Awich、CHICO CARLITO、ONE OK ROCK、Paledusk による新ユニット「YAO」の初MV撮影に密着

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概要

ヒップホップのAwichとCHICO CARLITO、ロックバンドのONE OK ROCKとPaledusk。出自の異なる4組がひとつのユニット「YAO(ヤオ)」を組み、最初の楽曲『777』のミュージックビデオを撮影した。VOGUE JAPANのカメラはその一日を追い、現場の様子と、結成の経緯、名前に込めた意味、制作の役割分担についてのメンバーの言葉を記録している。ジャンルの違う4組がなぜ一緒にやるのか、そして何を発信しようとしているのかが、この映像の中心にある問いである。

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大勢のエキストラが集まった撮影現場

案内役を務めるのはAwichだ。7月から始動するユニットYAOのMV撮影中だと説明し、自分の撮影に向かう道中でPaleduskのボーカルらと合流する。楽屋は賑やかで、Awichは「いつもの自分一人の現場とはまったく違う」という趣旨のことを口にする。

撮影には大勢のエキストラが参加していた。Awichは集まった人々に向かって、自分とPaleduskだけでなくONE OK ROCK、CHICO CARLITOを加えた4組のコラボレーションであることを明かし、みんなと一緒に自由を求めて立ち上がる、と呼びかけて場を盛り上げる。

あるメンバーは、撮影が進むにつれて全員の緊張がほどけていき、多数のエキストラから受け取る熱量がとても高いので、それに負けないように頑張りたいと語った。

ヒップホップとバンドの「エネルギーの爆発」

メンバーのコメントには、4組が組むことへの期待が表れている。あるメンバーは、日本の音楽シーンの歴史に残るようなバンドの一員になれたことが本当に嬉しいと述べた。4人のボーカルがいる以上、互いに「かまし合う」面もある。そのなかで切磋琢磨しながら良い楽曲を作っていく感覚を持っており、それがどう聴かれ、どう影響を与えるのかが今はすべて楽しみだという。

別のメンバーは、出発点の違いと共通点について話した。一方はヒップホップ、一方はバンドと、出てきた入り口のカルチャーは違う。それでも、向かっていく先のエネルギーの爆発の大きさは同じだと実感する場面が多い。ヒップホップとバンドそれぞれが持つエネルギーの爆発がこのバンドから生まれていくことにワクワクしている、と語る。前例のないことを、とんでもない顔ぶれでやろうとしているので、応援してもらえたら嬉しいとも付け加えた。

メンバー同士の距離感

互いへの評価も語られた。ONE OK ROCKについては、日本最大のロックバンドであることは間違いないが、近づけば近づくほど、ただの友達のお兄さん、いちばん優しい人たちという感じで、頭が上がらない大好きなバンドだという声があった。別のメンバーについては、ふだんは可愛らしいお姉さんのようだが、ステージに立つ姿は本当に尊敬しており、良い意味での「鈍感力」があり、器が広いと感じることが多いと話している。

あるメンバーは、このバンドが日本と世界に与えるものは非常に大きくなるのではないかと述べたうえで、大事にしたい点を挙げた。シャウトしていても激しく頭を振っていても、強いメッセージを出す瞬間であっても、それがヘイトから来る瞬間はこのバンドにはおそらくない。そこはこの先も変わらない気がするし、それが鍵になる。その鍵を持ったまま、仲良く、楽しく、強く突き進んでいきたい、という。

衣装とビジュアルのこだわり

Awichによれば、この日の衣装のテーマは制服の着崩しだ。Awich自身は本物のセーラー服をもとにしたスタイリングで、胸元には「八百万(やおよろず)」の刺繍が入っている。同じ刺繍は全メンバーの学ランにも入っている。ボタンにもユニット名YAOがあしらわれ、Awichはネックレスにも付けていると細部を見せた。

