サムソン・ダウダは2024年の自分を超えられるか――ヨーロッパプロ2026優勝時の身体を検証する

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概要

ミスター・オリンピア2026の約2週間前、ドイツで開催されたヨーロッパプロには31人のオープンボディビルダーが出場し、サムソン・ダウダが満点スコアで優勝した。この動画では、その優勝時の身体を複数のアングル、他選手との比較、昨年のオリンピア時との比較の順に見ていく。話者の立場ははっきりしている。サイズは確実に上がり、全盛期の身体に戻りつつある。一方で、背面の仕上がりとセパレーションには課題が残る。そしてこの大会はあくまで本番前の「ウォームアップ」だった、というものである。

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第一印象:サイズアップと「弾丸」のような厚み

話者はまず、脚が確実にサイズアップしたこと、フロントダブルバイセップスでの腕のセパレーションと背中の広がりが良くなったことを挙げる。体重は去年のオリンピアより12kgほど重く、140kg前後だという。サムソンはプロポーションが良すぎるため変化が小さく見えるかもしれないが、厚みを見れば「弾丸」のようで、身体がひとつのボールになっていると話者は表現する。

バックダブルバイセップスではハムストリングスにもカットが入っている。ただし話者は、背中単体で比べるとデレク・ランスフォードに「食われてしまう」と見ている。バックラットスプレッドでは広がりがあり、腕にはストリエーションが見える。サムソンは皮膚が分厚いため「パリッと」は見えないが、サイドトライセップスは素晴らしく、この部位ではニック・ウォーカー、デレク、アンドリュー・ジャクトを上回るだろうという。モストマスキュラーでは脚にもカットが入り、すでに2024年の迫力を持っていると話者は評価する。総じて、本番2週間前としては非常に良い状態だというのが最初の見立てである。

別アングルで見えたもの:照明、下半身、ウエスト

続いて、前方の客席から撮影された映像を見る。話者によれば、この映像では色がよく見えるが、ステージのスクリーン前に立つと色が飛んで非常に暗くなる。明るい背景が選手の見栄えを悪くしており、これは照明の悪さだと指摘する。

フロントリラックスについて話者が「間違いなく言える」とするのは、去年かなりサイズダウンして見えた下半身が全盛期に戻ったことだ。しかも40歳でそれを成し遂げている。もちろん近年のアンドリュー・ジャクトなどと比べれば絞りは浅く、改善すべき点かもしれない。それでも分厚い皮膚を押し上げるだけの筋肉があり、内側広筋にもストリエーションが入っているという。照明が良ければもっと良く見えたかもしれない、とも付け加える。

アブドミナル&サイでは、この体重にもかかわらずウエスト周りが2023年や2024年より改善していると話者は見る。腹筋のコントロールやバキュームを熱心に練習していたことに触れ、その成果だと捉えている。胸も去年のオリンピアより確実に張り出している。

フロントダブルバイセップスでは、これまでにない翼のような広がりが出ていて、脚を大きく開いたスタンスとも角度が噛み合い、砂時計型のシルエットになっている。180cm台の身長がありながら単なるマスモンスターに見えないのは、プロポーションが非常に良いからだと話者は説明する。今回特に目立つ改善点として挙げるのが、上腕二頭筋のセパレーションが強くなったことだ。前腕も巨大で、腕を高く上げても胸がパンケーキのように平らに見えない。話者はこれを「スペシャルな男」と評している。サイドチェストについては「文句の付けようがない」「世界一と言っても過言ではない」とまで述べる。

背面の課題:お尻の小ささと背中の立体感

一方で話者が疑問を呈するのはバックポーズの完成度である。背中が少しフェードアウトしたように見え、はっきりとは出ていない。2024年と同等か、それ以下かもしれないという。皮膚がもう少し薄く見えれば強い影が入り、背中の表情が出るはずだと話者は考えている。腕については上腕三頭筋・二頭筋ともに良く、ハムストリングスもかなり出ている。

ここで話者は、これまで言及してこなかった点としてお尻の小ささを取り上げる。大殿筋の付着位置がかなり高いのか、コンパクトに見えるという。デレクやアンドリューはお尻が大きく、そこに強いラインが入ってハードに見える。お尻と腰回りは絞りが分かりやすい部位なので、そうした選手と比べられると苦しい戦いになるかもしれないと話者は見る。バックダブルバイセップスに思ったほど大きな変化がなかったことが、今回ネットで色々言われている要因のひとつではないか、というのが話者の推測だ。

