休日も呼び出しに備えるシカゴの心臓外科医:北原大翔のオンコールの一日
トマホークTomahawk前回は心臓外科医として働く平日に密着した撮影チームが、今回は北原大翔さんの「休日」を追った。ところがこの日は、病院からの呼び出しに応じなければならない「オンコール」の日だった。休みなのに完全には休めない一日のなかで、北原さんはオンコールの仕組み、YouTube動画の編集への熱意、手術にある創造性について語り、夕方には実際に緊急の処置へ呼び出される。
「休みだけど休みじゃない」オンコールの仕組み
朝8時の待ち合わせに、北原さんは髪が少し濡れたまま現れた。寝癖を直すのが面倒なので、朝にシャワーを浴びてそのまま出てくるのだという。
北原さんによると、この日は休日だが、月に1回回ってくるオンコールの週末にあたる。病院から呼ばれたら対応しなければならない、「休みなんだけど休みじゃない」日だ。電話がかかってくることはほとんどなく、1日に1回あるかないか程度だという。かかってきても、すぐ病院に行く必要がある場合と、口頭で指示を出せば済む場合がある。ただ、急いで手術が必要になったときに備えて、オンコールの担当者は30分ほどで駆けつけられるようにしておく決まりになっている。北原さんは病院まで20〜30分ほどの場所に住んでいるので、遠出さえしなければ問題ないと話す。
さらに、オンコールの担当者は土日でも一度病院に顔を出して患者の様子を見るよう指示が出ているため、この日も1時間ほど病院に寄る予定だった。とはいえ大してやることはなく、患者に会って診て終わりだという。病院に行く前には、アメリカにあるパン屋チェーン「パリスバゲット」で朝食をとる。アメリカのパンは大体おいしくないが、ここのパンはまあまあおいしい、というのが北原さんの評価だ。
移動中には、車の自動運転のモードの話もあった。標準の「スタンダード」のほか、少し遅い「チル」、さらに遅い「スロース」、少し速い「ハリー」、そして法定速度を超えてしまう「マッドマックス」があるという。北原さんは基本的にスタンダードを使っている。
無編集の200本から、編集にのめり込むまで
話題はYouTuberとしての北原さんに移る。動画の編集は自分でやっている。始めた当初は、コストも時間も労力もかけたくなかったので、質問に3分間答えるだけの無編集の動画を作り、ほぼ毎日投稿した。最初にこうした動画を200本ほど作ったという。
しかし、それではだんだん伸びなくなり、何より面白くなかった。北原さんは、短い動画でも長い動画でも面白くするには「物語性」が必要で、その物語性を作るうえで編集が重要になると考えた。自分で編集してみたところ、それが結構面白かったという。
手術と動画編集の両方をこなす集中力に撮影者が驚くと、北原さんは「それは別」だと答える。編集は時間があるときにまとめてやる趣味のようなもので、疲れているときにやるとリフレッシュになり、楽しみにもなる。手術を早く終わらせてできた時間で子どもの世話や家のことを片付け、そのうえで時間を作れたら編集する、という順番で考えている。ただ、やり始めるとゲームをしている小学生や中学生のように集中してしまい、夜遅くまで時間が経つこともあるという。
撮影者が「手術の話よりYouTubeの話の方が熱い」と指摘すると、北原さんもそれを認めた。手術の話を熱く語ろうという気はあまりないが、YouTubeはのべ1000本ほど投稿してきたので、さまざまな経験から思うところがあるのだという。
YouTubeを本業にしない理由
コメント欄では「副業で心臓外科医をやっている」というネタが書かれるほどだが、YouTuberを本業にするかと聞かれると、北原さんはそれは難しいと答える。仕事になると、急にお金を稼ぐためにやらなければならなくなるからだ。北原さんはこれを心臓の手術と重ねる。心臓の手術は楽しいし、すごく面白いからやっているが、それでもやはり仕事だと思う、というのが北原さんの考えだ。
手術にクリエイティビティはあるのか
撮影者が手術に創造性はあるのかと尋ねると、北原さんは「あると思う」と答えた。手術は定型化されていて、基本通りにやればうまくいくという面はある。しかし人間の体は、必ずと言っていいほど一人ひとり違う。心臓の硬さや柔らかさが違い、処置への反応の仕方も違う。そのため、完璧に同じようにやっても同じ結果にはならず、少しずつやり方を変えていかなければならない。そこで必要になるのが技術と経験で、「この程度の人ならこれくらいで進めればいい」「この程度の人はここに注意しなければならない」といった判断を積み重ねていく。
さらに手術中には、突拍子もないことが起こる。北原さんは事前にいろいろなことを予測し、AからEまでのプランを考えておくが、それでも「こんなことが起こるのか」「忘れていたけど、これは起こるんだった」という事態が起きる。そうしたときの対処には経験に加えて、「こうしてみればいいじゃないか」という発想が必要になる。今でも新しい手術方法が開発されていることも踏まえ、北原さんは、基礎の中に創造性が存在していると考えている。数学の基礎を勉強したうえで、新しい応用問題を解くにはひらめきが必要になるのと同じことではないか、と北原さんはたとえた。
