東京湾の海図で出港前に航路を把握する(その2):木更津・横浜・八景島

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概要

小型船舶免許の独学取得を扱う「堀越学園チャンネル」の堀越氏が、免許取得後にレンタルボートで東京湾へ出る人向けに、出港前に海図で見ておきたいポイントを解説するシリーズの第2回である。前回は東京湾北部を扱い、今回は富津から横浜、横須賀の観音崎までの範囲を取り上げる。話者によれば、この観音崎までがいわゆる平水区域にあたる。

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なぜ出港前に海図を見るのか

堀越氏がまず強調するのは、海の上では遠近感がつかみにくいという点だ。目の前にあるのが岸壁なのか、行き止まりなのか、奥に水路が入り込んでいるのかは、近くまで行かないと分からないことが多い。話者自身もそうだと語り、ブイの裏に水路があると現地で初めて気づくような状況を例に挙げる。

だからこそ、上から見た図を頭に入れておくと楽になる、というのが話者の考えだ。GPSを見ながら走ることもできるが、「道路じゃないけど、こういう道になっている」という海の形をなんとなく知っておくだけでも違うという。使っている海図はプレジャーボート向けの「東京湾」の海図で、詳しめに描かれているが、一般的な東京湾の海図でも内容は同じなのでそれで構わないと話者は補足している。

風の塔を基準にする

浦安・ディズニーランド方面から出てくる話者は、東京湾アクアラインの換気塔である風の塔を目指し、そこを基準に行き先を決める。前回も「風の塔基準で遊ぼう」と話しており、今回もルート説明はほぼ風の塔を起点に組み立てられている。

海ほたるから木更津側は非常に浅い

海ほたるから木更津側は全体的に浅い。アクアラインを渡ったことがある人なら分かるとおり、海苔の養殖や漁具の設置が多く、本当に膝くらいの深さになる場所もあると話者は言う。地元の人は竹串と竹串の間を縫うように走っているが、話者自身もそのあたりはよく分からないという。

木更津には赤い橋(中の島大橋)があり、ビジターバースもあるので船で行くこと自体はできる。問題は入り方だ。木更津には大きな堤防があり、どこを目指せばよいかが分かりにくい。海ほたるから岸沿いに見ながら進もうとすると乗り上げる可能性があるうえ、海苔の養殖も時期によっては行われているので、わざわざそこに入る必要はない、と話者は注意する。

話者が勧めるのは、風の塔から大きく回り込むルートだ。木更津航路の緑のブイが見えるはずなので、まず手前の緑ブイを目指し、そこから木更津航路に入る。航路を進むと堤防が見えてくるが、堤防のど真ん中あたりが正面に見えてしまうようなら、まだ航路寄りに進めていなかったということで、もっと航路側を狙う必要がある。そのうえで直角に入っていくと木更津に入れる。慣れた人なら近道を狙えばよいが、分からないうちは大型船のように大きく大きく航路をたどって入るべきだという。

航路に入ってからも、堤防側を走ってしまう人がいるが、そちらはとても浅い。航路の中でも、緑ブイのすぐ左側ぎりぎりを走るくらいの気持ちで、緑の航路ブイから少し出た程度の位置を狙うとよいと話者は説明する。そのまま進むと赤い橋のあたりに、船を止められるビジターバースがある。行って何をするかはあまりなく、食事ができる程度なので、遊びに行くのはいいが「1回行ったらもう行かないかな」というのが話者の感想だ。

富津漁港と富津岬・第一海堡の注意点

富津漁港についても、竹串の間に入っていくような場所なので、入る理由がなければ行かないと話者は述べ、詳しい説明は置いている。

注意点として挙げたのは富津岬と第一海堡の間だ。海図では陸続きのように見えるが、実際には水が入っている。前回の動画で、ジェットスキーを降ろせる場所として上から見た地点の先端から第一海堡まで行けると話していたが、海図を見ると第一海堡は島になっており、その間は走れないことが分かる。ところが船から目で見ると海(水)になっているので行けそうに見え、ジェットスキーで走ってしまう人がいる。だからここは注意が必要だと話者は言う。

荒天時は京浜運河を使う

前回の海図には多摩川まで入っていたが、今回の海図では抜けている。話者は海が荒れているとき、川崎の京浜運河を通って横浜方面へ向かうという。運河なら波が立たず、風が強い日でも横浜まで来られるので、よく使うルートだそうだ。

風の塔から横浜へは針路250〜260度

特に何もない日なら、風の塔からまっすぐ横浜を狙えばよい。免許を取ったばかりで、横浜へクルージングに行ってみたいという人向けに、話者は具体的な目安を示している。

岸寄りのぎりぎりを走ると、そのあたりでは工事がいろいろ行われている。工事を避けたいなら、風の塔から針路250〜260度くらいで狙っていくとよいという。もっときわどいコースを取ってもよいが、最初は250〜260度で進むと、だいたい横浜航路に入り、鶴見つばさ橋を越えてベイブリッジ方面まで入ってこられると話者は説明する。

