ファッション時事ニュース:業界動向から裏事情、国産比率1.1%の危機までプロが解説

YouTubeで開く
概要

キャリア25年を超えるデザイナー・石川俊介が、ファッションおよび繊維業界の最新ニュースを独自の視点と業界の裏事情を交えて解説した動画のまとめです。

3分で読めます

2:151. デザイン模倣論争と商標問題の現実

  • ルイ・ヴィトン×Vans論争: ファレル・ウィリアムスによるデッキシューズについて、広く共有されている「コモンデザイン」に対して過剰に模倣と騒ぐのは、トレンチコートやボタンダウンシャツが作れなくなるのと同様に無理がある。
  • ハイブランドの制作現場: 海外メゾンが依頼する大手工場には広大なアーカイブルームが存在し、古着や他社製品を直接参照しながら仕様変更を指示する服作りは日常茶飯事である。

9:252. 繊維産地の光と影(学生服・原料高騰)

  • 産地の明るい兆し: 三陽商会の青森コート工場の新設拡張や、岡山デニム機屋の拡張など、世界基準の技術を持つ工場への設備投資が進んでいる。
  • 学生服のモデルチェンジ減少: 尾州(一宮)など国内ウール産地の織機を安定稼働させてきた学生服需要の一服や、ファストファッション大手の海外生産参入は、産地にとって大きな打撃となる。
  • 原料高騰とカシミヤ: 原毛・エネルギーコストの高騰によりユニクロも値上げを実施。良質な天然原料の確保は業界全体の深刻な課題となっている。

23:413. サステナビリティの虚実とEU廃棄禁止規則

  • 市場規模のトリック: サステナブル市場の急成長が謳われる一方、約290兆円規模のアパレル市場全体から見ればわずか0.8%程度に過ぎない。
  • EUアパレル廃棄禁止規則(ESPR)の抜け道: 焼却や再繊維化リサイクルが禁止される一方、「生地に織り込まれた外せないロゴ」は廃棄可能という大企業向けの抜け道や、在庫を「寄付」することで途上国の地場繊維産業を破壊するリスクが存在する。

46:364. イタリア生産への疑惑と日本への追い風

  • イタリア下請け工場の労働問題: 高級ブランドの下請けにおける不法移民の不当労働捜査により、メイド・イン・イタリーへの信頼が揺らいでいる。
  • 日本産地の機会: 先進国で一貫した生産基盤を持つイタリアと日本のうち、イタリアへの不信感は日本のものづくりにとって見直される契機(追い風)になり得る。

49:075. 国産比率1.1%の危機と日本の強み

  • 国内製造業の構造課題: 国産衣料比率は35年前の約50%から1.1%へと激減。川下(アパレル・小売り)の利益が、製造を支える川中(中小・零細の織布・縫製工場)に十分還元されていない構造を変える必要がある。
  • 世界が注目する日本の定番服: AURALEEやCOMOLIをはじめ、原料やテキスタイルから一貫して作り込める日本の生産基盤が生み出す「上質なベーシック」が欧米で高く評価されている。今後は製品だけでなく、優れた日本の生地を世界へ展開していくことが産地再生の鍵となる。