転職で「無双する人」の4つの特徴――サラタメが語る、視点の切り替え・歯車の喜び・一歩上の準備・選択の割り切り

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概要

転職がうまくいく人とそうでない人は、何が違うのか。転職ノウハウを発信するサラタメは、この問いに「メタ認知力高めの歯車さん」と答える。話者はブラック企業から倍率の高いホワイト企業への転職を果たした経験を持ち、チャンネル運営のために転職成功者、採用企業の人事、キャリアアドバイザーなど「300名はくだらない」人数に取材してきたという。その取材から、転職がうまくいく人の特徴を4つに絞った。

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4つの特徴はいずれも、日々意識すれば今からでも身につけられるものだと話者は強調する。若さ、学歴、職歴、コミュニケーション力のように急には変えられない要素も確かにあるが、今回はそうした要素を扱わない。各特徴には自己点検の方法も示されている。話者の目安では、該当が0個なら転職しても失敗する可能性が高く、1個でも危うい。2個あたりから成功の可能性が出てきて、3個なら転職市場で人気の人材、4個そろえば「無双」だという。

特徴1:呼吸するように視点を切り替えられる

1つ目の特徴は、視点を切り替える力である。話者はこれを俯瞰力やメタ認知力と言い換えたうえで、転職活動でおそらく最も大事な点だと位置づける。多くの人は自分視点にとらわれて他者視点を持てず、短期視点にとらわれて長期視点を持てない。この力がないと、適切なタイミングで転職に踏み切れず、キャリアはぶれ、面接も下手になると話者は言う。

最初に効いてくるのは、転職に踏み切るかどうかの判断だ。短期視点しか持たない人は、今すぐ困っているわけではなく、給料が高いわけでもないが楽ではある、という状態に落ち着いてしまう。長期視点を持つ人は、このまま5年、10年同じ仕事を続けて新しいスキルが何も身につかなければ、市場価値として危ないのではないかと気づける。だから適切なタイミングで動けるのだと話者は説明する。

面接でも違いが出る。自分視点だけの人の自己PRは「これだけ頑張った」「こんな成果を残した」という話で終わる。他者視点に切り替えられる人は、そのとき得意先が何に困っていたか、どの部分を他部署に協力してもらったかまで補足する。聞く側には、この人は得意先の具体的な課題を解決してきたのだ、他部署とも連携できるのだ、という点まで伝わる。

転職理由では差がさらにはっきりする。自分視点だけの人は「自分は頑張っていたが会社がダメだった」という他責に聞こえる理由を語りがちだ。他者視点を持つ人は、客観的にここに課題があった、自分にもこういう反省点があった、と語れる。短期視点だけだと「今こういう状況なので辞めたい」と聞こえるが、長期視点がある人は「今の会社でも問題はないが、長期的に見て自分のキャリアプランに合わないので転職したい」と語れる。採用側から見れば、今が嫌で逃げ出したい人ではなく、長期のキャリアプランを踏まえて自社を選んでいる人だと分かり、すぐには辞めないだろうと判断しやすいと話者は述べる。

長期視点のある人は、転職活動の準備も早い。まだ転職に困っていない時期から、日々の仕事を「これは転職のアピール材料になるか」という目で見ている。話者は「ずるく言えば仕事を選り好みしている」と表現する。大変そうで忙しくなるかもしれないが、面接で使えそうだから手を挙げておく、といった判断ができるので、いざ転職活動を始めても困らない。短期視点だけの人は、活動を始めてからアピールできるエピソードがほとんどないことに気づく。

自己点検と、「俯瞰」ではなく「切り替え」と言う理由

自己点検として、話者は2つの問いを挙げる。他者視点については「今の職場で一番関わっている上司やお客さんが、今一番何に困っていて、あなたに一番何を求めているか」に即答できるか。長期視点については「3年後にこういう仕事をしていたい」と明確に語れるか。答えられそうで意外に難しいので、動画を止めてでも考えてほしいという。

これは最低ラインであり、上の段階もある。他者視点では、日々接する上司や顧客だけでなく、普段は接しないステークホルダーの視点を持つ段階がある。さらに進むと、たとえば飲食業界の末端で働きながら業界全体、日本全体、世界全体のことを考えられる段階に至る。長期視点も、5年後、10年後、人生全体、さらに「死ぬときにこう思われていたい」というところまで考えられれば「マスターレベル」だと話者は言う。

話者は、あえて「俯瞰力が大事」ではなく「切り替えが大事」と表現している点も強調する。俯瞰ばかりしている人は役に立たないことがあるからだ。今自分がどうすべきか、どうしたいかという自分視点・短期視点も必要であり、自分と他者、短期と長期をすばやく行き来できることが重要だという。この点は2つ目の特徴につながる。

