船舶免許の実技試験は着岸や人命救助に失敗しても受かる 採点の仕組みと安全確認の重み

YouTubeで開く ↗
概要

船舶免許を独学で取る方法を発信している堀越氏が、実技試験の採点の考え方を解説した動画である。きっかけは、視聴者から寄せられた「着岸に失敗した」「人命救助で要救助者を拾えなかった」というコメントだった。話者は、この2つに失敗しても合格できると考えている。その理由として採点の仕組みを説明し、教習所に5万〜6万円を払って実技講習を受ける必要があるのかを視聴者自身に判断してほしいと語る。

7分で読めます

動画を撮った背景

話者によれば、この動画は久しぶりの更新である。夏にはジョイクラフトを出したり釣りに行ったりしたが、動画にするほどのことはしていなかった。11月に入り、船舶免許を取る人も徐々に減っている。それでも話者の動画を見て独自に受験する人はいる。これまで採点内容は「もったいつけて」全部は明かしてこなかったが、今回は実技試験の結果に関わる話をすると前置きしている。

避航:試験では常に自分が避ける側

コメントを寄せた視聴者は、着岸と人命救助のほかに避航についても報告していた。試験では左から船が来る場面があり、その船は動力船以外の船という設定になっている。動力船同士なら自分が避けなくてよい場合もあるが、試験では常に自分が避ける状況しか出ない。そのため、ほかのケースは考えなくてよいと話者は説明する。

話者自身は停止か減速を教えている。一番簡単だからだ。ただし避け方はほかにもあり得る。やってはいけないのは、相手の前を横切ること、そのままスピードを上げて逃げること、左から船が来ているのに左へ変針することで、これらは「論外」だという。視聴者は右に避けたと書いていたが、話者はそれで問題ないと答えている。動力船の避け方はきちんと勉強してほしいとも付け加えた。

安全確認さえしていれば減点はない

回答の中心は安全確認である。着岸と人命救助の2つができず、さらに安全確認も抜けていれば「絶対落ちる」と話者は言う。逆に、安全確認さえしていれば減点はまずない。これは断言できると話者は述べ、声を出し、指を差して確認するよう繰り返し勧めている。

声を出さなくてもよいかという質問も来るという。話者の整理では、「中立オッケー」のような声出しは不要である。一方、「右に行きます」のような操船の意思表示は言わなければならない。「右よし、左よし」といった安全確認も、声に出すこと自体は必須ではない。それでも話者が発声を勧めるのは、声に出したほうが忘れないからだ。多くの人を講習してきた経験から、声を出さずにすべての確認をこなすのは「絶対できない」と話者は考えている。

着岸:10人中2人程度しかできない

着岸について、話者は「みんなできない」と強調する。感覚としては10人中2人程度しか着岸できない。では残り8人が全員落ちるのかといえば、そうではない。採点上のポイントは、どう着岸に向かったかにある。

話者によれば、操縦の採点項目には桟橋にゆっくり近寄っていく過程が含まれる。着岸できたかどうかだけで決まるわけではない。安全確認をしながら進入し、桟橋に斜め45度でゆっくり入っていく。そこまでできていれば、最後に桟橋と平行に付けられなかったというだけのことだ。スピードを上げたまま突っ込む、変な位置でハンドルを切るといった操作はだめだが、話者の教える手順どおり「アクセルを開けて中立、アクセルを上げて中立」を繰り返せばゆっくりしか近づかない。その結果、桟橋に届かなかったとしても、そこまでの動作は「100点」だと話者は言う。最後の横付けはほとんどの人ができないので、その部分の採点はみんな同じようなものだ。だから着岸の失敗は「忘れてください」と話者は語る。

人命救助:救助前の手順で点が決まる

人命救助も同じ考え方である。救助に向かう前にまず周囲に船がいないかを確認する。デッキに出て要救助者を確認し、「右から救助に行きます」と宣言し、ボートフックを準備する。そのうえで安全確認をして出発し、要救助者まで5m〜10mほどの距離で再び安全確認をする。この距離は「適当でいい」と話者は言う。ここまでやれば100点で、その後は実際に救助できたかどうかで評価が変わる。

