ニック・ウォーカー対マーティン・フィッツウォーター:自己ベスト同士をポーズごとに比べる

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概要

ミスター・オリンピアを2週間後に控え、「ザ・ミュータント(地球外生命体)」ことニック・ウォーカーと、「ザ・マーシャン(火星人)」ことマーティン・フィッツウォーターを比較する動画である。前年のオリンピアではマーティンが5位、ニックが6位だった。話者は、両者のベストと考える大会の写真を並べ、規定ポーズごとにどちらを取るかを判定していく。結論はニックの勝ちだが、マーティンの伸びしろについても多くを語っている。

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同じ日にプロカードを得た2人

2人の関係が広く知られるようになったのは、今年3月のアーノルド・クラシックだと話者は言う。ニックがアンドリュー・ジャックドに敗れた瞬間、マーティンが大喜びする様子が映り、炎上した。マーティンはスポンサーを失ったとされ、その後は態度が「丸くなった」と話者は見ている。

ただし、2人がライバルとされるのはこの一件だけが理由ではない。2人は2020年9月20日、ピッツバーグで開催されたNPCノースアメリカン・チャンピオンシップスで同じ日にプロカードを獲得している。マーティンはヘビー級、ニックはスーパーヘビー級で優勝し、オーバーオールで対決した。話者はこのアマチュア時代の映像を「エモい」と表現し、2人の物語はここから始まったと述べる。当時の年齢について、話者はマーティンが23〜24歳、ニックが26〜27歳あたりと推測している。

その後も直接対決は何度かあり、勝ち数はニックのほうが多い。ただし前年のオリンピアではマーティンが上回った。現在マーティンは29歳、ニックは32歳で、話者は2人のライバル関係は今後も続くと見ている。今年のオリンピアでは、ニックのほうが目立つ体をしていて知名度も高いため優勝候補と言われている。一方マーティンもオリンピアでトップ4に入った実績があり、2年連続トップ5なので相当いい選手だと話者は強調する。

ニックネームの由来

マーティンの「ザ・マーシャン」は、自分の名前と、ルーニー・テューンズに登場する宇宙人キャラクター「マービン・ザ・マーシャン」をかけたものだ。マーティンはジムでそのキャラクターのTシャツを着てトレーニングしていた。アニメキャラと本人の高密度な肉体とのギャップが受けて、ニックネームとして定着したという。腕に宇宙を思わせるタトゥーを入れるほど、本人も気に入っているようだと話者は言う。

ニックの「ミュータント」は、骨格の太さ、並外れた血管の走り方、前腕やふくらはぎの筋肉量といった、人間離れした突然変異のようなフィジークから来ている。話者は、ニックネームの由来からして2人は体のタイプが違うと指摘する。

タイプの違い:上半身のスケールか、隙のなさか

最も注目された直接対決はニューヨーク・プロ2024で、ここではニックが勝っている。並んだ写真を見ると、マーティンのほうが2〜3cmほど背が高いようだと話者は言う。

話者によれば、2人は長所も戦い方の方向性も違う。オープンボディビルには体重上限がなく、クラシックやメンズフィジークとは違って、持っているものを最大化した選手が評価される。歴代チャンピオンにも個性の強い選手が多く、そこがオープンの面白さだと話者は言う。

ニックは上半身のスケールが圧倒的で、180cm級の選手と比べても変わらないか、それ以上に大きく見えるという。前年のオリンピアでは、いつもの岩のような「グランドキャニオン」の体を見せられず順位を落とした。一方マーティンは、どのポーズでも隙がなく、丸みを保ったまま非常にドライで、皮膚が薄いガラス張りのような仕上がりを持ってくる。近年は今年のアーノルドのように仕上がりを外すこともある。それでも、完全に仕上がったマーティンは弱点、つまり減点要素がほとんどないため止められない、と話者は評価する。サイズでニックが勝っても、ボディビルダーとしての総合力でマーティンが上回る可能性もある、というのが話者の見立てだ。ただし今年のアーノルドでは、ニックが大差で上回っている。

オリンピア最高成績とアマチュア時代からの変化

ニックのオリンピア最高順位は2022年の3位である。ハディ・チューパンが優勝し、デレク・ランズフォードが2位だった年で、ニックにとって2度目のオリンピアだった。話者は、現在のほうが下半身の分離はよいとしつつ、当時のパンパンに張った状態を「すごかった」と振り返る。

