次期SINETの設計方針:800G化、ルーター冗長化、光パス切替、クラウド型ファイアウォール
国立情報学研究所 - National Institute of Informatics国立情報学研究所(NII)学術ネットワーク研究開発センター長の栗本崇氏が、学術情報基盤オープンフォーラム2026で次期SINETの検討状況を紹介した。講演の前半では、現行のSINET6の利用状況とこれまでに提供を始めたサービスを振り返った。後半では、利用者の要望、技術動向、海外の学術ネットワークの整備状況を踏まえ、次期SINETで何を変えようとしているかを5つの方向性に分けて説明した。回線速度、信頼性、VPNサービス、モバイル、セキュリティ、国際回線である。
SINETの役割と商用インターネットとの違い
栗本氏によると、SINETは大学の大型実験設備、スーパーコンピューター、mdx、研究データ基盤などを、全国の大学、研究機関、民間企業の研究所と結ぶネットワークである。提供サービスはIPv4/v6デュアルのインターネット接続、L3VPN、L2VPN、それらをオンデマンドで制御する機能などで、教職員と学生を合わせて300万人以上が利用しているという。
商用ネットワークとの違いとして栗本氏は接続形態を挙げた。大学はSINET6に直接アクセス回線を引き込んで接続する。実験設備もSINETにつながっているため、大学から直接アクセスできる。さらにSINETは米国や欧州の学術ネットワークとも相互に接続しており、海外の大型実験設備にも学術ネットワークだけを経由して到達できる。学術ネットワーク全体で経路と帯域が把握・管理されているので、ボトルネックなく通信できると説明した。一方、家庭から使うインターネットはFTTHなどの回線で束ねられた後、複数の商用ネットワークを経由する。そのため通信が不安定になったり、どの経路を通っているかが分からなかったりする。栗本氏は、この安定性がSINETを使うメリットだとした。
高エネルギー物理、核融合、医療などの利用例
利用例として最初に挙げられたのは高エネルギー物理である。スイスのCERNにある加速器LHC(大型ハドロン衝突型加速器)の実験は大量のデータを生み出す。東京大学ICEPPは100Gbpsの回線を用意し、国際回線を含むSINETを使って欧州から日本へデータを転送している。反対向きの例がBelle II実験である。つくばの実験設備で得られたデータを、SINETとその国際回線を通じて各国に配布している。現在は1日あたり最大200TBを送り、国際共同実験を支えているという。
核融合研究では、六ヶ所村の拠点、茨城県の実験設備、スーパーコンピューターを接続している。実験データをスパコンに送って解析し、その結果を次の実験に生かすという流れにSINETが使われる。データの国際共有にも使われている。スパコンについても、全国の大学に分散した計算機を研究者がSINET経由で利用できていると栗本氏は述べた。
医療分野の例は2つ紹介された。1つは医療ビッグデータ研究である。診療画像を集めてAIで解析し、異常箇所を見つける研究で、画像の収集にはL2VPNのような閉じたネットワークサービスを使い、安全性を確保している。もう1つは医療情報のバックアップで、大規模災害に備えて東西2カ所にデータセンターを置き、各国立大学病院が両方にバックアップを取っている。
研究的な利用例としては8K映像配信の実験があった。1本あたり約40Gbpsを使う映像を沖縄や札幌で撮影し、SINETで大阪や東京に送って再生する。途中の経路で色変換や字幕挿入を行う技術の評価にSINETが使われているという。
加入状況と回線容量
加入状況について、栗本氏は2026年時点で国立大学と公立大学はほぼ100%が加入していると報告した。私立大学は72%、449校まで増えている。大学とSINETを結ぶアクセス回線の内訳は、400Gbpsが17回線、100Gbpsが116回線、40Gbpsが21回線、10Gbpsが1,025回線である。かつては1Gbpsが主流だったが、SINET6では10Gbpsが最大のボリュームゾーンになった。アクセス回線の速度と回線数を掛けた総容量は、SINET4、5、6と世代を重ねるごとに指数関数的に増えているという。
国際回線は2024年4月に増強された。北半球には2つの経路がある。東京からロサンゼルスとニューヨークを経て欧州へ向かう経路と、東京から欧州へ直接向かう経路で、どちらも400Gbpsである。アジア方面には、シンガポールとグアムへそれぞれ100Gbpsの回線を持っている。
SINET6で始めたサービス
SINETのサービスは、レイヤー3のインターネット接続、レイヤー2のVPNに加えて、モバイル、アクセス回線の冗長化、DDoS対策、転送性能の計測、高速大容量ファイル転送ツールなど多岐にわたる。SINET6で新しく始めた主なサービスとして、栗本氏は次の4つを紹介した。
- 自動DDoSミティゲーション:インターネット接続拠点に届いたパケット情報を分析機に送り、DDoSと判断した場合はルーターで攻撃通信を自動的に止める。
- ミラーオンデマンド:国立大学向けの攻撃検知サービスNII-SOCSが内部で使う機能。NII-SOCSが不審な通信に気づくと、オンデマンドサーバーに指示が出る。するとSINETは該当大学の通信を分析機に転送し、詳しく分析できるようにする。
- ルーター接続冗長化:大学のアクセス回線は通常ルーター1台に収容されるため、そのルーターの保守中はサービスが止まっていた。回線冗長化装置を置いて別のルーターにも転送できるようにし、保守中もどちらかのルーターが動いている状態にした。
- 利用者ポータル:SINETサービスの利用状況をポータル経由で確認できるよう、整備を進めている。
VPN関連サービスとオンデマンド機能
栗本氏によると、最もよく使われているのはVPNサービスで、使い勝手を良くするための機能追加を続けている。仮想大学LANサービスは、100個や200個といった多数のVLANを一度に設定できるサービスである。多くのキャンパスを持つ機関が、キャンパス同士を同じサイトにあるかのように結ぶために使っている。