増築を重ねるシカゴ大学の病院
車はシカゴ大学の病院に着く。職員と患者用の駐車場は建物の中で病院につながっている。北原さんによると、病院は複数の建物に分かれていて、それぞれ役割が違う。外から来た患者を診る外来の建物、手術と入院を引き受ける建物、子ども病院、がんの治療を専門にするセンターなどがある。
建物同士は2階部分の連絡通路でつながっている。新しい病院ができるたびに通路で既存の建物と結び、どんどん大きくなっていくのだという。今も向こう側に新しい病院を建てている最中だ。北原さんは、日本と違って土地が広いこと、特にこの病院はダウンタウンから20分ほど離れているため、土地を使いたい放題に使える面があるのだろうと話す。これから向かう建物は入院と手術を担う比較的新しい病院で、4階が心臓外科の病棟、6階が手術室になっている。
駐車場には「オーガン・リカバリー・トランスポート」と書かれた車があった。肝臓、腎臓、心臓などの移植用臓器を運ぶための専用車で、シカゴ大学は移植を多く行っているため、常駐していつでも動けるようになっている。北原さんも以前はよくこの車に乗って空港まで行き、飛行機で1〜2時間飛んで心臓を取りに行っていたという。
呼び出しの予告と「潰れてもいい予定」
病院に着いた時点で、少し緊急の気配があった。外の病院に心臓の処置が必要な患者がいて、シカゴ大学に転院してくることになっており、到着したら北原さんが処置をしなければならないという。ただ、いつ来るかわからないので病院で待っていても仕方がなく、いったん帰宅し、呼ばれたら行くことにした。
北原さんはこれを「オンコールの定め」と表現し、半休日のようなものだと話す。予定は立てづらいが、オンコールだからといって予定を入れずにいると一日がもったいない。そのため、あまり気にせず、潰れてもいいような予定を普通に入れておき、呼ばれたら仕方なく行く、というやり方をしているという。
撮影チームはここでいったん解散し、北原さんは帰宅して食事や子どもの寝かしつけをしながら連絡を待った。撮影チームはこの日の予定がほぼ潰れたことに触れつつ、横にいるだけで疲れるほどの働き方だと感想を漏らしている。
心臓の中に開いた大きな穴
夕方、呼び出しがかかった。北原さんによれば、これは珍しいパターンだという。外の病院に「死にかけ」の患者がいることは事前にわかっていた。その患者には処置が必要だが、その病院ではできない。そのままでは亡くなってしまうため、シカゴ大学に搬送して処置することになり、北原さんがそれを担当することが決まっていた。5〜6時間以内には来ると見込まれていたがいつになるかはわからず、「あと10分ほどで着く」と連絡を受けて病院に向かったという流れだ。
北原さんは患者の状態をこう説明する。心臓は右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋でできていて、部屋同士は壁で仕切られている。そのため基本的に右と左の血液は行き来しない。ところがこの患者は、心臓の外ではなく内部の壁に大きな穴が開いてしまい、右と左がつながってしまった。本来なら体へ送り出されるはずの血液が心臓の中を行き来するだけになり、全身に回らない。
北原さんによれば、穴が大きければ血液が流れないため即死する。しかし穴がある程度小さければ、人間の体はなんとか調整して生きられてしまう。ただし血圧はとても低く、血液を必要とする肝臓、肺、腎臓といった臓器がどんどん悪くなり、ゆくゆくは亡くなる。最終的には穴を閉じる手術をするが、今は状態が悪すぎて、手術をすれば亡くなってしまう。そのため、手術の前に状態を良くする処置が必要で、それをこれから行うのだという。
ちなみに呼ばれたとき、北原さんは食事のあとでお菓子を食べながら、恋愛リアリティ番組「今日、好きになりました。」の新シリーズを見ていた。4〜5年前からほぼ全シリーズを見ているという。
Zoomでのショックコールと治療方針
病院に向かう途中、ポケベルが鳴った。「カーディオジェニック・ショック・コール」の合図だ。北原さんの説明では、カーディオジェニック・ショックとは心臓が止まりかけている状態のことで、このコールがかかるとZoomにアクセスして、どう対応するかを話し合う仕組みになっている。北原さんはミュートにした状態で参加していた。
会議には心臓外科医3人と循環器内科の医師が参加し、治療法を検討した。英語のやりとりのなかでは、まずカーディオジェニック・ショックに対処して状態を安定させ、回復に数日かけるという方向性が話されていた。
