給湯器を「分散型の熱電池」にするReservoirの事業モデル:故障交換の需要からVPPを目指す
東京大学FoundXFoundX Review Startup IdeaCastは、海外のスタートアップをAIで分析して紹介する番組である。今回取り上げたのは、米国マサチューセッツ州を拠点とするReservoirだ。番組は冒頭で、AIで情報を整理しているため一部が古かったり誤っていたりする可能性があると断っている。紹介役がこの会社を選んだ理由は、米国の家庭に必ずあるのに長く新しくなってこなかった設備を扱っている点にある。その設備を新しくすると、家庭の利便性に加えて電力系統の安定という別の価値も生まれる。紹介役はこの発想を面白いと考えた。
Reservoirは、家庭用ヒートポンプ給湯器に、給湯需要を予測する制御、漏水・凍結対策、設置・保守サービスを組み合わせて提供している。将来は多数の給湯器をまとめて制御し、電力需要を調整する仮想発電所(VPP)へ展開することを構想している。
米国のタンク式給湯器が抱える問題
番組はまず、米国の給湯器事情を説明した。日本では使う瞬間にお湯を沸かすガス瞬間式が多い。米国では190〜300リットルほどの大きなタンクに24時間お湯を沸かして溜めておく方式が主流で、タンクの多くは地下室やクローゼットに置かれているという。
紹介役によれば、給湯器は家庭内で暖房に次いでエネルギーを多く消費する機器とされる。統計によって幅はあるが、家庭全体のエネルギー消費の10〜20%を占めるとも言われる。米国の一般的な家庭では、お湯を沸かすだけで電気自動車を1年間走らせるより多くのエネルギーを使う場合もあるという。それでも給湯器は、温度センサーだけで動く単純な機械のままだった。
故障のリスクも大きい。スチール製のタンクは内側から錆びていき、8〜12年ほどで寿命を迎える。突然破裂することもあり、そうなれば地下室に数百リットルのお湯がこぼれる。紹介役は数字に幅があると断ったうえで、米国の住宅保険請求の10〜20%ほどが給湯器などからの水漏れ被害によるものだと紹介した。普段は存在を意識しないのに、壊れると非常に困る設備だということになる。
さらに、壊れたときに配管工を呼ぶのが面倒で、工事費も事前に分からない。Reservoirは配管工を自社で雇い、補助金申請から設置、古いタンクの撤去までを込みにした定額で提供している。つまり垂直統合を行っている。
Why now:電化と電力網の限界
なぜ今この事業なのか。紹介役は二つの背景を挙げた。一つは、脱炭素と再生可能エネルギーの急増によって電力系統に限界が来ていること。もう一つは、電気自動車以上の電力を消費しうる給湯器が旧来のままで、スマート化の余地が残っていることだ。
VPPの実現で何が一番難しいのかという聞き手の質問に、紹介役は、十分な台数の給湯器をまとまった地域に集めることだと答えた。通信標準への対応も課題になりうるが、最大の難所は台数の確保だという。この分野はReservoirだけが取り組んでいるわけではない。字幕上「システトエナジー」と聞こえる企業が、2019年に最大2,400台の給湯器を束ねて約2.5メガワットのVPPとして運用する契約を発表した例も紹介された。
誰が顧客で、誰が製品を選んでいるのか
給湯器は、顧客が時間をかけて比較検討して買う家電ではない。そのためReservoirは、故障や老朽化で給湯器を急いで交換しなければならない戸建て住宅の所有者をターゲットにしている。給湯器が壊れると入浴や洗濯、食器洗いにすぐ支障が出る。所有者はとにかく早く復旧することを優先し、施工業者が勧める在庫品を選びやすい。顧客側には、待ち時間を短くしたい、お湯切れを避けたい、水漏れ被害が心配だ、光熱費が高い、といった不満がある。在庫品で交換すれば当面の問題は解決するが、入ってくるのは温度センサーだけで動く効率の低い機器だという。
実際に誰が製品を選んでいるのかという質問に対して、紹介役はこう説明した。最終的に支払うのは住宅所有者だが、配管工、電気工事業者、卸売業者が選択肢を左右している。補助金を使う場合は補助対象製品のリストも影響するし、施工業者は自分が施工に慣れた製品を提案しやすい。Reservoirは施工業者を経由せずに顧客へ直接提案することで、製品を選ぶ権限を自社側に寄せようとしている、というのが紹介役の見立てである。
製品:CoreとMax、そして初期実績
製品はCoreとMaxの二つのモデルがある。どちらにも予測制御、時間帯別料金への対応、太陽光発電との連携、漏水検知、アプリ連携が備わる。Maxにはさらに二つの機能が追加されている。一つは「ノーウェイトシャワー」で、循環ポンプで配管内のお湯を循環させ、使い始めにすぐ温水が届くようにする。非常に高温のお湯と水を混ぜてその場で使えるようにする仕組みとも説明された。もう一つは、超音波センサーで漏水や凍結を検知して自動で止水する機能である。
初期のトラクションとしては、ボストン都市圏で100台弱を設置し、累計で50万ガロンのお湯を供給し、口コミ評価は4.9だという。紹介役は、これはまだ本当に初期段階の実績だと添えている。
聞き手は、機能が増えるとかえって壊れやすくならないかと尋ねた。紹介役は可能性はあると認めた。制御部品、センサー、バルブ、ポンプが増えて構成は複雑になる。一方で、遠隔診断やソフトウェア更新で問題を解決できる可能性もある。ただ保証を付けて売る製品である以上、保証しながら収益性をどう保つかが重要なポイントになるとした。
市場規模と補助金への依存
