「持たざる者」の転職先として、なぜ無形商材の法人営業なのか

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概要

これといったスキルも誇れる経験もなく、特にやりたい仕事もない。そういう人が「人生100年時代」に食いっぱぐれないためには、何に転職すればよいのか。ブラック企業からホワイト企業への転職を経験したというYouTuberのサラタメ氏は、この問いに「無形商材の法人営業」一択だと答える。同チャンネルで繰り返し伝えてきた結論だという。

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この動画では、無形商材の法人営業とは何かを整理したうえで、他の職種と比べた4つのメリットを説明している。営業職への抵抗感や、ITエンジニア・Webマーケター・事務職・接客業との比較にも時間を割いている。

想定している対象者と条件

サラタメ氏がこの転職を勧める相手は、営業経験がない人、営業経験はあるがスキルアップを実感できていない人、やる気と覚悟はあるが経歴や学歴に自信がない人である。

そのうえで、内定を取れる条件を具体的に示している。最も大事なのは年齢だという。完全未経験からの転職ではこれからどれだけ伸びるかというポテンシャルが見られるため、若い人が有利になる。目安は20代から32歳ぐらいまでで、34歳でもぎりぎり可能性がある。サラタメ氏はこれを個人的見解ではなく、チャンネルの動画などを使って内定を取った約1000人を見てきた中での事実だと説明する。

学歴は基本的に4年制大学卒だが、高卒でもかなり入念に準備すれば可能性はあるという。転職回数は2回以内が目安だ。人物面では2点を挙げる。1つは、コミュニケーションが生理的に無理というレベルではないこと。得意な人の方が有利だが、苦手でも「無理」でなければよい。もう1つはより重要な点で、ビジネススキルや年収を高めたいという成長意欲があることだ。

「営業は大変」「コミュ障だから無理」への反論

営業を勧めると必ず「営業は大変」「コミュ障だから無理」という反応が出る、とサラタメ氏は言う。これに対する答えは、営業が本当に大変なのは最初だけで、慣れれば大丈夫というものだ。正しいスキルと知識が身につけば、多少人見知りの人でも十分にやっていける。むしろ「コミュ力お化け」のようなノリの人より、少し人見知りの人の方が活躍するという。

人見知りというだけで営業として活躍できていないなら、原因は別のところにあると見る。候補として挙げるのは、所属する会社の教育制度、上司のマネジメント方法、本人のプロ意識である。「営業職が合わない」と嘆く人の多くは、実際には会社か直属の上司が合っていないのだ、というのがサラタメ氏の見方である。

ただし、コミュニケーションが生理的に無理で嫌いだという人にまでは勧めないと明言している。

サラタメ氏自身も、最初はダメな営業マンからキャリアを始めたという。いろいろな得意先から出入り禁止をくらったが、それでも2年本気でやれば何とかなった。だから苦手意識がある人にも、まず2年だけ修行のつもりでやってみてほしいと呼びかける。

コミュニケーションから逃げられる仕事はない

一方でサラタメ氏は、営業職を避けるのは自由だが、ビジネスパーソンである限りコミュニケーションからは逃れられないと強く忠告する。ITエンジニアやWebマーケターのように、コミュ力より専門スキルが求められそうな仕事でも、高い成果を出すには一定のコミュ力が必要になるからだ。

さらに、コミュニケーションやノルマから逃げたい気持ちで専門職を選んでも、長期的には幸せなキャリアにならないという。ITエンジニアやWebマーケターとして活躍する人は、どうしてもやりたいという圧倒的な熱量を持っている。そこに「コミュ力がなくてもできそう」「ノルマがなくて楽そう」という逃げの姿勢で飛び込むと大やけどをし、取り返しのつかないキャリア崩壊につながる、とサラタメ氏は警告している。

無形商材の法人営業とは何か——2つの軸で4つに分かれる営業

サラタメ氏は営業職を2つの軸で整理する。1つは売るものに形があるか(有形/無形)、もう1つは売る相手が個人か法人かである。

無形商材の法人営業は、ITシステム、広告、人材関連サービスなど形のないものを会社に売る仕事だ。同じ法人向けでも有形商材なら、自動車部品、コピー機、お菓子、医療機器などを売ることになる。無形商材でも個人向けなら、保険や株などの金融商品、英語のオンライン教材などを個人に売る仕事になる。

