教習では習わない「アンカリング」を夕暮れの川で実演する

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概要

船舶免許を独学で取る方法を発信している堀越氏が、今回取り上げたのはアンカリング(錨を下ろして船を止めること)である。視聴者のコメントで「どうやるのか」と質問があったことがきっかけだという。話者によれば、アンカリングは実技試験でやらない項目のため教習所でもほとんど教わらず、教科書で少し触れて終わる。一方で、緊急時など実際の船上では使わなければならない場面がある。動画では、夕方5時ごろの川で実際に錨を打ち、効いているかの見分け方と、錨を上げたあとに船がどう流されるかまでを見せている。

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試験に出ないが、実際には必要になる技術

話者は、教科書にも「風上に向かって進み、錨を投げる」といった説明は載っているはずだと述べる。ただ、実際に一緒に船に乗って「ここで錨を下ろしましょう」と指示すると、錨を真下に「どじょん」と落とすように投げ入れる人がいるという。そうした下ろし方をせず、確実に錨が効くようにする手順を見せるのが今回の目的だとしている。あわせて、錨を下ろす際の注意事項も説明するとしている。

撮影場所は、基本的に誰も通らない川の一角である。時刻は夕方5時で、話者は視聴者に対し、この時間帯なら航海灯をつけるよう呼びかけている。水深は約4メートルで、話者はここが狭い場所であることを認め、視聴者には広い場所で練習するよう繰り返し念を押している。

まず風を読み、船首を風に立てる

最初の手順は、風がどちらから吹いているかを把握することだ。話者は、船は風に向かって船首が立つ(船首が風上を向く)ものだと説明する。錨を打つとロープが伸びるぶん船は流されるので、それを見込んで、船が進行方向の12時の方向へ流れていくと想定しながら打つという。

実演では、推進の様子から風は後ろの方から吹いていると判断し、船首の向きを変えて風に向かって船を立てた。準備のために出したロープは、汚れるのを避けたこともあって約8メートル程度だという。準備している間にも風で船首がどんどん右側に持っていかれるのを見て、話者は風が確かにそちらから吹いていると確認している。

ロープの長さと底質の確認

水深4メートルなら本来はロープをもっと長く出したほうがよいと話者は述べる。ただ今回は、底が汚いことと、長く出すと引き上げに時間がかかり帰りが暗くなることから、短めで済ませている。

言い忘れていた注意点として話者が挙げたのが、底質を知っておくことだ。例えば底が石や岩でごつごつしている場所では、今回使っているようなダンフォース型の錨では効かなくなるという。錨に適しているのは砂や泥の底で、この場所の底はヘドロだと説明している。

錨は「前に向かって投げる」

投げる際の注意として、話者はまず足がロープに絡まないようにすることを挙げる。そのうえで、真下にどじょんと落としても効かないので、前に向かって投げるよう強調している。実演でも前方へ錨を投げ入れ、その後ロープを少し出してから、一度クリートに留めた。

効いているかどうかの見分け方

投げたあとは、船首がどう動くかを待って観察する。この日は風がほとんど吹いておらず、話者は潮(川の流れ)の力に頼ることになったと述べている。当初は前方から風が吹いていると思っていたが、実際には船首がわずかに左を向いていき、しばらく放置すると風で右を向き始めたという。

そこでロープがまだあまり出ていなかったため、張っている方向を確認しながら少しずつロープを出していった。話者の説明では、錨のロープは長いほど効く。短いと、船首が波などで持ち上がったときにすぐ錨が浮いてしまう。長く、斜めに張っておくとよく効くという。

効いているかどうかの判断基準として話者が示したのは船首の動きだ。船首が風に向かって左右にゆるく振れる動き、つまり左に行って戻り、その戻りの力でまた振れるという動きを繰り返しているなら効いていると考えてよい。逆に、船がほぼ横を向いてどんどん横向きになっていく場合は効いていない、と説明している。実演中の船首の動きについては、話者は「微妙だな」と迷いながらも、おそらく効いていると判断している。その後、船首がずっと前を向いた状態が続いたことから、アンカリングはできたと述べた。

ただし話者は、ここが川であるため状況が分かりにくかったとも認めている。川の流れはまっすぐ来るもので左右からは来ないため、船首が振れ回る動きが出にくい。海で風だけが作用している場合はしっかり振れるので分かりやすい、というのが話者の説明である。

海で錨を打つときの注意:海ほたるでの一件

話者は、海でアンカリングする場合の注意として知人の体験を紹介している。その知人は海ほたる付近でアンカーを打ったところ、海上保安庁が来て捕まってしまったという。話者によれば、錨泊する際には錨泊中であることを示すもの(字幕では「呼吸」「補給」と聞き取られているが、文脈上は黒球を指していると考えられる)をつけなければならず、海でやる場合はこれを忘れないようにしないと捕まる、と注意を促している。話者自身も、捕まった人を知ったのは初めてだったと話している。

錨を上げる、そして錨なしだとどうなるか

揚錨の場面では、本来はウインチが引き上げてくれるはずだったが、この日はウインチが効かず、話者は手で引き上げることになった。錨の重さは10キロで、視聴者にはけがをしないよう注意を呼びかけている。

錨を上げたあと、話者はアンカリングしていない状態でどうなるかをそのまま待って見せた。錨を上げる際に船を引っ張った動きの影響はあるとしつつも、船首は真横を向いてしまい、船はそのまま左へ流されていった。錨を打っていた間とは対照的な動きで、錨が船をその場にとどめていたことが分かる、という見せ方である。

話者の振り返りと練習の勧め

話者は今回の実演について、ロープを5メートルほどしか出していなかったため、しっかり錨を下ろしたという感じではないと認めている。それでも船はその場に止まっていたので、成功はしているのではないかと振り返る。暗く、川という条件もあって分かりにくかったかもしれないとして、明るい日に時間があれば改めてやりたいと述べている。

最後に話者が勧めたのは、最初は水深5メートルほどの浅い場所で、ロープを10メートルほど出して練習することだ。いきなり30〜40メートル出すような深い場所で試すと、錨が重くて上がらなくなり、ウインチがついていなければ大変だという。まずは浅い場所で一度やってみてほしい、というのが動画の締めくくりである。