学認IdPのIAL2/AAL2対応を「普及」段階へ:NIIの中規模実証実験の設計と参加メニュー
国立情報学研究所 - National Institute of Informatics国立情報学研究所(NII)の鈴木彦文氏は、IAL2(身元確認保証レベル)とAAL2(当人認証保証レベル)をテーマに、今年度実施予定の中規模実証実験の計画を説明した。昨年度までの実証実験では、さまざまな機関の参加を得て技術的な検証や論点整理を進めてきた。今年度はその成果をもとに、学認(学術認証フェデレーション)の参加機関へIAL2/AAL2を「普及」させることを目的に据える。講演では、なぜ今この保証レベルが必要なのかという背景、4つの参加メニュー、NIIが用意するテスト環境、マイルストーン、そして規定案へのパブリックコメントの呼びかけが順に語られた。なお、講演時点で実証実験の参加募集はまだ始まっておらず、近日中に募集ページを公開する予定だという。
背景:「認証」から「保証」へ
鈴木氏は背景を「認証から保証へ」という言葉でまとめた。研究基盤や国際連携の場では、ログインできるだけでは足りなくなってきているという。例として挙げたのが研究データ基盤やHPCで、GPUクラスターやスパコンの利用申請では、誰が使っているのかについて説明責任が求められるようになっている。国際連携では、相手機関から「あなたの大学の本人確認は信頼できるのか」と問われる状況が生じている。
もう一つの背景は、デジタル証明書の普及である。同日午前の講演でも触れられたように、VC(Verifiable Credential)やデジタル学生証といった証明書が広がりつつある。鈴木氏によれば、こうした証明書を発行するには、元になるアカウントが確かなものであることが前提条件になる。
そこで学認として重要な課題になるのが、大学が入学時にすでに行っている対面での本人確認を、国際標準に沿ったIAL2/AAL2として証明できる仕組みを作ることだと鈴木氏は位置づけた。
実証実験の目的と、すでに整っている文書
実験の目的は、学認対応のIdPとSPでIAL2/AAL2への対応を検証し、運用規定や技術ドキュメントなどの成果物を公開して普及させることである。
すでに策定済みのものとして、鈴木氏は規定と解説を挙げた。運用規定については案を公開しており、それを普及させるための解説書も公開している。さらに午前のセッション向けに、その解説書の要点をまとめた資料を作成しており、フォーラムのトラック案内とホームページで今後公開する予定だという。
2026年度中には、IAL2/AAL2の認定方法とプロセスを策定する予定である。IdP・SP向けの評価指標を定め、学認フェデレーションとしての取り組みを決めて普及させることを、この実証実験で進めるとした。
ドキュメント整備としては、IAL2/AAL2に対応するための技術ガイドとチェックリストを作り、可能であればユースケースベースのサンプルも収集して公開したいという。加えて鈴木氏は、IAL2/AAL2に対応しただけでは効果が分かりにくいと考え、デジタル証明書を発行する実験を組み込むことにした。IAL2/AAL2で認証されたユーザーにデジタル証明書を発行するとはどういうことかを、参加機関に実際に検証してもらいたいという狙いである。
規定の条文と実験の対応関係
鈴木氏は、規定のどの部分を実験で扱うのかも簡単に示した。全文は長いため要点だけの紹介だったが、IAL2の規定では第4〜5条がトラステッドデータベースとは何か、どう規定されるかを定め、第14〜18条が証拠の収集、妥当性確認、検証を定めている。つまり、本人をどのように確認したかが問われる部分である。AAL2の規定では、第3条が認証器の要件、第4条が認証器の評価を扱う。実証実験はこうした条文に対応できる形で設計するという。
あわせて、学認が公開している認証器レジストリも確認してほしいと呼びかけた。
参加メニューの全体像
参加メニューはAからDの4ケースが用意されている。
- ケースA:IdPのIAL2/AAL2対応
- ケースB:Orthros(オルトロス)と学認RDMの連携
- ケースC:Orthrosを用いたサービスの提供(機関ではなくサービスプロバイダー向け)
- ケースD:VC発行とデジタル学生証の検証
ケースA:学認対応IdPのIAL2/AAL2対応
ケースAで機関に求めるのは、学認対応IdPをIAL2/AAL2に対応させることである。具体的には、IAL/AAL関連の属性を送れるようにすること、AAL2相当のMFAを準備すること、IAL2相当としてユーザーの真正性を担保することが挙がった。後者については、トラステッドデータベースとの連携や認証器の管理などを行ってほしいという。さらに、規定文書の内容を確認し、できればパブリックコメントにも対応してほしいと依頼した。