この4つの中で無形商材の法人営業を勧める一番の理由は、転職市場での評価が圧倒的に高いことだという。この仕事の経験が、その後のキャリアアップで最も武器になるからだ。

なぜ評価が高いのか——仕事の難易度

評価が高い理由を、サラタメ氏は「仕事の難易度が高いから」と説明する。

有形と無形の比較では、極端な例としてネジを挙げる。その会社が研究開発し、直営工場でしか生産できないネジなら、客はその会社からしか買えない。営業スキルに関係なく売れてしまう。これに対して広告やITサービスのような無形商材は差別化しにくく、ライバル企業と内容が似通うことが多い。そのため営業担当者の提案力で違いを生み出さなければならない。

個人向けと法人向けでも、個人向けの方が比較的簡単だという。たとえば生命保険なら、親戚や仲の良い友人に売ることもできる。そうなるとロジカルな提案より、ノリと勢い、義理と人情がものを言う。法人向けでは、会社の決裁者を説得し、ビジネス上のメリットを論理的に提案・証明しなければならない。

有形より無形、個人向けより法人向けの方が難しいのがセオリーであり、高いビジネススキルが求められるからこそ転職市場でも評価される。サラタメ氏はこれを「シンプルな話」だとまとめる。

どうせ大変なら、評価される仕事を

「難しくて大変ならやりたくない」という反応も予想したうえで、サラタメ氏はこう答える。そもそも完全に楽な仕事はない。有形商材や個人向けの営業も比較的楽なだけで、大変は大変だ。営業に限らず、何もしなくてもお金が入ってくる仕事はない。どうせ何をしてもある程度は大変なのだから、ハイレベルな仕事をして転職市場で高い評価を受けておこう、というのが主張である。

評価の差はかなり露骨だという。求人情報で「営業経験」を条件にしながら、注釈で「法人向けの方」「無形商材を扱っていた方のみ」と限定している例は多い、とサラタメ氏は指摘する。

メリット1:未経験でも内定が取れる間口の広さ

ここからは営業以外の職種とも比べながら、4つのメリットを説明していく。1つ目は大前提として重要な、未経験でも内定が取れるほど間口が広いという点だ。

ITエンジニアやWebマーケターのような人気の専門職では、未経験者を採用する会社はそう多くないという。サラタメ氏によれば、10年以上前は大量に人を採る流れもあったが、今は全然違う。最近はAIの活用でその傾向がより顕著になっている。磨かれたスキルとAIなどの最新技術を使いこなし、10人分、100人分の働きをする優秀な経験者を1人採用して高い報酬を払う方が、企業にとってコスパが良い。そのため未経験からこうした職種に就くのは「かなり厳しいいばらの道」であり、相当な熱量がある人以外には勧めないという。

事務職も勧めない。地味に見えるが実は大人気で、転職の倍率が非常に高いからだ。売上や競争になるべく触れず、社内の事務作業を淡々とこなせる環境へのニーズは強い。サラタメ氏は特に女性を中心にニーズが大きいと述べる。そもそも募集が出にくく、出ても倍率が高い。Excelでマクロを自在に組めるような経験者でなければ内定は難しいという。

結果として、未経験からの転職で現実的なのは、店舗での接客業か営業職しかないとサラタメ氏は言う。どちらも売上に直結する人員なので、どの会社も常に欲しがり、募集が多い。ただし接客業は、入れたとしてもキャリア資産として積み上がりにくく、転職市場ではあまり評価されないという。

未経験から内定が現実的な職種の中で、転職市場での評価は「法人営業、個人営業、そしてかなり下がって接客業」の順になる。一方、入りやすさはその逆で、接客業が最も入りやすく、法人営業が最も難しい。そのため、とにかく早く内定が欲しい切羽詰まった人は接客業に流れがちだという。

サラタメ氏が勧める進め方は次の順番である。

  1. 未経験でも、まず無形商材の法人営業の正社員を狙う
  2. 厳しければ、契約社員や多少の年収ダウンを受け入れてでも無形商材の法人営業にこだわる
  3. それでも難しければ、個人向け営業を狙う
  4. それでも内定が取れなければ、最終手段として接客業