Reservoirは、米国に設置されている給湯器1億2,000万台を理論上の全体市場(TAM)とし、年間1,000万台の買い替え需要を150億ドルのSAMと置いている。成長を後押しするのは、各州での電化の義務化、豊富な補助金、エネルギーコストの高騰だという。
補助金が縮小したら需要はどうなるのかという問いに、紹介役は、補助金があるから導入するという需要もあるので成約率が下がる可能性はあると答えた。一方で、給湯器は10年程度で寿命を迎えるので交換需要自体は発生し続けるとも読まれている。だからこそ、補助金に頼らずに快適さ、お湯の量、漏水対策といった点で価値を出せるかが鍵になるという。
垂直統合:分業のどこで新製品が止まるのか
既存市場では、メーカー、卸売業者、地域の施工業者、顧客が分かれている。紹介役はこの分業にも利点があると認めた。メーカーは大量生産に集中でき、卸は地域の在庫を抱えられ、施工業者は多様な機器を扱え、顧客も複数メーカーを比較できる。しかし新しい製品を入れようとすると、各段階で導入が止まりうる。卸が在庫を持たない、配管工が扱い慣れた製品を勧める、顧客にとっては補助金の手続きが複雑で工事費の総額も事前に読めない、といった具合だ。
Reservoirは開発・製造、直販、自社施工、保守を一貫して提供する。価格は補助金適用後でCoreが4,000ドルから、Maxが5,500ドルほどで、既存機器と同等以下の導入コストになっているという。仲介業者を省くことで初期コストを抑え、顧客と直接の関係を築き、ユニットエコノミクスも改善できると考えられている。スケールした後は、設置後の機器をVPPに参加させて継続的なエネルギー収益を得て、顧客生涯価値を高める狙いがある。
聞き手は、垂直統合は分かりやすいが採算に合うのかと問うた。紹介役は、そこはReservoirにとってかなり大きな問題だとした。見るべき指標として、1台あたりの製品原価と施工原価、1件あたりの施工時間、地域にどれだけ顧客を集められるかを挙げた。現在のサービス提供エリアはボストンの拠点から90分圏内に限定されており、密度を高める運営をしているという。
同社は長期的に、住宅内のヒートポンプ設備が連携することで新たな化石燃料発電所が不要になるインフラを作りたいと考えているそうだ。一軒ずつ始めて面を取り、施工も加えて台数を増やし、分散型の熱電池を作ってVPPにしていく構想である。
大手メーカーが同じことを始めたら
大手給湯器メーカーがVPPを始めたら不利になるのではないか。この問いに紹介役は、大手もソフトウェア領域に入ってきており、出荷台数や流通では優位にあると認めた。そのうえでReservoirは、家庭ごとの予測制御と、施工・保守を通じた顧客との直接の関係で差をつけようとしている。ただ、この点はまだこれからの話だという。
ロードマップと、ボストンの外で再現できるか
事業展開は3段階で描かれている。現在はフェーズ1にあたり、製品を完成させるというより製品と施工を同時に検証する段階だ。ボストン圏で直販・自社施工モデルを確立し、給湯器が故障したときに生じる需要を取りこぼさない仕組みを作ろうとしている。フェーズ2ではニューイングランド地方に広げて設置密度を高め、施工の稼働率を上げ、予測モデルのAI学習を加速する。フェーズ3でさらに拡大してVPPとして稼働させ、系統制御から得る収益を確立し、熱電池のネットワークを完成させることを狙う。
ボストンでの成功は他都市でも再現できるのか。紹介役は、ボストンには補助制度があり、エネルギー費が高く乗り換えの動機が強く、地下室のある住宅が多いという条件がそろっていたと説明した。地域が変われば住宅構造、気候、補助金制度が異なる。製品が使えるかに加えて施工ができるかも検証し直す必要があり、ボストンでできたからすぐできるものではないと述べた。現状では2026年5月にメイン州への展開が発表され、マサチューセッツ、ニューハンプシャーに続く3州目になる。シード資金はボストン都市圏とニューイングランドの新市場への展開に使うと発表されている。
競合と参入障壁:個々の要素ではなくシステムとして
競合マップ上でReservoirは、施工と顧客体験の統合度が高く、ソフトウェアによる予測制御も高度な位置に置かれている。ただ紹介役は、既存大手をソフトウェアが弱い側に置くのは難しいとも指摘した。時間帯料金や漏水検知に対応する製品もすでにあり、きれいにマッピングしにくい状況だという。
参入障壁としては、ハードとソフトの融合、施工やアフターサービスまで内製化された体験などが挙げられている。しかし紹介役の見方では、それぞれは単独で模倣されうる。予測ソフト、漏水センサー、施工サービス、顧客との直接対応を一つのシステムとして成立させることが重要だという。
比較の軸について紹介役は、VPPを狙う製品思想の面ではカラシステムズが競合になり、ソフトウェアの高度さが比較のポイントになるとした。一方、市場を支配しているのはRheemやA.O. Smithといった大手であり、そこにどう勝ち、どれだけ台数を増やせるかも比較対象になるという。
初期市場戦略:環境価値ではなく生活上の実利を売る
VPPの話を聞くと、初期顧客は環境意識の高い層だと思われるかもしれない。しかしReservoirは初期ターゲットを「給湯器の交換」という状況で定義し、故障による出費や冷たいシャワーの不快さに直面した一般の戸建て層を狙ったという。顧客が解決したいのは、お湯を早く復旧すること、工事総額を把握すること、お湯の量を確保すること、漏水の再発リスクを下げることだ。環境よりも自分たちへのメリットが先に来る。そのため同社は、顧客が即座に体験できる実利的な価値に最初の機能を絞り込んだ。