バックラットスプレッドでも上腕三頭筋のストリエーションは出ているが、背中はフラット、あるいはソフトに見える。それが単に脂肪なのか水分なのかは分からない、と話者は留保している。

「ウォームアップの大会」という位置づけ

話者は、この大会がサムソンにとってウォームアップだった点を強調する。そのため過激なピークウィークの調整はしていないはずで、水もそこまで抜いていないのではないかと推測する。

明るい背景の映像では、輪郭の良さが分かりやすいという。僧帽筋の盛り上がり、肩の丸み、巨大な上腕、そこから細いウエストと脚へつながるライン。関節は細いがふくらはぎも大きく、黒人選手の中では大きい方ではないかと話者は述べる。個人的に最高だと話すのが、拳を握り合わせる「おにぎり」型のモストマスキュラーだ。2023年のアーノルド・クラシック優勝時にも見せたポーズで、胸の縦幅が長く上部までラインが入っていることが分かるという。

話者によれば、サムソン自身も今大会に向けて絞り切るとは言っておらず、「宣言通りの結果、宣言通りの体」だった。肩の前面の立体感も素晴らしい。ただモストマスキュラーでは少し肩が狭く見えるかもしれない。これについて話者は、肩の変化は大きくないのに他の部位がサイズアップしたためではないかと推測している。

比較審査:2位リーガン・グライムス、3位ジョン・ジュエット

ライブ配信の映像は明るく補正しても見づらく、公式のHD画像もまだ出ていないという制約の中で、話者は比較審査を見る。フロントダブルバイセップスでは、サムソンと周囲の選手の間には数十kgの差があると話者は見積もる。サムソンの左が2位のリーガン・グライムス、右が3位のジョン・ジュエットだ。リーガンは今年2勝している優秀なオープンの選手で、オリンピアでトップ10に入ったこともある。身長はあまり変わらないのに、胸・肩・腕の厚みの違いがはっきり分かるという。話者はジョン・ジュエットが今回とても良かったと述べ、個人的に好きな選手だとも話している。

背中の比較では、リーガンも良い背中を持つが、サムソンの方がはるかに大きい。ただしジョン・ジュエットとは背中で競り合っている。だから本番では背中のポーズでニック・ウォーカーやデレクに食われる可能性があり、フロントでどれだけ仕上がりを見せられるかが鍵になると話者は見る。4位はサザーランドで、話者は「彼が4位になったら納得いかない」とも口にしている。

コンディションについて話者は、ジョン・ジュエットの方が絞れていて、リーガンの方がサムソンより良い状態だったと見ている。サムソンは後半かなり汗ばんで光っていたが、それが減点にはならず、勝つには十分なコンディションだったと評価する。これはいつものサムソンの戦い方だとも話者は言う。2023年もかなり甘いコンディションに見えながらトップ3に入り、それ以前もかなり甘い状態でトップ6に入った。話者はこれを、それだけ完成度が高いことの証拠と捉えている。「この世代最高の遺伝子」を持つのは間違いなく、丸みを保ったままのプロポーション、極端なウエストと肩幅の差、巨大な腕をすべて備えた選手はなかなかいないという。

オリンピアでのリスク

それでも話者は、このまま本番を迎えれば危ういと見る。アンドリュー・ジャクトは最近調子が良く硬さを見せており、ニック・ウォーカーも脚まで硬く見える。サムソンがそれに遠く及ばない「ソフティー」な見栄えで出てくれば順位を落とすかもしれないし、特にデレクに食われる可能性は「結構ある」と話者は言う。問題は、残り2週間がそれをどう解決するかである。

話者は、ピッツバーグ時点で150kgあったサムソンと比べ、今回の姿が期待とずれていたと感じた人もいるかもしれないと認める。ただ単体で見るとそう見えても、比較すれば差は明らかだという。リーガンもシェイプの良い選手だが、横に並ぶとリーガンやジョンがクラシックの選手に見えかねないほどで、サムソンは「美的マスモンスター」だと表現する。ただし優勝するには皮膚を薄く見せる必要がある。今はまだ枯渇しておらず、「エネルギーに溢れたサムソン」という状態だと話者は評している。

