれば、ノースサンドは人間力・協力・チームプレーを重んじる。話者の印象では、メルカリやサイバーエージェントのような日系のメガベンチャーIT企業に近い。ウェブサイトのデザインや、大事にしている価値として掲げる「愛嬌・素直・しつこさ」もその表れだとしている。

話者は、この方針の源に前田社長の経験があると紹介する。前田社長はベイカレント在籍時、コンサル歴4年ほどでまだ知識やスキルが未熟な段階から、人間力でクライアントに深く入り込んでいた。独立してずっと担当してほしいと頼まれるほどだったという。そこで、コンサルサービスの本質はスキルや知識より人間力なのではないかと考えて起業したのがノースサンドだ、と話者は説明する。

話者自身は3年ほど前から同社を知っていたが、以前は「コンサルに人間力が要るのか」と懐疑的だったと明かす。しかしAI時代に入り、スキルや知識はAIがどうにかしてくれるので、むしろ人間力のほうが重要なのではないかと考えが変わってきたという。

この方針を裏づける材料として、話者はいくつかを挙げた。コアバリューに「Joby(JobとJoyを合わせた言葉で、仕事を楽しむこと)」を掲げていること。YouTubeの社員の声に、いい人ばかりだ、楽しく働けているといった前向きなコメントが多いこと。YouTubeは編集されているだろうと考えて口コミサイトも確認したが、いい人が多い、ポジティブな空気、高圧的な人がいないといった声が並んでいたこと。そして、ベストモチベーションカンパニーアワードの受賞や、9年連続で「働きがいのある会社」に認定されていることである。

話者は「業績がしょぼければただの仲良しチームではないか」という見方にも触れたうえで、業績が伸びているのでこのやり方はありだと思わされたと述べる。決算資料にある事例として紹介したのは、鉄道会社出身でコンサル未経験の人のケースだ。その人は人間力でクライアントの現場に深く入り込み、1年半で10名規模だった支援を60名規模に広げ、単価も倍になったという。話者はここから、コンサルやITエンジニアという文脈を抜きにしても、仕事は人間力の時代になっていくと感じたと語っている。

勧める理由:間口、働きやすさ、年収

1つ目の理由で、話者が最も大きいとするのは採用間口の広さだ。2026年は500名以上の採用を目標にしているという。背景として話者は、上場による資金調達の完了に加えて、未経験者を採用してコンサルタントとして戦力化するノウハウが固まってきたことを挙げる。これは話者自身の分析だ。これまでも年間300〜500名規模で採用してきたが、コンサル1人当たりの売上の増加率を落としていないことが資料から読み取れ、大量採用しても戦力化できている証拠だと話者はみている。必須条件はITエンジニア経験1年以上とカルチャーマッチの2つだけで、学歴は不問だ。ウェブサイトを見てこの雰囲気なら自分に合いそうだと感じる人に向く、と話者は勧める。

2つ目は働きやすさだ。公式の平均残業時間は25時間程度で、話者がOpenWorkで確認した数字も29時間と近かったため、実態に近いだろうとしている。みなし残業は40時間分だ。福利厚生として、ランドセル贈呈制度、スポーツ関連の制度、ウェルネス休暇、誕生日休暇などを紹介した。離職率は公式発表で5.7%。話者はこれを、厚労省の数字で日本企業全体が約11.5%であること、そして話者の見立てでコンサル業界平均が15〜20%、外資系の戦略系などでは30%ほどになることと比べ、圧倒的に低いと評価している。

3つ目は年収だ。平均年収は685万円。大手コンサルよりはやや低いが、採用間口の広さを考えれば良いほうで、二次・三次請けや下流工程にいるエンジニアにとっては十分に年収アップの余地がある、というのが話者の見方である。

懸念点:完全なITコンサルであること、ウエットな人間関係

話者は懸念を2つ挙げる。1つは、前述のとおり完全にITコンサルであることだ。技術や知識ではなくPM力と人間力に力を注ぐことになるため、技術者として生きていきたい人にはミスマッチになりうる。ただし話者は、AI時代にはこの選択はむしろ合理的ではないかと考えている。これまで技術者としてキャリアを積んできたからといって、そのまま技術者であり続けなければならないわけではない、ここで頭のモードを切り替える必要があるのではないか、と話者は語る。ただしこれは好みの問題なので、判断は視聴者に委ねるとしている。

もう1つは人間関係がウエットであることだ。コンサルといえばドライで実力主義というイメージだが、ノースサンドはその逆である。ノリが合う人には部活のような楽しい環境になるが、合わない人にはやりにくいだろうと話者は指摘する。

総合評価として、話者はノースサンドを「ITエンジニアからITコンサルへのジョブチェンジの第一歩」として非常によいと位置づける。技術にそれほど興味が持てない人や、AI時代に自分の技術力で生きていけるか不安な人に勧めたいという。

第1位は動画内で明かされず

第1位について話者は、ULSの成長環境とノースサンドの間口の広さを両立し、PM力と知識・技術の幅がどちらも身につき、ワークライフバランスもよい会社だと予告した。しかし社名と詳細は動画内では明かされず、別途LINEで配布する形がとられた。紹介した各社の内定確率を高める方法や、番外編として予告された事業会社1社(平均残業10時間未満で積極採用中だという)も同様に動画内では語られていない。

話者は最後に、自身はSIerやコンサルを推す立場だとしつつ、下流から上流へ移る第一歩としては事業会社でもよいと付け加えた。動画で示された判断の軸は、技術者として深く鍛えられる道(ULS)と、技術から離れてPM力・人間力で勝負する道(ノースサンド)のどちらを選ぶかである。そのうえで話者は、AI時代には後者を恐れる必要はないのではないか、という自身の考えを示している。