最終的に決まったのは、まず心臓外科が人工心肺をつなぐことだった。北原さんの説明では、患者の体に管を2本入れ、1本で血液を回収し、そこに酸素を溶け込ませて、もう1本の管から体に戻す。これによって、心臓の代わりに全身へ血液を送る機械をつなぐことになる。そのあと、循環器内科の医師が別の処置を行う方針だ。撮影チームは手術室の中までは入れず、カメラを置いて待った。
「コントのように速かった」処置
処置を終えた北原さんは、この日の手術について満足そうに語った。この日のスタッフは皆よくできる人たちで、スムーズさは歴代でもトップ10に入るという。もちろん慣れていない人がいてペースを落とすこともあるが、この日は看護師も、人工心臓を扱う専門のスタッフも手際がよく、95点をつけてもいいと評価した。
北原さんはこの速さを、お笑いトリオ・ロバートのコントにたとえた。忍者村のスタッフが何万回も公演しているため、どのタイミングで何をすればいいかがわかっていて、音楽が鳴ると突然出てきて芝居をする、というネタだ。この日も話し合ってそのまま部屋に入り、人工心臓をつないで出てくる、という流れだったという。見ていた撮影者も「コントぐらい速かった」と応じている。
諦めていた焼肉と「97%」の一日
処置が間に合わないと思っていたため、北原さんは楽しみにしていた焼肉を諦めかけていたが、結果的に予定通り「シカゴカルビ」に行くことができた。北原さんは、時によっては日本の高級焼肉店よりおいしいことがあるほどだと話しつつ、ハードルを上げすぎないよう慎重に付け加えていた。
食事の席では雑談も続いた。北原さんは子どもに「ちいかわ」の弁当箱を持たせていて、アニメ化される前、X(旧Twitter)で連載されていた頃から見ているという。夏に公開される映画の話題を撮影者が知らなかったことに、北原さんは驚いていた。
同席したもごさんは、以前のインタビューでは北原さんの本心が見えにくかったが、密着して一緒に過ごすことで内面が少し見えてきたと話した。北原さんも、インタビューではどうしても心をガードしてしまい、話はするが全部は開かないと認める。ふざけた格好で真面目な話をするため、笑っていいのかわからないと言われることはよく問題になるという。北原さんとしては特に意図はなく、真剣にやっているだけだと答えている。
最後に、この日の満足度を問われた北原さんは「97%くらい」と答えた。スタートは今ひとつだったが、うまく噛み合い、諦めていた焼肉にもたどり着けた。どれか一つでも欠けていたらここにはいられなかったと思うと感慨深い、と北原さんはオンコールの一日を振り返った。
はい、おはようございます。前回北原さんの1日密着、心臓外科医として働く日に密着させていただいたんですけど、今日はその北原さんが休日どのように過ごすのかという動画を撮影させていただこうと考えています。8時に待ち合わせしようなんで、今から準備して北原さんに会いに行こうと思います。
あ、なんかチョコだ。今ですか?お風呂上がりですか?
今朝浴びるんですよ。はい。っていうのは髪の毛の寝グセがすごくついちゃって、それを直すのめんどくさいからシャワー浴びて。もう髪変わらなくないから。
はい。あ、そうなんですね。
シャワー浴びてすぐ来ると大体ちょっと濡れてるんで。
あ、そうなんです。
今日は休日なんですけど、休みなんですけど、オンコールって言って、月に1回の週末、なんか病院から呼ばれたら行って対応しなくちゃいけないみたいな日なんですよ。休みなんだけど休みじゃないみたいな感じで。
へえ。
しかもその一応デューティっていうか、義務として1回は病院にちょっと行って、患者さんを見てもらうみたいなこともしなくちゃいけないんですね。
はいはいはい。
だから病院に行く前にパリバゲットっていうアメリカにある、多分韓国系かな?韓国系のパン屋。アメリカでパン食べると大体美味しくないですけど、ここのパンはまあまあ美味しいですよ。
だからそれを食べて、病院にちょっとだけ寄るみたいなことをね。そういうことで向かってますけど。
はい。これがオンコール。
そうすね。オンコールっていうぐらいだから、コールがかかってくるんですよね。電話がかかってきて。ほとんどないんすけど、1日に1回かかってくるかどうかぐらいで、しかもかかってきても、それはすぐに病院に行って対応しなくちゃいけない場合と、指示だけ口で「これ出したらいいよ」っていうだけで済む場合とかあるんで。でも一応、例えば急いでこの手術をしなくちゃいけないっていう状況になった時に、一応そのオンコールの人が30分ぐらいで駆けつけれるようにしといてねってことになってるんですよね。
僕は大体20〜30分ぐらいで病院に着くとこに住んでるんで、遠出さえしなければ大丈夫かなみたいな感じでしてます。はい。で、今は一応オンコールの人は土日でも1回ちょっと病院に顔出して、その患者さんの様子を見といてねみたいなお達しが出てるんで、1時間ぐらい病院に行こうかなっていう風な感じですね。休日なのに。
[笑い]はい。
でもそんなに大してやることもないんで、人に会って顔見ておしまいって感じですね。
はい。はい。てか、YouTubeの話とかも聞いていいんですか?