鈴木氏がスライドで示したフローは次のようなものだ。学務・人事システムをトラステッドデータベースとし、そこから自動的にIdM(スライド上の表記はIDaaS)へプロビジョニングする。その結果をさらに学認対応IdPへ連携する。IdPでは、トラステッドデータベースに基づくユーザーであればIAL2を、適切な認証が行われていればAAL2を付与し、その情報をSPへ送る。SP側で属性がきちんと送信されていることを確認できるか、というのがこのケースの検証内容である。詳細は時間の都合で省かれた。
ケースB・C:Orthrosによる学外者の扱い
ケースBは、Orthrosと学認RDMの連携である。現在の学認RDMは、学認対応IdPで認証したユーザーが利用する形になっている。そのため、学外の人をどう扱うかという問題が出てくる。そこで、学外者にOrthrosでIDを登録してもらい、学認RDMと連携するという形をとる。鈴木氏は、これは実証実験に参加しなくてもできることだと断ったうえで、参加すればより詳細な情報を共有できるため、メニューに加えたと説明した。
ケースCは、サービスプロバイダー向けのメニューである。Orthrosは学外の研究者などにもIDを発行する仕組みなので、Orthrosを用いたサービスを開発・提供してほしいという。
Orthrosについて鈴木氏は、現在パスキーに対応しており、これはAAL2相当に対応していると考えていると述べた。またクロスID等との連携もできるため、ケースBとCに参加する機関やサービスプロバイダーには、その点を意識して活用してほしいとした。
ケースD:デジタル学生証の発行と「属性の不足」
ケースDは、機関SPを対象に、VCとしてデジタル学生証を発行するメニューである。これまで述べてきたとおり、デジタル証明書の発行にはIAL2/AAL2に対応したIdPが必須になる。ただし鈴木氏は、スライドでは「対応してもらえると嬉しい」という書き方にしていると説明し、まず参加してもらい、そのうえで徐々にIAL2/AAL2へ対応していく形でよいとした。今年度は対応できなくても、来年度以降に向けた情報収集の場として使ってほしいとも述べている。
IAL2/AAL2に対応しただけでは、対応できたことを確認できるにとどまる。そこでNIIは、その上で実際に学生証やデジタル証明書を発行する検証ができる環境を用意する予定だという。
このとき問題になるのが属性情報である。鈴木氏によれば、現在の認証システムが提供している属性だけでは、デジタル学生証を発行するには足りないことが分かっている。大学の学生証には、学籍番号、入学年、生年月日、有効期限といった情報が記載されていることが多い。しかし、これらは基本的にIdPでは扱わない情報である。そのため、証明書に載せる情報を扱う属性プロバイダー(AP)を別に立てるか、IdPで扱ってもよい機関であればIdP側で扱う必要がある。
鈴木氏はこの2パターンのフローを示した。IdPとAPを別々に構築する場合は、APがIdPと連携し、VC発行を担うSPへ情報を送ることで証明書が発行される。APを立てずに学認対応IdPだけで対応する場合は、1つのIdPがAPの役割も兼ねるため、そこだけで情報が揃い、VC発行システムで証明書を発行できる。
NIIが用意するテスト環境
この構成のうち、VC発行を担うサービスプロバイダー(VC Issuing SP)と学生証アプリ(ウォレット)は、NIIが用意する予定である。さらに、IdPやAPを自前で用意するのは難しいが検証には参加したい、実際にデジタル学生証を発行してみたいという機関のために、NIIがデモ用のIdPとAPも用意する。参加機関はダミーでよいのでデータを登録すれば発行テストができ、デジタル学生証がどのようなものかが分かる。あわせて、どうすればIAL2/AAL2を満たせるかも確認できる環境にする予定だという。
鈴木氏はNIIが提供予定のテスト環境を次のようにまとめた。
- 確認用サービスプロバイダー
- テスト用IdP
- VC発行システム
- 学生証アプリ
- テスト用AP
- 認証器レジストリ
このうち認証器レジストリはすでに公開されており、AAL2対応を検討している機関は参考にしてほしいという。テスト用IdP、テスト用AP、学生証アプリ、VC発行システムは、昨年度の別の実証実験でテスト用のものをすでに作っており、今年度向けに改修し直したらすぐに募集をかける予定である。
マイルストーン
IAL2/AAL2の規定と認定については、現在規定文書を公開しており、パブリックコメントの締め切りは7月31日である。講演中、鈴木氏はスライドのパブリックコメント期間の記載が誤っていたと訂正した。スライド上のその期間は、パブリックコメントではなく規定の修正と普及に向けた準備の期間であり、訂正版を後で公開するとした。