ここで迷いやすいのが橋の見分けだ。手前に大きな橋が見えるとベイブリッジだと思いがちだが、実はそれは鶴見つばさ橋だという。このあたりは浅くないので、工事に気をつけるくらいでよいと話者は述べる。

横浜港内とレンタルの利点

港内に入ると米軍の船があったりする。話者が前回レンタルした場所も、おそらくこのあたりで、借りてすぐ出られるほど近いという。話者は、浦安方面から借りて1時間ちょっとかけて横浜まで来るのと、20分で来られるのとでは、それくらいの差があると比べている。

横浜には大岡川などの水路もいろいろある。昔は船で行って食事ができる店もあったが、今はもうない。船があまり使われなくなったせいかは分からない、と話者は付け加える。ベイブリッジを入った先の大さん橋周辺にはビジターバースがあるので、探してみてほしいという。

話者が前回行ったときは、大さん橋を抜けてまっすぐ進み、インターコンチネンタル(ホテル)のあたりの間を抜け、観覧車の隙間を通って奥まで行けたという。ただし夜はあまり危ないのでお勧めしないと添えている。

横浜ベイサイドマリーナへの行き方

横浜から先、横須賀方面については、いきなりすぐ行こうとするのは最初は少し怖いかもしれないと話者は言う。ただ、急に浅くなるような場所は、今回の範囲にはまだなく、次回の「その3」あたりで出てくるという。

横浜を抜けると横浜ベイサイドマリーナがある。大きな船が止まっていたりするが、ビジターとして遊びに行ける。風の塔からベイサイドマリーナを狙うと方角としてはそこに当たるが、実際には風の塔から目では見えない。煙突などいろいろな景色が重なり、どこがベイサイドマリーナなのか分からないからだ。

そこで話者が勧めるのは、岸を右手に見ながら走り、つばさ橋が見えたら次はベイブリッジ、と順に目印をたどる方法だ。話者自身は途中の小さな水路を抜けて近道することもあるが、分からないうちは、ベイブリッジが見えたらその先に島のように見える場所が現れ、そこを抜ければすぐベイサイドマリーナだと覚えておけばよい。緑ブイや岸壁を狙って入っていくという。実際に船で一緒に走りながら教えた方が伝わりやすいとは思うが、海図で「こうやって行くんだ」と分かってもらえればそれで十分だ、と話者は語る。ベイサイドマリーナから先の方面は、行く理由がないのであまり行かず、よく分からないという。

八景島:定置網とビーチ、ビジター係留

さらに進むと有名なポイントである八景島がある。八景島の沖には定置網がしっかり設置されている。今回の海図にはあまり載っていないので説明しにくいと話者は断ったうえで、八景島を出たところに大きな定置網があり、そのぎりぎりを抜けていくのはちょっと怖いと述べる。

遊ぶポイントとしては、八景島の近くの海の公園にビーチがある(話者は名前が分からないと言っている)。船を寄せられるようで、よく船が止まっている。特にすることはないが、船で行ける一番近いビーチはここではないかという。ただし、こちら側はあまりきれいではなく、きれいな海を求めるならもっと南へ行かないとだめだと話者は言う。八景島の中にもビジターで船を止められるので、連絡して行ってみるとよい。遊園地に久しぶりに船で行ってみるのもいいのではないか、と話者は勧め、自分も機会があれば八景島クルージングをやってみたいと話している。

その先は有名な浦賀水道で、中ノ瀬航路も入っている。

海図は予習であって、実際に走ることが欠かせない

話者は、江戸川方面や横浜周辺でレンタルボートを借りる人にとっては、今回の「その2」の範囲が一番使うエリアだろうと見ている。遊ぶポイントとしても、どこで釣りをしてもよいという。

一方で、今回はざっくり簡単に話しただけなので、詳しく知りたい人は一緒に船に乗って教えながら走れるとよいとも述べる。前回と同じく、海図を見たからといって100%行ける、知識は完璧だとは思わないでほしいと念を押す。実際に海に出て船で走らなければ、船の操縦は身につかないからだ。

それでも、事前に海図で「どれを狙って、どれを狙って」と頭に入れておく意味はあると話者は考えている。GPSを見て誰かが走った航跡をたどるのは簡単だが、それでは覚えない。自分で「このブイは何番だ」「中ノ瀬航路の何番ブイかな」「ここを越えたらベイサイドマリーナへ行けると言っていたな」と思い出しながら走ってほしい、というのが今回の結びである。次回は「その3」として、さらに南の範囲を扱う予定だと話者は述べている。