加えて話者は、サムソンの年齢にも触れる。40歳は年齢的にはマスターズの選手で、20代の選手のようにどんどん成長できるとは考えにくい。全盛期の身体に戻ったとはいえ、コンディションで見せられなければ危ないのではないかという懸念を示す。オリンピアで仕上げ切れなければまた妻のマーレーナが批判されてしまうので、コーチをしっかりつけてほしいとも話している。それでも話者は、まだ2週間あるとして期待を捨てておらず、サムソンに「オールベット」していると明言する。アブドミナル&サイの比較では、リーガンとジョンがサムソンよりどれほど硬く見えるかが分かりやすい、とも付け加えている。

昨年のオリンピア(4位)との比較

最後に、4位に転落した2025年ミスター・オリンピアと今回のヨーロッパプロを並べて比較する。フロントダブルバイセップスでは上腕のサイズが明らかに違い、二頭筋のピークも良くなって見える。2025年の胸がパンケーキに見えるほど、今回の胸は張りがある。背中の幅とウエストが作るアウトラインも違い、脚も2025年より割れて見えると話者は言う。

フロントラットスプレッドでは、本番まで2週間あるのに2025年のオリンピアとほぼ同等のコンディションに見える。話者は並べてみて初めて気づいたと話している。肩幅も広がって見え、背中の広がりもフロントポーズでは改善した。ただ、胸にニック・ウォーカーやアンドリューのような強いラインが入らなければソフトに見えるかもしれず、脚にも全方向にもう少しカットが欲しいという。サイドチェストは上半身の厚みだけでなく下半身の幅も増し、話者は今回の増量を「上等」と評価し、去年のオリンピアより良いバージョンだと見る。ライバルになるのは、優勝した2024年オリンピアの自分自身だという。

バックダブルバイセップスでは、ハムストリングスがやや浅く見え、お尻のサイズと硬さは依然として課題だ。右のお尻のストリエーションはわずかに濃くなっているかもしれない。背中の広がりの角度はあまり変わっておらず、腕が大きくなった分、背中全体がやや小さく見えるという。話者は、これが固めるタイミングやスクリーンショットの瞬間によるものかもしれないと留保する。バックラットスプレッドでは下半身はほぼ同等で、背中の広がりは良くなっている。三角筋後部と上腕三頭筋は巨大だと評価する。

一方で、他の部位が素晴らしいぶん、背中単体ではニック・ウォーカー、デレク・ランスフォード、アンドリュー・ジャクトと比べて広背筋下部の広がりや角度が足りないと言われる、と話者は指摘する。ここは大きくは改善していないと見ている。話者はこれについて、元々トップ選手なのだから1年でそこまで変わらないのは当然で、一度落ちた筋量を戻し、2024年より少し大きくなった状態だろうと整理している。

ネットの「甘い」という声への反論と残された問い

話者によれば、ネット、特にInstagramでは「甘すぎる」というコメントが多かった。しかし話者はそうは思わないという。少なくともオリンピアで4位になった身体と同等かそれ以上のコンディションで、汗で見栄えが飛んだ面はあるにしても、「彼にしては」決して甘くないと見ている。皮膚が分厚いのでハディ・チューパンのようにはいかないし、デレクのお尻のようにも割れない。ただそれはサムソンという個体の特徴で、その身体で長年戦い、ミスター・オリンピアにも輝いてきたのだと話者は述べる。

サイズアップしているのに変わっていないと言われる理由として、話者はサムソンの身体が「綺麗すぎて」「完成されすぎて」いるため、マーティン・フィッツウォーターと同じように単体では大きくなったように見えない点を挙げる。それが彼の「かわいそうなポイント」だという。比較審査で見た通り、実際にはしっかりバルクアップしていた。

ウォームアップの大会の時点で、絞りは去年のオリンピアと同等のレベルにある。そう確認したうえで、話者は問いを投げかけて締めくくる。2024年の自分を超えられるのか、そして視聴者が期待していたサムソンを上回っているのか。話者が残る鍵として挙げたのは分離度であり、「全てはセパレーション」だという。