顧客獲得では、自社施工によるスピードと、自社で完結するため分かりやすい価格を武器にした。施工現場で顧客の生の声を聞き、紹介率を高めることを目指し、その紹介率をPMFの指標として見ていたという。
定額価格は顧客には分かりやすいが、会社にとってはリスクではないかという聞き手の指摘に、紹介役は同意した。住宅ごとに施工費は違うが、その差は会社が引き受けることになり、追加工事が多ければ利益は失われる。同社は5分程度のオンライン事前診断を行ったうえで受注しているそうで、その精度を高める必要がある。施工データが増えれば例外的な案件を予測しやすくなり、リスクを減らせる可能性もあるという。
創業チーム:ハードウェア経験と施工現場の融合
共同創業者の3人は、それぞれ異なるハードウェア事業の経験を持つ。1人目のLuke氏は、ハーバード大学で科学・物理、ビジネス、気候政策の学位を取り、3Dプリンター大手Formlabsの初期メンバーとして事業拡大を牽引した。2人目のGabriel氏は、スタンフォード大学で機械工学を修め、AppleでiPhoneのサプライチェーンに関わった後、節水シャワーのスタートアップを共同創業した。3人目のJake氏は、Blue Originでロケットエンジン開発に携わった後、ハードウェアスタートアップでCTOを歴任し、機械・電気・ソフトウェアを横断して統合できるエンジニアだという。
創業のきっかけは、CEOが自宅を電化しようとしたときに給湯器のエネルギー使用量と使いにくさに気づいたことだと説明されている。3人は気候テックのコミュニティを通じて合流した。組織上の特徴は、配管工を外部委託先ではなく製品開発に関わる自社チームに引き入れている点で、最先端の技術と現場を融合させたことが同社の特徴だと紹介役は評した。
配管工を自社で雇う意味について、紹介役は次のように説明した。施工段階で起きる問題を設計に戻して解決できる。顧客対応や施工品質を社内で統一できる。新製品を扱うための教育も自社で提供できる。こうしたメリットがあったのだろうという。
番組が整理した学び
紹介役は、この部分は同社が実際に語った学びというより、AIが整理したポイントだと断っている。その中心は、Reservoirが環境価値をあまり前面に押し出していないことだ。気候変動へのインパクトや電力網の負担軽減を訴えても一般層はなかなか動かない。シャワーで待たない、安い、水漏れを防げる、といった圧倒的な実利を提供すれば、顧客はスマート機器を受け入れる。それが広がった結果、裏側で巨大なVPPが実現する。同社の考え方はこのように整理される。
聞き手は、機能が増えることでかえってエネルギー消費が増える可能性はないかと尋ねた。紹介役は、お湯をたくさん使うモードもあるので使い方次第では消費が増える可能性はあり、実際にどうなるかはこれから検証される点だと答えた。
資金調達と14か月の実行スピード
2026年8月には800万ドルのシード調達が発表された。投資家によれば、プレシード調達の完了から14か月で、認証済み製品の開発、自社施工の体制づくり、有料設置までを進めたという。約100台の設置、50万ガロンの給湯、高い顧客評価という実績を14か月で積んだうえでの調達である。
なぜそこまで速かったのかという質問に、紹介役は三つの要因を挙げた。創業者にハードウェア開発やサプライチェーン構築の経験があり動きやすかったこと。試作段階では既存部品を使い、それを認証製品へ統合していくプロセスを取ったこと。施工を外部に任せず、製品開発と並行して自社チームを作ったこと。開発はおそらくプレシード調達後に始まったとも述べている。
日本で同じアイデアを使うなら
日本への応用は、AIに考えさせた案として紹介された。日米では出発点が大きく異なる。日本のヒートポンプ給湯機エコキュートは、2025年3月までに国内で約1,000万台出荷されている。主要メーカーはすでにスマートフォンアプリとの連携、太陽光の余剰電力を使った昼間の沸き上げ、天気予報との連動などを提供している。ハードもソフトもある程度普及しているということだ。
そのうえでAIは三つの案を示した。
- 案A:エコキュートの交換・運用体験の再設計。 製品そのものではなく、メーカー横断の比較、見積もり、補助金、施工、保守、アプリ設定までをまとめ、どのメーカーを選んでも一つの窓口で運用できるようにする。
- 案B:既存機器への後付け。 新しいタンクを作るのではなく、既存設備にVPPや需要応答の機能を追加する。
- 案C:施工組織の再設計。 職人不足や多重下請け構造を逆手に取り、若手施工者をITツール、遠隔支援、標準化された手順で育成する。機器選定から施工、保守、設定までを同じ組織で管理し、施工まで垂直統合する。ただし人材採用や地域展開の負担は大きくなるというデメリットもある。
加えてAIは、初期市場として戸建て以外に、集合住宅や賃貸住宅向けの漏水検知・自動止水も考えられると提示した。
聞き手は、日本ではこれだけ普及しているので参入の余地は難しそうだと感想を述べた。紹介役も同意し、ゼロから自社製品を出すより、複数メーカーを横断する運用を後付けする、古い機器に対応する、施工・保守データを統合する、といった方向になるのではないかと述べた。
まとめ:普及を妨げる工程まで事業に含める
