Fラン大卒・ブラック企業出身の第二新卒が、ホワイトなSaaS企業に転職できた経緯

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概要

転職系YouTuberのサラタメ氏が、ブラック企業から「超絶ホワイト」と評するSaaS企業へ転職したPさんにインタビューした。学歴にも前職の環境にも恵まれなかった若手が、なぜ転職を決断し、どう内定まで進んだのか。前職の実態、転職後の変化、選考の数字、内定の決め手を順に聞いている。

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Pさんの経歴と転職先

Pさんは24歳で、転職時は社会人2年目の第二新卒だった。前職は人材紹介会社の営業である。本人によれば出身は「Fラン大」で、どうせ就活はうまくいかないと考え、やる気のないまま活動した結果、ブラック企業に入社した。

配属先は、会社が思いつきで始めたような人材紹介事業の部署だった。サラタメ氏の紹介では、上司もメンバーも人材紹介の知識がほとんどなく、手探りで業務を進めていたという。深夜残業や休日出勤は当たり前で、ひどいモラハラがあり、顧客より自社の売上を優先するグレーな仕事もあった。

そうした状況から抜け出そうとYouTubeを見ていたPさんは、サラタメ氏の動画でSaaS業界を知り、内定を得た。転職先はタレントマネジメント領域のSaaS企業である。動画内では、SmartHR、タレントパレット、カオナビの3社のうちのどれかとだけ示され、社名は伏せられている。

転職を決めた理由:年収、労働時間、上司

Pさんは、転職を決めた理由をひとつに絞れないと話す。ワークライフバランス、年収、上司のやり方への不満が重なった結果だったという。

前職の年収は330万円ほどだった。新卒1〜2年目としては極端に低い額ではないが、Pさん自身は働く量に見合わないと感じていた。土日も事実上の強制で出勤し、その代わりに平日が休みになることもなかった。

離職の多さも異常だった。7人ほどいた同期は、4月1日の入社から5か月後の9月から10月には、Pさん以外全員が辞めていた。労基署に相談すれば一発で問題になりそうだとサラタメ氏が指摘すると、Pさんは「言えない人たちが集まっちゃったのかな」と答えた。当時は慣れてしまっていたが、今思えばすごい会社だったと振り返る。

上司への不満は具体的だった。上司は外出するふりをする「カラアポ」を入れ、カフェで休んだり、パチンコに行ったりしていたことが裏で知られていた。部下には土日出勤を命じる一方、本人は出社せず、働いているふりをして寝ていたという。上司は課長職だったが、Pさんより2〜3歳上にすぎなかった。上司自身も上から詰められていたそうだ。サラタメ氏は、自分で頑張るより部下を休日に働かせてしのごうとしていたのではないかと推測している。

営業の進め方にも疑問があった。コンプライアンス意識の低い人材紹介会社では、求職者を強引に「はめ込む」営業になりがちだとサラタメ氏が水を向けると、Pさんはそういう雰囲気はあったと認めた。ただ、自分たちはそこまで割り切れなかった。この仕事を続けてよいのかという正義感からの迷いも、転職を考えた理由のひとつだった。

転職して良かったこと

転職後に一番良かった点として、Pさんはまず良い商材を扱えることを挙げた。自分の正義感に沿って前向きに仕事ができることが嬉しいという。

もうひとつはワークライフバランスの変化である。前職ではサービス残業が常態化しており、平均的な退勤時刻は20〜22時ごろ、立て込むと24時から1時まで拘束されることもあった。今の会社は残業ゼロではないが、営業職としても20時間には届かない程度だという。サラタメ氏は自身もブラック企業出身だとして、「20時間なら残業はほぼない感覚だ」と述べ、Pさんも同意した。リモートワークも使えるようになり、2社目でこんな会社に来られるとは自分でも驚いたとPさんは語る。

年収は330万円ほどから400万円ほどに上がった。初年度で500万円には届かないが、うまくいけば1年半から2年ほどで届くのではないかと、Pさんは見通しを語った。サラタメ氏は、年収は短期的には「やや改善」だが、長期的には大幅な改善になると整理している。