特徴2:自分が「歯車」である喜びを知っている

2つ目の特徴は、端的に言えば貢献意識だ。ただ「貢献意識」ではぬるい言葉で真意が伝わらないとして、話者はあえて「歯車」という言葉を使う。これは1つ目の特徴とは逆向きの力で、目の前の仕事に泥臭くコミットする力を指す。つまり、両者のバランスが大事だという。

話者によれば、俯瞰力が高すぎる人は評論家になりがちで、会社からすると扱いにくい。どんな仕事にも「これは長期的に意味があるのか」「本当にお客さんのためになるのか」と言い、考えるのはいいが手元の仕事はやってくれ、という空気が生まれる。行き過ぎると「自分らしい人生とは」「自己実現とは」を考え続ける哲学者のようになり、ビジネスパーソンとしては採用しづらい。会社の本音は、自分らしさを大事にしてもいいが、その前に会社への貢献をしっかりこなしてほしい、というものだと話者は見る。今の時代にそれをストレートに言う会社は少ないとも付け加えている。

貢献すること、会社の歯車になることを「理解している」だけでなく、「素晴らしいこと」「喜び」だと心から思えている人は、採用側がぜひ採りたいと思う人材だと話者は言う。逆に、スペックも実務経験もあり、地頭もコミュニケーション力も悪くないのに面接で落ち続ける人には、歯車であるという前提を忘れている人が多いという。

ただし、ほとんどの人はどちらかに偏る。俯瞰しすぎて手元の仕事が進まない「メタ認知モンスター」の評論家になるか、メタ認知力ゼロで戦略もなく疲弊するまで歯車になりきるか、である。話者が最適とするのは、メタ認知で良い会社と良いポジションを探し、そこに入ったら歯車として泥臭く会社と顧客に貢献するという組み合わせだ。

若手に多い誤解と「後乗り」という考え方

話者は、特に20代前半の若手にメタ認知モンスター側が多いと感じている。自分らしさを重視されすぎた時代に育ったため、この点を勘違いしやすいという見立てだ。典型は「成長したい」ばかりを口にし、成長のためにこういう仕事がしたい、でもそういう仕事がないから仕事の方が自分に合わせてくれ、というスタンスだ。本来は、この部署で今求められている仕事があるなら自分がやっておく、というように自分を仕事に合わせるのがあるべき姿だと話者は言う。30〜40代のベテランからは当たり前すぎると言われそうだと断りつつ、理由を2つ述べる。

1つは、ビジネスパーソンはお金をもらうプロとして雇われているのだから、仕事に合わせてもらうのはおかしいということだ。もう1つは、会社員として働くことは「人様のビジネスに後乗りする」ことだという点である。誰かが借金を背負うようなリスクを取って作ったビジネスがうまくいっているかを確かめてから、転職という形で後から乗れる。話者はこれを会社員ならではの「ずるいぐらい」の圧倒的なメリットと呼ぶ。そのメリットを受け取っておきながら、後から入って自分らしさを求めるのはおかしい。だからこそ歯車として貢献すべきだ、というのが話者の論理である。

歯車が辛くない3つの理由

「急にマッチョなことを言う」と思われるかもしれないと前置きしたうえで、話者は、歯車という考え方を持ってからの方が仕事が楽になったと語り、その理由を3つ挙げる。

第一に、誰もが歯車である。自分も、課長も部長も、社長も、一人では何もできず、噛み合うことで会社を回すパーツにすぎない。歯車の配置を考える設計者のような人はいるが、それは大体創業者で大株主のような立場の人だ。その人たちでさえ、うまくいっている場合は現場を見ていて、空いているポジションがあれば自ら歯車になりに行く。会社に最も身を捧げているという意味で、創業者は「大歯車」だと話者は言う。

第二に、たかが仕事である。人生は自分らしく生きればよく、人生全体を誰かの希望に合わせる必要はまったくない。歯車として貢献しようというのは、お金をもらって働いている間の話にすぎない。話者によれば、仕事は本来、歯車として会社に貢献し、生活に必要なお金を得るためのものだ。キラキラしたインフルエンサーは、仕事で自己実現も一生の仲間も手に入れようと言う。話者はそれをその人にとっては正しいと認めつつ、「運よく」それができた人の話であり、地球上の過半数の人にとっては当てはまらず、目指すのはいばらの道だと述べる。目指すなら、歯車としての貢献度が上がって余力が生まれてからでいいし、会社の外で目指してもいい。話者自身は考えた末に、自己実現や自分らしさは副業のYouTubeで追求し、本業では会社のビジョンや目標の達成のために自分に何ができるかだけを考えると切り分けた。そうしたことで非常に気持ちが楽になったという。