番組は最後に3点をまとめた。第一に、個人が支払う価値と社会全体の価値を接続すること。個人は実利を追求するが、その結果として裏側で社会的な課題も解決されていく。第二に、普及を妨げる工程を事業に含めること。メーカーや卸などの分断によって新技術が広がらないなら、その構造に乗るのではなく、施工まで統合して内製化してしまう。第三に、古い市場を再定義すること。米国の給湯器は誰もブランドを気にしない家の中のインフラだったが、そこを改善することでより大きな機会につながりうる。
聞き手は、配管工などの職人がなかなか来ないという米国の事情を踏まえ、エコキュートがすでに普及している日本とは異なる、米国ならではのスタートアップだと感じたと述べた。紹介役も、日本で給湯器のアイデアをそのまま使えるわけではないとした。そのうえで、日本でまだ新しい技術が取り入れられていない設備は何かを改めて考え、そこにReservoirのようなやり方を活用することはできるのではないかと話した。製品自体は米国的だが、考え方は日本にも応用できる、というのが番組の結論である。
皆さん、こんにちは。FoundXの田です。
FoundXの田です。その起業家の方とのテレミーティングでも話題になったんですが、助成金の採択の結果が出てくるような季節、というか時期になったようですね。
そうですね。なんか一段落ついた感じしますね。
そうですね。多分春と秋に多くの締め切りがあるかと思うんですが、FoundXのウェブサイトにも助成金のリストがありまして、ちまちまと更新しているので、よければ活用いただけたらと思っています。クライメートと書いてあるんですが、クライメート以外の方も使えたり応募できたりするような助成金も多く載っているので、ぜひご覧くださいというところで宣伝を行って、IdeaCastに入りたいと思います。
はい。FoundX Review Startup IdeaCastですが、海外のスタートアップのアイデアをAIを使って分析して紹介する番組になります。これからアイデアを考える方のご参考になればと思います。最初にディスクレーマーですが、AIを活用して情報を整理しているので、一部の情報は古かったり間違ったりしている場合もあります。ファクトを重視される場合は必ずご自身で調べていただくようお願いいたします。このポッドキャストはあくまでアイデアの参考情報や考え方を引き出すことを主目的としております。というところで、今日ご紹介するスタートアップですが、Reservoirというものになります。
どうして今回Reservoirなんでしょうか?
そうですね、ヒートポンプというところで、アメリカの家にあるけれど今まで新しくなってこなかった、見過ごされてきたような設備を扱っていて、それを使うことで系統の安定にもつながるんじゃないかというところで、新しく変えると別の価値も生まれるという発想が面白いなと思って取り上げました。
この会社ですが、アメリカのマサチューセッツ州を拠点としているものになりまして、家庭用ヒートポンプ給湯器にプラスして、給湯の需要を予測するような制御とか、漏水・凍結対策、設置・保守サービスをまとめて提供する会社になっています。将来的には、多くの給湯器をまとめて制御して電力の需要を調整するような仮想発電所、VPPへの展開も構想しているという会社になっています。
では全体像をお話ししていきたいんですが、その前に背景の情報として、アメリカの給湯器のお話をしたいと思っています。日本だと使う瞬間にその場でお湯を沸かすようなガス瞬間式給湯器が多いんですが、アメリカだと事情が変わっていて、すごく大きなタンク、190から300Lぐらい入るようなタンクにお湯を24時間常に沸かして溜めておくような方式が主流になっているらしくて、この大きなタンクが大半の家の地下室だったりクローゼットに置かれているそうなんですね。
この給湯器なんですが、家庭の中で暖房に次いでエネルギーを多く消費する機器と言われているそうで、統計の割合は色々あるんですが、家庭全体のエネルギー消費の10から20%を占めるとも言われているそうです。なので、アメリカの一般的な家庭だと、お湯を沸かすためだけに電気自動車を1年間走らせるよりも多くのエネルギーを消費しているということもあるそうです。ただ、そういった状況なのに、これまでは温度センサーだけで動くような機械のままだったということのようです。
それに加えて、スチールタンクになっているので、お湯の反応によって内側からだんだん錆びていって、8から12年ぐらいで寿命を迎えて、突然破裂することもあるそうです。地下室でお湯が何百Lもこぼれるということになってしまうので、数字には色々幅はあるみたいなんですが、アメリカの住宅保険の請求原因のかなりの割合、10から20%ぐらいが給湯器などからの水漏れの被害によるものということになっているそうです。なので、普段は存在を考えないのに、壊れるとめっちゃ困るような家電という立場にあるらしいというところです。
加えて、壊れた時に呼ぶかと思うんですが、配管工を呼ぶのが面倒であったり、工事費が不透明といった壁もあるので、Reservoirについては自社で配管工を雇って、補助金申請から設置、古いタンクの撤去までコミコミ定額で体験を提供するような垂直統合をやっているというところになっています。はい。というので、すごく前置きが長くなってしまったんですが。
こういう給湯器をリプレイスしていくことをやろうとしている会社になりますが、Why nowというところでは、脱炭素化と再生エネルギーの急増による系統の限界というところと、EV以上の電力を消費するような給湯器をスマートにできるんじゃないかというところがありますね。
はい。ちなみにこのVPPが実現するまでに、この後話すかもしれませんが、何が1番難しいんでしょうか?
