身長約1mで一人暮らしをするにしくんの一日 AIに没頭する生活と「人間臭さ」

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概要

YouTubeチャンネル「トマホーク」の撮影で、ホストはにしくん(32歳)の自宅を夕方から訪ねた。にしくんは幼少期に大きな病気をいくつも経験し、身長は約1mである。マネージャーはおらず、事務所に所属したこともない。障害者年金も生活保護も受けずに東京で一人暮らしをしている。この動画では、酒を飲みながら自宅を案内してもらい、AIを使った創作、お金、病気と体、人間関係について話を聞いた。にしくんは、人間より面白いものとしてAIに没頭している。その一方で、自分がAIと競うための武器は「人間臭さ」だと考えている。

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身長に合わせた部屋と生活

部屋はにしくん本人が「ゴミ屋敷」と言うほど散らかっている。足のサイズは20cmだ。身長は公表上100cmだが、実際は1mを少し超えるという。にしくんによると、同じ病気の人なら足のサイズは普通16cmくらいなので、自分は大きいほうだ。

生活はほぼこの部屋で完結しており、いるのは「パソコンの前かベッドの上」だけだという。部屋に椅子がいくつもあるのは、高い所に届かないときの踏み台として使うためだ。必要な物のために台を用意し、そもそも高い所に物を収納しなければいいと、にしくんは説明する。トイレは立って使うそうで、6歳の頃の生活を思い出してもらえれば同じようなものだと話した。身長を30cmくらいだと勘違いする人がいるが、1mは超えている、とも付け加えた。

住まいは池袋駅から徒歩3分ほどの物件で、動画内で紹介された以前のルームツアーによると家賃は10万5000円である。飲み会を開けるラウンジ、キッチン、フィットネスルーム、コワーキングスペース、無料の洗濯乾燥機、ガーデン、シアタールームなどの共用設備があり、にしくんは「コスパでしかない」と評価している。飲み会もこの共用スペースで開く。ウォーターサーバーを置いているのは、水を買いに出なくて済むからだ。

収入源と生活費

収入源を聞かれたにしくんは、まず「ないですね」と答えた。実際には、SNSから「勝手に入ってくる」お金でどうにか生きている状態だという。障害者年金と生活保護は受けていない。20歳を過ぎてからは親からの仕送りもない。親と仲が悪いわけではなく、もらってはいけないと自分で決めているそうだ。アルバイトはできないため、普通の人より難易度が高い生活だとにしくんは認める。

生活費は多くない。食事は1日1食で足り、外食はだいたい奢ってもらえ、差し入れも多い。大きな出費はAIの課金とゲームの課金くらいで、家賃約10万円を含めて月15万円ほど、20万円はいかないと見積もる。お金に執着がなく貯金もしていないので、ホストが「好きな時にSNSをして生活できるのは素晴らしい」と言うと、にしくんは「クズでしょ」と返した。充実はしておらず、金銭的にはギリギリで危ない状態だという。

AIで作るBGMと画像素材、「にしスタジオ」

最近のにしくんはAIばかり触っている。わかりやすい例がBGM制作だ。AIに作らせたBGMの一つは、TikTokで約4500本の動画に使われたという。動画にBGMが使われたことによる収入もある。動画生成AIのSoraにも触れ、自分の素材が日本で2番目、世界で30番目くらいに使われていると話した。

最近は「にしスタジオ」というサイトも公開した。素材を提供しながら広告収入を得て、BGMのPRもする場だ。にしくんがこのブランディングを選んだ理由は、AIが真似できないのは「人間臭さ」だという考えにある。人間臭いものを、デジタルで使える形にどう落とし込むか。そう考えた末に、にしくん自身をモチーフにしたAI生成画像や、AIに大量に作らせたBGMを素材として用意した。サイトにはBGMのほか、明るさ・色・文字を変えてオリジナルのカレンダーを作れる機能などもある。サイト上の説明によると、にしスタジオは、素材クリエイターとしてのにしくんが「あったらいいな」と思ったツールや、そこから生まれたコンテンツを展示する場所だ。さらに、みんなが作ったものを「にしくんが認めて載せてくれた」という文化を作ろうとしているという。