アマチュア時代と比べると、ポーズの取り方が大きく違うので単純比較は難しいという。それでも下半身は分離が進み、外側広筋に丸みがついた点を話者は大きな改善として挙げる。さらに、複雑なラインが入っているのに左右対称性に優れている点も評価している。ふくらはぎはアマチュア時代からそのままの強みで、上腕もアマチュア時代からアマチュアに見えないサイズだったという。バック・ダブル・バイセップスは「別次元」で、現在のニックのバックポーズは上腕の割れ方まで違い、歴史的なものになっていると話者は述べる。

マーティンの最高順位は2024年のオリンピア4位で、翌年も5位に入った。今年は成績が振るわず、優勝争いの話題にはあまり入っていない。しかし話者は、今年悔しい思いをしたぶん、相当な改善を積んでいるはずだと推測する。アマチュア時代からの変化としては、プロデビュー後も弱点だった上腕二頭筋がここ2年ほどで大きく改善したこと、下半身の強みが保たれていること、背中の広がりが良くなったことを挙げる。全方位に2段階ほどサイズアップしながら、伸びやかな形と丸みという強みは変わっていない。話者は、仕上がりの良いモスト・マスキュラーを見て「この状態がいいマーティンだと思う」と述べている。

オリンピア直前の近況

最新の投稿で話者が特に注目するのは、ニックのジョイントハンドのモスト・マスキュラーだ。大胸筋下部のラインと厚みを見て、準備は整っているのではないかと言い、デレクが夢に見るような大胸筋のストリエーションだと表現する。ニックは8月の大会でベストを見せたので、そこから体が大きく変わることはないと話者は見ている。焦点は、前年のように外さず良い状態を持ってこられるか、下半身がどう見えるかだという。ニックはばっちり決めた写真をあまり投稿せず、自宅でアングルやライティングをそれほど気にせずに撮った写真を上げることが多いとも話者は紹介する。また、プラハで眼鏡をかけた姿がファンに好評で、ニックがオリンピアでも眼鏡姿を見せると答えたことを、話者は喜んでいる。

マーティンの投稿については、下半身のアウトラインのボリュームを取り上げ、単に幅が広いだけでなく内側からあふれるような密度があると話者は評価する。キャプションでは撮影時期をぼかしていて、最近の写真か過去の写真かは分からない。それでも、かつて弱点だった上腕二頭筋が相当ハードに見えるという。厚みは問題ないので、腕を上げたときに他の選手よりワイドに見せられるかが大事だと話者は言う。この時期にこうした写真を投稿したのは自信の表れではないか、とも推測している。

比較に使う「自己ベスト」

ニックのベストとして話者が選んだのは、2026年8月1日のタンパ・プロ(動画時点で約1か月半前)だ。ジェームズ・ホリングスヘッドやパラシオスを抑えて勝った大会で、体はロックハードだった。ウエストも常にタイトにコントロールされていて、個々の筋肉の質に目が行く良い状態だったという。ウエストについてはアーノルドよりも良かったと話者は評価する。ニックはもともと「アンチ・バキューム・クラブ」というバキューム反対派のTシャツを着ていたが、現在はバキュームに近い練習もしているらしい。引きの写真でも、ニック1人だけが「4K HD」に見え、ホリングスヘッドよりもごつごつしていて、パラシオスが「720p以下」に見えるほどハードだと話者は表現する。この質感がニックの武器だという。

マーティンのベストは、サムソン・ダウダを下したプラハ・プロ2025だ。ダウダはオリンピアで4位だったが、プラハではそのときよりも一段良い状態だった。そのダウダをさらに上回ったことから、話者はこれをベストと判断している。2番目のベストは2024年のオリンピアだと話者は考えている。この写真は1年近く前のものなので、マーティンはさらに良くなっているはずだと期待を添えている。

マーティンの特徴は、クラシックフィジックの選手のような強いセパレーションではなく、細かいストリエーションにあると話者は言う。前脚などに力を入れると細かい筋線維が浮き出るため、引きの写真では目立たず、下半身が弱く見えることもある。しかし審査員の目線や高画質の縦動画で見ればその質が伝わり、だからこそ順位が良いのだと話者は説明する。後ろ向きの臀部はラインが横に入って「アーモンド」状になり、ハムストリングにも多くのラインが入る。この武器で、クリス・バムステッドの最後の大会となったプラハ・プロ2024でもバムステッドに勝っている。その大会にはショーン・クラリダも出場しており、話者は3部門のトップ選手が争ってマーティンが勝ったと紹介する。翌年にはダウダにも勝っている。