オンデマンドサービスでは、研究者がVPNをどこからどこへ張るかを自分で設定し、必要なときだけ使える。主に実証実験(PoC)で使われており、栗本氏はネットワークを使った技術検証をしたい研究者に検討を呼びかけた。例として挙げたのは、北海道大学と九州大学を結んだ手術ロボットの実験である。オンデマンドサービスには3つの機能がある。1つ目はレート制御で、帯域を太くしたり細くしたりしてアプリケーションの動きがどう変わるかを試せる。2つ目は経路指定で、太平洋側と日本海側の異なるルートにVPNを張れば、400Gbpsを2本使ってエンドツーエンドで800Gbpsの通信実験もできるという。3つ目は品質保証で、ベストエフォートの通常通信より優先度を高く設定し、パケットロスや遅延を抑えられる。
直結クラウドサービスは35社のクラウドを589機関が利用している。大学からクラウドまで直結のVPNを張り、学内のサーバーのように使えるサービスである。例として、福井大学が患者情報をクラウド上で処理するのに使っていることが紹介された。モバイルサービスは実証実験の段階で、流氷のデータ収集や、手術用機材を積んだ車両で移動しながら手術を行う取り組みなどに使われている。
初等中等教育での利用も広がっており、現在133万人、全体の10%以上の児童生徒がSINETを使っている。接続形態は2つある。大学の共同機関として加入する形と、文部科学省がつくった枠組みで県などの地域単位で加入する形である。沖縄県、京都、秋田県が地域単位で加入しており、それ以外は大学の共同機関として加入している。
サービス別の利用状況を見ると、新しく始めたDDoSミティゲーション、DC接続冗長化、ルーター接続冗長化は徐々に増えている段階である。VPN系は5,000〜6,000件規模で使われ、クラウド接続は500以上に達している。栗本氏はクラウド接続を、すでにかなり浸透したサービスと位置付けた。
次期SINETの政策的背景と5つの方向性
後半の次期SINETについて、栗本氏はまず政策的な背景を説明した。科学技術・イノベーション基本計画に示された「AI for Science」と「研究設備の共用化」という2本の柱を意識して検討を進めているという。AI for Scienceでは、SINETを研究を支える基盤として活用する方針が示されている。AIで実験を自動化するオートメーションラボでもデータのやり取りが発生するため、SINETの活用を想定している。先端設備を周辺の大学と共用する取り組みでも、データの送受信を支援したいとした。J-PEAKSなどで地域の中核大学を中心に地域を活性化する取り組みでも、地域内の連携にSINETを使ってもらうことを想定している。
これまで集めてきた利用者の要望には、回線帯域の拡大からモバイルの提供まで幅広い内容があった。技術動向としては、新しい伝送技術が使えるようになってきたことを挙げた。海外の動向としては、他国の学術ネットワークの整備状況を参照している。これらを踏まえた今後の方向性は5つで、通信速度、VPNサービスの拡充、モバイル、インフラ面から見たセキュリティ、国際回線である。
通信速度:800Gへの2段階増速
SINETに流入するトラフィックを2014年を1として見ると、コロナ禍の時期を除いた直近10年の年平均伸び率は1.37倍だった。日本のインターネット全体は1.2倍程度なので、栗本氏は学術通信の伸びの方が大きいと指摘した。
次期SINETでは800G技術を導入し、400Gから800Gへ引き上げる。開始時点では、次期SINETの最終年にあたる2034年3月末までに400Gを超えると予測される区間を、最初から800Gで整備する。これにより期間中の容量は確保できると栗本氏は見込む。ただし現在の高い伸び率が続けば、区間によっては800Gでも足りず、1.2Tや2Tが必要になるという予測もある。そこで、800Gでは不足しそうだと分かった段階で1.6Tへ増速する2段階の構成をとる。需要見込みから、増速の時期は中間期にあたる2031年ごろと考えている。
海外の状況も紹介された。大西洋区間には2.7Tや800Gの回線が整備され、太平洋区間でもSINETが400G 1本であるのに対し、韓国やシンガポールは100Gや400Gを複数本張っている。各国の学術ネットワーク自体も400Gから800Gへの移行を進めている。SINETは整備が遅れた時期もあったが、2016年ごろに100Gで追いつき、SINET6では400Gをいち早く整備した。しかしその後、欧州や米国が800Gへ移行したことで、現在は再び遅れつつあると栗本氏は述べた。なお、機器側はすでに800Gに対応済みだという。
信頼性:ルーター冗長化と光パス切替
ネットワークアーキテクチャーについて、栗本氏はSINET6とほぼ同じ構成を引き継ぐ方針を示した。光レイヤー、パケット転送レイヤー、IPレイヤーの3層構成をとり、IPレイヤーはフルメッシュ接続にして、どのルーター間もワンホップで届くようにする。SINET6との違いは、信頼性を高めるために取り入れる2つの技術、すなわちルーターの冗長化と光パスの切り替えにある。
光パス切替の仕組みはこうである。通常、WDM装置間に張った光パスはファイバーが切れると切れたままになる。次期SINETでは、別ルートを通るファイバーがある場合、故障時にそちらへ波長パスを切り替えて通信を続ける。実証を進めており、切り替えを含めて10分程度で別のファイバー経路へ移せることを確認したという。
ルーターは現在1データセンターに1台だが、これを2台に増やし、片方に障害が起きてももう片方で通信を続けられるようにする。大学から2台の装置それぞれに回線を接続すれば、両方を同時に使うこともできる。現在のDC接続冗長化サービスはアクティブ・スタンバイ方式で、片方が使えなくなったときにスタンバイ側へ切り替わる。次期SINETではこれに加えてアクティブ・アクティブ方式も提供したいとした。アクセス回線の速度は1Gから400GEまでを提供する予定である。