IdP・SPへの展開は実証実験と連動させる。実証実験が始まり次第、IdPの実証実験や評価指標などを策定し、IdP・SPへ本格的に展開していく流れを考えているという。
参加の呼びかけ
鈴木氏は、大学や研究機関に学認におけるIAL2/AAL2の先行者になってほしいと述べた。募集対象は次のとおりである。
- 学認対応IdPのIAL2/AAL2対応を検討している大学・研究機関
- Orthrosを使って学外者との研究データ共有を進めたい機関
- Orthros認証を用いたサービスの開発やテストを行いたいサービスプロバイダー
- VCやデジタル学生証のテストに参加したい機関SP
実際に手を動かしてIdPをIAL2/AAL2に対応させてほしいのが本音だが、まず情報収集をしたいという段階の参加でも構わないという。募集ページは近日公開予定で、講演内容に関する問い合わせはトラストデジタルID基盤研究開発センターのホームページの問い合わせフォームから受け付ける。
まとめとして鈴木氏は、IAL2/AAL2の規定文書と認定プロセスが動き始めるのでIdPなどの準備を進めてほしいこと、Orthrosと学認RDMを使って学外者との共同プロジェクトを進めてほしいこと、VCやデジタル学生証のテスト環境を用意するので使ってみてほしいことの3点を挙げた。
パブリックコメントで求める意見
最後に鈴木氏は、公開中のIAL2/AAL2規定文書へのパブリックコメントについて補足した。募集期間は7月31日までで、センターのホームページから問い合わせフォームへすぐ移動できる。
意見は堅苦しく考えなくてよいという。例として挙げたのは、この要件は実装が難しい、表現が分かりにくい、こういう例外を認めてほしい、といった規定内容への意見である。ほかにも、実装上の懸念として「トラステッドデータベース」の定義が実際のシステムに当てはまらないかもしれないといった現場の声や、用語の定義が甘い、この部分の説明が足りないといった指摘でも構わないとし、率直な意見を寄せてほしいと呼びかけた。
また鈴木氏は、VCの今後を議論するイベントとして「デジタルクレデンシャル円卓会議2026」が開かれることも紹介した。デジタル証明書・VCについて、さまざまな立場の人が集まって広く意見を交換する場だという。
中規模実証実験、IAL2、AAL2における実証実験というテーマで、国立情報学研究所の鈴木から発表させていただきます。
本日のアジェンダですけども、まず背景について、なぜ今IAL2、AAL2が必要なのか、研究基盤や国際連携の現状ということを簡単に説明させていただきます。次に、実証実験の目的としまして、IAL2の規定の位置付けと実現と普及に向けて、普及というところにちょっとアクセントを置かせていただきましたけども、IALとAAL2の規定に関して、これまで、昨年度までの実証実験で様々な機関に参加していただきまして、その上で技術的な検証であるとかポイントであるとかいうのを出させていただきました。それに基づきまして、今年度はIAL・AAL2を普及させていくということを目的とした実証実験を実施していきたいと考えております。参加メニューとしまして4ケースほど考えております。後で詳しく説明させていただきます。マイルストーンを簡単に作成させていただきましたので、それも合わせて説明させていただきまして、最後に、中規模実証実験、まだ募集開始しておりませんけども、先に募集を開始させていただきまして、皆さんの参加を募りたいと思います。さらに、IAL・AALの規定案についても現在公開しておりまして、そのパブリックコメントを現在求めているという状況でございますので、皆様からの忌憚のないコメントをいただければと思います。
ということで、まず初めに背景と課題で、認証から保証へという観点で話をさせていただきます。研究基盤と国際連携では、ログインできるというだけでは不十分な時代になってまいりました。例えば研究データ基盤であるとかHPCにおいては、GPUクラスター、スパコンの利用申請に、誰が使っているかの説明責任が求められるという時代になってきております。さらに国際連携においては相手機関から、あなたの大学の本人確認は信頼できるかということが問われるような状況になってきております。さらに、午前中の講演にもございましたけども、デジタル証明書が普及してくるという時代になってきております。このようにVCであるとか学生証などデジタル証明書の発行には、アカウントの確かさが前提条件という形になってまいります。そこで、学認としましては、現在大学が入学時に行っている対面確認というものを、国際標準、IAL2、AAL2で証明する仕組みを作っていくということが重要な課題となっていると考えております。