話者は5段階評価にたとえて説明する。手順どおりに進めれば、上手な人も下手な人もそこまではずっと5点である。最後に救助できた人は5点、できなかった人は4点になる。着岸も同様で、進入操作はみんな5点、最後に平行に付けられなければ4点や3点になる。失敗は失敗だが大した失敗ではない、というのが話者の見方だ。

安全確認の欠落は10点規模の減点

これに比べて、安全確認を怠った場合の減点は大きい。話者の説明では、安全確認をしていないと「10点ぐらい」引かれる。点数配分は日本海洋レジャー安全・振興協会のリーフレットに載っているという。

話者は仮の例を挙げる。応用操縦が20点満点で15点取れれば良いとする。着岸で4点、人命救助で4点、離岸などで5点と積み上げれば、合格に必要な点は十分取れる。ところが安全確認を1つ抜かすと本当にマイナス10点ほどになり、合格ラインに届かなくなる。多くの受験者は成功すれば5点、失敗しても4点程度を取れる。だから安全確認さえしておけば受かるのだと話者は説明する。

着岸に失敗して「もうだめだ」と、その後の課題が投げやりになる人もいるかもしれない。ただ、話者自身は試験に同乗したことがないので実際のところは分からないとも述べている。話者自身も受験時は緊張して桟橋にぶつけたという。話者はこの説明を「実技試験のほぼ答え」と表現している。

落ちるのはどんな人か

「受かっていると思いますか」という質問に対して、話者は基本的に受かっていると考えている。試験員は受験者を落とすつもりはないと思っているからだ。それでも落ちた人は、本当に安全確認をしていなかったのだろうと話者は推測する。安全確認以外では、ギアを入れたまま席を立つ行為を挙げた。車でいえばドライブに入れたまま運転席を降りるようなもので、そういう人にはおそらく免許を渡さないだろうと話者は見ている。その場合はもう一度ちゃんとやり直したほうがいい、というのが話者の意見だ。

教習所にお金を払う必要があるか

話者は、船舶免許の人口はもともと少なく、日本海洋レジャー安全・振興協会ももっと船に乗ってほしいと思っているのではないかと話す。しかし実際には人気がなく、免許を取っても使わない人が多い。話者は視聴者に、免許を取って最近船に乗った人がいるかと問いかけ、そういう人ばかりだからこそお金を払うのはもったいないと述べる。

船を触ってみたくて講習に行ったというコメントもあり、話者はその気持ちも分かるとしている。ただ操船の感覚は車と変わらず、オートマ車でシフトをドライブに入れるように「ギア入れました」、ニュートラルにするときに「中立」とやれば同じだという。だから「騙されたと思って」動画で練習してほしいと話者は勧める。

免除コースへの見方

話者は最近のテレビ番組にも触れる。嵐の櫻井翔さんとアナウンサーが東京湾で免許を取っていたが、あれは国家試験を免除されるコースで、芝浦あたりの教習所ではないかと話者は推測している。その教習所について悪い噂は聞いたことがなく、おすすめかもしれないとも言う。

一方で話者は、免除コースで取った人は船を運転できないという印象を持っている。話者の講習にそこの修了者が来たことがあり、一緒に船に乗ったこともあるという。話者が以前いた教習所も免除コースだったが、そこには30フィートほどのレンタルボートがあった。まず25フィートほどの船を運転できたら大きい船に乗れるという仕組みだったが、多くの人がその25フィートの段階を「卒業」できなかった。話者自身が教えていた教習所の修了者も似たようなものだという。10万円払っても運転できないなら、独学でほとんどお金をかけずに取ればよいというのが話者の結論である。

4年前の動画でも今の試験に通用する

最後に話者は、実技の動画を撮ったのは4年ほど前だと明かす。それでも視聴者はその動画で合格しており、今の試験もそのレベルだと述べる。毎年変わると言われても変化はたかが知れている、というのが話者の見方だ。まだ自分の動画で取れるので、取れなくなったら新しい動画を上げるつもりだとして、独学での受験を勧めて締めくくっている。