参考として、ルーターの論理構成も説明された。現在のSINETでは、インターネット接続とVPNを別々の論理面で提供し、安定性と信頼性を確保している。SINET7でもこれを引き継ぐ。実現方法としては、従来どおりロジカルシステム機能を使う方式と、セグメントルーティングやFlex-Algoで論理面を分ける方式の2つを検討している。
VPNの拡充、エンドツーエンド光パス、次期モバイル
VPNサービスは、SINET6のサービスを基本的にそのまま継続する。そのうえで、信頼性の向上とアクセスの多様化という要望に応えるため、新しいサービスを加える。信頼性の面では、前述のアクティブ・アクティブ接続をVPNでも可能にする。現在は2台のルーターに2本の回線をつないでいてもアクティブ・スタンバイでしか使えないが、両方の回線を同時に使えるようにすれば、信頼性を確保しながら通信量も増やせる。アクセスの多様化の面では、現在トライアル中のVPNゲートウェイサービスを本サービスにしたい考えだ。VLANを使えない拠点や、インターネット経由でVPNにつなぎたい拠点が、ゲートウェイを通じてL2VPNに接続できるようにする。
エンドツーエンドの光パスについて、栗本氏は「まだ検討中で、提供できるとご報告できる段階ではない」と断った。大学の計算機資源同士を光パスで直結すれば、パケットロスも遅延の揺らぎもない高品質な通信環境が実現できると考えている。AI時代にはGPU同士をつないで分散処理するといった使い方ができるのではないかとして、提供に向けて検討を続けるという。
モバイルでは、現在の5Gセルラーに加え、衛星などのNTN(非地上系ネットワーク)や、航空機のような機体を飛ばすHAPSの活用を考えている。フィールド研究を加速させるのが狙いである。さらにNTNやセルラーの端末にLPWAをつなぎ、森林研究などに使える形で全体を1つのパッケージとして提供できないかも検討しているという。
セキュリティ:NII-SOCSとの一体化とクラウド型ファイアウォール
NIIには現在、SINETが提供するセキュリティサービスと、NII-SOCSが国立大学向けに提供する攻撃検知サービスがある。部署が異なるため、今は連携しながら別々に運用している。これをより密接に連携させて一体的なサービスにすることと、国立大学向けのNII-SOCSを私立大学や公立大学にも広げることを目指している。
ネットワーク側の新サービスとして、栗本氏はクラウド型ファイアウォールを挙げた。現在は、許可していない通信を止めるファイアウォールを各大学が自分の拠点に置いて運用している。次期SINETでは、SINETに直結した拠点にクラウド型ファイアウォールの機器を置き、大学宛ての通信をいったんそこへ引き込む。問題のない通信だけを加入機関に転送する仕組みである。次期SINETでの提供を目指しており、それに先立って2026年12月ごろにスモールスタートする予定だ。形態は1Gbpsのベストエフォートで、IPv4/v6のポリシー設定などの基本機能から、ファイアウォールとして必要な機能はひととおり提供できる見込みだという。なお栗本氏は、誤解を招く言い方だったかもしれないと断ったうえで補足した。このサービスはNIIが直接提供するのではない。事業者がサービスを構築して大学と直接契約し、SINETはネットワーク面で両者を仲介するという。
構想段階の案として、IdPのバックアップも紹介された。最近はIDが盗まれる問題が起きており、IdPが被害を受けると大学が提供するあらゆるシステムにログインできなくなる。こうした事態に備えてID情報をバックアップするサービスを提供できないか考えているという。DDoS分析は引き続き提供する。
国際回線:800G化と北極海ルートの検討
国際回線は現在400Gbpsで欧州と米国を結んでいるが、通信量の増加を見ると、次期SINETの期間中に400Gでは足りなくなると栗本氏は見ている。2028年の開始時点では400Gで始め、その2〜3年後、おそらく2031年ごろに800Gへ増速する計画だ。増速の際には、現在北米経由になっている欧州向けのルートについて、北極海を通るファイバーを使えないか検討している。北極海のファイバーを使えば遅延が短くなり、安定性も高まるのではないかとの狙いである。
次期SINETのポイント
栗本氏は最後に次期SINETのポイントを整理した。
- 需要に合わせて800Gを導入する。
- ルーターの冗長化と光レイヤーでのファイバー切替により、SINET6を超える高信頼化を図る。
- 信頼性を高めた新しいVPNサービスや、衛星通信を含む次期モバイルで、広域の研究を支援する。
- NII-SOCSと連携し、クラウド型ファイアウォールなどを使える環境を整えてサイバー攻撃への対策を強化する。
- 国際回線は期間中に400Gから800Gへ引き上げる。
エンドツーエンド光パス、NTNやHAPSを使ったモバイル、IdPのバックアップ、北極海ルートは、いずれも講演の時点では検討中または構想段階として語られた。
ただいまご紹介預かりました、国立情報学研究所の栗本です。次期SINETについてご紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まずSINETについて前半戦簡単にご紹介させていただいて、後半の方は次期SINETについてのお話をさせていただきたいと思います。
元々SINETは、ここに示しますように、真ん中にSINETがあって、その上の方には大学の大型の実験設備、あとはスパコン、mdx、研究データといった学術の研究のために使われる実験施設とか計算機があり、その大型実験施設設備と、大学さん、研究機関、民間企業さん、小中といった間をつなげるネットワークとしてサービスを提供しています。インターネットにつなげるIPv4、IPv6デュアルサービスですとか、真ん中にあるのはL3VPN、L2VPNのサービスで、あとはオンデマンドでそれらのネットワークを制御するというようなサービスを提供しておりまして、全国300万人以上の教職員の皆様、学生の皆様に利用いただいてるということでございます。
