排水処理場を炭素除去の拠点にするCREW Carbon:現場のコスト削減から入る気候テック
東京大学FoundXFoundXの2人がAIで整理した情報をもとに海外スタートアップを分析する「FoundX Review Startup IdeaCast」。今回はイェール大学発のCREW Carbonを取り上げた。同社は既存の排水処理施設に石灰石などのアルカリ性鉱物を投入し、処理効率を改善しながらCO2を重炭酸イオンとして水中に固定する。解説役の話者は選んだ理由として、CO2の固定・回収だけでなく、インフラの老朽化や排水処理に使う薬品のコストといった水処理業界の課題も同時に解決する点を挙げた。
番組の冒頭では、AIで整理した情報のため一部が古かったり誤っていたりする可能性があり、事実を重視する場合は各自で確認してほしいという断りが入っている。以下の数字や事例も、番組内で紹介された内容である。
2つの市場課題を同時に扱う
解説役によると、気候変動の側では、2050年までに年間10ギガトンのCO2除去が必要だと言われている一方、それに見合う高品質な除去クレジットが足りていない。水処理の側では、排水処理インフラの処理コストが過去20年で倍増し、老朽化も進んでいるという。
CREW Carbonは新しいプラントを建てるのではなく、既存インフラにモジュールとして入り込むことで、排水処理施設をギガトン規模の炭素除去ハブに変えようとしている。聞き手が処理コスト倍増の理由を老朽化以外にもあるのかと尋ねると、解説役は環境規制、具体的には窒素やリンの除去基準が厳しくなり、それに対応するために大量の薬品や電力が必要になっていることを挙げた。
顧客が抱える3つの課題
番組では、米国・欧州の自治体の排水処理施設と産業排水施設が抱える課題を3点に整理した。
1点目は規制である。放流された水の富栄養化を防ぐために排出規制が年々厳しくなり、窒素やリンなどの栄養塩を除去する義務が課されて、その分だけ薬品の投入が増えている。2点目はコストと危険性だ。処理を安定させるために苛性ソーダなどの強アルカリ性の薬品を使うが、高価なうえに作業者にとっても危険だという。3点目はインフラの老朽化で、処理能力を上げるために三次処理設備などを導入しようとすると数億ドル規模の設備投資が必要になる。
既存の手段である化学処理は高コストで排出も伴い、追加設備の投資も大きいため、自治体にとっては実行が難しくなっている、というのが解説役の整理である。
ターゲットについて聞き手が尋ねると、産業排水では食品加工、飲料、ビールなどの酒類、製紙といった有機物を多く含む排水を出す業種が挙げられた。自治体施設については、米国環境保護庁のデータで公共の排水処理施設が1万7000以上あるという。規模の内訳は資料からは分からなかったと解説役は断っている。
解決策:センサーで管理する石灰石の「スマート投入」
CREW Carbonの解決策は、石灰石などのアルカリ性鉱物の「スマート投入」である。解説役はこれを、洗剤を自動投入する洗濯機のようなものだとたとえた。単に石灰石を入れるだけではなく、特許取得済みのセンサーで流入水をリアルタイムに監視し、生物処理を最適化するデータ制御を行っている点が優位性だという。また、ただ石灰石を入れるだけではうまくいかず、粒子の大きさなども調整された、普通の石灰石とは異なるものらしい。
顧客側のメリットとして、危険な薬品を安定した安全な鉱物に置き換えられるため、薬品コストを最大85%削減できるとされる。水中の微生物の働きも良くなり、汚泥が沈む沈降性も改善するという。
最大のアピール材料として紹介されたのが、米国のハンプトン・ローズの水道事業体での事例だ。CREW Carbonのサービス導入で処理効率が上がり、その結果、3.5億ドル(約500億円)規模の設備投資の延期が検討されたという。聞き手が何を延期したのかを尋ねると、解説役は、以前はキャパシティ不足を補うために新しいタンクや処理設備が必要だと言われていたが、既存設備のままで処理効率が上がったため、増設を見送れる可能性が出てきたと説明した。聞き手が「いいことだらけ」と驚いたのに対し、解説役は「どれぐらい本当なんだろう」という思いもあると率直に述べている。
なぜ石灰石でCO2が除去されるのか
仕組みについて解説役は、化学をちゃんと勉強しておけばよかったと前置きしつつ次のように説明した。排水中の有機物を微生物が分解する際にCO2(炭酸)が生じる。石灰石、つまり炭酸カルシウムが水中でカルシウムと炭酸イオンに分かれて反応し、重炭酸イオンという安定した別の物質に変わる。これが水に溶けたまま海に流れるため、大気中に戻らず、除去されたことになるという。
市場規模と成長ドライバー
広い市場としては、耐久性のあるCDR(二酸化炭素除去)クレジット市場と水処理最適化市場が想定されている。番組ではCDRクレジット市場が2035年に31億ドル以上と試算されていると紹介された。排水処理施設は世界に11万カ所以上あり、そこに展開できる可能性があるという。初期の対象は米国・欧州の自治体や産業排水処理施設で、CREW Carbonのアプローチでは潜在的に年間5億トンのCO2除去が可能だと言われているそうだ。
成長ドライバーは2つ挙げられた。1つは、企業のネットゼロ目標達成に向けて、高品質で測定可能な炭素除去クレジットの需要が増えていること。もう1つは、厳格化する水質規制と自治体のインフラ更新予算の枯渇によって、設備投資の小さいソリューションに向かう力が働いていることだ。短期的な参入先は、環境規制が厳しく、CDRクレジットの認証・販売インフラも整っている米国と欧州の中〜大規模排水処理施設だという。
二面市場のビジネスモデルとユニットエコノミクス