フロント・ダブル・バイセップス:ニック

話者はこのポーズの対決を「冷蔵庫対砂時計」と表現する。シェイプだけならマーティンに票が集まるかもしれない。しかしボディビルは美を競うコンテストではないので、ポーズを取ったときの迫力、一本一本のラインの濃さ、分離度も大事であり、そう見るとニックが好まれるかもしれないという。

腰の高さや脚の長さにも違いがある。ポーズ名にもなっている上腕二頭筋はニックの圧勝で、ピークが前腕と「キスしている」ほど高い。マーティンもサイズはついてきているが、ピークの高さが違う。背中の広がりは互角に近く、マーティンのほうが広く見えるのはウエストが細いからで、ここは大きな差だという。ただ、背中のボリューム感と腹部の凹凸では、プラハで相当絞り込んでいたマーティンがフラットに見えるほど、ニックがごつごつしている。下半身まで皮膚を押し上げるような硬さがあり、目の前でこのポーズを見せられたらニックに入れざるを得ない、と話者は判定する。

フロント・ラット・スプレッド:マーティン

このポーズはマーティンだと話者は判断する。下半身はニックのほうがわずかにハードに見える。しかし、軸足を変えて左足を浮かせたマーティンの外側広筋は、より高い位置まで円のようなアーチを描いている。ニックは外側広筋の付着位置が腰付近よりやや低く、マーティンは高い位置まで付着しているため、より大きく丸く見える。話者はこれを「仕方ない」差としている。

腕を下げるポーズでは、胸の厚みと丸み、肩、優秀な上腕や前腕との対比でマーティンのウエストのメリハリが強調される。背中の出し方自体はニックのほうが上だが、Vラインを作れるかという点でマーティンが勝ち、数字の「8」のようなシェイプになっていると話者は言う。ニックは以前からこのポーズが苦手だという。

サイド・チェスト:胸以外でニック

このポーズは2人とも武器にしている。胸そのものはマーティンのほうが恵まれていて、胸の厚みは驚くほどだと話者は認める。一方、上腕はニックのほうが硬く大きく見え、前腕もしっかりしていて、肩のサイズもおそらくニックがわずかに上だという。これはフロントの幅にもつながる要素だ。サイドから見ても弾丸のような厚みがあり、脚の仕上がりと前後の厚み、臀部に入った細かいラインでも迫力がある。

マーティンも全体のパッケージとして完成度が高く、美しいと言えるほどで、実際に2人が並ぶといつも良い勝負になるという。それでも胸以外はニックで、質感の高さと脚の完成度から、背が低いはずのニックのほうが大きく見えると話者は判定した。

バック・ダブル・バイセップス:ニックの圧勝

話者は、このポーズでニックが良すぎるのは仕方ないと言う。今年のオリンピアでデレクと「バック・ダブル・バイセップス世界一」を争う予定の選手だからだ。

マーティンもかなり良い。腰付近からの厚みと僧帽筋上部あたりが前に飛び出していて、厚みだけならニックより上かもしれないと話者は見ている(ポーズの出し方の影響もあるかもしれないと留保している)。臀部の形と仕上がりもマーティンが上だという。しかし、マーティンの武器で、他の選手には大差をつけられるハムストリングスでさえ、ニックの隣では見劣りする。話者は「これどこの星ですか」と冗談を交え、このバックの下半身に勝てる選手は地球上にいないだろうと述べる。対抗できるとすれば、クラシックから上がってきた選手が今後オープンでどこまで見せるか次第だという。

背中単体でも広背筋のサイズはニックの圧勝だ。前年のオリンピアでも今年のタンパでも背中が大きく、話者は「細かい部位はどうでもいい」ほどだと言う。骨格や広背筋の付着位置も影響しているのだろうと推測している。僧帽筋では良い勝負だが、上背部の幅、肩と腕の分離とサイズでも大きな差がある。ニックはバックポーズではウエストが細く見えるので弱点にもならない。ここで3対1になった。

バック・ラット・スプレッド:ニック

マーティンは僧帽筋上部の厚みと上方向への張り出しが優秀で、ふくらはぎの厚みや上腕三頭筋のストリエーションからもコンディションの良さが分かる。しかし、ニックの下半身は圧倒的だ。腰に手を置いたところからの背中の広がる角度と、単純な背中の広さにも大きな差があると話者は言う。右側の写真は2025年のマーティンで、現在どう変わっているかは楽しみだと留保しつつ、ここもニックとし、4対1になった。