第三に、それでも嫌だと感じるなら、会社選びを間違えている可能性がある。深掘りすると、歯車になりたくないのではなく「こんな会社では歯車になりたくない」という思いが奥底にあるのではないか、と話者は見る。その状態は危険で、転職した方がいいという。どうせ誰も歯車から逃れられないなら、この会社なら歯車になってもいいと思える場所で働くべきで、そうすれば考え方は180度変わると話者は言う。自分が認めた会社に「ここにはまってほしい」と求められ、実際にはまって会社がよく回り出し、感謝される。それはシンプルに嬉しいことだ、という説明である。

話者のまとめでは、会社員が目指すべきは「脱歯車」ではなく、歯車になってもいい会社を選び、そこで希少で需要のある大きな歯車になることだ。そうなればさらに良い会社から声がかかる。どうしても歯車が嫌なら、残る選択肢は働かないか起業するかだが、創業者でさえ自分のポジションを探して歯車として機能しなければならず、それができない経営者は邪魔なだけなので、結局は働かないしかない、と話者は言い切る。

自己点検は、ここまでの内容に頷けるかどうかだ。全ビジネスパーソンが形やポジションが違うだけの歯車であり、会社では自分らしさよりも歯車であることが優先される。歯車になることは悲しいことではなく、会社選びによっては喜ばしいことだ。本当に悲しいのは歯車になれないこと、つまり原則を理解せず自分らしさにこだわって空回りし、歯車の形ですらないのに「この形に合わせてくれ」と言う人だと話者は述べる。

特徴3:ライバルを意識した「準備」をしている

3つ目の特徴は、一歩上の準備力、話者の言葉では「相対的な準備力」である。多くの人は今の仕事を続けながら隙間時間で転職活動をするため、最低限の準備で済ませたくなる。だが、それでは大成功はしない。第一志望からは内定が取れず、自分のポテンシャル未満の「滑り止め」程度からしか内定が出ない、と話者は言う。

業界研究、企業研究、それに基づく応募書類や面接対策は誰でもやる。問題は、単に時間と手間を増やすことではない。ライバルがどこまでやっているかを見て、多くの人が面倒がってやらないレベルまで少しだけ頑張る。それが着実に内定につながるという考え方で、1つ目の視点の切り替えとも関係している。

どこまでやるべきかは志望企業の難易度によって変わる、と話者は断っている。応募が殺到する人気企業なら多くの準備が必要で、誰も受けないような不人気企業なら最低限でもよい。情報公開度も関係する。YouTubeチャンネルやウェブサイトが充実している企業では、ライバルがアクセスできる情報も多い。そのため、魅力が高く情報公開も進んだ大企業ほど、一歩上の準備は相当なレベルになる。それでも1年かける大学受験ほどではなく、中学・高校の定期試験程度の準備で済むと話者は見積もる。それで人生を左右する結果が決まるのだから、ライバルに負けない入念な準備は絶対にやるべきだという立場である。

非公開情報は「人」から得る

自己点検の基準は、非公開の「ぶっちゃけ情報」を入手できているかどうかだ。そうした情報は検索しても出てこないため、人から集める必要があると話者は言う。最もよいのは志望企業・志望業界の中の人に聞くことだ。次善は、中の人ではないが詳しい人である。そうした人が書いたブログや書籍にも手軽にアクセスできる。普通の転職エージェントでは難しいが、業界特化型エージェントの優秀な担当者なら非公開情報にアクセスできるだろうとも話者は述べている。

公開情報から仮説を立ててから聞きに行く

話者がもう一つ強調するのは、人に聞きに行く前に公開情報に当たり、仮説を立てておくことだ。公開情報からの仮説力がない人は、せっかく詳しい人に会えても「どのコンサル企業が一番いけてますか」といった仮説のない質問をしてしまい、相手が深い情報を持っていても引き出せない。

話者は、コンサル業界を目指す人の例で違いを示す。仮説を持つ人はこう聞けるという。自分は物流関連の会社で働いていて、その専門知識を生かして即戦力として活躍したい。幅広い一般的なコンサルスキルを身につけたいわけではない。コンサルには総合系と独立系があるが、独立系の方が特化型の会社が多いはずなので、自分には独立系が合うと思う。この考えは合っているか。合っているなら具体的におすすめの企業を教えてほしい、と。こうした質問ができる人が、一歩上の情報にアクセスできる人だというわけだ。

この力は面接にも効く。面接の最後の逆質問で、仮説のない人は「この部署、このポジションは何を目指しているのですか」といった漠然とした質問をしてしまう。仮説のある人は「調べたところ、この部署は今後3年でここが中核事業になり、ここが課題になると考えたが、その仮説は合っているか」と聞ける。話者のまとめでは、ライバルより一歩上の情報を集めるには、検索しても出ない情報を詳しい人に聞くこと、そしてそのために自分で公開情報を調べて仮説を持つことから始める必要がある。