商用ネットワークとの違いなんですが、こちらに示します通り、真ん中に今SINET6があるんですけど、そのSINETに対して大学さんから直接アクセス回線を引いていただいて接続いただくという形で利用いただいてます。このSINET6には、こちらにあります通り、先ほど紹介しました実験設備というものが繋がっており、このSINETを介して直接接続アクセスできることから、非常に快適な計算、実験環境を利用することができると。さらにSINETは海外の同じような学術網とも繋がっておりまして、例えばアメリカの学術網、ヨーロッパの学術網と繋がっております。この学術網を介して海外にある大型実験設備にアクセスすることもできます。こちらのように、この学術網全体で経路も帯域も把握管理されておりますので、このアクセスに関しては非常にボトルネックなくこの実験設備等にアクセスできると。
一方、一般の家庭から利用できるインターネットと申しますのは、家から回線をFTTHといったようなところで束ねられて、さらに商用インターネットを何個も通しながら繋いでいくという形態を取っておりますので、通信が不安定だったり、どういう経路を通ってるのか分からないというところがあります。なのでこの商用ネットに比べて安定してるというところが、SINETを利用いただくメリットかなという風に思います。
このSINETではどのような形で利用されてるかという利用例なんですが、ここにお示ししますのは高エネルギー研究ということで、LHC、Large Hadron Colliderという実験の1つとなってございます。スイスのCERNというところに加速器がありまして、そこで素粒子同士を衝突させて、いろんな物理現象を捉えるというような実験でございますが、例えばこういった実験のデータは非常にたくさんデータ量が出ておりまして、このデータをヨーロッパから日本に持ってくるというようなところで、SINETのネットワークを国際回線含めて利用いただいてるというところでございます。こちら東大ICEPPさんというところでは、今100Gbpsの回線を用意いただいていて、この回線、SINETを使って、データを転送いただいてるという状況になってございます。
同じように高エネルギー研究、Belle研究というところでは、つくばのサイトに実験設備がありまして、その実験設備から出てきたデータを、今度は日本から海外、国際的に様々な国に情報を提供するというような形で使っていただいております。現在は最大200TB、1日に出るようなデータを、このSINETを通じて、さらにSINETの国際回線を通じて海外に転送いただいて、国際的に共同実験をしていただいてるというような状況になります。
また、核融合という技術も非常に着目されている分野かという風に思います。こちら六ヶ所村にあるサイトと、あとは茨城県にある実験設備、さらには中にあるスーパーコンピューターといったようなところを繋いで、実験したデータをスーパーコンに運んで解析して、また実験するといったような流れですとか、あとこのデータを今度もやっぱり国際的に共有していくというようなところでも使っていただいてるというところでございます。
スパコンでもこちらご利用いただいておりまして、日本全国に散らばっている大学様のスーパーコンピューターをこのSINETで利用いただいてるということで、大学の研究者さんはこのスパコンをSINETで自由に使うということができてるという風に思います。
また医療の分野でもご利用が進んでございます。こちらに示しますのは、医療ビッグデータ研究というところの利用例になります。昨今、診療の画像データを集めまして、それをAIで解析したりして、そこから悪いところを見つけるみたいな実験研究に際しましても、このSINETのネットワークを使ってデータを集めるということをしていただいています。そのデータを集める際には、ここにありますL2VPNといったようなクローズドなネットワークサービスを使っていただくことで、セキュアに診療画像データを集めていただいてるという次第でございます。
また、医療情報のバックアップでもご利用いただいています。昨今やっぱり甚大な被害を及ぼすような災害時でも、この医療情報っていうのが失われないように、2箇所、東と西にデータセンターを設けて、各国立大学の病院の方からはその2つのデータセンターにバックアップデータを取っていくというような形で使っていただいてるという次第でございます。
また、こちらは研究的な例になりますけれども、映像配信といったような研究技術の中で使っていただいてる例になります。こちら8K映像ですね。通信量で言うと、こちらのように40Gbpsという大きな通信帯域を消費するような通信サービスを日本全国から集めて映像配信するという、そういう実験で利用いただいております。沖縄で撮った映像、札幌で撮った映像をSINETを使って大阪ですとか東京で再生すると。その再生するまでの途中の経路で適切に色変換したり、またはキャプションを入れたりというような、ちょっと技術的な実験評価をする上でも、このSINETを使っていただいてるという次第でございます。
以上がSINETの利用例になりますが、実際にどのような状況になっているのかというのをご紹介したいと思います。こちら国内ネットワークの加入機関数でございます。いつも毎度毎度こういう場でご紹介させていただいてるんですが、現在2026年の段階では今103機関ということで、国立大学、公立大学はほぼ100%、あと私立大学さんは72%で449というところまで繋げていただいてるという今状況になります。
アクセス回線数なんですが、こちら大学からSINETの間に専用線なりで接続いただいてるんですけれども、その回線の速度400Gbpsで繋いでいただいてる回線数が17というところでございます。100Gbpsは116、40Gbpsは21、10Gbpsは1025という状況でございます。SINETは1Gbpsがメインだったんですが、SINET6になってからもう10Gbpsがメインになっておりまして、今10Gbpsが1番大きなボリュームゾーンということで、右の方の下ですね、こちらにグラフがあるんですが、こちらの方はアクセス回線の速度かけるアクセス回線数というものをグラフにプロットしたもので、SINET4、5、6という段階を経るにあたって、アクセス回線の総容量っていうのが指数関数的に増えてきているという今状況になってございます。