あ、いいっすよ。あ、その前にちょっとどうでもいい話しますと、これセルフドライビングなんですけど、これ色々モードがあるんですよ。これスタンダードモードで。
はい。
で、これチルにするとちょっと遅くなるじゃないですか。チルってるんですよ。
チルモード。
で、これでするとすごい遅いみたいな。スローです。
スローです。
で、逆にスタンダードからハリーにするとちょっと早くなって、急げみたいな。で、マッドマックスってのがあるんですよ。マッドマックスにするとむっちゃ早いんすけど、普通に法定速度をぶっちぎるんで、基本的にはスタンダードにしてます。
[笑い]そこら辺お構いなしな感じなのはすごいすよね。
すごい。どういうタイミングでマッドマックス使うのかわかんないですけど。
[笑い]マッドマックス。
ごめんなさい。話下げちゃって。はい。
YouTuberとしての北原さんの話?
はいはいはい。
え、編集自分でやられてる?
編集自分でやってますね。はい。
びっくりして。
あんまりコストもかけたくないし、時間も労力もかけたくないと思ったから、その3分間ただ質問に答えて喋るってだけの動画を作ったんですよね。ただ喋るだけっていう。それを多分200本ぐらい作ったんですよ、最初。
え。
で、それはもうほぼ毎日あげてて。だって別にそんなに大変じゃないから、最初は無編集でどんどんやるっていうのをやってたんですけど、だんだんそれじゃやっぱり伸びないっていうか、面白くないんですよね。面白いような形にしていくためには、やっぱり物語性みたいなものが、短い動画でも長い動画でもなくちゃいけなくて、でその物語性を作るのは多分編集っていうのがすごく大事になってくるのかなと思って。で編集を自分でもやったら結構面白くて。
そこが、手術もしてその動画編集もしてて、集中力がもう異常じゃないですか。
で別も全然[笑い]別。それは別です。動画やってる時は、編集してる時は、時間がある時にガッとやってるし、趣味みたいなもんすよ。疲れた時とかにそれやるとちょっとリフレッシュするじゃないけど、ちょっと楽しみになるみたいな。手術早く終わらして、できた時間で子供の面倒とか家のこともやんなくちゃいけないから、それを全部やって、その上でちゃんと時間作ってできたら編集できるなみたいな感じに考えてやる。しかもやり出すと、ゲームやってる中学生と一緒で、小学生と一緒で、集中しちゃうから結構時間が経つんですよ。夜とか遅くなったりとかするし。
すごいなんかYouTube熱が伝わってきますね。[笑い]手術の話よりもYouTubeの話の方がすごく。
でもね、そう思う。手術の話ってあんまり別に熱く語るって思いないですけど。[笑い]YouTubeの方は結構色々やってきたから、のべ1000本ぐらいは動画をあげてるから、やっぱいろんな経験とかがあって思うところはあるんですよね。
[笑い]すごく一YouTuberとして。コメント欄ではなんか副業心臓外科医みたいなネタ。それぐらいの情熱って意味では、そっちを仕事に。
[笑い]じゃあ仕事をYouTuberにするかって言うと、やっぱそれは難しいと思う。仕事になっちゃうと急にもうお金稼ぐためにやんなくちゃいけないから。やってる心臓の手術と一緒で、心臓の手術は楽しいしめっちゃ面白いからやってるけど、でもやっぱ仕事だと思うんですよね。
はいはいはい。手術ってクリエイティビティあるんですか?
