船舶免許の学科講習は「教本を読むだけ」:教習所を運営する話者が独学を勧める理由

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概要

この動画では、船舶免許の教習所を運営する話者が、2級小型船舶の学科講習で実際に何をしているかを、教本を開きながら再現している。話者の主張は、少なくとも自分の教習所では講習は「本を読むだけ」で、自宅で勉強するのと何も変わらない、というものだ。そのうえで、講習にお金を払うかどうかは視聴者自身が判断すべきだとしている。

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対象は「自分の教習所」に限った話

話者はまず、ここで語るのはあくまで自分たちのやり方だと断っている。他の教習所については行ったことがないので分からず、行った方がよい教習所もあるかもしれない、と留保している。以前勤めていた教習所も、自分がやり方を作っていたので今と変わらないという。

根拠として話者が挙げるのは、レンタルボートで一緒に船に乗った人たちから聞いた話だ。関西、沖縄、東北、東京など各地の教習所の出身者に講習の感想を尋ねると、ほとんどの人が「自分で勉強するのと変わらない」と答えたという。ただし、それはその人の受け取り方であり、これから免許を取る人に当てはまるかは分からない、とも述べている。そのうえで、自分の教習所については「本当にこの本を読むだけ」だと明言し、その様子を実際にやってみせる。

実演:「青字だけ覚えてください」

使っている教本では、国家試験に出る箇所が青字で印刷されている。話者は受講者に「青いところだけを覚えてください」と言うそうだ。それ以外を覚えても試験には出ないからだ。

実演は教本の冒頭、「船長の心得及び遵守事項」の「陸上交通との違い」から始まる。自然環境の比較では、船は不安定な水面に浮いていて絶えず風や潮流などの外力を受けるため、同じ位置にとどまったり直進を保ったりするのが陸上ほど簡単ではない、という部分が青字だ。続いて、波が高かったり太陽の水面反射が強かったりすると、水面に浮いている漁具やゴミなどが見えにくいという記述があり、話者は「太陽の水面反射が強かったりすると」の部分を覚えるよう指示する。青字のない段落は飛ばす。水面下の暗礁や障害物は見張りをしていても見えにくいという箇所は青字なので読む。

話者によれば、受講者は教本を開けば青字がどこかは自分で分かる。講習では「ここは覚えてください、はい次」と進めるだけで、これで第1項が終わる。

試験に出ない部分は話さない

次の「交通環境の比較」では、水上交通は各国とも右側通行が原則だという部分が青字で、黒字の部分は扱わない。水上には原則として速力制限がないが、周りに迷惑のかからない速力で航行しなければならない、という記述について、話者は「迷惑のかからない速力」には答えがないと補足する。周りが迷惑しなければよい、という程度の話はするが、それは試験に出ないという。話者は「これが僕の教習所のやり方です」とまとめている。

実技は動画でもよいが、学科こそ講習は要らない

話者は実技講習についても、自分の動画で学べると繰り返してきたと述べる。車の運転が苦手な人は別だが、毎日車に乗っている人なら間違いなく船も操縦でき、免許も取れるので、実技も動画でよいと考えている。そのうえで、学科講習はさらに必要性が薄いという立場だ。

これは国家試験ではなく、登録教習所の修了審査で取る「免除」のコースでも同じだという。免除には国家試験用とは別の教本があるが、やることは基本的に変わらず、それが決まりだからだと話者は言う。

青字だけのテキストを作ったが、使わなかった理由

他の教習所には独自のテキストを作るところもあり、話者も教習所を始めた頃は作っていた。中身は青字だけをまとめたもので、それだけなら12ページほど、図や問題を入れても15ページほどで終わってしまったという。

一方で、学科講習と実技講習を合わせると5万6000円ほどの費用がかかる。それだけ払って来てもらったのに薄いテキストを渡すのは気まずい。そこで正規の教本を使うようにしたと話者は説明する。その15ページほどの教材は現在も販売しているが、A4の印刷物が届いたら買った人は嫌だろうとも付け加えている。

話者は、この動画で扱っているのは国家試験に受かるための話だけだと区別している。実際に船遊びをするなら教本の内容はすべて大事なので、擦り切れるほど読んで頭に入れてから始めてほしいという。登録教習所の中にはしっかりやっているところもあれば、適当なところもある。ただ話者から見れば、高いお金を払って講習を受けても、免許を取るという目的に対してはあまり意味がない。だから家でやってほしい、というのが話者の考えだ。

話者が理由に挙げるのは、講習を受けた人も後で内容を覚えていないことだ。授業を受けた直後は満足し、しっかりやって疲れたと言って帰っていくが、その後レンタルボートで会うと覚えていない。2〜3時間話す話者自身も疲れるという。どうせ覚えていないなら家で勉強した方がよい、と話者は述べる。

