上里譲はなぜ2026年にオリンピア出場を逃したのか:表情、腹部の質感、骨格の傾向から考える

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概要

メンズフィジークの上里譲選手は、2026年シーズンをプロ戦優勝で始めながら、結局ミスターオリンピアへの出場権を得られなかった。話者はミスターオリンピアで順位を獲得した唯一の日本人メンズフィジーカーとして上里選手を「日本最強」と呼んでいる。この動画では、その上里選手に何が起きたのかを、大会映像と写真をもとに「勝手に考える」という立場で語っている。扱う論点は表情の変化、腹部の仕上がり、背中の見せ方、そして東南アジアの選手との骨格の違いや近年評価される選手の傾向である。

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2026年シーズンの戦績

話者はまずシーズンの流れを整理する。6月6日の初戦DCプロで、上里選手は24名中1位となった。初戦からの優勝で、多くの人が今年もオリンピアに行くと思ったはずだと話者は言う。メンズフィジークでは、ポイントランキングに入るか、プロ戦で2勝すればミスターオリンピアに出場できる。上里選手はここでアメリカで10ポイントを獲得した。

しかしその後はポイントを伸ばせなかった。6月20日のボディワンプロでは16人中7位、約2か月後の8月22日に韓国で開催されたアジアン・プロ・チャンピオンシップでは19人中6位、8月29日のテキサス州ヒューストンでのヒューストンプロでは28名中6位で、いずれも0ポイントに終わった。韓国の大会は東アジアと東南アジアの選手が入り乱れる大会で、YouTubeで無料のライブ配信があったという。最終的なオリンピア出場のボーダーラインは15ポイント近辺だったと話者は説明しており、10ポイントにとどまった上里選手は出場を逃した。

最終戦で見せた笑顔の意味

話者が最初に取り上げるのは体ではなく顔である。最終戦のヒューストンプロで、上里選手が個人ポージングで口角を上げて笑った。話者は、以前は真顔でも雰囲気が出ていてよいと思っていた時期もあったが、この笑顔を見ると印象がまったく違うと述べる。ライアン・テリーのように目の横に笑いじわが入るほどの笑顔ではないものの、見栄えの大きな変化であり、話者はこれを「確実に進化」と評価している。

話者によれば、メンズフィジークで大事なのは力んでいない感じ、すごい体なのに頑張っていない雰囲気であり、そのためには表情とポーズの柔らかさが必要になる。どの部門でも表情が選手のキャラクターを作るとして、ローリー・ウィンクラー、フィル・ヒース、クリス・バムステッドの笑顔と、カイ・グリーンとフィル・ヒースが真顔で向き合った有名な瞬間を例に挙げ、表情の重要さを説明する。表情管理で話者が最も好きなのはエリン・バンクスで、ピッツバーグプロでの髭のある強面の雰囲気から笑顔に変わる瞬間に、観る側は必ず顔に目が行くという。

クラシックフィジークでは話が変わるかもしれないが、メンズフィジークでは極限状態でも笑顔と余裕のある感じが特に大事かもしれない、と話者は考える。比較審査では顔が必ず目に入るため、上里選手がこれからもっと表情豊かにできるかはわからないとしつつ、期待を寄せている。

上半身のサイズは依然として強み

次に話者は体について語る。第2戦以降の大会映像を何度見ても、身長に対する上半身の大きさはラインナップの中で上里選手が最も大きかったという。特に胸と肩幅のサイズがあり、丸みも最高峰だと話者は評価する。これは去年までの成績でも上位に入る要因として有利に働いてきた長所であり、来年以降も間違いなく長所であり続けるはずだと述べている。

順位を落とした原因は腹部の「書き込み量」

では何が順位を落としたのか。話者の見立ては、腹部の「書き込み量」、つまり仕上がりの質感である。フィジークで最も大事なのは体の中央に見える腹筋周りで、その単純なサイズと影の濃さ、そしてハードでタイトな質感が見栄えを作る最大の要因だという。第2戦から第4戦にかけて、ここがはまらなかったのではないかと話者は考えている。