素材は自由に使ってよいとにしくんは言う。自分には「NGがない」、裸で動画を撮っていた時期もあるくらいだから、というのがその理由だ。ただし、使った人の発信が広く届いたなら見返りは欲しいし、法人が使うなら社会的責任は持ってほしい。それ以外なら勝手に使ってかまわない、という立場である。

その場でゲームと音楽を作らせる実演

にしくんは元プログラマーだ。SNSも「プログラマーだから簡単だと思って始めた」と話す。パソコンはトリプルモニター構成で、画面の一つには麻雀の有利・不利なポジションを覚えるための自作ツールが表示されていた。

撮影中、にしくんはOpenAIのプログラミング特化ツールCodexを開き、「トマホークに関するゲーム」を作るよう指示した。ホストのチャンネルから顔が映った画像も素材として使わせた。最初に出てきたのは、「トマホーク」という名前から斧を連想して作られた斧投げゲームで、ホストの画像は背景に使われているだけだった。当たり判定もおかしく、外しても外れない。にしくんはこう説明する。AIを表面的に触っただけの人は「バカじゃん」「やっぱりまだ人間だよね」と言う。しかしAIはあくまで土台を作るもので、人間関係でも一言話しただけでは仲良くなれないのと同じだ。「まだバグが多いから探して修正して」と伝えれば、AIは自分で考えてバグを探しに行く。やり取りを重ねるほど良いものになる、と。しばらくして修正版を確かめると、真ん中に当てれば当たり、外せば外れるように直り、写真も使われていた。にしくんは「こんな雑な命令でここまでやるのは怖い」と言い、少なくともどんな天才でもこの時間でこれは作れないのだから人間より優秀だ、と言い切った。

音楽生成には「Suno」というアプリを使う。ホストが求めたのは、相反するワードを組み合わせた「チルでテンションが上がる曲」、つまりチルとEDMの組み合わせだ。10秒足らずで「夜の波音」という曲ができ、歌も入っていた。ホストは「めちゃ好き」と反応した。にしくんは、音楽配信サイトにリリースされる曲のうち40〜50%はAI生成だと話し、大半の人は人間が作った曲と区別がつかないだろうと述べた。

「人間のダメなところ」で勝負する

AIの能力の高さを示したうえで、にしくんとホストは「これからこいつらと戦わなきゃいけない」「人間味で勝負するしかない」と話した。にしくんの考えでは、人間の良いところはAIが真似してくるが、ダメなところは真似しないはずだ。だから人間のダメなところを使っていくしかない。にしくんはそこで「障害持っててよかった」とも口にした。にしスタジオが「人間臭さ」を軸にしている理由とつながる発言である。

音楽とデジタルに力を入れる理由も話した。世の中のデジタル化が進んでも、どんな民族にも音楽はあった。だから音楽はちゃんとやっておかなければならないと考え、BGM制作に加えてDJセットも持っている。両極端のものを押さえておけば、その間は予測でどうにかなる、というのがにしくんの考えだ。

幼少期の病気と、本人が言う「生命力」

にしくんは3歳で横紋筋肉腫を患い、抗がん剤、外科手術、放射線治療をひととおり受けて治った。6歳のときには、ライソゾーム病に分類されるムコ多糖症(モルキオ症候群)と診断された。本人によると日本に30人ほどしかいない病気で、これが身長が小さい原因にもなっている。本来は治らない病気で、骨髄移植は効果がないうえにリスクが高く、にしくんの病気では避けるべきだと言われていた。それでも骨髄移植を受けた結果、治った、あるいは進行が止まったという。