上司や同僚の質も大きく変わった。前職では1〜2歳上の上司に管理されていたが、今は実力のあるマネージャーがいる。Pさんは「これがマネジメントかっていう感じ」と話す。ノルマの達成状況だけでなく、今後どんなキャリアを描くべきかまで見てくれるという。

微妙だった点は「全くない」

転職して期待と違った点を聞かれると、Pさんは「隠しているとかではなく、全くない」と答えた。サラタメ氏は、出発点がひどすぎたため感覚がずれているのかもしれないと冗談めかして言い、Pさんも「本当にそうだと思う」と笑った。

転職活動のスケジュールと数字

転職を考えて動き始めてから内定までは、丸3か月ほどだった。応募書類を出して面接を受け始めてからは2か月半ほどである。サラタメ氏は、自己分析に何か月もかけず進めた点を理想的だと評価し、自己分析はやればやるほど良いものではないと付け加えた。

応募は15社ほどで、書類選考を通過して面接に進んだのは13社。サラタメ氏は書類通過率がかなり高いと驚いている。一方、内定は2社にとどまり、最終面接では11社で落ちた。Pさんは、面接で緊張しすぎて、とんでもないことを言ってしまったと振り返る。

サラタメ氏によれば、一般的には最終面接の半分ほどは通過するはずだという。ただ、何社か続けて落ちると「またやってしまうのではないか」と最終面接が怖くなる人は多いとも話した。転職活動は楽だったか大変だったかという問いに、Pさんは「大変でした」と答えている。

内定獲得のポイント:フィードバックを受けて改善し続ける

Pさんは内定の秘訣として、落ちても自分と向き合い続けたことを挙げた。社会人2年目のため若手として見られ、多くの企業で落とされた。それでも、フィードバックをもらって改善と修正を重ねたことが内定につながったと考えている。

転職エージェント経由で応募すると、不採用の理由がエージェントを通じて届く。サラタメ氏は、ここで心が折れて活動をやめる人が多いと指摘した。そのうえで、Pさんはブラック企業で鍛えられたメンタルで乗り越えたとまとめ、Pさんもそれを認めている。

応募の順番も工夫した。最も志望度の高い企業は最後に回し、準備が一番仕上がった時期に面接を受けられるよう、エージェントと相談して日程を合わせた。直接応募も5〜6社ほど試したが、実際に内定が出たのはエージェント経由だった。Pさんはエージェントを使ってよかったと話している。

サラタメ氏は、初めての転職は面接対策などで分からないことが多いと述べ、志望度の高い企業に直接応募して自滅しなかった点を評価した。よくある失敗として、次の2つのパターンを挙げている。

  • どこかで得た情報をもとに、志望度の高い企業に直接応募して自滅する。
  • 担当者の当たり外れが大きい大手エージェントで力不足の担当者に当たり、そのまま志望度の高い企業に応募してしまう。

Pさんは自分が元エージェントだったため、この構造を理解していたと話す。サラタメ氏は、よく分からない事業部に配属されたのは不幸だったが、業界の構造を知れたのは「不幸中の幸い」だったと応じた。

同じ境遇の人へのアドバイス

最後に、ブラック気味の企業で営業経験を積んだ人がSaaSを目指す際の助言を求められた。Pさんは「自分で自分を閉ざさないこと」が大事だと答えた。「俺は無理だよ」と諦める人が多いと感じており、特に若手は挑戦するだけでもしてほしいという。

サラタメ氏もこれに同意した。新卒の就活では学歴を理由に諦めてしまう気持ちは分かり、実際に学歴フィルターが強いこともあるという。しかし第二新卒の転職では、ブラック企業で鍛えられた経験が「根性がありそうだ」と評価され、大手企業に採用されることもある。サラタメ氏によれば、Pさんのような境遇の人は多く、だからこそ「可能性を閉ざさない方がいい」という本人の言葉には価値があるという。

サラタメ氏のまとめ

サラタメ氏は締めくくりに、SaaS業界への転職は今も大きなチャンスがあると述べた。Pさんの転職も今年のことである。Fラン大出身か、ブラック企業にいたかは関係なく、真剣に転職活動に向き合えば可能性はあるという。その条件として、4年制大学卒であること、営業経験があること、若いことの3つを挙げ、これがそろっていれば十分に内定のチャンスがあるというのがサラタメ氏の見解である。