話者はその理由を腹筋の構造から説明する。腹筋は横のラインの腱画と縦のラインの白線という腱組織で物理的に区切られ、それが板チョコのような4パック、6パック、8パックを作る。この溝の幅は人それぞれで、たとえば同じ大会で5位となり上里選手の隣に並んでいたアンドレ・ファーガソンは、メンズフィジークを代表する腹筋を持ち、溝の幅がかなり広いため凹凸が強く見える。一方、上里選手は溝の幅が狭いので、完璧なコンディションで来ないと腹筋が浅く見えがちだという。特に動画や現地で動きの中で見るとそうなるだろうと話者は言う。ただし上里選手の6パックはきれいに揃っており、皮膚がより張り付けば問題にならないはずで、真正面でポージングできるのも腹筋が揃っているからだと話者は補足している。

ベストだったアトランタプロとの比較

話者は、上里選手のベストシェイプとして去年のアトランタプロの写真を並べて比較する。アトランタでは胸のストリエーション(筋線維の筋)が浮き出ており、ドライな質感がわかる。フロントポーズでは胸や肩に血管が走り、お腹周りのラインも濃い。代表的な仁王立ちスタイルのポーズでも、アトランタの方がドライで、ウエストが引き締まって見えるという。

一方で、今年は肩のサイズ自体がものすごく上がっていると話者は見る。今回サイズで他を圧倒して見えた要因は三角筋のサイズアップではないかという。しかし腹部の凹凸がやや弱く見えた結果、腕がより目立つ印象になった。上里選手は胴体に対する上腕と前腕のサイズがとても大きく、腕の筋肉の付着位置もボディビル的に優秀なため、腕がかなり大きく見える。そのため体のコアの部分より外へ外へと視線が向く見られ方をされたのではないか、そして腕と肩の境界線が少し薄く見えたのかもしれない、と話者は推測している。

背中は弱くなっていない

背中については、皮膚が張り付けば余裕だと話者は言う。むしろ脇から広がりを作る広背筋は去年と比べて確実に分厚くなっている。今回は下背部の2本の柱(脊柱起立筋)が目立ちにくいポージングだったかもしれないが、それは広背筋の厚みと広がりを強調するスタイルを選んだためで、強調したい場所が以前と違ったのではないかという見方である。

高画質で細かく見れば、持っているもの自体はそれほど変わっておらず、背中が弱くなったわけではないと話者は考える。ガラス張りのような質感に仕上がれば、すべてが見えるはずだという。ただ下背部の柱も絶対に必要な部分なので、どの位置で決めるかという見せ方の問題は残る。それでも、広背筋のカーブについてはレベルアップして見えたと話者は明言しており、光の強い会場でもすべてが立体的に見えたDCプロを高く評価している。

絞りとポージングの重要性

話者は、昔から各部位の境界線を作る大事な要素が「絞り」だと強調する。メンズフィジークでは力んだポーズを取れないため、肩と腕のラインや腹筋、背中の表情を濃く出すには絞り切るしかない。ここが最も大事で、最も難しいところだという。

ポージングでどれほど見栄えが変わるかの例として、話者は金子選手の今年の写真2枚を挙げる。2枚の間は半月しか空いておらず、筋肉量は変わらないはずなのに、まったく別のルックスに見えるという。

また、ライアン・テリーが連覇している理由を、話者は「砂漠」のように乾いたコンディションにあると見ている。腹筋の並び方や各部位の丸みなど、もっとアーティスティックな選手はいるし、最も美しいと言われる肉体ではないはずだが、近年あれほどスーパードライな体を見せつけられたら加点せざるを得ない、というのが話者の評価である。背中も優秀で、表情を含めたプレゼンテーションもよいとしている。

韓国戦で感じた骨格の違いとセクシー筋

話者が韓国のアジアン・プロ・チャンピオンシップを見て強く感じたのが、「セクシー筋」と呼ばれる外腹斜筋と、ウエストの前後の厚みである。同じアジアの選手でも骨格と見せ方が違いすぎると話者は言う。優勝した東南アジアの選手や、インドネシアの選手を中心に、サーフパンツの位置が低く、外腹斜筋が全部見えている。バックポーズでもパンツを下げて起立筋のいちばん下まで露出しているため、骨盤まで見え、そこから背中が飛び出して見える選手が多い。これがすごいメリハリになっているという。

