SmartHRへの転職は「今がチャンス」なのか 採用拡大と上がった選考ハードル

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概要

転職情報を発信するYouTubeチャンネル「サラタメ転職」の動画で、話者のサラタメ氏は、SmartHRへの転職を狙うなら「今」だと主張する。対象は主に営業職とPdM(プロダクトマネージャー)の志望者だ。ただし「誰でも受かる」という話ではなく、数か月前より採用の条件は厳しくなっているとも述べる。動画ではその理由と、経験の浅い人に向けた別のルート、そしてSmartHRで働くメリットを話者の取材をもとに説明している。

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2030年に売上1000億円という目標が採用を押し上げている

話者がSmartHRの積極採用の理由として挙げるのは、公開情報にもある事業目標だ。2025年の事業戦略発表会で、SmartHRは2030年までに売上1000億円を目指すと打ち出した。話者によれば、現在の売上は約200億円で、すでにSaaS企業の中でもトップクラスだが、目標はそこからさらに5倍である。残り4〜5年でこれを達成するには、どれだけ効率化しても人を増やす必要があると話者は見る。

特に必要になるのは、サービスを「売る人」と「作る人」だという。売る人は営業職、作る人はプロダクトやサービスをつくるPdMである。さらに話者は、今年が勝負だと強調する。2030年に向けて急成長するなら、来年や再来年に採用しても遅く、今のうちに人を確保して準備しておく必要があるからだ。これが現在の積極採用につながっている、というのが話者の説明である。

4か月前より内定の難易度は上がっている

一方で話者は、見落としてはいけない注意点として、採用ターゲットが4か月前から大きく変わったことを挙げる。話者は2月ごろにも「SmartHRの選考は今チャンスだ」という動画を出していた(現在は削除済み)。当時と比べると、採用に積極的な姿勢は変わらないが、求められる必須条件は明らかに上がっていると話者は言う。

具体的には、営業職では無形商材の法人営業経験が、それも2年以上ほどないと難しいだろうという見立てだ。以前はポテンシャルもかなり見てもらえたという。有形商材の営業経験だけでもチャンスがあり、法人営業の経験がなく個人向け営業の経験だけでも可能性があった。PdMについても、未経験者が「大逆転」で内定を得た例があった。しかし現在はそうした例がなくなり、PdMとして実績のある経験者しか採用しない状況になっていると話者は述べる。

即戦力にとってはむしろ好機

条件が厳しくなったと聞くと不満を持つ人もいるだろうとしたうえで、話者は2つの点を伝える。1つ目は、即戦力の人にとってはむしろ大きなチャンスだということだ。SmartHRは採用ターゲットを即戦力に絞り込んでいるため、条件に当てはまる人は内定の確率が高まると話者は考える。

営業職であれば、無形商材の法人営業経験がすでにある人が該当し、最も良いのはSaaS業界での営業経験がある人だという。ここで話者は「SaaS is dead」という最近の言説にも触れる。SaaS企業であるというだけで強い時代は終わるので、弱いSaaS企業にいる人は、SmartHRのような強いSaaS企業に移った方がよいというのが話者の意見だ。PdMであれば、PdMとしてすでに実績がある人が今まさに狙われている層だとする。話者は自身もSmartHRを繰り返し取材してきたが良い話しか聞かないとして、興味がある人は試しにでも挑戦する価値があると勧めている。

経験が足りない人には「段階を踏む」ルート

2つ目は、即戦力ではない人向けの話だ。話者は率直に、無形商材の法人営業経験がないポテンシャル層がSmartHRで内定を取るのは難しいと認める。そのうえで、段階を踏めばよいと提案する。まず別のSaaS企業で経験者になり、それから大手を狙うという方法である。

話者によれば、他の大手SaaSでは採用のハードルが上がってしまっているが、ポテンシャル人材でも入れて、働きやすく待遇も良いSaaS企業はまだ残っている。ただしその数は日に日に減っているという。話者はおすすめSaaS企業5社を紹介する別の限定動画に関連して、業界特化型のバーティカルSaaS企業2社に言及し、この2社であれば無形商材や法人向けの営業経験がなくても十分に内定が取れると話す。しっかり準備すればという前提つきではあるが、直近では大卒でなく専門学校卒で営業経験もない人が内定を得た例もあったという。

話者の見立てでは、大手の人気SaaS企業はSaaS業界未経験者への採用の窓口を狭めている一方、経験者は積極的に採用する段階に入っている。したがって、まだ採用の窓口が広いSaaS企業に入って経験者になれば、SmartHRのような大手ホリゾンタルSaaSにも移りやすくなるという。ただし話者は、この「2段階右折」のようなルートも長くは続かない、今だけ開いている「ボーナスタイム」だと考えており、SaaS業界に興味がある未経験者は急いだ方がよいと述べる。

SmartHRはどんな会社か

動画の後半で話者は、SmartHRの基本情報を説明する。話者は同社を「手放しで勧められる会社の1つ」と評価し、その理由として会社として強いことと、非常に働きやすいことの2つを挙げる。

基礎情報として、SmartHRは2013年創業で、社員は約1600名だという。提供するのはHR(人事)領域のSaaSで、話者の説明によれば、柱は労務管理とタレントマネジメントである。労務管理は、総務や人事の担当者が行う入社手続き、雇用契約、給与明細、年末調整といった面倒な作業を時短するためのものだ。もともとはこちらが中心だったが、現在は会社のパフォーマンスを上げるためにタレントマネジメントも強化している。話者はこれを「最適な育成と配置」、つまり適材適所によって人材のパフォーマンスを最大化し、売上拡大にも貢献するものだと説明する。