ということで、本実験の目的としましては、学認対応のIdP・SPにおけるIAL・AAL2対応を検証し、運用規定や技術ドキュメントなどのアウトプットを公開し、普及させていくということが目的となります。既に策定済みのものとしましては、規定と解説は策定済みでございます。運用規定について、案に関するものを公開しております。さらに、それを普及させるための解説書を公開しております。さらに、午前中のセッションにおきまして、その解説書をさらにかいつまんだ資料を作成させていただきまして、そちらも後に公開する予定となっております。本フォーラムのトラックの案内でも公開いたしますし、ホームページでも公開いたします。
2026年度のうちに、IAL2、AAL2の認定方法やプロセスを策定させていただく予定でおります。IdP・SP向けの評価指標であるとか、さらに学認フェデレーションとしての取り組みを決定して普及させていくということを、この実証実験で行っていく予定であります。さらに、実験とドキュメントの整備ということで、IAL2、AAL2に対応するための技術ガイド及びチェックリスト、さらにユースケースベースのサンプルを、可能であれば収集した上で公開していきたいと考えております。さらに、IAL・AAL2に対応しただけでは効果が分かりにくいと思いますので、デジタル証明書を発行する実験も組み込ませていただきまして、それを使って、IAL・AAL2で認証したユーザーに対してデジタル証明書を発行するというのはどういうことなのかというのを、この実証実験で考えて、検証していただければと思います。
ということで、規定と実証実験の対応関係について簡単にまとめさせていただきました。これ全文読むと非常に長いのでかいつまませていただきますけども、例えば、IAL2の規定においては、4から5条においてはトラステッドデータベースはどういうものか、どういう風に規定されるものか、例えば14条から18条は、証拠収集、妥当性確認、検証っていうのはどういうものなのか、要は本人をどのように確認したかとか、そういったことが求められるとかですね。あと、AAL2では、第3条において認証器の要件であるとか、第4条においては認証器の評価に関して規定させていただいてる、この辺りに対応できるような実証実験をしていこうと考えております。宣伝になりますけども、学認では認証器レジストリーを公開しておりますので、そちらも合わせてご確認ください。この案内に関しては、後ほどURLを記載させていただきます。
実際に実証実験に参加する際のメニューとしましては4ケース考えておりまして、それぞれAからDまでとなっております。Aは、IdPのIAL2、AAL2対応。Bとしましては、オルトロスと学認RDMの対応で、さらに、これは機関向けではなくてサービス向けにお願いしたいことですけども、オルトロスを用いたサービスを提供していただく。さらにDとしまして、VC発行、デジタル学生証に関する検証を行っていただく、こういったようなメニューを用意しております。
ケースAの、機関にお願いしたい学認対応IdPのIAL2、AAL2の対応につきましては、実装対象としては、IAL・AALの属性送出であるとか、AAL2相当のMFAをご準備いただく、IAL相当のユーザーの真正性を担保していただく。これはトラステッドデータベース連携であるとか、認証、証跡管理とかそういったようなことをお願いしたい。さらに、規定文書の内容を確認していただきたい。規定文書に関するパブリックコメントも求めておりまして、これに関してはまた後ほど説明させていただきますけども、その対応もできればしていただきたい。簡単なフローを右の図に書かせていただきました。学務・人事システムからトラステッドデータベースだということで、それを自動的にIdP、IDaaSと書いてありますけども、プロビジョニングしていただいて、その結果を学認対応IdPにさらに転送していただき、ここで、きちんとトラステッドなデータベースであればIAL2を付与し、きちんと認証が取れているのであればAAL2の権限を付与して、確認をSPに投げていただくと、きちんと属性が送信されていることが確認できるというケースを考えております。詳しくはこちらに書かれておりますけれども、時間の都合上、これは省かせていただきます。