あ、あると思います。はい。もちろん定型化された手術だから、基本があって基本通りやればうまくいくみたいなことがあるんですけど、でも必ずと言っていいほど違うんですよ、人間の体って。
ああ。
心臓の硬さとか柔らかさとか。そう。あ、ここシカゴ大学です。ちなみに。
お、あ、これか。
もう全部この。
おす。
はい。で、ここ駐車場。
はい。
で、なんかその反応の仕方が違うんですよ。
へえ。へえ。
完璧に同じようにやっても、だから同じようにできないっていうか、ちょっとずつ変えてかなくちゃいけないんで。それは技術だったり、あとは経験。これぐらいの人ならこれぐらいでやってけばいいのかなとか、これぐらいの人はこれ注意しなくちゃいけないかなとかって。で、そんな中でやっぱり結構突拍子もないことが起こったりするんですよ。結構いろんなことを予測して、これだったらこう、これだったらこうって、ABCDEってプランを考えるんですけど、それでもやっぱり、え、こんなこと起こんのみたいなとか、あ、これ忘れてたけど、これ起こるんだったわみたいなことが起きた時に対処しなくちゃいけなくって。で、その対処の仕方みたいなのは、もちろんそれも経験とか、あとは今言ったクリエイティビティみたいな感じで、あ、こうしてみればいいじゃんとか、こうすればいいじゃんみたいな。未だにやっぱ新しい手術方法とかそういうのが開発されたりとかするんで、そういう意味では基礎の部分の中にクリエイティビティみたいなものが存在してるんじゃないかなとは思いますね。数学の基礎勉強してて、その後応用に行くみたいな、新しい問題解いてみるのにひらめきが必要みたいなのと同じことなのかなっていう風に思いますね。じゃ、行きますか。
よし。これは職員と患者さんの駐車場で。
[咳]
はい。はい。はい。
あ、中で普通に病院に繋がってるんですよ。で、結構病院が広くて、ここに地図があるんですけど、2個ここ駐車場があって、こことここに。で、今「You Are Here」ってここなんですけど、分かりづらいですよね。で、この病院、この病院、この病院、この病院みたいな感じで、それぞれ役割が違うんですよね。1個の病院は外来って言って、外から来た患者さんを診察する棟になってたりとか、1つの病院は入院施設みたいな感じで、手術とか入院とかそういうの全部請け負ってたりとか、あとは子供の病院があったりとか、あとがんセンターって言って、癌の治療を専門にする病院があったりとか。
だからこういう上のこういう通路で繋がれてるじゃないですか。ああいう2階同士が。あれは新しく病院ができると、その都度連絡通路みたいなので繋げるんですよ。ああやって。だから例えば子供病院とあそこで繋ごうとか、ここと繋ごうとかっていう風にして、どんどん病院が大きくなってくっていう、そういう感じなんですよね。
今もでかくなってるんですか?
今もでかくなってますよ。新しい病院を向こうに建ててて。
へえ。
日本と違って、土地がすごくでかいから。
ああ。
特にここは結構ダウンタウンって、都心部から20分ぐらい離れたとこにあるんで、土地使いたい放題的なところがあんだと思うんですよね。
[鼻息]で、あれが今から行くんですけど、入院と手術をしてる結構新しめの病院で、あそこの4階が一応心臓外科の病棟みたいになってて、7階が手術、あ、6階が手術室になってんですね。
へえ。
そこにオーガンリカバリートランスポートって車あるじゃないですか。これ、オーガンって臓器なんですよ。
ああ。ああ。
で、要はこれ肝臓とか腎臓とか心臓とか、移植用の臓器を運搬する時に使う専用の車なんですよ。
へえ。すごい。
で、シカゴ大学は移植たくさんやってるから、こういうのはもう常駐して常にいつでも動けるようになってる。
へえ。
前は僕もよくあれに乗って心臓を取りに行ったりしてたんすよ。
あ、そうなんすか。
そう、そう、そう。あれに乗って空港まで行って、飛行機で1時間とか2時間行くみたいな。
なんかちょっと緊急っぽい感じがしたんですけど。
そうすね。1人、外の病院にいる人で心臓の処置が必要な人がいて、それがトランスファーって運ばれてくるみたいなんで、その人が来たら処置が必要になるんで、その場合は僕が行かなくちゃいけないっていう感じになってます。
なるほど。
ここで待っててもいつ来るかわかんないんで、しょうがないからとりあえず一旦帰って、呼ばれれば行きますかみたいな感じにしてます。
急に休日にこんなことあるんですね。
ああ、そうっすね。やっぱオンコールの定めというか。
ああ。
なんかあった時に対応するっていう風になってんで、だから半休日みたいな感じですよね。予定はちょっと立てづらいんですけど、とは言ってもオンコールだからっつって予定を立てないでいると1日もったいないから、もうあんまり関係なく普通に予定を入れて、潰れてもいいような予定で、呼ばれちゃったらしょうがないから行くかみたいな、そういう感じにしてますね。
はい。ということで、今北原さんと一時解散で、北原さんは一旦お家に帰ってご飯やら寝かし付けやらされてるということなんですけど、こっからいつ手術が始まるかわからないということで連絡待ち状態ですね。
モンちゃうぞ、こら。
はい、ということで北原さんを一旦待ちたいと思います。本当に手術で、もう今日決めてた予定は完全になくなったというか。[笑い]手術はどっかであるっていうね。
ああ。
そうだから対応できるようにしとかないと。なんかオンコールって大変やなと。
そうですね。そうですよね。そうですよね。
すげえ働きだよな。横におるだけで超疲れるもん。
外の病院で入院してた患者さんが、もう病院について準備でき次第、そのショックコールって言われる、さっき言ったミーティングみたいなのをするんですよ。
はい。はい。ちなみに今回は急に今来てくれみたいな風に言われたわけですか?