ビジネスモデルは、排水処理施設とCDRクレジットを買う企業の間に立つ二面市場である。収益源は、排水処理施設からのサービス料またはコスト削減分のシェアと、Frontierなど法人バイヤーとのCDRクレジットのオフテイク契約の2つだ。
Frontierとの契約では、約7.2万トンを3210万ドルで納入する予定で、1トンあたり約450ドルになる。長期的にはこれを100ドル未満に下げることを目指しているという。ゼロから何百億円もかけて自社プラントを建てるのではなく既存インフラに乗るため費用が低く、利益率の高い構造になっていると解説役は説明した。
聞き手が、クレジットの収益は自治体側にも還元されるのかと尋ねると、解説役は配分方法は非公開で分からないと答えた。ただ、公共インフラから生じた収益なので、自治体への還元や施設の運営費への充当といった形はありうるかもしれない、との見方を示している。
既存インフラを使うメリットとしては、土地の取得、プラントの建設や設備の費用、CO2輸送用パイプラインの敷設が不要になること、新たな環境アセスメントや許認可が不要か最小限で済むことが挙げられ、その分展開スピードが速くなるという。
閉鎖系だから測定できる:競争優位としてのMRV
解説役が「CDRでも確かに面白い」と感じたと語ったのが、測定の戦略である。岩石の風化作用を利用するCDRには、海や河川に鉱物を直接まく手法や農地にまく手法など、開放系を対象にするものがある。これらはポテンシャルは大きいが、本当にCO2が吸収されたのか、どれだけ吸収されたのかの計測が非常に難しいという。
これに対しCREW Carbonは、排水処理という閉じた環境の中で反応させるため、入口と出口にセンサーを置いて差分を計測できる。クレジット市場では、どれだけ取れたか・本当に取れたかを証明できない炭素除去は価値を持ちにくいため、測定の精度の高さがクレジットの質と価格を担保すると解説役は説明した。センサーでは入口と出口のpH、アルカリ度、溶存無機炭素の量などを測り、どれだけのCO2が重炭酸に変換されたかを定量化しているという。解説役はこのあたりが同社の技術の核になっているのだろうと推測している。
聞き手は、海に流れた後にCO2が再放出されることはないのかと質問した。解説役は、一般に重炭酸は安定しているとされるが、CO2に戻る可能性はあると認めたうえで、認証プロトコルでは下流での損失分をかなり保守的に計算し、それを差し引いて除去量を算定するルールになっていると説明した。
創業2年で商業運用へ:ロードマップとFrontier
CREW Carbonの創業は2022年である。ハードウェアを使う気候テックは商業化に10年以上かかるケースもある中、創業から2年で商業運用を始めた点を解説役は「かなり早い」と評価した。
フェーズ1(2022〜2024年)ではイェール大学で研究の実証を行い、Frontierからプレパーチェスを獲得しつつ、技術と測定手法を確立した。現在のフェーズ2では10施設に展開し、Frontierとは長期のオフテイク契約も結んでいる。今後は調達したシリーズAの資金を使って分析プラットフォームを拡大し、米国・欧州で導入施設を増やす計画だという。
転機として解説役が強調したのは、フェーズ1の時点でFrontierのプレパーチェスを得たことだ。これにより将来のキャッシュフローが担保され、資金調達がしやすくなったという。プレパーチェスとは、クレジット分の除去が実際に達成される前の段階で、技術が成功したらこの価格で買うと事前に契約する仕組みで、買い手がいることが信用となって銀行やVCからの調達が容易になると解説役は補足した。さらに、第三者認証機関から排水アルカリ度強化によるクレジットの認証を得ており、自らルール作りに入り込んでいることも強みだと評価している。
競合との違いと、水処理大手の参入可能性
差別化要素として番組が挙げたのは、既存インフラ活用による低い設備投資、閉鎖系での高精度な測定、顧客の直接的なコスト削減、安全で安価な石灰石による材料コストの低さ、そして第三者認証の取得である。開放系のCDRには測定の課題が残り、一方で排水処理系の企業はクレジットの出口を持たず測定も難しいため、どちらとも正面からは競合しにくい市場になっているのではないか、というのが解説役の見方だ。
聞き手は、エコラボやヴェオリアのような水処理大手が参入してきそうだと指摘した。解説役は、やっていること自体はかなりシンプルなのでその可能性は十分あると認めた。ただし既存大手にとってはアルカリ薬品の利益率が高く、その使用量を減らして石灰石に置き換えることにはイノベーションのジレンマやカニバリゼーションによる抵抗があるのではないかと述べた。
特許については、独自のセンサーとモニタリングシステムで取得済みだという。ただし解説役は、最大の参入障壁はいち早く第三者認証のプロトコルに適合し、複数施設での運転データを持っていることではないかと考えている。
保守的な公共インフラへの入り方
自治体の下水処理場は意思決定が遅く、新技術の導入にも保守的だったという。そこでCREW Carbonは、気候変動対策のために導入してほしいとは言わず、薬品コストが下がり、規制もクリアでき、設備も延命できるという現場のメリットを前面に出した。大規模システムの新設ではなく既存プロセスへの後付けである点も訴え、短期間でコスト削減を実証して本格導入につなげた。そのうえで、生み出したCDRクレジットを自社の収益にするという順序だったと解説役は説明する。
聞き手が設置費用の請求方法を尋ねると、解説役は契約形態は調べても分からなかったとしたうえで、オフテイク契約で得る将来収益を原資に、初期導入費用などのマイナス面をCREW Carbon側が負担したり小さくしたりしているのではないかと推測した。現場の作業員の負担については、石灰石をハンドリングするといった運用の変更はあるものの、苛性ソーダなど危険な強アルカリ薬品の取り扱いが減るため、安全性は改善すると同社は主張しているという。