接客業でも学べることは多く、働き方によっては市場価値を高められる可能性もゼロではない、とサラタメ氏は留保をつけている。また、この順番は個人の好みや趣味を無視し、キャリアアップのセオリーだけを考えた場合のものだと断っている。

メリット2:いつでもどこでも使えるビジネススキルが身につく

2つ目のメリットは、汎用的なビジネススキルが身につくことだ。営業は軽視されがちだが、ITエンジニアやWebマーケターのような専門職よりも長く使えるスキルが身につく、とサラタメ氏は主張する。

営業で身につくものとして挙げるのは、コミュニケーション能力、交渉力、ヒアリング力、課題発見力、ロジカルシンキング、人脈、数字にコミットするマインドなどだ。これらは一言でいえば人間力、ビジネススキル全般であり、一度身につければどの会社でも何歳になっても使える。

これに対して専門職のスキルは、一度身につければ終わりではなく、学び続ける必要があるという。ITエンジニアならAI、機械学習、クラウド、ブロックチェーンなど新しい技術やツール、Webマーケターなら話題のメディアトレンドや最新の広告メニューを追い続けなければならない。年を取っても若手と張り合う終わりのない競争が続く。それをゲームのように楽しめるトップ層には最高の環境だが、大多数にとってはしんどい、とサラタメ氏は見る。

営業も業界知識の勉強は必要だが、休日返上で資格を取ったり、専門書を読んだり、海外の最新情報を英語で仕入れたりする必要はないという。若手のうちは、見込みがあると思った客にぎりぎりで断られたり、上司にノルマの見立てを詰められたりして、メンタルを削られる場面が多いことも認めている。ただ、そこを若いうちに乗り越えて営業の勘どころを身につければぐっと楽になり、そのスキルは年を取っても幅広い業界で長く使えるという。

メリット3:転職市場で強くなり、他職種への道も開ける

3つ目は転職市場で強くなるという点だ。これまで繰り返し述べてきたため、サラタメ氏は結論だけを確認する。一度経験しておけば市場価値は着実に上がる。

補足として、営業職以外に転職できるチャンスも広がると付け加えている。代表例はマーケターだ。マーケターの採用では経験者が有利なのは当然だが、未経験でも「無形商材の法人営業の経験が2年以上あれば採用する」という企業はよく見かけるという。

理由として、成果を出している無形商材の法人営業担当者は、マーケター的な視点を持っていることを挙げる。営業現場でヒアリングした顧客の生の声を、サービス開発や商品企画の担当者に自然にフィードバックしている。例として「このサービスをこうリニューアルしたら、もっと高価格でも売れると思う」といった提案を挙げている。本気で取り組めば、この仕事は他の人気職種への架け橋にもなる、というのがサラタメ氏の説明である。

メリット4:ITの力で働きやすくなっている

最後のメリットは、ITによって営業が働きやすくなっていることだ。営業には飛び込みや「足で稼ぐ」といった泥くさいイメージがまだ強いが、会社を選べばそうした非効率な営業はしなくて済む、とサラタメ氏は言う。

ITやマーケティングをまともに活用している企業なら、初対面の企業にいきなり飛び込むような営業はしない。よくある例として挙げるのは、検索結果に表示されるリスティング広告を出し、それを見て問い合わせてきた客にZoomで提案するというスタイルだ。

そのため在宅でも営業はできるという。フルリモート可の企業は多くないが、週2〜3日はリモート可という企業は珍しくない。サラタメ氏は、コロナ期間にZoomやTeamsなどのWeb会議ツールが一般化した影響が大きく、ここ5年ほどで営業の手法は急速に効率化されたと述べている。

残された論点——企業の選び方と内定の取り方

サラタメ氏は、無形商材の法人営業にも落とし穴があると述べている。「無形商材の法人営業」という言葉は対象が広すぎるため、どの業界を狙うべきか、どんな企業には転職してはいけないか、逆にどんな企業を狙うべきかを具体的に知る必要があるという。

内定獲得については、未経験ではポテンシャルを評価される必要があるため、準備が非常に大事だという結論だけを示している。どのレベルの準備をどう進めればよいか、どの転職エージェントを使うべきかといった具体論は、この動画本編では扱わず、別の限定動画に回されている。