そうですね、VPPが実現するまでには、やはり多数の給湯器をまとめて制御しなければいけないので、十分な設置台数をまとまった地域に集めるというところが難しいかと思います。加えて、通信などの標準へどう対応していくかというところもあるかなと思うんです。ただ1番大きいのは、それだけ十分な台数を受けられるかというところが難しいポイントになっているそうです。
それに加えて、競合の話にはなるんですが、Shifted Energyというところが2019年に最大2400台の給湯器をまとめて2.5MWぐらいのVPPとして運用するような契約も発表しているそうなので、Reservoirだけがやっているわけではなくて、既に他社もやっているような事例にもなります。
というところで、ターゲットのお話をできたらと思います。先ほどお話しした内容とも重なります。この市場なんですが、顧客が長期間色々なサービスを比較して買うような家電ではないというところになっておりまして、故障や老朽化で給湯器を急いで交換しなければいけないことを迫られているような戸建ての住宅所有者がターゲットとなっているようです。給湯器が壊れてしまうと入浴や洗濯、食器洗いといったところにすぐ支障が出てしまうので、なるべく早く復旧できるようにというところを優先して、施工業者さんが提案するような在庫のある品を選びやすいといったところになっているそうです。
なので、待機時間がなるべく短い方がいいよねとか、お湯がなくなっちゃうと困るよねというところもありますし、先ほど言ったような給湯器関連の水漏れの被害もかなり多いというお話もあったりしますし、光熱費が高騰していて、先ほど言ったようにエネルギー消費が多いというところを勘案すると、光熱費自体も高くなってしまうというものになっているそうです。
じゃあ既存の代替手段で先ほどの在庫品を使えばいいじゃないかというお話にもなるかと思うんですが、そこだと交換はできるものの、先ほど言ったような、まだまだ温度センサーだけで動くようなものだったりするし、非効率というところになってしまっているという状況のようです。
この市場は実際には誰がどういう風に製品を選んでるんですかね?
そうですね。最終的に支払いを行う人としては住宅を持っている方になります。ただ、配管工であったり電気工であったり、卸売りの業者というところが選択肢を左右してくるそうです。加えて、補助金をどう使うかというところもあるので、補助金の対象製品のリストであったり、施工業者が施工しやすい製品を提案するということもあるそうなので、施工業者がどういうものを施工できるかといった習熟度も影響してくるようです。
この後のお話とも重なるんですが、Reservoirについては、施工業者を経由せず顧客に直接自社の製品を提案することで、選定される権利みたいなものを自社に寄せようとしているということのようです。
では、従来の給湯器とどういったところが違うかというところにはなってくるんですが、Reservoirには2つのモデル、CoreモデルとMaxモデルがあるそうです。どちらのモデルにも予測制御であったり、時間帯別の料金、太陽光との連携、それから漏水検知であったり、アプリとの連携もあるそうです。加えてMaxには、ノーウェイトシャワーと言って循環ポンプで即時給湯が可能になるような機能であったり、凍結対策というところも追加されているそうです。
はい。あとはノーウェイトシャワーについては、先ほども言ったように配管内のお湯を循環させて、使用開始する時に温水が届きやすくするというところで、めちゃくちゃ温かいお湯と水を混ぜてその場ですぐ使えるようにするような機能であったり、本プロテクトというのが超音波センサーによって漏水や凍結を検知すると自動で水が止まるというもので、漏水の被害を防ぐような機能が追加されているものになっているそうです。
実際にやった結果、トラクションはどうなのかというところで、ボストンの都市圏で100台弱設置できたというところと、累計で50万ガロンを提供したというところ、それから口コミが4.9と高いというところで、本当に初期ですけれども、そういったトラクションがあるそうです。
機能が増えることでかえって壊れやすいみたいな、そういうことはないんですかね?
いや、可能性はあると思います。機能が増えるので、それに伴って制御の部品であったりセンサーであったり、それからバルブやポンプというところも増えてくるので、構成自体は複雑になってきます。ただ、遠隔での診断であったり、ソフトの更新というところで問題を解決できる可能性も同時にあるかなとは思います。ただ、保証もするような製品になるので、保証しつつ収益性をどう保つかというのは重要になってくるポイントかなと思います。
Reservoirが相対している市場についてですが、TAMというのが理論上の全体の市場で、1億2000万台というアメリカの全部の給湯器の設置台数になっています。SAMについては150億ドルと置いていますが、これが年間1000万台の買い替え需要を指すと。そこについては成長ドライバーとして、各州で電化の義務化がされているとか、補助金がたくさんあったりとか、エネルギーコストが高騰しているのを背景に、市場が広がってきているというものになっています。
こういうところの補助金とかが縮小したら、需要ってどうなっていくんでしょうね。
そうですね、補助金があることで導入するという需要もあるので、補助金が小さくなってしまうと成約率が下がる可能性はあります。ただ一方で、給湯器自体は10年程度で寿命を迎えるものなので、給湯器を交換する需要自体は発生するという風に読まれています。なので、いかに補助金に依存しないような快適性だったりお湯の量だったり、漏水対策というところに価値が発生するかどうかがポイントになってくるかなと思います。