地球科学の研究室から排水処理へ
創業者は地球科学系の研究者で、イェール大学の地球科学の権威であるノア・プラナフスキー教授と、その教え子にあたる博士が創業した。2人はもともと排水処理の専門家ではなく、岩石がCO2を吸収する自然界の風化作用を研究していた。それを人工的な処理という高度に制御された環境に適用すれば、自然の風化よりはるかに短い数時間から数日に加速できると気づいたことが、現在のアイデアにつながったという。
聞き手は、大学発のスピンアウトはビジネスがなかなか立ち上がらないことも多い中で短期間で実現している点に驚いた。解説役は、何らかのプログラムを使ったのかもしれないと推測しつつ、科学者だけでなく水処理のプロセスエンジニアや商業開発を担うビジネス側のメンバーを早期にチームへ引き入れていたと紹介し、顧客と技術をつなぐ取り組みがかなり早い段階から行われていたのではないかと述べた。2人とも、専門外の分野からここまで短期間で進んだ理由は気になるポイントだとしている。
自然の風化との違いについて解説役は、原理は同じで、大きな違いは時間だと説明した。空気中のようにCO2が薄い環境では何千年もかかるが、CO2濃度の高い排水タンク内で、最適な大きさの粒子を投入すると、数日から数時間の単位にまで速くなるという。
初期実証と資金調達の実績
当初の仮説は、排水処理の微生物の働きを阻害せずにCO2を固定できるかというものだった。閉鎖系の実施設でセンサーとミネラル投入を試したところ、水質を損なわず、処理効率も上がり、CO2も重炭酸として固定できることが実証されたという。解説役は「本当にどこまで本当かなと思う」と留保しつつ、微生物の働きが上がり処理効率も上がってCO2も固定できる一石二鳥が示されたことで、比較的早くスケールできたと説明した。ハンプトン・ローズでも、水道事業体の発表として、窒素やリンなどの栄養塩の指標が改善したことや、浮遊物の沈降が速くなり処理しやすくなったことが公表されているという。
資金面では、2026年5月に2500万ドルのシリーズAを調達した。うち600万ドルは助成金などだったという。リードしたのは水インフラ特化のVCであるバーント・アイランド・ベンチャーズで、出光興産やソニーなどの日系企業も参加している。オフテイク契約はすでに3300万ドルを超え、米国・欧州の10施設で2000トン超のCO2を捕捉し、104トン分の検証済みクレジットを発行済みだという。
聞き手が104トンは小さく聞こえると指摘すると、解説役もそう思うと認めたうえで、新しい手法として世界で初めて第三者認証のクレジットを発行したことがまず重要で、ここから拡大していく段階だと述べた。
出光興産の出資について解説役は、同社がカーボンニュートラル戦略を全社的に進めていることに加え、石灰石が日本では珍しく100%自給可能な資源であることから、将来の日本・アジア展開も見据えて投資したのではないか、と推測している。
日本で同様のアイデアで起業するなら
番組ではAIにも日本での可能性を考えさせた。日本の下水処理施設は全国に約2200あり、その90%が耐用年数(15年)を超えているという。解説役は15年は短いようにも思うと感想を添えている。人口減少のため更新予算もつきにくい。
案Aは自治体特化型で、財政難の自治体にコスト削減と設備延命を提案する。案Bは民間工場特化型で、食品・飲料・製紙など有機排水の多い工場を狙う。民間企業ならスコープ1の排出削減やESG対応として、自治体より速く意思決定できる可能性があるという。石灰石の自給率が100%なので、国内のサプライチェーンと組めばエコシステムを作りやすいかもしれない。一方で、排水での風化を用いる手法の認証については、自らルール作りに関わるか、グローバルな認証を使う必要があると指摘された。
CREW Carbon自身が日本に上陸する可能性については、2人とも「ありそう」とした。ただ、米国の処理場は規模が大きいのに対し、日本の処理場は小さく設計も異なるため、日本の施設に合わせた小型モジュールやIoT制御に特化したプロダクトには余地があるかもしれない。もっともCREW Carbonが小型化してくる可能性もあり、どちらが早いかの勝負になるだろうと解説役は述べた。
まとめ:現場のペインに環境価値を上乗せする
解説役は学びを3点にまとめた。1点目は、気候テックは地球を救う・環境に良いというだけでなく、薬品代が高い、設備が古いといった現場の実際のペインを取り除くことで、ようやく導入されるということ。2点目は、何百億円もかけてプラントを建てるのではなく、既存インフラに後付けで入り込むことでスケールしやすくなること。3点目は、炭素クレジットは計測・検証できなければ価値を失うため、閉鎖系を選んで測定可能性を高めたことが商品価値を生んでいるという、質が価格を決めるという点である。そのうえで、身近なレガシー産業のコスト構造から実際に困っている部分を見つけ、そこに環境価値をどう上乗せできるかを考えることがアイデアのヒントになるかもしれないと提案した。
最後に聞き手は、発見から実装までのスピードがすごいと感想を述べ、そこで何があったのか個人的に調べてみたいと語った。また、リン回収などの分野にもヒントがありそうだと付け加えた。解説役も、現場や業界の解像度を上げていけば、こうしたアプローチを思いつくきっかけになるかもしれないと応じて番組を締めくくった。
皆さん、こんにちは。FoundXの馬田です。
同じくFoundXのとです。先日台風来ましたけど、馬田さんの方では大丈夫でしたか?