次に、ケースBとしまして、オルトロスと学認RDMの連携ということで、現在、学認RDMでは、学認対応IdPから認証したユーザーは学認RDMが利用できるという形になっておりますけども、学外の方をどう取り扱うかという問題が出てきてまいります。その際に、オルトロスにIDを登録いただいて学認RDMと連携していただくというような格好が取れます。これは実証実験に参加しなくてもできることではあるんですけども、実証実験に参加していただければ、より詳細な情報であるとか、そういったものを共有できるという形になると思いますので、実証実験のメニューとして記載させていただきました。さらに、オルトロスは学外の研究者等に対してのIDが発行されるということですので、そのオルトロスを用いたサービスの提供も開発していただくということもしていただきたいと考えております。これはサービスプロバイダー向けのメニューとなっております。オルトロスですけども、現在パスキーに対応しておりまして、これはAAL2相当に対応していると考えております。また、クロスID等の連携ができますので、そこも十分活用していただいた上で、先ほどのBとCに、各機関並びにサービスプロバイダーの方は、それを意識した上で参加いただけるとよろしいかと思います。
ケースDとしまして、これは機関・SPに関してなんですけども、VC、ベリファイアブルクレデンシャルを発行した、デジタル学生証を発行するというメニューを考えております。その際に、先ほどから申し上げている通り、デジタル証明書を発行するにあたってはIAL2とAAL2に対応したIdPが必須となっております。ここでは「してもらえると嬉しい」と書いてありますけども、まずは参加していただいて、その上で、IAL2、AAL2に徐々に対応していただくような格好を取っていただけると嬉しい。また、今年度は対応できないかもしれないけれども、来年度以降対応していくための情報収集の場としても使っていただきたい。ただ、先ほど申し上げた通り、IAL2、AAL2に対応しただけですと、対応したということが確認できるだけですので、それを使って実際に学生証であるとかデジタル証明書を発行するという検証ができる環境を、NIIとして用意する予定でおります。
その際に、デジタル学生証を発行するにあたっては、現在認証システムが提供している属性情報だけでは属性情報が不足するということが分かっております。そのために考えていただきたいのは、証明書に付随する情報を取り扱うためのアトリビュートプロバイダーを作っていただくか、IdPで取り扱っていただく必要が出てくるという格好になります。これは2パターン考えておりますので説明させていただきますと、IdPとアトリビュートプロバイダーを別立てで構築した場合は左側のフローで、アトリビュートプロバイダーを立てずに学認対応IdPのみで対応する場合は右側のようなフローを考えております。左のケースの場合、アトリビュートプロバイダーがIdPと連携していただいて、VC発行のSPに情報を投げていただくことによってデジタル証明書が発行されると。右側は、IdPとAPが1つのIdPで実現されているので、単独で情報が全て揃いますので、VC発行システムでデジタル証明書を発行していただけるというメニューとなっております。
ここの左側の上から3つ目のところに、AP属性プロバイダーというのが書かれているんですけども、そこに書かれている情報を見ていただきたいんですけど、皆様の大学の証明書にはおそらくこういった情報が入っているだろうということで、例を記載させていただいております。学籍番号であるとか、入学日であるとか、誕生日であるとか、あと有効期限といった情報が記載されてるということが非常に多いです。そういったような情報は、基本的にIdPでは取り扱わない情報なんですね。なので、それを属性プロバイダーという形で別立てしていただく、もしくは、IdPでも取り扱っても良いということであれば、IdPの方でそのような各属性を取り扱っていただくという形を取らせていただいて、デジタル証明書を発行したり、デジタル学生証を発行するという実証実験をさせていただければと思っております。
すいません。こちらが先ほどの話を示したものでございます。ここでSPと書かれている、ベリファイアブルクレデンシャル、VCイシュイングサービスプロバイダーの部分に関しては、NIIが用意させていただく予定でおります。さらに、学生証アプリ、ウォレットに関しても、こちらもNIIで用意する予定でおります。さらに、IdPとAPをなかなか用意できない、でも検証には参加したいし、実際にデジタル学生証やデジタル証明書を発行するような検証にも参加してみたい、実際に発行してもらいたいという場合は、左側の機関の部分に相当する学認対応IdPとアトリビュートプロバイダーにつきましても、NIIの方でデモ用のIdPとAPを用意させていただきますので、そこに参加機関の方のデータを、ダミーで構いませんので登録していただければ、発行するテストが検証できて、デジタル学生証がどのようなものかが分かると。その際に、どうすればIAL2、AAL2を満たすことができるのかといったところも合わせて確認いただけるという環境を準備する予定でおります。