では彼らの行っている戦略についてですが、彼らは垂直統合を取っております。既存の市場だと、メーカーと卸売り業者と地域の施工業者と顧客が分かれているような状況でした。この分業の体制だと、もちろんメリットもあって、メーカーは大量生産に集中できるし、卸の業者は地域の在庫を抱えられるし、施工業者は色々な機器を扱えますし、顧客も色々なメーカーを比較して選べるということが可能でした。
一方で、新しい製品を入れるというところでは、分業の各段階で導入が止まる可能性があります。卸業者に卸しても卸が在庫を持たなかったり、施工業者のところで配管工が扱い慣れた製品を顧客に勧めたり、顧客の側としても補助金の手続きが複雑になってしまったり、全部の工事費を事前に予測することができないといったところで、新しい製品が入りづらい状況がありました。ここに対してReservoirは一気通貫で、開発・製造と直販と自社の施工・保守をまとめて顧客に提供するようなフローになっているようです。
価格帯としては、Coreが補助金を適用した状態で4000ドルから、Maxが5500ドルぐらいのところになっていて、既存の機器と同等以下の導入コストになっているそうです。
こういった垂直統合をすることによって仲介業者が排除されるので、初期設置コストを抑えつつ、直接的な顧客関係も構築できますし、ユニットエコノミクス自体も改善されるんじゃないかと考えられています。スケールした時には、設置後のVPPへの参加によって、継続的なエネルギー収益で将来のライフタイムバリューも向上させることを狙っているようです。
垂直統合、すごく分かりやすいんですけど、やっぱり採算に合うかどうかって結構気になるなと思うんですが、この辺りどうなってるんでしょうね。
そうですね。そこはかなりReservoirとしては大きな問題だと思いますので、大きいところとしては、もちろん1台あたりの製造の原価と施工の原価というところと、1台あたりの施工の時間であったり、どれぐらいのお金がかかっているかというところと、地域でまとめられるとコストも下がってくるので、地域でどれだけたくさん顧客を獲得できているかというところもポイントとしては入ってくるかなと思います。実際に今は、サービスを提供している地域についてはボストンの拠点から90分の圏内を指定しているそうでして、なるべく密度を高くしようとしているような運営になっています。
そして彼らがどういう風に広めていくかというところですが、既存の配管工は新しい技術を嫌うというか、慣れていないので導入しづらく、そういうものは避けられてしまうので、ハードプラスソフトプラス自社施工で垂直統合のプラットフォームを構築したというところになっていました。彼らとしては長期的には、住宅内の熱設備やヒートポンプが連携して、新しい化石燃料の発電所が不要になってくるようなインフラを作りたいと考えているそうです。なので彼らとしては、最初は一軒から始めて、面を取って、そこで施工も加えて、そこからさらに大きくしていって、台数がつながるような分散型の熱電池というところを作って、それをVPPにしていきたいと考えているようです。
大手の給湯器メーカーとかが同じようなVPPを始めたらどうなんでしょうね。不利になるんでしょうか?
いや、そうですね。同時に大手のメーカーもソフトウェアのところに入ってきておりますし、実際に出荷台数であったり流通というところでは優位になっています。なのでReservoirとしては、一戸ごとに予測ができたりとか、施工・保守で顧客と直接関係を持っていって、関係を良くするというところで差を作ろうとはしているそうです。なので、この辺りはかなりこれからという話にはなってくるかなとは思います。
というところで、次に事業展開のロードマップについてです。まずフェーズ1というところで、彼らが現在立っているところはここなんですが、施工の確立というところになっています。製品を完成させるというよりは、製品と施工を同時に検証するような段階にあたっていて、ボストン圏で直販・自社施工モデルを確立しようとしているそうで、給湯器が故障した時に需要が起きてくるのを逃さないような仕組みを作るというところに今取り組んでいるそうです。
これからフェーズ2の拡大と密度の向上というところで、ニューイングランド地方に拡大していって、設置の密度を高めることで、施工の稼働率向上であったり、予測モデル自体のAIの学習を加速していくということをやっていくと。次にフェーズ3として、もっと拡張していって、かつVPPとして稼働することで、系統の制御での収益を拡大させていって、熱電池のネットワークを完成させていくということを狙おうとしているようです。
このボストンで成功して、他の都市でもこれは再現できるものなんですかね?
そうですね。ボストンについては、補助制度もありますし、エネルギー費も高いので乗り換えやすいというところと、それから地下室があるような住宅が多いという条件があって、できたという背景があるそうです。なので、新しい都市になってくると、住宅の構造であったり、気候であったり、補助金の制度も異なってくるので、ボストンでできたからと言ってすぐできるというものではなくなってくるとは思います。その製品が使えるかという以外にも、施工自体もできるかというところも異なってくるので、そこもプラスして検証する必要があるので、そこはこれから検証されるようなポイントなのかなと思います。
今のところ、ボストンから、この2026年の5月にメイン州への展開が発表されていて、これがマサチューセッツ州、それからニューハンプシャー州、それからメイン州という3州目になっているようです。このボストンの都市圏とニューイングランドの外の新都市への展開というところにシード資金を使うということを発表しているので、その展開に資金が使われているのかなとは思います。