私は大丈夫でした。当日も昼からは出勤してました。
確かに東京は昼過ぎぐらいからはだいぶ落ち着いてたので、出勤できるかなって感じですよね。
そうですね。そちらはどうでしたか?
私も全然大丈夫だったんですけど、親戚の海外への旅行がキャンセルになったりとか。
両親が島にいるんですけど、そこのバラの花が折れちゃったりとかもあって、やっぱり影響はかなりあったんだろうなと思いました。
そうですね。ヨの皆さんも飛ぶかなとか言ってましたね、火曜日。
あ、飛行機。
そうですね。飛ぶかな?どうなったんですかね、あれ結局。
そうですね。ちょっとまた聞いてみたいところではありますが、温暖化でそれこそ台風とかが増えてるのだとしたら、なんとかそういう被害も少なくできるように、すごい遠くからですけど何かできるといいなとは思いますね。というところで、ここからIdeaCastの方に入っていきたいと思います。
FoundX Review Startup IdeaCastですが、海外のスタートアップのアイデアをAIを使って分析する番組になります。これからアイデアを考える方のご参考になればと思います。最初にディスクレーマーですが、AIを活用して情報を整理しているので、一部の情報は古かったり間違ったりしている場合もあります。確度を重視される場合は必ずご自身で調べていただくようお願いいたします。
このポッドキャストはあくまでそこからアイデアの参考情報や考え方を引き出すことを主な目的としています。では、今日ご紹介するスタートアップですが、CREW Carbonというスタートアップになります。
これは何で選んだんでしょうか?
ちょっと調べてみたら結構面白くてですね、CDR、二酸化炭素の固定と回収みたいなのをやっているんですけど、それをメインでやってるんですが、それだけではなくて、インフラの老朽化の問題とか、上水・排水処理施設に使う薬品の高騰等を防ぐといったような、既存の別の産業におけるその課題というのも同時に解決するっていうのが面白いなと思って取り上げました。
では、全体像の解説に行きたいと思います。このCREW Carbonですが、イェール大学発の気候テックかつ水処理のスタートアップになります。やっていることとしては、既存の排水処理施設に石灰石などのアルカリ性の鉱物を投入して、処理の効率を改善しながらも、同時にCO2を重炭酸イオンとして水中に固定するようなスタートアップになります。
このCREW Carbonなんですけれども、市場の課題としては、2050年までに年間10ギガトンのCO2の除去が必要と言われています。それを除去したような高品質なクレジットというのは足りていない状況だそうです。というのがまず気候変動系の課題としてあって、別にまた水処理の分野では、排水処理のインフラですが、過去20年間で処理のコストが倍増して老朽化が進んでいるそうです。この2つの課題を同時に解決するようなのがCREW Carbonになっています。
CREW Carbonは新しいプラントを建てるのではなくて、既存のインフラにモジュールとして入り込むようなアプローチを取って、排水処理をギガトン規模の炭素除去のハブに転換するということを行うようなスタートアップになっています。
先ほどの排水処理のコストが倍増したというのは、設備老朽化以外にも理由はあるんでしょうか?
そうですね。環境の規制が、具体的には窒素とかリンの除去の基準というのが厳しくなっていて、それに適応させるために大量の薬品だったり電力が必要になっているということからコストが増えてしまっているようです。
ちょっと今の話とも重なるんですが、顧客の課題についてです。ここではアメリカ・欧州の自治体向けの排水処理施設および産業排水施設の課題についてお話しします。課題ですが、大きく3点あると整理されています。1点目が規制ですね。排水された水の富栄養化を防ぐために、水系への排出の規制が年々厳しくなっているそうで、窒素やリンなどの栄養塩を除去するための義務が課せられて、その分薬品などを投入しなければいけなくなっている。2点目ですが、コストと危険性ですね。処理を安定させるために苛性ソーダなどの強アルカリ性の薬品を使うそうなんですが、これが高価というところに加えて、作業する方にも危険になっているそうです。3点目がインフラの老朽化ですね。ここでは、処理能力を上げるために三次処理設備などを導入しようとすると、数億ドル規模の膨大なCAPEXが必要になってしまうということのようです。
そして既存の代替手段というか、今やってるようなところとしては、化学処理を水の処理としてやっているんですが、ここが高コストかつ排出を伴うというところで、かつ追加の設備を作るにもCAPEXが大きくなってしまうので、自治体には実行が難しくなっているということのようです。
産業排水施設もターゲットみたいな話があったのかなと思いますが、これはどんな業種が当てはまるんでしょう?
そうですね、挙げられているのが食品加工、飲料とか、あとはお酒、ビール、あとは製紙ですね。有機物を多く含むような排水を出すところがターゲットになっているそうです。
あとは自治体の施設の方ももう1つのターゲットだと思いますが、これはどれぐらい米国に存在してるんでしょうか?