IAL2、AAL2に関するマイルストーンがこのようになっておりまして、まずIAL2、AAL2の規定や認定に関しては、現在IAL2、AALの規定のドキュメントを公開しておりまして、パブリックコメント、あ、すいません。パブリックコメントの期間が間違っております。申し訳ございません。これ後ほど訂正させていただきますが、7月31日が締め切りでございます。こちら、すいません、これはパブリックコメントではなくて、修正及び普及のための前準備がこの期間という形になっております。申し訳ございません。後ほど訂正させていただきます。訂正したものを公開させていただきます。IAL・AALに関して、IdP・SPへの展開はこの実証実験に連動する形で、実証実験が開始され次第、IdPの実証実験等を策定し、IdP・SPへ本格的に展開していくという流れを考えております。
ということで取りまとめまして、NIIが提供するテスト環境の予定としましては、確認用サービスプロバイダー、テスト用IdP、VC発行システム、学生証アプリ、テスト用AP及び認証器レジストリーとなります。このうち、認証器レジストリーにつきましてはすでに公開しておりまして、皆様の機関におかれましても、AAL2対応をお考えの方は、こちらの認証器レジストリーのホームページを参考にしていただけるとよろしいかと思います。実際、テスト用IdP、テスト用AP、学生証用アプリ、VC発行システムにつきましては、昨年度、別の実証実験で、すでにテスト用のシステムを作っておりますので、それを今年度分に改修し直したら、直ちに募集をかける予定でおります。
参加のご案内ということで、皆様の大学・機関様が、学認のIAL2、AAL2の先駆者になっていただきたいと考えておりまして、募集対象としましては、学認対応IdPのIAL2、AAL2対応を検討してる大学、研究機関様、さらにオルトロスを用いて学外者との研究データ共有を進めたい機関様、サービスプロバイダー様におかれましては、オルトロス認証を用いたサービス開発やテストを実施したい方々、機関・SPにおかれましては、VCやデジタル学生証のテストに参加したい機関・SPの方を募集しております。もちろん、手を動かしていただいてIdPをIAL2、AAL2に対応していただきたいんですけども、まずは情報収集をしたいという方々も参加していただいて構いませんので、皆さん奮ってご参加ください。お問い合わせ・募集に関しては、募集ページを近日中に公開いたしますので、その際にまたアナウンスさせていただきたいと思います。本件に関するお問い合わせに関しては、トラスト・デジタルID基盤研究開発センターのホームページのお問い合わせからお願いいたします。先ほど認証器レジストリーが公開されているというお話をさせていただきましたけども、こちらはここに記載されておりますURLからアクセスしていただければ、AAL2相当の認証器レジストリーの情報が手に入ります。
ということでまとめとしまして、IAL2、AAL2の規定文書や認定プロセスが動き始めます。IdP等の準備をよろしくお願いいたします。オルトロスと学認RDMを用いて、学外者との共同プロジェクトを推進してください。さらにデジタル証明書であるVCや学生証のテスト環境を用意しますので、皆さん使ってみてください。
ここから、パブリックコメントに関するお話を簡単にさせていただきます。現在、トラスト・デジタルID基盤研究開発センターでは、IAL2、AAL2の規定文書を公開してパブリックコメントを募集しております。募集期間は7月31日までとなっております。ホームページを開いていただければ、そこから問い合わせフォームにすぐ飛べるようになっておりますので、ご確認ください。意見としましては、堅苦しいことをあまり考えなくても大丈夫です。規定の内容についての意見として、例えば、この要件は実装が難しいとか、表現が分かりにくいとか、こういう例外を認めて欲しいとかですね。あと他にも、実装上の問題点・懸念として、トラステッドデータベースの定義が実際のシステムに当てはまらないかもしれないというような現場の声、用語の定義が甘いであるとか、この部分の説明が不足しているとか、そういったことでも構いませんので、是非とも皆様、忌憚のないご意見をお寄せください。
もう1個だけ宣伝させてください。VCの未来を語るイベントがございまして、デジタルクレデンシャル円卓会議2026という会議が開催されます。こちらコンパスの方で参加募集がかけられております。こちらで、デジタル証明書VCに関して、様々な立場の方が一堂に会して、広く意見を交換するというイベントとなっておりますので、是非皆様ご参加ください。以上となります。ありがとうございました。
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