また、国際回線の情報になりますが、2024年の4月に国際回線の容量を増強しておりまして、現在、東京からロサンゼルス、ニューヨーク、欧州というこの下の方の線と、東京から直接欧州に行く2つの経路をこの北半球で持っておりまして、それぞれ400Gbpsの回線速度で繋いでございます。なので、アメリカの研究機関、ヨーロッパの研究機関と実験設備等に通信する際には、この高速大容量の国際回線を使ってデータを送ったり受け取ったりということをすることが可能になってございます。あとは、東京からアジアの方にはシンガポール、グアムというところにも100Gを伸ばしておりまして、それぞれアジア地域の研究機関との間でのデータ通信にご利用いただいているという状況でございます。
SINETで提供するサービスはこちらに示しますように、レイヤー3、インターネットサービスはもちろんのこと、レイヤー2サービスとしてVPNサービスっていうのを提供してます。また右の方には、SINETモバイルを提供するようなサービスから、あとはアクセス回線の信頼性を上げるためのサービス、また運用を安定化するためにセキュリティを向上するという意味でDDoSミティゲーションサービスといったもの。あと、転送性能を向上する目的の元、パフォーマンス計測とか、あとは高速大容量のファイルを転送するためのツールといったようなものもサービスとして提供してございます。
SINET6で提供開始した主なサービスとしてここに挙げさせていただいたのは4つございまして、自動DDoSミティゲーションサービスということで、こちらの方はインターネットの接続拠点に届いた情報を、こちらの真ん中のDDoS分析装置っていうところに送って、こちらの方でその届いたパケットの情報を見ながら、これはDDoSだという風に判断したら、自動的にルーターに対してその悪意のある攻撃の通信を止めるといったような、そういうサービスも提供しています。
ミラーオンデマンドは、これはNII-SOCSという、国立大学向けに攻撃を検知するサービスをNII-SOCSが提供していますが、そちらの方で使っていただいている内部向けのサービスになってます。これはNII-SOCSの方で監視してる途中で、これ怪しいなと、怪しい通信が来たなという風に思ったら、SINETの方に、ある特定の通信をこの検出分析機に送ってくれよという風に、このオンデマンドサーバーに指令が行きますと。そうするとオンデマンドサーバーは、このある大学のその怪しい通信をこのハブの方に転送して、より詳細な分析をすると。それによってこの問題のある通信を細かく分析できると、そういうサービスをしています。
あとこのルーター接続冗長化サービスは、大学様からのアクセス回線、通常はルーター1台置いていたので、このルーターがメンテナンスの時にサービス受けられなくなるんですが、それに対して、この回線冗長化装置というものを設けて、別のルーターにその回線冗長化装置から転送することで、ルーターがメンテナンスする時でも、ルーター1、ルーター2、どちらかのルーターが生きているという、そういうようなサービスが可能になってます。あと利用者ポータルというものも少しずつ整備を進めておりまして、SINETのサービスの利用状況といったようなものがこのポータルサイト経由で見れるような形にしてございます。
またこのスライドは、仮想大学LANサービスというものの紹介になります。1番SINETで利用いただいてるサービスはVPNサービスでございまして、そのVPNサービスをより使いやすくというような形で機能追加というものを進めています。この仮想大学LANサービスは、通常VLANは1個1個張っていただくような形のサービスなんですが、これは100個のVLANをいっぺんに設定したり、200個をいっぺんに設定したりと、そういうたくさんのVLAN、VPNを同時に張るという、そういうサービスになってございまして、たくさんのキャンパスを持っている機関様に利用いただいております。マルチキャンパスをこのサービスを使って接続することで、あたかも同一サイトにあるような形でキャンパス間を繋ぐということができているということで、ご利用いただいてございます。
また、オンデマンドサービスというのも提供しておりまして、このVPNをどことどこに張るかというのを研究者さん自ら設定して、必要な時に必要な分でVPNを張るというサービスになってございます。こういう機能は、主にPoC、実証実験といったようなところでご活用いただいていますので、このネットワークを使って技術検証するような、そういう研究者様がいらっしゃいましたら、是非ご検討いただければと思います。例えば、手術ロボットで北大と九大の間を、このオンデマンドサービスを使って繋いでいただいたりします。その際に、このオンデマンドサービスでレート制御というのもできるようになっていますので、この通信の太いとか細いとか、そういうのを調節することで、アプリケーションの動きがどう変わるかみたいなことも、このオンデマンドサービスを使って試していただくということもできます。
また経路指定というのもできるようになってまして、この太平洋周りと、例えば日本海周りみたいな2本の違うルートを指定してVPNを張っていただくと、今ですと400Gbpsが、例えば太平洋周りで400Gbps、日本海周りも400Gbpsと、全部で800Gbpsまで通信がエンドツーエンドでできるという、そういう実験も可能ではありますので、そういった形で、このオンデマンドで経路を指定しながらVPNをご利用いただくというようなことも可能になってございます。あと、品質保証っていう機能もありまして、ベストエフォート、通常のサービスに比べて優先というものをつけることができます。その優先をつけてVPNを作っていただくと、パケットロスというものが極力削減できたり、遅延というものが少なくなったりというような形で、非常に品質が高い通信を、このVPNの中でできるというような、そういうことを提供しています。