そうですね、アメリカの環境保護庁のデータによると、1万7000以上の公共の排水処理施設があるそうです。どの規模でというのはちょっと資料からは分かっていないんですが、一応全体としてはそれぐらいあるそうです。
ではこの課題に対して、CREW Carbonが提供している解決策についてです。やっていることは、石灰石などのアルカリ性鉱物をスマート投入と言っていますが、何ですかね、自動投入する洗濯機みたいなところだと思うんですが、それをスマートに管理して投入するというところになります。技術的な優位性としては、単に石灰石を入れるだけではなくて、特許取得済みのセンサーで流入水をリアルタイムに監視して、生物処理を最適化するようなデータ制御ができているそうで、そこが優位性になっているそうです。あとは、石灰石をただ入れるだけだとダメらしくて、粒度の大きさであるとか、ただの石灰石ともまた違っているようですね。
あとは顧客のメリットについてですが、従来のやり方だと危険な薬品を入れることだったんですが、それが石灰石だと安定している安全な鉱物で代替できるので、薬品のコスト自体も最大85%削減できるそうです。また、水の中の微生物の働きも良くなって、汚泥が沈む沈降性というのも良くなっていくそうです。
そして最大のフックというか、これを導入してすごく良くなった事例として、アメリカのハンプトン・ローズ水道局というところではCREW Carbonのサービスを導入して処理効率が上がったそうで、その結果、3.5億ドル、日本円だと約500億円規模の設備投資の延期というのが検討されたそうです。なのでこの結果をもって、他のところにこういう事例がありますというところで紹介しているようですね。
なんかいいことだらけですごいですね。
すごいですよね。どこまで、どれぐらい本当なんだろうなというのは思うんですけれども。
ちなみに最後の3.5億ドル、500億円規模だと思いますけれど、この延期というのは具体的には何を延期したんでしょう?
そうですね、既存のタンク、既存の設備のままで処理効率が上がったようでして、その前の状況だとキャパシティ不足を補うために新しいタンクが必要だよねとか、新しい処理設備が必要だよねという話があったそうなんですけど、そういったものを増設することを見送る可能性があるということですね。
なるほど。そもそもですが、石灰石を入れるだけでCO2が除去されるという理由を少し詳しく教えてもらってもいいでしょうか?
そうですね。私もちゃんと化学を勉強しとけばよかったなと思うんですが、排水中の有機物を水の中にいる微生物が分解する時に、炭酸が、CO2がイオンの状態だと思うんですが、石灰石、炭酸カルシウムというのが水中でCaとCO3に反応して、重炭酸イオンという別の安定した物質に変わるそうで、これが水に溶けたまま海に流れる、つまり大気中に戻らないということで、除去されるということのようです。
そしてこのCREW Carbonの市場についてです。広義の、広いTAMでは、耐久性のあるCDRのクレジット市場とされています。プラス水処理の最適化の市場になります。ここが大きいようで、CDRのクレジットの市場が2035年に31億ドル以上あると試算されているそうです。プラス、水処理施設、排水処理施設については世界に11万箇所以上あるようでして、そういったところに展開することが可能なんじゃないかと見込まれているそうです。そして初期のSAMについては、米国および欧州の自治体や産業排水処理施設を見込んでいるそうで、このCREW Carbonのアプローチで、ポテンシャルとして年間5億トンのCO2除去が可能だと言われているそうです。
この市場の成長ドライバーは2点あります。1点目が需要の変化ですね。企業のネットゼロ目標の達成に向けて、高品質でかつ測定可能な炭素除去クレジットの需要が増えていること。2点目が規制や予算ですね。厳格化するような水質の規制と、それから自治体のインフラ更新の予算の枯渇で、CAPEXが低いソリューションに移行するような力がかかっているということです。
ちなみにこの短期的なターゲットとか参入というところはどこになるんでしょうか?
そうですね、まずはというところですが、環境規制が厳しい、かつCDRのクレジットの認証・販売インフラが整っているというところで、アメリカとそれから欧州の大規模から中規模の排水処理施設になってくるそうです。はい。そしてこのCREW Carbonのビジネスモデルについてです。
そうですね、排水処理施設と法人のCDRバイヤーの間に入るような、二面市場を持つモデルになっています。CREW Carbonの収益源は2つあります。1点目ですが、これは排水処理施設からのサービス料、あるいはコスト削減分の何パーセントというコスト削減のシェア。もう1点はFrontierなどの法人バイヤーからのCDRクレジットのオフテイク契約、オフテイクの収益になります。
このモデルのユニットエコノミクスですが、Frontierとの契約では約7.2万トンを3210万ドルで納入の予定だそうです。ですので1トンあたり450ドル程度になるそうです。これは長期的には100ドル未満に下げることを目指しているそうです。あとはスケール性という点では、ゼロから何百億円もかけて自社でプラントを建てるのではなくて、既存のインフラに乗っかることによって費用が低くなってくるので、かなり利益率が高くなるという構造になっているそうです。
ちなみにこのクレジットの収益とかって自治体側にも還元されるんですかね?
そうですね。調べた限りはどういう風に配分されるかというところは非公開だったので、それがされてるかどうかちょっと分からないです。ただ、クレジット収益自体は公共のインフラから生じた利益ではあるので、何かしら自治体側に還元するとか、あるいは施設の運営費に充てるといったような形がありうるかもしれません。
既存のインフラにというところに関して、メリットとしてどういうものがあると考えられてるんでしょうか?