特徴4:「選択」ごときで100点は取れないと知っている

4つ目の特徴は、優先順位を明確にし、こだわらないものを捨てる力だ。志望企業選びは非常に大事だが、選んだだけで人生をバラ色にしてくれる会社はない。それを知っているかどうかが問われると話者は言う。全部を求めて転職活動をすると、面接を受け続けて疲れ、何かをしている気分にはなっても現実は変わらない。話者はこれを決断力の問題とも表現する。

前提となるのは「転職の軸」を固めることだ。これは話者がこれまでの動画で繰り返し語ってきたテーマで、今回の転職で何を実現したいか、つまり最優先事項のことを指す。転職では年収、職種、スキル、勤務地、会社の規模、社風、ワークライフバランスなど、改善できるポイントが多い。だからこそ迷う。軸が固まっていない人は、年収アップや有名企業入りといった一般的に良いとされることを成功だと思い込む。話者は、自分が改善すると決めた最優先事項が改善されることこそ転職の成功だと言う。

軸が大事な理由は、全部を満たす「無敵の会社」は存在しないからだ。捨てる力と勇気がない人は、そもそも志望企業が決まらない。そうした人は内定も取りにくいが、仮に取れても、どの内定を承諾するかを決められない。結果として現実は何も変わらない。

70点の選択を、努力で120点にする

転職に成功する人は、会社選びも懸命にやるが、そこで100点を取ろうとはしない、と話者は言う。平均点以上、たとえば70点程度の選択をし、その会社で働く努力によって120点の結果に変えていく。話者自身もこの考え方を、転職に限らず仕事、結婚、家選びなど人生全般で重視しているという。

逆に、70点だったかもしれないとモヤモヤしながら働き、働く姿勢まで70点になれば結果も70点になる。モヤモヤが続けば70点以下へと下がり、人生が腐っていく。そうではなく、70点かどうかは分からなくても、自分の頑張りで100点にしようと考えるべきだというのが話者の主張である。

話者は結婚相手選びも同じだと語る。世界中に何十億人もいる中で、相手が自分にとって唯一無二の100点かどうかは分からない。その前提を理解していない人は「運命の相手ではないかもしれない」「合わせてくれない」と嘆いているうちに人生が腐っていく。選んだ相手が何点かを考えるのではなく、その人とタッグを組んで人生を100点にしていく覚悟と努力が大事だという。

ただし話者は、選択をおろそかにしろという話ではないと念を押す。誰が見ても最悪な選択をすればその時点でゲームオーバーだ。せめて平均点以上の、ましな選択をする必要がある。時間とリソースが無限なら極限まで悩めばいいが、転職にも結婚にも人生にもタイムリミットがある。その中で最も可能性のある選択肢を選ぶしかない。それが本当にベストだったかを確かめるには、A社を経験した自分とB社を経験した自分を並行世界で同時に走らせ、5年後、10年後に比べるしかない。誰にもそんなことはできないので、結局は何も分からない。だから、期限内で一番ましな選択をし、その環境で一番頑張るという、自分でコントロールできる部分に力を注ぐ。この選択で良かったのかとうろうろするのが最悪で、それは70点の選択を60点、50点、最悪の場合は赤点につなげてしまう、と話者は言う。

自己点検と話者自身の転職

4つ目の自己点検は2つの問いである。1つは、転職の軸が整理できているか。最優先事項だけでなく、年収が1番、職種が2番、スキルが3番、ワークライフバランスが4番、というように順位をつける。さらに、年収なら「アップしたい」ではなく「500万円ほしい」、スキルなら「マーケター」ではなく「どの領域のマーケターか」まで、具体名や数値で明確にする。もう1つは、そのうえで最悪何なら捨てられるかが明確かどうかだ。

話者は自身の最初の転職を例に挙げる。1社目は話者いわく「キラキラの上場企業」だったが、2社目では会社の規模や上場の有無はどうでもよく、勤務地も全国転勤を受け入れるつもりだった。その代わり、マーケティングの仕事に携わることとワークライフバランスを非常に重視し、その軸を満たす転職をしたという。

4つの特徴は、日々の仕事にも求められる力

話者は最後に4つの特徴を振り返る。視点の切り替え、歯車である喜び、人から非公開情報を集めてライバルに差をつける準備、選択ごときで100点は取れないという認識である。目安としては2個以上該当していたいところで、3〜4個なら転職では非常に強いと話者は言う。

そのうえで話者は、転職で求められるこれらの資質は、実はどのポジションのビジネスパーソンにも求められるものだと指摘する。だからこそ日々の仕事の中で意識して身につけられるものであり、転職だけでなく普段の仕事の参考にもしてほしい、と話者は締めくくっている。