いや、今回はすごい珍しいパターンで、もう外の病院で結構死にかけの人ってのがいるっていうのが分かってて、その死にかけの人は何かしら処置をしないといけないんですけど、その処置はその病院ではできないんですよ。
うん。
でもそのまま置いとくと死んじゃうからっていうので、じゃあその処置をするためにシカゴ大学に運ぶと。で、シカゴ大学に運んだら処置をするためのプロセスっていうのができるから、僕がやれるから、それをやっていきましょうってことが分かってるから。
はい。はい。だからもう事前に、例えば5時間6時間ぐらい以内に来るみたいな。
ああ、はいはい。
だからそれがもう大体来るってことは分かってて、それがいつ来るかわかんなかったんだけど、さっきあと10分ぐらいで来るよって風に言われたんで、じゃあ行きますみたいな感じで向かってるってとこです。
はい。はあ。
具体的に言うと、その人は心臓の中に穴が開いちゃってて、でっかい穴が。
え、中でですね。
心臓の外じゃなくて、心臓の中に穴が開いてて。心臓って昔理科の授業とかでやったと思うんですけど、4つの部屋で構成されてるんですよ。右の心臓と左の心臓に分かれて、それぞれが2つずつ。
うん。
右心房、右心室、左心房、左心室みたいな4つの部屋になってんですけど、その4つの部屋って壁で仕切られてるんですよ。
うん。
だから基本的にはその右と左は交通しないんですけど、そのでっかい穴が開くと右と左が交通しちゃって、本当だったら血液を体に流さなくちゃいけないんですけど、ずっとその心臓の中で行き来しちゃうんですよ。
はい。はい。はい。
で、体中に血液が回らないっていう状況になってる人がいて、穴がでっかかったら即死なんですよ。だって血液流れないから。でも穴がある程度ちょっとちっちゃければ、一応人間ってすごくって、なんとなく調整してうまく生きれちゃうんですよ。
へえ。
だから血圧はめっちゃ低いし、要は血液が体に流れてかないから、その状態でいるとどんどん他の、例えば肝臓とか肺とか腎臓とか、血液が必要なんで、そういう臓器がどんどんダメになっちゃうんですよ。
はい。
で、ゆくゆくは死んじゃうみたいな。
はい。はい。
最終的にはその穴を閉じる手術をするんですけど、今はもう本当に調子がすんごい悪い状態だから、今手術したら死んじゃうんですよね。
お。
だから手術する前にその状態を良くするっていう処置が必要で、それを今からしに行くんですけど。
はい。はあ。なるほど。昼は何されてる最中だったんですか?呼ばれた時は。
えっと、何してたかな?飯食って、なんかお菓子食べてた時かな?
はい。[笑い]
お菓子食べながら見てたんだ。そう。京室になりましたの新シリーズ、2026卒業編っていうのが始まってて、それがもう第3話まで行ってるんだけど、日本に行ってる間とか見れなかったから、1話と2話の途中を見てる時に呼ばれたって感じですね。
はい。あの、大バズりした写真の元ネタですよね。
ああ、そう、そう、そう。僕元々好きなんで。ずっと、ほぼ4年、5年前ぐらいからずっと全部見てるんで、ほぼ全部見てますね。最近だとラブ上等とか。
ラブ上等を見ました。もちろん僕は全部見てます。
見ました。すごい。
はい。めちゃくちゃマイナーなところから全部見てます。
あ、そうなんですね。
これがあれですね。今ページャーの音で。今ピピピって言ったじゃないですか。カーディオジェニックショックコールって、カーディオジェニックショックってのは要は心臓がもう止まっちゃいますよってことなんですけど、でここにアクセスするとZoomができるみたいになってんですよね。で、今僕の声は入ってないですけど、ミュートにしてるんで。
はい。
ここで何をしたらいいかとかっていうのを話すみたいな。
はあ。
[笑い]
I have two on... here, think... I think I agree with Mir... and then just, you know, still on the cardiogenic shock, and better to do that V... and then stabil... and... C... un... put on, need some days for recovering, and then at that point imp...