そうですね、新しいプラントを建てる時に必要だったことがなくなるというところだと思います。なので具体的には、土地の取得とかプラントの建設だったり設備の費用だったり、またCO2の輸送のパイプラインを敷設するのはいらないとか、あとは新しく環境アセスメントとか許認可が不要だったり、あるいは最小限になってくるので、そういった点で展開するスピードが早くなってくることになります。
そして彼らの戦略ですね。これはCDRでも確かに面白いなと私、見ていて思いましたが、CDRですが、開放系のインフラ、自然のメカニズム、風化作用を利用したCDRでは、開放系のインフラ、つまり海とか河川とかに直接鉱物を撒くような会社さんとか、あるいは農地にそのまま撒くような手法というのがあります。こういった開放系のインフラを対象にしたものというのは、ポテンシャルは大きいんですけれども、本当にCO2が吸収されたかとか、あるいはどれぐらい吸収されたかというような計測がとても難しいそうです。考えればそうですよねというところではあるんですけど、ただCREW Carbonは、排水処理というところで閉じた環境の中、閉鎖系の中で行うので、入口と出口にセンサーを置くことによって差分を計測することが可能になってくるそうです。クレジットの市場だと、どれぐらい取ったかとか本当に取れたかというところを証明できない炭素除去というのが価値を持ちづらいそうでして、なのでそういう測れるという精度の高さというところが、CREW Carbonの質とか価格を担保することになっていくということのようです。
そのセンサーでは具体的には何を計測してるんでしょう?
そうですね、ここら辺がおそらく彼らの技術の肝になってくるとは思うんですけど、入口と出口のpHとアルカリ度、それから溶けている無機炭素の量などを測っているそうで、それによってどれだけCO2が重炭酸に変換されたかというところを定量化しているそうです。
先ほど他の手法だと開放系なので難しいみたいな話がありましたが、これも一方で排水から海に流れた後でCO2が再放出されるみたいなこともあるのかなと思うんですが、その辺りはどうなんでしょう?
ありますね。一般的には安定していると言われているそうですが、もちろんCO2が重炭酸イオンから戻っていく可能性もあります。なので、彼らの認証のプロトコルでは、下流での損失分というのはかなり保守的に計算しているそうで、そういったものを差し引いた上で除去量を算定するようなルールになっているそうです。
そして彼らのロードマップについてです。結構設立が最近でして、2022年の創業になります。これ結構早くてですね、ハードウェアを使うような、かつクライメートテックって結構商業化に10年以上かかるようなケースもあるんですけど、2022年にCREW Carbonを設立して2年で初運用を開始したというところで、かなり早いかなと思います。
フェーズとしては、まずフェーズ1で、2022年から2024年で、イェール大学で研究の実証を行ったそうです。初期にFrontierからプレパーチェスを獲得して、プラス研究のところですね、技術とか測定の手法といったものを確立していったそうです。現時点にありますが、フェーズ2としては商業化というところで10施設に展開しているそうで、Frontierとは長期のオフテイク契約も結んでいるそうです。
これから拡張期に入るというところで、調達したシリーズAの資金を活用して、分析するようなプラットフォームを拡大して、アメリカとか欧州とか導入する施設を拡大していこうというところを考えているそうです。
このCREW Carbonの転機としては、本当に初期の段階、フェーズ1の時点でFrontierからプレパーチェス、つまり事前に買いますよというところを獲得したところが大きいそうで、このことによって、初期ではなくて将来ですね、キャッシュフローが担保されて、それによって資金調達もやりやすくなっていったということのようです。
もう第三者認証機関の認証も得ているのがすごいですね。
すごいですよね。そうなんですよね。第三者認証機関から排水アルカリ度強化のクレジットの認証がされたそうでして、それもあって自分がルールを作るところに入り込んでいるというところも強いポイントだなと思います。
今回シリーズAが調達されたということですが、これを主導した投資家というのはどういう投資家なんでしょうか?
そうですね、水のインフラに特化したような著名なVCのBurnt Island Venturesというところが主導したそうです。あとは三井物産さんとかも出資しているということのようですね。では、彼らの競合についてです。
そうですね、差別化の要素としては、MOATとしては、既存のインフラを活用するところでCAPEXが低くなっているところ。そして閉鎖系で高精度に測定できるところ。3点目が顧客の直接的なコストが削減できるところ。あとは技術的なところで、安全かつ安価な石灰石を利用するというところで材料が安く抑えられるところ。それから最後に、第三者認証をクレジットとして取っているところになります。
競合との比較ですが、競合としては先ほどお話ししたような開放系でのCDRになりますが、そういったところは測定に課題が残ると。CREW Carbonはそういったところと比較すると、測れるし、かつ処理場の薬品代の削減とか処理の効率を上げるというような顧客へのベネフィットを持っているという特徴になります。じゃあ排水処理系の競合もあるんじゃないかというところもあるんですけど、そういった競合に関しては今度はクレジットのノウハウを持っていなかったりとか、測定することが難しいところで、直接どちらも競合になるというところがあまりないような市場になっているのかなと思います。
とはいえ既存の水処理大手のEcolabとかVeoliaとか入ってきそうな気もしますけどね。
それは全然あるなとは思います。やってることとしてはかなりシンプルだなと思うので、その可能性はあると思います。ただ、既存の大手の水処理企業に関しては、販売している薬品、アルカリの薬品がすごく利益率が高いようでして、その薬品の使用量を減らして石灰石に変えるというのは、結構イノベーションのジレンマとかカニバリゼーションへの抵抗があるんじゃないかなとは思います。
このCREWは特許を持ってるんでしょうか?