話者が挙げる実績は、労務管理クラウドで7年連続ナンバーワン、約7万社に導入、99%以上が解約せずに継続利用しているというものだ。プロダクトも拡大を続けており、労務管理からタレントマネジメントへ進出し、さらに別の領域にも入っているらしいと話者は言う。年間のサブスクリプション売上(ARR)は200億円を超えているという。

「AIでSaaSは死ぬ」という見方への反論

話者は、AIによってSaaSは死ぬという言説に惑わされない方がよいと強く主張する。本当に事業が危ういなら、ここまで積極的な採用はできないはずだというのが一つの根拠だ。話者も、小規模で貧弱なSaaSは、今では個人でもある程度開発できてしまうため淘汰されることがありうると認める。しかしSmartHRやラクスのような大きなSaaSは、顧客データや基盤を大量に持っているため死ぬわけがない、というのが話者の見方である。

また話者は、SmartHRがAIをこれから活用するのではなく、すでに実装していると指摘する。例として、AIによる履歴書読み取り機能やAIアシスタント機能がサービスに反映されていることを挙げている。

ただし話者は、2030年に売上1000億円という目標について、よほど絶好調でなければ難しいのではないかという留保も口にしている。それでも会社はその目標に照準を合わせてプロダクトを開発し、販売を強化しようとしており、そのために営業とPdMを採用している。1000億円に届くかは分からないが、勢いがあるうちに入り込んでおいた方がよいと話者は考えている。

会社の強さと個人の幸せは別の話

話者は、転職時の注意点として、ビジネスモデルやサービスが優れていて会社として強くても、転職した個人が幸せになるかどうかは別の話だと述べる。そのうえでSmartHRについては、年収が高め、ワークライフバランスが良さそう、やりがいも大きめという3点がそろっており、転職しても幸せになれる会社だと評価する。

年収:前職の年収を基準にしない方針

年収について話者はまず公式データを紹介する。平均年収は745万円で、1年あたりの平均昇給額は20万円だという。

さらに話者は、自身の取材で見た事例を挙げる。ここ半年ほどでSmartHRに転職した人は大きく年収が上がっており、200万円程度上がる例もあるという。一人は29歳で人材派遣の法人営業をしていた人で、年収430万円から200万円上がって630万円になった。もう一人は28歳でITサービスの法人営業をしていた人で、480万円から240万円上がって720万円になったという。後者について話者は、前職の仕事もかなりハードだったと補足している。

話者は、こうした大幅な年収アップの理由を、SmartHRが前職の年収を基準にしない方針をとっているためだと説明する。スキルや実績、カルチャーマッチを見て、この人にはこれだけ払うべきだと判断すれば年収を大きく上げるという。一般的な企業は、前職が480万円なら500万円にすれば喜ぶだろうという形で年収を決めがちだが、SmartHRはそうではないと話者は言う。2〜3年ほど前までは、応募者に前職の年収を聞いてはいけないというルールまであったという。このルールはすでに廃止されたが、話者は当時、転職者からは聞かれなかったと聞き、採用側の人からも聞いてはいけないルールになっていると取材で聞いたことがあるという。こうした点から話者は、営業スキルがあるのに安く評価されている人はSmartHRを受けるべきだと勧める。

ワークライフバランス:インサイドセールスの社員への取材から

成長業界で年収が高いと普通は残業が多くなりそうだが、SmartHRはワークライフバランスが良いと話者は言う。公式データでは、月平均残業時間は15時間、リモートワーク比率は8割以上だという。

これは全職種の数字なので営業職は違うのではないかと思う人もいるだろうとして、話者は取材の話を紹介する。話者は先々週の日曜日に、SmartHRで現役のインサイドセールスとして働く人に話を聞いた。事情があって動画にはできなかったというが、その人の話でもワークライフバランスは非常に良かったという。基本的には19時ごろまで働く程度で、それ以降になることはあまりない。フルフレックスなので、疲れた日や用事がある日は夕方5時ごろに切り上げることもあるという。

リモートワークについては、営業職では週2回ほど使う人が多く、フルリモートの人もいるという。部署によって異なるらしいが、取材した人はフルリモートだった。その人は転職前はリモートワークがまったくなく、出張や外回りが非常に多い営業をしていたため、自宅でずっと働くことにかえって戸惑ったと話していたという。話者は、営業職でもフルリモートが使える点を高く評価している。

やりがい:自信を持って売れるサービスとミッション

やりがいについても、同じインサイドセールスの人は「仕事は楽しい」という様子だったと話者は伝える。話者はその理由として、サービスが強いので売りやすく、売ることに罪悪感がないことを挙げる。世の中には「このサービスでいいのか」と思いながら売っている営業担当者も多いだろうが、7年連続シェア1位で99%が継続利用するサービスなら、自信を持って勧められるというのが話者の見方だ。

もう一つはミッションである。話者は、SmartHRのミッションを「幸せに働ける会社を目指す」といった身近なものだと紹介する。誰もが幸せに働きたいと思い、周囲の人にもそうあってほしいと願っているので、そこに貢献していると感じられるという。取材したインサイドセールスの人も、社会の課題を解消している実感があると話していたという。話者は、実際に業務効率化に貢献している点にも触れている。

結論:チャンスは長く続かない

話者は最後に、SmartHRは労務管理SaaSでナンバーワンの強い会社であり、年収、ワークライフバランス、やりがいもそろった、勧めて当然のレベルの会社だとまとめる。一方で、SaaS業界やSmartHRの採用の窓口は今後さらに狭くなりそうだとも見ている。

このチャンスがいつまで続くかは分からないが、長くないことだけは言えると話者は述べ、この動画自体も1か月ほどで削除すると予告している。即戦力の人は今SmartHRに挑戦し、そうでない人はまだ採用の窓口が広いSaaS企業で経験を積む。どちらにしても急いだ方がよい、というのが動画全体を通した話者の主張である。