あと、直結クラウドサービスも提供しています。こちらの方は、今35社、589機関のユーザー様に使っていただいておりまして、大学からクラウドまで直結のVPNを張っていただいて、あたかも大学のサイトの中にあるようなサーバー、サービスとして使っていただくというものになります。また、直結クラウドサービスとしては大学内のいろんな利用例がありますが、この例で福井大学さんの例では、患者さんの情報をクラウド上で処理するといったようなところで、この直結クラウドサービスを使っていただいてるという状況になります。
あとモバイルも今実証実験として提供しておりまして、こちらの方は簡単な利用例になるんですけれども、流氷のデータをこのモバイルの機能を使って収集するとか、あとは移動車に手術用の機材を積み込んで移動して、その手術を行うといったような、そういうところでこのモバイルサービスというのも使っていただいています。
あと、小中の利用状況についても今進んでおりまして、現在、133万人、10%以上の児童生徒さんがSINETを利用いただいております。接続する仕組みとしては大きく2つありまして、1つは大学との共同機関ということで入っていただくという形態で、もう1つは、文科省さんが作っていただいた枠組で、地域、県単位で集まって入っていただくという仕組みで今接続いただいています。この沖縄県、京都、秋田県は、地域ごとに集まって入っていただいた自治体さんになってます。それ以外は大学との共同機関ということで入っていただいてます。
利用状況は、今こちらに示しますように、新しくサービスを開始したDDoSミティゲーション、DC冗長化、DC接続冗長化というものは、徐々に今増えているという状況になっています。VPN系のサービスは、5000、6000といったような形で非常に多く利用いただいています。またクラウド接続につきましても今500以上ということで、こちらの方はもうかなり浸透したサービスとして認知いただいたのかなという風に思っております。以上が今のSINETのご紹介になりまして、次から次期SINETに向けた検討状況です。
今、次期SINETに向けては、この科学技術・イノベーション基本計画にも述べられてますように、大きくAI for Scienceというものと、あとは研究設備の共用化という大きな2本柱を意識しながら、SINETというものを検討してまいっております。
AI for Scienceの推進に向けては、このSINETというものも非常に活用して、この研究に資するような基盤として作っていくというような施策を示されているところでございます。またこのAI for Scienceの中では、オートメーションラボといったような取り組みも進んでございまして、このAIを使いながら実験を自動化すると。そういう中でもデータのやり取りが発生しますので、そこにもSINETを活用いただくというようなことを考えてます。また、先端的な設備を周辺の大学と共用するという営みの中でも、このネットワークを使ってデータを送ったり受けたりということで、協力し支援させていただくことを考えています。また、J-PEAKS等でもこの地域中核大学というものを設けて、そこを中心に地域ごとに活力を上げていくという営みがあろうかと思います。そういう中でも、このSINETを活用いただいて、地域で連携するために情報をやり取りしていただくということかと思っています。
この次期SINETは、この場でも何回もご紹介させていただいていますが、ユーザーさんの要望というものを色々聞いてまいりました。その中で頂いた要望っていうのを左側ここに示しています。回線帯域が必要ではというところから、モバイルも欲しいといったような、そういう要望をいただいてます。また、技術動向としましては、伝送技術というものが最近利用可能になってきたということ。あとは海外動向としましては、実際の海外、他の国の学術網の整備状況といったようなものがあろうかと思います。これらの背景を踏まえまして、今後の方向性としては1から5番までというところで考えてございます。こちら、後ほどのスライドで1つ1つご紹介させていただきたいと思います。
では、まず1番目の通信速度なんですが、こちらSINETの伸びということで、この10年間のSINETに入ってくる通信の総量の伸びを、2014年を1とした時にプロットした図になってございます。ここ10年間で、コロナを除くと、年平均で1.37倍という増加になってございます。日本のインターネットでは1.2倍程度というところなので、この学術の通信量の伸びは、日本のインターネットよりも大きく伸びているという風に言えるかと思います。
次期SINETとしましては、800Gbpsの技術で、まずは400Gbpsから800Gbpsにジャンプアップしたいという風に考えてございます。その最初のスタート時点の構成ですが、次期SINETの最終年、2034年3月末でもう400Gbpsを超えるよという風に予測される部分については、もう800Gbpsで整備してしまうと。これにより、次期SINET中は、この400Gbpsを超えるところはもう800Gbpsに増えることから、まず容量が確保できるんじゃないかと思ってございます。ただ、先ほどの資料に示しました通り、非常に高い伸び率がそのまま続くと、当該区間はやっぱり800では足りずに、1.2Tbpsもしくは2Tbpsといったようなところも予想されてございます。ですので、需要が伸びて800では足りないというようなところが見えてきた段階で、その800Gbpsをさらに1.6Tbpsに増加するというような2段階構成で増速をして対応していくというような計画でございます。こちらにつきましては、先ほどの需要見込みを考慮しまして、中間期、2031年ぐらいに増速していくというようなことを考えてございます。