サイド・トライセップス:マーティン

話者はこのポーズのマーティンを「めちゃくちゃいい」と評価する。サイド・チェストと違ってウエストのラインがすべて出るため、ウエストの前後の薄さが強調される。ビルパンの上に見える外腹斜筋のラインも良い。前後が薄いのに胸が球体に見えるほど張り出していて、奥側の胸まで目立つ。肩も上腕三頭筋も優秀で、ハムストリングも下に落ちて丸く見えるという。

ニックも良く、肩や上腕はおそらくニックのほうがわずかに大きい。ウエストを引き締めていて、そこも良く見える。それでも、ウエストと胸の対比が生む立体感ではマーティンが上回るとして、話者はマーティンに入れた。胸単体の優秀さはマーティンが恵まれている点だという。ただし話者自身、これはかなり近い勝負だと認め、視聴者の意見も求めている。4対2。

アブドミナル・アンド・サイ:マーティン

マーティンの良い画像が集まらなかったため、2025年のオリンピアの写真を使っている。話者は見た瞬間にマーティンに入れたいほどの差があると言い、「目に優しい」とまで表現する。ニックもウエストを引き締めて頑張っている。しかし、腹筋が揃っているかどうかよりも、脚や背中と比べて砂時計形のシェイプを作れているか、そして出し方の点で、マーティンは美的な印象すら与えるという。マーティンは腹筋がきれいに揃うタイプではないが、周辺の前鋸筋あたりも良いと話者は評価している。

モスト・マスキュラー:3パターンを比較

話者が最も好きなポーズとして、3つのパターンを比べている。

1つ目のゴジラタイプ(クラブ)は、ニックの該当写真がタンパになかったため、ニューヨーク・プロの写真を使う。ニックはこの出し方をするのが珍しく、最後の最後にやる程度で、最近はあまりやってくれないという。左腕のハードさと、血管が全体に行き渡ったバスキュラリティ、耳を超えそうなほど分厚い僧帽筋を話者は挙げる。マーティンにとってもあまり前傾しない珍しい出し方で、腕と肩のセパレーション、僧帽筋、胸の厚みが良く出ている。それでも話者は、気迫がすごいとしてニックを選んだ。

2つ目のジョイントハンドタイプでは、マーティンの写真がダウダと並んだときのもので画質が粗いと断っている。身長をほぼ合わせているのに、ニックの肩はマーティンよりずっとワイドに見え、腹筋や脚まで含めてすべてが前に飛び出してくる。ニックの得意ポーズだという。マーティンについては、もう一回りサイズアップすれば「フィル・ヒース2.0」になりそうなほど丸みに長けていると評し、どちらも良い方向に尖っていると話者は述べる。

3つ目は片腕を腰に添えるパターンだ。大胸筋の優秀さと、脚の内側広筋あたりに入ったラインでマーティンも良い。しかし、このポーズは上半身の大きさを強調するため、180cm級の選手と比べても上半身が大きく見えるニックが有利になる。上半身が大きすぎて脚とマッチしていないのがニックの課題だが、今回はそれがかなり改善して良く見えるのではないかと話者は見ている。

判定はニック、それでもマーティンは侮れない

話者の集計は「5対3ぐらい」で、この比較ではニックの勝ちとした。ニックの課題はフロントポーズでの脚の幅とお腹まわりのシェイプだけで、それ以外は本当に良い選手だと改めて分かったという。

ただし、マーティンの写真は1年近く前のものなので、結果はまだ分からないと話者は留保する。マーティンの脚にもう少しカットが入り、フロント・ダブル・バイセップスなどで奥行きが出れば、もっと勝ち続けられる。形の良さは審査員にも好まれ、サイドポーズも優秀なので、全方位にもう一回りサイズアップして最高のコンディションを持ってきたら、オリンピアを荒らすかもしれないという。今回の比較でマーティンの長所が分かりやすく出た、というのが話者の見方だ。

最後に話者は、今年3月の振る舞いから見て、マーティンはニックに負けたくないのだろうと推測し、それが原動力の一つになっているのではないかと述べる。アマチュア時代には仲良さそうに並んでポージングしていた映像を今回初めて見つけたとして、何度か負けたことが不服だったのか、あれから何があったのだろうと首をかしげる。前年のオリンピアではマーティンが勝った。今年どうなるかは視聴者の予想に委ねて、動画は終わる。