では、競合とMoatについてです。Reservoirですが、他の給湯器と比べると、施工・顧客体験の統合度が高く、かつソフトウェアで予測の高度さが高いというところにポジショニングしているというところになっています。ただ、結構既存の大手もソフトウェアが弱いという風に図の上では置かれてるんですが、ここを置くのはちょっと難しくて、もちろん時間帯だったり漏水検知だったりというところに対応している製品もありますので、なかなかうまくマッピングするのが難しいところになっている状況みたいです。
一応Moatとしては複数挙げられていて、ハードウェアとソフトウェアの融合であったり、施工・アフターサービスといったところで体験が内製化されているというところもあるんですが、これの1つ1つがMoatというよりも、それ1つ1つは模倣されるので、予測のソフトウェアであったり、漏水のセンサーであったり、施工サービス、直接的な顧客との対応というのを1つのシステムとして成立させるところが重要になってくるポイントかなと思います。
競合がいくつもあるみたいですが、どういう軸で比較していけばいいんでしょうね。
そうですね。製品の思想というか、VPPを狙うというところだとCala Systemsさんというところが競合になってくるそうで、そこだとソフトウェアの高度さというところが比較のポイントになってくるそうです。ただ、市場を支配しているというところでは大手のRheemさんとA. O. Smithさんというところもあるので、そこにいかに勝っていくかとか、どれだけ台数を増やしていくかというところは比較の対象になるかなと思います。
では、彼らの参入戦略というところで、初期ターゲットをどのように選んだかというところです。初期ターゲットですが、こういったVPPの話とかをすると、環境意識が高い人たちだったんじゃないかと思われるかもしれないんですが、そうではなくて、給湯器の交換という状況で定義されたそうでして、給湯器の故障による出費であったり、故障中にシャワーが冷たいという不快感に直面しているような一般の戸建て層を狙っていったそうです。
顧客が中心的に解決したい課題については、お湯を早く復旧したいし、工事総額も把握したいし、湯量を確保したいし、漏水とかが再発するリスクを下げたいというところになってくるので、つまり環境への意識というところよりも、自分たちへのメリットというところが先に出てくるということだったので、顧客が即座に体験できるような実利的な価値に最初の機能を選定するところで集中していったそうです。
最初のターゲットの獲得というところでは、自社施工によるスピード感というところと、会計が自社なので分かりやすいというところで獲得をしていって、プラス施工現場で実際にやっていくので、顧客の生の声を聞いて紹介率も高くしていきたいというところで、それをPMFできているかどうかという指標として考えていったということです。
田さん、音が入ってないです。
ごめんなさい。定額価格で提供していくという話だったと思うんですが、これって顧客にとっては確かに分かりやすいけれど、会社にとっては割とリスクがある可能性もあるなと思ったんですが、どうなんでしょう?
あ、それはおっしゃる通りだと思います。住宅ごとに施工の費用が違っていても、その差を会社側が引き受けることになるので、追加の工事が多いと、もちろん利益は失われていくことになっていきます。一応彼らとしても、5分程度でオンライン診断をした上でやっているそうなので、そのオンライン事前診断の精度を高めていくことは必要になってくるかと思います。あとは施工のデータ自体も増えていけば、例外となるような案件を予測しやすくなる可能性も出てくるので、増やしていくことでそのリスクも減らしていけるようなポイントになるのかなと思います。
では、彼らのチームについてです。共同創業者が、結構強い方が多いんですけど、皆さん異なるハードウェア事業での経験をお持ちの方です。まずお1人目がルークさんという方なんですが、この方がハーバード大学で化学、物理、ビジネス、気候政策といった学位を取った上で、3Dプリンター大手のFormlabsというところの初期メンバーとして事業拡大を牽引していったそうです。
2人目がガブリエル・アリージアモサという方で、その方がスタンフォード大で機械工学を修めた上で、AppleでiPhoneのサプライチェーンにも関わったこともあるそうで、その後節水シャワーのスタートアップを共同創業したという形になっているそうです。3人目がジェイクさんという方です。この方がBlue Originでロケットエンジンの開発に携わった後に、ハードウェアスタートアップでCTOも歴任しているような方で、機械であったり電気であったりソフトウェアというのを横断して統合できるようなエンジニアの方になっています。
元々の創業の経緯としては、CEOの方自身が自宅を電化しようとした時に、給湯器のエネルギーの使用量と使いにくさに気づかされたと説明されていたそうです。この3人がどうやって出会ったかというところで言うと、気候変動テックコミュニティというのがあったそうでして、そこのネットワークを通じて3名が合流していったということみたいです。
はい。これに加えて、チームの組織上の特徴としては、配管工を外部委託先ではなくて、製品開発に関わるような自社チームに引き入れているというところで、最先端のテクノロジーに加えて、ちゃんと現場を融合させたというところが彼らの特徴になるかと思います。
配管工の方を自社で雇うというのはどういう意味なんでしょうか?