そうですね。独自のセンサーとかモニタリングのシステムに関しては特許取得済みだそうです。ただ一番大きいMOATとしては、いち早く第三者認証のプロトコルに適合して、かつ複数の施設で運転したデータを持っているというところが優位性になっているのではないかなと思います。
そして彼らの参入戦略についてです。ここでは保守的な公共インフラのところに、どういう風にスタートアップが入り込んでいったかというところについてお話しできたらと思います。まず自治体の下水処理場というのは、想像できますが、やっぱり意思決定が遅いそうでして、新しいテクノロジーの導入にもかなり保守的だったそうです。なので、CREW Carbonは、気候変動を改善するために導入してくれということではなくて、薬品のコストも下がるし、規制もクリアできるし、設備も延命できますよというように、現場のメリットというところを前面に出して入っていったそうです。しかも大規模なシステムを新しく作りましょうではなくて、既存のプロセスに後付けで入りますよというところもあったそうです。それによって、実際にやってみて短期間でコスト削減を実証して、本格導入につなげていったそうです。その後に、クレジット創出ですね、そこから生み出されたCDRのクレジットで自社の利益になるという風に入っていったそうです。
とはいえ下水処理場側には、設置費用とかはどんな感じで請求してるんでしょうね?
どんな感じなんですかね。調べた限りでは、どういう風な契約をしているかというところについては分からなかったんですが、CDRのクレジットのオフテイク契約で得たような将来の収益を原資として、最初の導入にかかるような費用だったり、マイナスなポイントというのをCREW Carbon側が負担したり、あるいは小さくしたりするようなことをしているのではないかなと思います。
あとは、色々とオペレーター側の現場の作業員の皆さんに負担が増えるのもあるのかなと思ったんですが、その辺りはどうなんでしょう?
そうですね、運用の変更自体はあるそうです。石灰石というのですね、そういったものをハンドリングしないといけない。その運用の変更はあるそうです。ただ、苛性ソーダとかの危険な強アルカリの薬品の取り扱い自体は減るので、安全性自体は改善すると主張されているそうです。
彼らの創業プロセスですね。創業者が地球科学系の方で、イェール大学の地球科学の権威であるノア・プラナフスキー教授の研究室で、その教授と、その教え子に当たるヨアキム・カチノフ博士が創業したそうです。彼らは元々排水処理のバックグラウンドではなくて、元々は地球が自然界で行っているような風化の作用、岩石がCO2を吸収するようなプロセスについて専門というか研究していらっしゃったそうで、それを人工的な排水処理といったような高濃度のCO2環境に適用すると、自然界で行っていた風化よりもすごく短い、数時間から数日で加速できることに気づいたそうです。そこから今のアイデアに至っていったということのようです。
すごいですね。大学の研究室からスピンアウトした会社って、なかなかビジネスが立ち上がらないみたいなことがあったりするんですが、結構短期間でできてるんですね。
すごいですよね。何かしらプログラムを使ったのかなというのも思ったりもするんですけれども、一応チームとしては、こういった科学者だけではなくて、水処理のプロのようなプロセスエンジニアの方とか、商業的に開発するようなメンバー、ビジネス側のメンバーというのも早期にチームに引き入れていたそうです。なので顧客側と技術をつなぐようなところが、かなり早いうちから取り組まれていたのかなと思います。
それにしても、本来の専門とは違うところから入ってきて、ここまで短期間でってのはすごいですね。
すごいですよね。ここはちょっと気になるポイントではありますね。
あとはそもそも論ですけども、自然の風化とCREWの風化と、何が違うんでしょう?
大きくは時間です。原理自体は同じようです。自然界だと何千年もかかるそうなんですね。ただそれが、空気中と岩石なのでCO2が薄い状況だと何千年もかかるんですが、今回はCO2の濃度が高いような排水タンク内で、かつ最適な大きさの粒子の鉱物を入れることによってめちゃくちゃ早くなるそうでして、数日とか数時間といったぐらいの時間の感覚になってくるというところが大きく違うポイントのようです。
では彼らの学びと初期の歩みについてです。彼らの当初の仮説は、排水処理の微生物の働きを阻害せずにCO2を固定できるかといったようなものだったそうです。そこからコンセプトの実証とか、実際の閉鎖系の施設でセンサーとミネラルの投入をやってみたところ、結果として、これ本当にどこまで本当かなと思うんですけど、水質を損なわないし、しかも効率化もして、CO2も重炭酸イオン化できるということが実証されたそうでして、すごい美味しいねという、微生物の働きも上がって処理効率も上がるし、CO2も固定できるみたいな一石二鳥が証明されて、なので割と早くスケールができたということのようです。
いやあ、すごいですね。なんか科学的な発見が。
すごいですよね。
実際に水処理効率が、さっきの水道局、ハンプトン・ローズでしたっけ、上がったんですよね。
そう、上がったそうで、水道局の発表で、栄養、窒素とかリンとかの栄養塩ですね、が改善したとか、あとは浮遊物が沈降するのが早くなって処理がしやすくなったみたいな発表があるそうです。
はい。すごいですよね。本当に。
あとそもそも論で恐縮ですが、Frontierを知らない人もいると思うので、このプレパーチェス、事前購入ってどういう仕組みなのかも、念のため少しフォローいただいてもいいでしょうか?