外から来た患者さんが結構死にかけてるから、どうしますかみたいなので、今心臓外科が3人いて、プラス循環器内科の先生がいて、どんな治療法をするかみたいなことを話し合って。最終的に決まったのは、僕ら心臓外科が人工心肺って言って、人工心臓、要は患者さんの体から血液を回収して、1本の管で、その血液に酸素をそこに溶け込ませて入れて、それを体にもう1本の管を入れて戻すっていう。だから2本の管を体に突っ込むんですけど、血液を回収する管と、血液を送り返すみたいなのをつけることで、要は心臓の代わりに体中に血液を送る機械をつなげてあげるっていう処置をするんですよ。
うん。うん。
で、その後循環器内科の先生がまた別の処置をするっていう風なことをしようではないかっていう話を今してたんです。
うん。
ということで着替えていきましょう。なんかあれかもしんない。服は上着置いてった方がいいかもしれないですね。
あ、ほんまですか。
うん。
じゃ、ここでもうカメラとかも置いといた方が。
ああ、カメラもどうせ中では撮れないから。
じゃ、ここで一旦。
いや、手術見てましたけど、本当なんか入った瞬間始められて。
そうすね。
すぐパパッと、よし行きますかみたいな。
[笑い]今日いたスタッフはみんな結構できる人たちだったんですよ。そう。時にはもちろん全然なんかちょっと、っていう人もいたりするから、それはちょっとスピードを落とすんですけど、今日のはすごくもう、歴代の中でも割とトップ10に入るぐらいスムーズでした。
昔ロバートのコントで、忍者村の人たちがもうめちゃくちゃ何万回と公演してるから、どのタイミングでどれすればいいかもうすぐ分かってて、団らんをずっとしてて、音楽鳴ったら突然出てって芝居をするみたいなコントがあって。
はい。
そんな感じです。それ分かる人少ないと思うけど、そんな感じ。だからふーって話して、そのまま部屋に入ってって、その人工心臓を繋いで出てくっていう。
コントぐらい早かった。
コントぐらい早かった。うん。結構見てても思いました。本当に。[笑い]
うん。結構おもろかった。今のは95点ぐらいあげてもいいぐらい、みんなもうできてた。看護師さんもできてたし。
はい。はい。
その人工心臓を扱う仕事の人もいるんですよ。
ええ。
で、そこにいたんですけど。
専門の人。
そう。
ええ。
その人もすごいできたし、満足度高い。[笑い]
おお。
しかもこれ間に合わないと思ってたから、結構その焼肉に。あ、ごめん。
はい。焼肉もそうですよね。
そう、そう、そう。焼肉。
結構楽しみにされてました。
そう、そう、そう。シカゴカルビっていう焼肉はうまいんすよ。
はいはい。
それこそ金丸る、焼肉は鹿みたいな感じで、なんだったら日本に帰った時によく、いわゆるちょっと高級焼肉店みたいのあるじゃないですか。ああいうところよりも、うまかった時とか、それは時によるんですけど、うまい時があるぐらい。なんか、ちょっとハードル上げすぎると、ホークさんちょっと、こいつこれを美味しいって言ってんのかっていう風に思われると。[笑い]ハードル上げすぎちゃう節があるんで、そこまでじゃないかもしんないですけど。
いや本当、僕はもうパックご飯なんで大丈夫です。元々が低いから。[笑い]
いや本当は違。
シカゴカルビ到着しました。
あ、あ、どう。
あ、すいません。
ちいかわ卒業ってこと?
ちいかわ弁当。ちいかわ。ちいかわのお弁当箱いっぱい持ってて、それでいつもランチボックスを持たせてるんですけど。
ちいかわ好きなんでしたっけ?
ちいかわ好きです。あ、そうですね。アニメとかになる前から。
ええ、すご。
Xでだって最初やってたじゃないですか。
はい。はい。
その辺からもうずっと見てて、僕最初から。
ええ。
でも最近ちょっとやっぱ流行りすぎて勢いなくなってきたけど、原作の方でまた映画化で、ちょっと夏の映画化で。
映画化するんすか?