そうですね。施工の段階で起こってくる問題を設計で解決できないかというところで、設計に戻せるというメリットがあったり、他にもいくつかメリットがあるというところで、顧客の対応であったり、施工の品質を自社内で統一できるというところとか、あとは新しい製品を扱う時に教育しなければいけないですけど、その教育についても自社で提供できたりするというメリットで、自社チームに引き入れたのかなと思います。
では、彼らの学びというところについてです。ここは、彼らが実際に学んだというよりも、学べるんじゃないかというところでAIが整理したポイントにはなるんですが、彼らは環境価値をあまり押していないというところになっています。気候変動へのインパクトであったり、電力グリッドへの負担軽減を訴求しても、なかなか一般層は動かないので、そうではなくて圧倒的な実利を提供することが重要というお話になっています。シャワーのお湯が出るまでの時間を待たないよとか、安いよとか、水漏れ防止の機能があるよというところになっています。なので、そういった個人の実利を提供すれば、顧客としてはスマート機器を受け入れるので、それが広がっていくことによって、結果的に裏側で巨大なVPPが実現するんじゃないかと彼らは考えているというか、そういう風に整理されるものになっています。
いろんな機能があることによって、逆に、ちょっとかもしれませんがエネルギー消費を増やすみたいな可能性もあるんですかね。
あ、あると思います。お湯をたくさん使うようなモードとかもあるので、使用頻度によっては消費を増やすという可能性はあるとは思いますので、そこが実際どうなるかというのはこれから検証されていくポイントかなと思います。
では、彼らの資金についてです。2026年の8月に800万ドルのシード調達が発表されたところになっています。あとは投資家によると、プレシードが完了してから14ヶ月で、認証済み製品の開発と自社での施工と有料設置まで進めたという状況になっているそうです。設置台数としては約100台で、処理したお湯の量としては50万ガロン、それから顧客の評価も高いというところになっていて、プレシード調達してから14ヶ月で事業のスピードを上げてやっていったというところで、800万ドルのシード調達がされたという状況になっています。
14ヶ月、スタートしてからだと結構早いなという感じはしますけれど、どうやってやったんでしょうね。
いや、そうですよね。かなり早いですよね。開発が多分プレシードを調達してからだったかと思うので、早くなっているところの背景としては、創業者の方のご経験というところで、ハードウェアであったり量産だったりサプライチェーンの構築というところの経験があるので、動きやすかったという面があるかとは思います。加えて、試作の段階では既存の部品を利用していって、認証された製品に統合していったようなので、なるべく早く進めるようなプロセスを取ったというところもあるみたいです。あとは施工自体も外部に任せずに、製品開発と同時に自社でのチームを作っていったということなので、そこも早めるポイントになったかなとは思います。
では、日本で同じアイデアで起業するならというところで、AIにも考えてもらいましたが、冒頭お話ししたように、日本とアメリカでは出発点がかなり大きく異なっています。日本のヒートポンプ給湯器、エコキュートというところだと、2025年の3月までに1000万台ほど国内で出荷されているそうで、ヒートポンプが普及している状況になっているというところと、主要なメーカーでもすでにスマートフォンのアプリを使った連携がされていたり、太陽光の余剰発電を使って昼間に沸き上げて貯めるような機能もあったりとか、あとは天気予報との連動というのもあります。なので、ハードも割と広まっているし、ソフトウェアもある程度はなされているという状況になっています。
という状況で、じゃあどうしたらいいのかというところですが、AIが提案している1つ目の案が案Aというところで、エコキュートの交換体験と運用体験を再設計してはどうかというところになっています。製品そのものではなくて、メーカー横断の比較、見積もり、補助金、施工、保守、アプリ設定までをまとめてみてはどうかというところで、どのメーカーを選んでも1つの窓口で運用できるといいんじゃないかというのが1つ目の案になっています。
案Bが、既存の機器にVPPであったり需要応答機能を追加してはどうかというところです。新しいタンクを製造するのではなくて、既存設備に加えるというアプローチになっています。
案Cが、施工組織そのものを再設計してはどうかという話になっています。職人が不足していたり多重下請け構造というのを逆手にとって、若手の施工者を、ITツール、遠隔支援、標準的な手順を教えるというところで育成していく。加えて機器の選定、施工、保守、設定までを同じ組織で管理するという風に、施工の部分まで垂直統合してしまうといいじゃないかというのはあるんですが、一方で人材の採用であったり、他の異なる地域にどう展開していくかという負担については大きくなってしまうんじゃないかというのがデメリットとしてあります。
はい。これに加えて、あとは初期市場として、戸建て以外にも集合住宅であったり賃貸住宅向けの漏水検知と自動止水といった機能面もあるんじゃないかというのを、AIとしては提案しているところになります。
エコキュートが普及しているのはすごいなと思うんですが、なかなか参入の余地が難しそうですね。
いや、そうですよね。なので、自社でゼロから提供するというよりは、複数メーカーを横断するような運用を後付けしたり、古い機器に対応したりというところであったり、施工・保守データを統合していくようなところになってくるのかなとは思います。
では、最後にまとめというところですが、3点あります。1点目が、個人が支払う価値と社会全体の価値を接続させるというところですが、これについては、個人は実利を追求していくんですが、その結果、裏側で社会的な価値、社会的な課題も解決されていくというところになっています。
2点目としては、普及を妨げる工程を事業に含めるというところになっています。新しい技術が、メーカーであったり卸であったりが分断されていることで広がらないのであれば、そこに乗っかるのではなくて、もうギュっと統合して施工までを内製化してしまえばいいんじゃないかというところになっています。
3点目が、古い市場を再定義していくというところになっています。今までアメリカだと給湯器というのは、誰もブランドを気にしないような家の中のインフラであったそうなんですが、そこを改善することで、より大きな機会につながるんじゃないかというところになっています。
はい。というところで、まだまだこれからの企業にはなるんですが、Reservoirをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
そうですね、アメリカのやっぱりこの配管とか、あの辺がめんどくさいというか、人が来ないみたいな話をよく聞くので、そういうアメリカならではで、しかも給湯器みたいな、日本はもうすでにエコキュートとかがある程度普及している観点で、やっぱりアメリカならではのスタートアップなのかなという感じはしましたね。
そうですね。日本で全く同じ給湯器のアイデアが使えるかというとそうではないとは思うので、日本でまだ普及していなくて、技術的に新しいものが取り入れられていないような設備がどういったものなのかというのを改めて考えて、そこにReservoirのようなやり方を活用するということはできるのかなと思います。製品自体はアメリカ的なんですけど、考え方自体は日本にも応用できるかなと思っております。
はい。というところで、今日はこちらで終了となります。FoundX Review Startup IdeaCastですが、今後も皆さんのアイデアのために最新のスタートアップをご紹介していきたいと思いますので、ご興味のある方はぜひチャンネル登録をお願いいたします。また、FoundXのプログラムでも応募者の方を募集しているので、もしご興味ある方がいらっしゃったら、ぜひFoundXをご紹介いただけたらと思います。ではまた次回よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
ありがとうございました。
記事公開