はい。クレジットは、実際にそのクレジット分のCO2の除去が達成される、生成されるような前の段階で、技術がもし成功したらこの価格で買うよというような契約を事前に結ぶような仕組みになります。なので資金調達がしやすくなるんですね。こういう風に買うと言われているというのが信用というか保証というかになって、銀行やVCから調達がしやすくなってくるところになります。
では彼らの資金調達についてです。なんかすごいめちゃくちゃ早いんですが、2026年の5月に2500万ドルのシリーズAを調達したそうです。ただそのうち600万ドルは助成金などのものだったそうです。この資金調達には三井物産さんの出資とか、ソニーとかの日系企業も参加しているそうです。またオフテイク契約については、既に3300万ドルを超えるようなオフテイク契約を獲得しているそうです。あとは実績として、アメリカ・欧州の10施設に展開して、既に2000トンを超えるようなCO2を捕捉しているそうでして、クレジットも104トン分、検証済みクレジットを発行済みのようです。
もうすでにアーリーステージの検証は終えて、スケールアップみたいな感じなんですね。
そうですね。これからアクセル踏むぜというような段階だと思います。
104トンというところはちょっと小さく聞こえるんですが、この辺りどうでしょう?
そうだと思います。ただ本当にCDRの手法としてのこれが新しいということなので、この新しい手法で世界で初めて第三者に認証を発行されたというところがまずは大事になってくるので、ここからどんどん大きくさせていきたいというような段階だと思います。
あと三井物産の出資と投資についても、ちょっと興味深いなと思っていて、理由としては、三井物産がカーボンニュートラル戦略を全社的に進めているというのがまず背景としてあって、日本も石灰石が、日本にしては珍しく100%自給可能な資源ですと。なので、CREW Carbonで石灰石を使うので、そういったところもあって、将来的に日本とかアジアでの展開も見据えて、伸びしろがあると判断して投資したんじゃないかなというのが、ちょっと面白いポイントになります。
はい。では日本で同様のアイデアで起業するならというところについても、ちょっとAIにも考えてもらいました。日本でもインフラの課題は深刻になっているそうです。水道のパイプの話とかもよくニュースで聞いたりしますが、下水処理施設についても、全国に2200あるそうなんですが、90%が耐用年数を超えている。耐用年数15年ということなんで、なんか短いような気もするんですが、それは超えていて、かつ人口も全国としては減少しているので、更新する予算もなかなかつきづらいということですと。
こういった背景をもとに日本だとどうなるかということですが、案Aとしては自治体に特化したようなものになります。財政難の自治体に、コスト削減と設備の延命を提案するようなアイデアになります。一方で案Bとしては、民間の工場に特化するようなものになります。食品とか飲料、製紙など有機排水が多いような工場の産業排水を狙うことになります。民間企業だと、もしかしたら自社のScope 1の排出削減とかESGの対応として、スピーディに意思決定できるような可能性もあるかもしれないというところになります。先ほどもお伝えしているように、日本だと石灰石の自給率100%なので、国内のサプライチェーンと組めば、エコシステムはもしかしたら作りやすいものになるかもしれないです。
そうだと思います。なので、排水で風化を使いますというので、そういう方法で認証を取るような、自分からそういったルールを作るところに絡んでいくとか、あるいはグローバルな認証を使っていく必要があります。
あと米国のCREW Carbonがこの日本に上陸してくるみたいな可能性はあるんでしょうか?
いやあ、ありそうですよね。ただ、今米国とかは規模がとても大きいようで、ただ日本だと処理場自体も小さくて設計も違ってくるそうなんです。なので、日本の施設に合わせた小型モジュールとかIoTの制御に特化したようなプロダクトを作ることは、まだあるかもしれないというところですね。ただ、CREW Carbonも小型化してくるような可能性ももちろんあるので、どっちが早いかという話になるかなとは思います。
では最後にまとめになります。まず1点目ですが、ちょっと便乗というところです。気候テックですが、地球を救うとか環境にいいというところだけではなくて、現場の、薬品代が高いとか設備が古いといったような、実際に生じているペインを除くことで、やっと導入されるというところになります。2点目も便乗というところにはなるんですが、ゼロから何百億円もかけてプラントを建てるのではなくて、既存のインフラに後付けで入り込むことで、スケールがしやすくなってくるというところです。3点目ですが、質が価格を決めるというところで、炭素クレジットは計測とか検証ができないと価値がなくなってしまうので、そこで閉鎖系を選んだことで測定の可能性が高くなって、それによって高品質を生み出すことができるというところになります。今後のちょっとヒントというか、こういったところを考えると面白いかもというところでは、身近なレガシー産業のコスト構造で実際に困っているところを出してみて、そこに環境価値というのをどういう風に上乗せできるかというのを考えてみると、何かアイデアを考えるヒントになるかもしれませんというところになります。はい。
これで以上でして、今日はCREW Carbonをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
そうですね、やはりこの発見から実装までのスピードがすごいスタートアップだなと思いました。
早いですよね。ここ何があったか本当に気になっているので、ちょっと調べてみようかなと思いました、私個人的には。
はい。あとはリン回収とか、そういうところにもいろんなヒントがあるスタートアップだなと思ったというところです。
そうですね。確かに現場だったりとか、その肌感のところでももう少し解像度を高めていけば、こういうところにアプローチできるんじゃないかというようなのを考えつくヒントにもなるかもなと私も思います。
はい、では今日はこちらで終了となります。FoundX Review Startup IdeaCastですが、今後も皆さんのために最新のスタートアップをご紹介していきます。興味のある方は是非チャンネル登録や高評価をお願いいたします。またFoundXでは各種プログラムで応募者を募集していますので、もし周りに起業を考えている方がいらっしゃれば、是非FoundXをご紹介いただけると大変ありがたいです。では、また次回よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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