映像の方向性については、学園ものにしたい、日本を象徴する映像にするにはどうするか、といったアイデアを出し合ったという。Awichは、各領域のエキスパートが本気で全力を出してくれることが本当に幸せだと語る。自分だけがかっこよくても作品としては絶対にかっこよくならないので、全体の調和まで考えなければならない。それを考えるのが楽しいのだという。

結成のきっかけは旅行

結成のきっかけを尋ねられると、メンバーは口をそろえて「旅行」と答えた。Awichによれば、発起人のメンバーが、これまで自分が培い積み上げてきたものを自分たちにシェアしたいという優しい気持ちから声をかけてくれた。一方で自分たちには、そこから学びたい、ついていきたいという気持ちがあり、それが合わさって今の形になったという。

声をかけた側のメンバーも経緯を語った。Awichの存在はずっと知っており、自分たちのコンサートに一度ゲストとして招いたことがあった。そのとき一人のアーティストとして強い衝撃を受け、ベルーナドームでの演出を含む彼女の立ち居振る舞いやステージ上の姿に、久しぶりに通じ合うものを多く感じたという。そこから、ジャンル抜きに音楽を軸としたエンターテインメントとして広げる方法はないかと考えるようになった。ただ、仲が良くなければこうしたことは絶対に成立しない。だからまず旅に行こう、というところから始まったと振り返る。

「YAO」という名前に込めた意味

こうして『777』という曲ができ、それを自分たちの名刺代わりの曲にしようと決まった。ユニット名YAOは「八百万(やおよろず)」に由来する。Awichの説明では、八百万の神、つまりあらゆるものに宿る魂を意味する言葉から取っている。すべてに神様が宿ると思うだけで、すべてを大事にしようという心が芽生える。みんながそうやって生きれば、互いを大事にし、物や自然も大事にして、仲良く生きられる。そのことを発信していくバンドだという。

役割分担:Awichが歌詞、Paleduskのメンバーがプロデュース

制作では最初から役割をはっきり決めていた。歌詞は「姉さん」ことAwichが全面的に担当し、全楽曲の総合プロデュースはPaleduskのメンバー(字幕では「代々」)が担う。話していたメンバーは、自分はどちらかといえば少し偉そうな立場で、「ここは変えた方がいい」「これはいい」と意見を出す役だと笑う。Awichも、最終的なOKはそのメンバーが出すが、それまでは自分とPaleduskのメンバーが何パターンも案を出すのが基本の流れだと説明した。

この分担によって、そのメンバーはふだんなら書かないような歌詞を歌うことになった。『777』には、自分がこれまでの曲で使ってきた歌詞やセリフが多く盛り込まれており、それを選んだのはAwichだという。Awichは、本人なら少し恥ずかしいと感じるかもしれない部分でも、ファンの立場からすれば聴きたいものだと考えて入れたと話し、「みんなが聴きたかったもの」だから喜んでほしいと呼びかけた。本人は、最初は恥ずかしかったが、そういう視点も当然あると気づかされたという。自分では絶対に気づけないことを信頼する仲間に拾い上げてもらえたことは、改めて自信にもなり、嬉しかったと語っている。

目指すもの

同じメンバーは、ロックとヒップホップはこれまでも時代ごとに何度も融合してきたと認めたうえで、このユニットの特徴を述べた。Awich、CHICO CARLITO、Paleduskという、異色でありながらどこかしっくりくるアーティストたちと、互いの意見をしっかり持ち寄り、それをまとめていく。そのうえで、今の世の中への強いメッセージや、アーティストとして、また人間としてのあり方を伝えていけたらいいと話した。

撮影の終盤、あるメンバーは撮れた映像について、エキストラが全員AIだと思われるくらいすごい映像になった、と手応えを口にした。撮影終了後、Awichは長い一日への感謝を述べ、『777』のミュージックビデオの完成と、YAOのこれからの活動を楽しみにしていてほしいと締めくくった。