海上交通安全法:適用海域の覚え方

実演は2科目目の「海上交通安全法」に移る。この法律は船舶交通がふくそうする海域での特別な交通方法を定めた特別法で、海上衝突予防法と規定が異なる場合はこちらが優先される、と教本に書いてある。

適用海域として、東京湾(浦賀水道航路、中ノ瀬航路)、伊勢湾(伊良湖水道航路)、瀬戸内海(明石海峡航路など)が挙がる。瀬戸内海には多くの航路があるが、話者によると試験に出るのは水島航路と来島海峡航路だという。話者の覚え方は、瀬戸内海は「島」、伊勢湾は伊良湖の「い」、東京湾は浦賀と中ノ瀬、というものだ。

話者は、この内容は2科目目の動画としてYouTubeに上げており、講習でも同じことをすると言う。だから動画を見つけた人は学科講習を受けなくてよい。寝る前など好きな時間に勉強できる。教習所に来るなら、会社を休んだり土日を使ったりして「僕のくだらない講習」を聞かなければならない。話者はYouTubeでは来なくていいと言っているが、電話で申し込んできた人にはきちんと講習をするという。そうした意味で、話者は自分たちの教習所を「悪徳商法」と呼んでいる。

応用問題が出ない試験

話者は学校の数学と比べて説明する。数学では教科書にない応用問題が出るので、いろいろな問題を解く練習が必要になる。船舶免許の試験では教科書と同じことが出る。右側通行の問題などで言い回しは変えてくるが、それだけだ。だから教習所でも応用問題はやらないし、やる必要もない。青字の基本が頭に入っていれば答えられる、というのが話者の見方である。計算問題も、やってみれば難しくないと分かるはずだと述べている。

機関の点検と「時間調整」

続いて、98ページの機関の点検が取り上げられる。エンジンの取り付けについてはボルトの緩みや錆がないかと書いてあるが黒字なので、通常は話さない。ただ、進行が早すぎて時間が余ったときは読むことがあり、話者はそれを「時間調整」と呼んでいる。

Vベルトは、損傷がなく、張り具合は指で押して適度なたわみがあること、という部分が青字だ。燃料油は、燃料計で余裕を持って積み込んでいることを確認する、という部分が青字である。話者はここで、実技試験でも燃料を目視で確認することや、水上オートバイの試験ではタンクを直接のぞいて燃料の量を見ることを補足する。そのうえで、こうした補足があるに越したことはないが、読めば分かるだろうとも言う。

予習してきた人に、9時から1ページ目を読む

話者が一番困るのは、予習してきた受講者への対応だという。話者の教習所では、教本と過去問を事前に送り、勉強してから来てもらっている。本当にしっかりやる人は、過去問を解き、教本に鉛筆で細かく書き込んで来る。それなのに、朝9時から「はい、じゃあ1ページ開いて」と始めるのだから「バカでしょ」と話者は言う。

話者によれば、登録教習所はこの内容を2日に分け、6時間ほどかけて行う。話者自身は3時間ちょっとで終わらせ、YouTubeなら30分から40分弱で済むという。勉強というより「覚えてね」という話なのだから、家に帰って覚えればよく、先生がわざわざ音読する必要はない、と話者は繰り返す。

試験の難しさについて、話者は小学4年生くらいでも試験問題を渡して「明日までに軽く見ておいて」と言えば合格するのではないか、という見立てを述べている。そういう内容の講習でお金をもらっているのだから、参加するかどうかは受講者が決めればよい、というのが話者の立場だ。1級船舶の学科も同じで、面倒なら動画で勉強すればよく、教科書を送るのでそれで取れるという。

教習所に払う価値があるとすれば手続き

話者が考える教習所の最大のメリットは、手続きを代行してくれることだ。自分で受験する場合は、試験の申請、費用の支払い、免許証の受け取りを自分でやらなければならない。それを面倒に思い、代行料として払うと考えるならよいと話者は言う。ただ、今は携帯電話で調べれば手順が丁寧に書いてあり、話者の試験申請の動画でも説明しているので、その通りにやれば自分でもできる。それ以外に教習所へ通う意味はないと話者は考えている。

最後に話者は勉強の手順を示す。送られてきた教本を一度読み、過去問を解き、分からなかったところを読み直す。覚えるのは青字の範囲だけでよい。2級船舶は教習所に通わなくても取れるのが「真実」だと話者は結ぶ。ただし他の教習所については、たくさんのことを教えてくれるだろうと思うものの、行ったことがないので分からないと最後まで留保し、参考にしてほしいと締めくくっている。