船外機のプロペラの向きを知れば、後進で船尾がどちらへ動くか分かる

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概要

船舶免許の講習動画を発信している堀越氏が、講習中の着岸指導で気づいたことをもとに、ハンドル操作とプロペラの向きの関係を実物で見せながら解説した。中心となる問いは、船が岸壁に寄りすぎたときや船尾が外に開いてしまったときに、どうバックすれば船尾を逃がせるのか、あるいは寄せられるのかである。話者の立場ははっきりしている。この判断は、ハンドルを切ったときにプロペラがどちらを向くかを理解していないとできない。

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講習で目立つ「何も考えずにバックを入れる」人

堀越氏によれば、船にたくさん乗っていれば、どちらにハンドルを切るかは感覚でできるようになる。本人も、普段から頭で考えて操船する場面は少ないという。それでも余裕のある状況で出港するときに岸壁へ近づいてしまったら、どうすれば船を当てずに出ていけるかを少しでも考えてから動かなければならない、と話者は述べる。

講習に来る人の中には、何も考えずにバックを入れて危ない状態になる人や、考えずにそのまま出ていこうとする人が多い。免許を取ったあと一人で出航するときに、これはとても危険だと堀越氏は指摘する。ここで話者が問題にしているのは、免許取得前の人ではない。免許を取ったあとにレンタルボートを借りて着岸する人や、堀越氏の講習を受けに来る人たちのことである。

話者は、考えた結果が外れること自体は問題にしていない。たとえば「ハンドルを左に切って出ていこう」と考えたのに、実際には岸壁に近づいてしまった、という結果になっても、それはまったく構わないという。問題なのは、ハンドルの位置も確かめずにいきなりバックしてみるような動き方である。前進や後進を入れる前に、この後どう動いて船を離していくかを考えるべきだ、というのが堀越氏の主張だ。

講習の経験から、堀越氏は、バックが苦手な人には女性が多いと感じているとも話した。理由は本人にも分からないという。そのうえで、バックの上手下手とプロペラの知識は直接関係しないかもしれないと断りつつ、プロペラがどう動いているかを実際に見ておいてほしいと勧めている。

ハンドルを切るとプロペラはどちらを向くか

実演では、見えやすくするためにチルトを上げ、プロペラを水面から出した状態で撮影している。ハンドルを右いっぱいに切ると、プロペラは右(カメラ側)を向く。そこから左に切っていくと、プロペラも左を向いていく。その間に、プロペラが真ん中を向く位置がある。

船がまっすぐ走っていて右に曲がりたいときは、ハンドルを右に切ればプロペラも右を向き、船は右に曲がっていく。左に曲がりたいときは、ハンドルを左に切ればプロペラも左を向く。堀越氏は、左に曲がりたいときに左に切り、右に曲がりたいときに右に切るのは車と同じなので、前進については誰でもできると言う。

バックも車と同じ

ところがバックになると、なぜか苦手になり、難しく感じる人が多いと話者は言う。そこで、バックの場合もプロペラの向きで説明している。

船尾を右へ動かしたいバックでは、ハンドルを右に切り、プロペラは右を向く。すると、プロペラが向いた方へ船尾が進んでいく。船尾を左へ動かしたいときは、プロペラを左へ向ける。堀越氏は、やり方としてはこれも車と変わらないと強調している。

右側に桟橋がある場面での離岸

次に、具体的な場面での操作を示す。船が右側の桟橋に平行に止まっていて、桟橋に近づきすぎている状況を想定する。

堀越氏の説明する手順はこうだ。桟橋から3メートルほどのところでハンドルを左いっぱいに回し、アクセルを少し入れる。船がぐるっと曲がってきたら、プロペラをまっすぐに戻す。そのうえで後進を入れる。

この後進で、プロペラの向きが結果を左右する。船尾が開いてしまっているとき、プロペラが少しでも左を向いていれば、船尾はさらに開き、右側の桟橋から離れていく。逆に、プロペラが少しでも右を向いていれば、船尾は桟橋側に入っていく。堀越氏は、これを理解していない人が多く、ただハンドルをぐるぐる回しているだけだと話す。

「ハンドルをまっすぐに」の意味

堀越氏は着岸の講習で、「左に切って前進を入れたら、ハンドルをまっすぐにしてください」とよく指示するという。左いっぱいに切って前進を入れ、船が曲がってくるのを待ってからハンドルを戻す、という流れだ。

ここで話者が理解してほしいと強調するのは、「まっすぐ」はプロペラが真ん中を向く位置までだという点である。それ以上ハンドルを回してから後進をかけると、今度はプロペラが向いている方へ船尾が入っていく。堀越氏は講習をしながら、このことを改めて伝える必要を感じたという。動画を撮っているだけでは、ここまでは理解してもらえないのではないかとも考えたそうだ。

最低限覚えておくべきこと

堀越氏は、この映像は意外と教えてもらえず、見せてもらう機会もないので貴重だと述べる。そのうえで、ハンドルを右に切ればプロペラも右、左に切ればプロペラも左、という対応が分かるだけでも十分だとまとめている。要点は「プロペラが向いた方に船尾が入る」ということだ。

右側に岸壁がある場合で言えば、次のようになる。左に切って後進を入れれば、右の岸壁には当たらない。右に切って後進を入れれば、船尾は岸壁に近づく。話者は途中で船首の当たり方にも触れかけたが、難しくなるとしてやめている。

堀越氏は、この説明がすべて右側に岸壁や桟橋がある想定だと断ったうえで、覚えるべきことを一つに絞る。ハンドルを右に切ってバックを入れたら、プロペラは桟橋の方を向き、船尾は桟橋に寄ってしまう。これさえ理解していれば、左に切ったときの動きはひとまず置いてよいという。

最後に堀越氏は、今回は船が動いていない状態の実演なので、何をしているのか分かりにくいかもしれないと認めた。次は走行中に同じことを試したいと話している。講習を受けていない人に対しては、免許を取るときに動画をたくさん見ておいた方が、確実にスムーズに覚えられて上達できると勧めて締めくくった。