映画?え、知らないですか?[笑い]
誰が?
え、だいぶちょっとあれですね。映画追えてないですね。ちいかわ好きなもの、みたいなイメージになっちゃってますよ。知らない人は。セイレーン知ってます?
セイレーンってどういうあれですか?
セイレーンは海の精霊ってのが、歌声を聞かせてそれで眠らせて、なんか食べちゃうみたいな、そういう魔物なんですけど、それに襲われてる島民が困ってるから、それを助けにちいかわたちが行くって、騙されていくんですけど、そこで起こるドラマがあって、結構長い話なんですよ。
はい。
で、それが映画化される年の夏に大話題ですよ。
マジっすか?
知らない人がいたんだと思って、日本人で。あ、これユッケです。食べて。うまいです。普通に撮ってもらいたい。良かった。ああ、撮ってくださいって、違う、違う。撮ってって、動画で撮るじゃなくて、普通にこう食べてください。そう、そう、そう。
なんかイメージ、彼は変わりました?
いや、変わりましたね。てか、前回のインタビューは普通にお話しただけじゃないですか?シカゴに来てからとか、私たちと一緒にいる時の方が割となんか近いというか。
そうですね。
彼女は僕のなんかマネージャーも兼任してる?
いや、してないよ。してない。ただ聞いてるだけです。なんか印象が変わったかなと思った。
本心が見えにくかったんですよ。インタビューだと。
ああ。
そう。でも今日こう密着することで内面が少し見えてくる。
どうしてもちょっとガードしちゃいますからね、心を。
そうですよね。そうすね。
だから、話すけど、正直話すけど、そんなに全部ね、心は開かないみたいな。うん。[笑い]
そうね。あ、うま。美味しい。めっちゃうまいっす。
なんか1回会った時と別人に見えますね。2回目が。
あ、そう。そうなんですか。
顔も塗られてたし。本当に別人。初めて顔見たし。なんか本心も見えにくかったんで。
ああ。
本当違う人ぐらいの感じというか。
ああ、そうですよね。わけわかんないですね。急に立派な粉、赤とか青とかで出てきて、普通にめっちゃ真面目に話すかわかんない。そう。
なんか笑っていいのかもわからない。[笑い]
それはよく問題になる。[笑い]なんか笑うのって結構、ここですよ、笑うところはみたいな感じじゃないですか。
うん。うん。
だから僕も、なんかえーとかってなったら、なんか笑うとこなんだって思うけど、そうでもないからちょっと難しい。
笑顔でね、笑いどころ見せたら怒られそうっていうね。[笑い]
いや、めっちゃ面白いでしょ。それはそれでむってした、学校で来てなんか、いやねってなったら。
いやこれ真剣にやってます。[笑い]この人めっちゃ面白いです。
だから意図があるんかどうかみたいな、結構探ってたんですよ。
ああ、なるほど。
どういう意図があるんですかみたいな。
意図はないです。そう、ないです。あんまりこういうインタビューとかしないから。
そうなんですよ。真顔なんですよね。安間に出た時も、あんなにふざけてるのに全然違う人みたいですね。すごい真面目な話されてるじゃないですか。
そう、そうなんです。
っていう話をされてて、で、いや、あれも真面目にやってますみたいな、真面目な顔でまた答えてて、なんかアナウンサーの人も、笑っちゃいけないんでしょって。なんかすごいプロの大人をもう黙らせた。それで。[笑い]
[笑い]これはこの色のこの薄切り感は、アメリカでここでしか食べれない。違うの。
もうこれぐらいでも行きたい人はもう行けるから。
あ、そうなんですか。
いや、うん。行きたい人はね。
はい。
今日1日の満足度で言うと何%ぐらいですか?100分の。
いや、もう97くらい。
おお、すごい。
うん。超充実した1日です。
うん。わあ、いいっす。
最初、今一つスタートだったけど。そう。うまくはまって、ちょうどこの焼肉。もう焼肉諦めてたんで。
あ。
うん。どれか1つでも欠けてたら、ここにいられなかったって思うと、かなりやっぱ感慨深いというか。
はい。わあ、すごい1日に密着できた。すいません。2日間本当にありがとうございました。楽しかったです。
あ、こちらこそ楽しかったです。刺激めちゃめちゃもらえました。今後も活動応援しております。
はい。はい。ありがとうございます。ありがとうございます。
はい。もごさんによろしく。[笑い]
ありがとうございます。
じゃあさようなら、言われてた。でも消せない気持ちはどうだより難しい。なんてわからない。君のそばにいたい。それだけなのに。この町の空に。こんな時代のそばに。変わりもいなくて。
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