またこちらの方は、国際回線としてはどうかというところで、今各国は2.7Tbpsとか800Gbpsとか、そういったところで大西洋区間を整備したり、太平洋区間も、SINETが400Gbpsなんですが、韓国、またシンガポールといったようなところも100Gbps、400Gbpsの回線を複数本張るといったようなことで今整備されてございます。諸外国の学術ネットワーク自体も、この400Gbpsで整備されているところから800Gbpsの整備に今移行しておりまして、ここ横軸が時間で縦軸が速度なんですが、SINETが黒なんですけれども、一時期ちょっと整備が遅かった時もあるんですが、2016年の段階ではこの100Gbps化というところで追いつきまして、2020年の段階で400Gbpsの整備、SINET6の段階で400Gbpsをいち早く整備しましたが、以降、欧州、あとは米国といったようなところは今度800Gbps化というようなところで、今は少し遅れつつあるという状況でございます。あと、800Gbpsも装置の方は対応が済んでるという状況でございます。
以上踏まえまして、800Gbpsをベースに、800Gbps技術を取り込んで、ネットワークの方は高速化していくというようなところで考えてございます。あともう1つ、ネットワークとして高信頼化というところも進めてまいります。ネットワークアーキテクチャーとしましては、今のSINET6とほぼ同じアーキテクチャーを取るという風に考えてございます。光レイヤー、パケット転送レイヤー、あとIPレイヤーのこの三層構造で作る構成を踏襲したいという風に考えてございます。またこのIPレイヤーにつきましては、フルメッシュ接続というところで、ルーターとルーターは必ず隣り合うように、ワンホップで行けると、そういうネットワークアーキテクチャーを踏襲したいと思います。
じゃあ何が違うのっていうところで、大きく2つ、ルーターの冗長化、ここの部分と、光パスレイヤ切り替えという2つの技術を取り込むことで信頼性を向上するということを今回考えてございます。
じゃあ光パスの切り替えって何なのというところなんですけれども、こちら通常は、このWDMという装置が光の信号を伝える装置なんですけれども、通常例えばこのWDMの間に光のパスが張ってあった時に、これが切れると、もう通常は切れたままになりますと。ただ今回入れようと考えているのが、ファイバーも違うルートを通るファイバーがある場合は、その光が違うルートの方にこの波長パスというのを切り替えて、その光ファイバーが故障した時でも違うルートの光ファイバー上に新しい光パスを通して通信を継続すると、そういうサービスになってございます。この技術を入れることで、より信頼性の高いネットワークサービスが提供できるものという風に考えてございます。こちらの方は今実証も進んでおりまして、切り替えも含めて10分程度で、この違うファイバー経路にルートを切り替えるということができるということを確認してございます。
また、ルーターの方の信頼性としましては、今1データセンターに1台のルーターを入れていますが、これを2台に増やすことで、どちらかが障害等で通信ができなくなっても、別の方のルーターが生き残って通信できると。そういうことで信頼性をさらに上げることができるというサービスで提供したいという風に考えています。この2台に増やすことで、例えば大学さんから、それぞれの違う装置に足を2本出していただいて、その2本の足を両方とも生かした形で動かしていただくということもサービスとして提供したいと考えています。今、データセンター冗長化というサービスを提供してますが、それはアクト・スタンバイと、2本あってもどっちかが生きていて、そっちがダメになった時にスタンバイの方に行くと、そういう方式で今提供していますが、そのサービスに加えて、アクト・アクトのサービスも提供したいと思います。また、アクセス回線の速度なんですけれども、1Gbpsから400GbEまでの提供ということで考えてございます。
こちらの方は参考なんですけども、ルーターの論理構成ということで、今現在SINETで複数の論理面を作って、それぞれインターネットサービスとかVPNサービスを別々な論理面でサービス提供してます。これでしっかり分けて、安定的なサービス、信頼性があるサービスを提供してます。こちらもSINET7では踏襲したいと考えています。大きく2つの方式を今検討してまして、従来のような論理面をロジカルシステムという機能を使って提供するようなパターンと、セグメントルーティングとかFlex-Algoとか、そういう機能を使って論理面を分けると。2つのやり方で、論理面を分けて提供するということを考えてございます。
VPNサービスの拡充の方に移らせていただきます。VPNサービスにつきましては、SINET6のサービスはそのまま基本継続でございますと。ただ、プラスにするために、今は信頼性を向上したいとか、アクセスの多様化をしたいという要望をいただきましたので、それに向けて新サービスを追加して提供するという予定でございます。左の方が信頼性を上げるためのサービスで、今ご紹介しましたように、今のSINET6では、ルーターが2台あって、それに2本線があったとしても、アクト・スタンバイという形でのサービス提供に限らせていただいてますと。こちらの方を次期SINETでは、ルーターの2本に繋いでいただいた場合、その両方の線をアクト・アクトで使える、そういうサービスをすることによって、信頼性も確保しながら通信量も向上できると、そういった形態が実現可能とする予定です。
右の方はVPNゲートウェイサービスと、今トライアルとして提供させていただいてますが、これを本サービスにしたいと考えてございます。こちらの方は、VPNに接続する場合に、今VLANで大学さんから接続いただいてますが、VLANが使えないといったような拠点、もしくはインターネット越しでVPNに繋ぎたいという場合に、このVPNというものを介して、L2VPNに接続いただくと、そういったことで考えてございます。
あと、こちらずっと今検討中で、まだできる状況ですという風にはご報告できないところなんですけれども、エンドツーエンド光パスというものを使って、大学の計算機資源間を例えば繋ぐことで、パケットロスなし、あとは遅延も揺らぎなしといったような、そういう高品質な通信環境が実現できるだろうと。こういったものを使って次期のAI時代に向けては、GPU間を繋いで分散するような、そういう使い方ができるんじゃないかということで、こちらも引き続き提供に向けて検討を進めたいという風に思ってます。