体を壊しやすいのかというホストの問いには、むしろ非常に強いと答えた。風邪は引かず、インフルエンザにもコロナにもかかっていない。生まれつきの障害と幼少期の大病があっただけで、免疫力が異常に高いという。一度毒を体に入れると耐性がつくと言うが、それと同じではないかと本人は推測し、生命力が「チート能力」だと冗談めかして話した。賞味期限も気にしないそうで、前夜の飲み会の残りのピザが部屋に置いてあった。

一方で、治療の影響と本人が考えるものもある。耳年齢は70〜75歳相当で、若い人にしか聞こえない高い音(モスキート音)や、古い体温計の電子音が聞こえない。これは放射線や抗がん剤など、がん治療をいろいろ受けたせいではないかとにしくんは考えている。

酒とカフェイン、長い睡眠

酒は体格の割に強く、「アルハラが当たり前だった時代の普通くらい」は飲めるという。逆にカフェインはだめで、モンスターエナジーを飲んだときは体がしびれて動かなくなり、レッドブルでも少し麻痺が出るそうだ。にしくんの説明では、酒を飲むと頭も体も両方「バカになれる」。一方でカフェイン系を飲むと、頭は冴えるのに体がバカになる。

にしくんが本調子になるのは16時ごろからで、撮影も16時開始だった。睡眠時間はもともと長く、普段で9時間ほど、飲んだ日は20時間眠ることもある。夜中の3時に目が覚めても、面倒なのでまた寝て、朝にまた起きる。ホストに「1日という概念がない」と言われ、にしくんはそれを認めた。

人と会うには酒が要る理由

にしくんは酒を飲まないと人に会えないタイプで、人と会うときは必ず飲むという。理由は、人を分析してしまうからだ。ちょっとした動きや言葉遣いから、この人はどんな経験をしてきて、どんな考えを持っているからこの言葉を使ったのか、とつい分析してしまい、ひどく疲れる。疲れないために酒を飲む必要があるのだという。

今年初めて外に出たのは2月で、それまで1か月ほど出なかった。人に会うのが面倒すぎたうえに、AIが楽しすぎたからだ。にしくんはこれを、ゲームにはまりすぎた経験にたとえる。その状態が毎日続き、毎日アップデートがあって毎日新しいものを作れる。それに比べると人間は面倒くさい、というのである。外出時には乗り物を使っており、ホストも以前、動画の外でそれに乗って現れたにしくんに会ったことがある。

恋愛は不要、結婚ならあり

恋愛も面倒くさいが、結婚願望はあるという。付き合わずに結婚まで進むのは「全然オッケー」だ。にしくんの論理では、デートも肉体関係も、付き合っていなければできないわけではない。法的なルールがないのに、相手から一方的に義務を押しつけられるのが「付き合う」ということなら、デメリットしかない。だから結婚か友達のどちらかでいい、と考えている。

相手に求める条件は、論理的思考とコミュニケーション能力が一定の水準にあることだ。そうでなければ理解してもらえないし、自分も相手を理解できないと思っている。ただ、そういう相手はほとんど存在しないのではないかとも言い、人間とは付き合わず、AIと付き合うのではないかと話す。あるいは正反対に、お互いに相手をペットのように感じる関係、つまり相手が極端に弱々しくて自分もペットだと思えるような人に出会えれば結婚したい、とも語った。

眠りに落ちて終わる撮影

撮影中、にしくんは「頭が痛い、気持ち悪い、眠い」と繰り返し、途中でゼンレスゾーンゼロのプレイも見せた。ホロウという災害が存在し、コロナのような状況を下敷きにした世界で、それにどう対処しどう生きるかをデジタルで描いたゲームだと説明した。

夕方から飲み始めた酒がほぼなくなるころ、にしくんはベッドに移った。ホストが目覚めた後はどうするのかと聞くと、面倒だからまた寝る、と答えた。好きなときにSNSをして暮らせる生活はうらやましく見えるが、本人は充実していない、お金もギリギリだと言う。この日の撮影は、にしくんが「おやすみなさい」と言って眠るところで終わった。