話者はなぜ骨格が違うのかを調べたとして、次のような説を紹介する。インドネシアやフィリピンなど一年中暑い熱帯の地域では、熱を外へ逃がすために手足が長く進化し、消化しやすい動物性タンパク質中心の食生活で胴体がコンパクトに保たれたらしい。その結果、腰の位置が高く、狭い胴体に筋肉が詰まった立体的な体になる傾向がある。一方、日本、中国、韓国、台湾などの東アジアは厳しい冬があり、体温を逃がさない寸胴体型に進化したうえ、穀物を消化する長い腸を収める必要があったため、正面から見た横幅が広く、フィジークで有利と言われる平たい骨格になる。話者は北欧の選手も当てはまるのかもしれないと付け加えつつ、これはあくまで平均的な話で全員に当てはまるとは思えないと留保している。

評価基準は変わったのか

話者によれば、以前はトップ選手でもセクシー筋までは出しておらず、オリンピアを見てもそうだった。しかしタイトなサーフパンツが認められ、脚のラインも見られるようになったことで、評価される体の基準が変わった、あるいは変わったように見えるようになった、というのが話者の印象である。

外腹斜筋とウエストの前後の細さを強調するために骨盤の角度を斜めに切る選手は以前から多い。話者は、メンズフィジークがかつて「メンズビキニ」と呼ばれていたことに触れ、ビキニ部門ではタイトなウエストが作る砂時計型の体がフロントポーズで最も大事だと説明する。そのためメリハリを生むには前後の幅が狭い方が有利かもしれず、ここにも「骨格ゲー」と言われる要素があるという。ただし、それを絞りやポージングで覆している選手ももちろんいると話者は述べている。

最近評価の高い選手の特徴

話者は近年活躍した選手として、まず今年3回優勝したダラス・ボッチウェイを挙げる。とても小さなウエストから大きな腹筋がせり出し、昔から大事とされる胸と肩の切れと丸みがあるが、どっしりしたヘビーな印象は受けないという。背中についても、一時期は下背部選手権、つまりロウラット(広背筋下部)選手権のように見えたが、今は各筋肉のセパレーションの強さの方が大事に見えているのかもしれないと話者は述べる。

さらに話者が「色々ぶっ壊しちゃった感がある」と表現するのが、ピッツバーグプロのカイロン・ホールデンである。どう見ても一番よく見え、審査員の判断に誰も文句を言っていなかったほどだという。プロリーグの中で肩が超巨大なわけではなく、バックポーズでもそうで、背中も最大級ではない。しかしさらっとスマートに立つ中で丸みに優れ、極めて分離している。話者は、丸みに優れたまま分離していることが大事だとまとめている。こうした選手が話題になると審査員もそのタイプがよく見えるようになり、審査員がよく見るタイプが少しずつ変わることが「トレンドが変わる」と受け取られているのだろう、と話者は考える。カイロンもパンツの位置をかなり下げており、外腹斜筋のVラインのいちばん下や、背中側では骨盤まで見えているという。カイロンはオリンピアでは外しがちだが、今年のオリンピアが楽しみだと話者は語っている。

ゴールは「おしゃれに立っている感」

最後に話者が大事だと考えるのは、さらっとおしゃれに立っている雰囲気である。例としてブラジルのディエゴ・バザリアを挙げ、色気すら感じる、力まない、頑張らない余裕のある雰囲気だと評する。もちろん実際には頑張っているが、おしゃれに見えるという。

話者が個人的に崇拝しているのは2021年のエリン・バンクスで、ルーキーイヤーにしてミスターオリンピア準優勝という大変な結果を出したステージである。ポージングと余裕のある雰囲気、おしゃれな空気感が好きで、素晴らしい肉体あってのオーラではあるものの、メンズフィジーク選手にとってはこの雰囲気がゴールだと思って何度も見てしまうと話者は言う。今でも評価されるだろうとも述べている。

話者によれば、ポーズがうまく見える選手は膝周りの動きが柔らかく、重心の移し方も含めて動き自体が柔らかい。体は重いのにふわりと軽やかに動く感じがあり、それが比較審査でも大事だという。ボディビルは規定ポーズが8つあるのに対し、フィジークは2つしかないため、ポーズの合間にどう動きをつけるか、表情も含めてプレアクションのようなものがあれば目を引くアピールになると話者は考えている。

上里選手への見通し

話者は上里選手について、より強く、よりタイトになって戻ってくるはずだと見ている。絞りについては完璧に合わせてきた大会もあるので、残る課題はウエストの前後の幅をどううまく見せるか、そして腕などとのバランスをどう取っていくか、という点だという。話者自身は「うまくまとまらない」と認め、上里選手が話題になっている中で独自の観点から話しただけだとして、視聴者に意見を求めて締めくくっている。