今5Gのセルラーのモバイルサービスを提供していますが、これをNTN、衛星のサービスですとか、あとHAPSという、ちょっと飛行機みたいなものを飛ばすタイプのものですね、これを使って、さらにフィールド研究ですとか、そういったところの研究を加速させるというものに支援させていただけないかと考えてございます。この今右下にありますけれども、NTNですとか、セルラーモバイルといったようなところの端末から、さらにLPWAみたいなものを繋げて、森林研究の方に活用できる。これを全体を1パッケージとして提供するといったようなことができないかということを考えています。
あと4番目は、インフラ面から見た次期セキュリティということでございます。今NIIでは、SINETが提供するセキュリティサービスと、NII-SOCSが国立大学向けに提供しているセキュリティの検出サービスというものがございます。これを今、部署が違いながら一応連携しながらやってるんですけども、これをさらにもっとタイトに連携して、一体的なサービスとして提供させていただくということを今目指してございます。このNII-SOCSの国立向けを、私立、あとは公立に向けて提供するというようなところが今目指すところという風になってございます。
では、ネットワークサービスの方でどんなことを考えてるのかっていうのを少しご紹介します。ちょっとこの絵が細かくて恐縮なんですけれども、左が加入機関で、SINETがあり、インターネット越しにサービスが複数あると。その時に許可されたサービスというものと許可がないサービスというものがあり、セキュリティ的には許可されないサービスっていうのはなるべく通したくないと。そういった時にファイアウォールを置いて、そういう許可しないものを止めるということが通常かと思います。今はこのファイアウォールを大学さんの拠点に設置して、その制御をしていただいてると思うんですけど、これを次期SINETの時期には、このクラウド型ファイアウォールといったような、そういうサービスをSINETで提供するような環境を構築できないかという風に考えてます。実際に、このSINETに直結した拠点にこのクラウド型ファイアウォールの機器を置いていただいて、大学さんに向けた通信は一旦このクラウド型ファイアウォールに引き込んで、問題がない通信だけ加入機関さんに転送すると、そういったようなサービスでございます。
あとこちらの方は構想にはなりますけれども、昨今IDを盗まれるという問題があって、全体的にこのIDを盗まれると、あらゆるシステム、大学が提供するシステムにログインできなくなると、そういう問題が発生しているかと思います。こういった問題に対応するために、このIdP、ID情報の管理のバックアップを取るといったようなことも、サービスとしてできないかということを今考えてございます。あとDDoS分析につきましては、引き続き提供するという予定です。
クラウド型ファイアウォールにつきましては、次期SINETの頃に提供するということを目指しておりますが、2026年の12月、今年の12月頃に、スモールスタートをする予定になってます。サービス概要としましてここにありますが、1Gbpsベストエフォートで利用いただくというような形態で考えています。あとこのファイアウォール機能が、v4、v6のポリシーを設定するといったような基本的な機能から、一通りファイアウォールとして必要な機能は提供できるんじゃないかなという風に思ってます。すいません、ちょっと言い方が誤解を招いたかもしれませんが、これはNIIが直接提供するというよりも、業者さんにこのサービスを構築いただいて、業者さんと大学さんの間で契約いただくと。その仲介をSINETがネットワーク的にすると、そういうような形態で考えてございます。
最後になりますが、あと国際回線です。国際回線につきましては、今400Gbpsで欧州とアメリカを繋いでおりますが、こちらの方も、この通信量の増加というものを我々見ております。この通信量も、やはり次期SINETの期間中には400Gbpsでは足りないんじゃないかという風に考えてございまして、2028年のスタート段階では400Gbpsでスタートしますが、その後2、3年後に、おそらく400Gbpsでは足りないという時期が来ると見込んでますので、その400Gbpsを800Gbpsに増速すると。タイミング的にはおそらく2031年ぐらい、3年後ぐらいになるんじゃないかと考えてございます。またこの400Gbpsを2本にするタイミングで、北極路、欧州向けは今北米の方を通ったルートになってるんですけども、できればこの北極海の中を通る、そういうルートにあるファイバーを使って実現できないかという風に今検討してございます。このような北極海のファイバーを使うことで、遅延も短くなりますし、安定するんじゃないかというようなところで狙いを定めているところでございます。
最後になります。次期SINETのポイントとスケジュールということで、需要に合わせて800Gbpsの導入を進めます。SINET6を超える高信頼化を行います。ルーターを冗長化するということ。あと光ファイバーが切れた時に光レイヤーで切り替えるといったような機能を入れるという2点で高信頼化をします。また、新VPNサービス、信頼性が上がるようなVPNサービスですとか、あとは次期モバイル、衛星通信といったようなものも取り入れて、広域な研究を支援するということを狙います。あと、サイバー攻撃に対する対策の強化ということで、NII-SOCSと連携をしながら、クラウド型ファイアウォールといったようなサービスのご利用環境を整備していくという予定でございます。あと、国際回線につきましても、期間中に400Gbpsを
800Gに上げるというようなところを狙いたいと思います。以上になります。どうもありがとうございました。
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