船舶免許に教習所は必要か:独学を勧める講師・堀越氏の主張

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概要

船舶免許の講習にも携わる堀越氏は、「船舶免許を独学で取ろう」という発信を続けている。この動画のテーマは、インターネットで取得方法をいくらでも調べられる時代に、なぜ今も高額な教習所に通う人が多いのかという疑問だ。堀越氏の立場ははっきりしている。2級船舶免許は動画と自習で十分に取れるので、教習所に何万円も払うのは無駄だと考えている。

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「取ってみよう」だけでは使わない免許

2023年3月を迎えようとする時期の収録で、堀越氏は、船舶免許の取得者はこれから増えていくと見ている。一方で、以前の動画でも「船舶免許は使えない」という趣旨で話してきたと振り返る。船舶免許はそもそも使いにくい免許であり、本気で遊ぶつもりがないまま「一応取ってみよう」という程度で取ると、結局使わずに終わるという。

堀越氏自身も、この仕事に就くまでは、遊ぶ人のための免許ではないと思うくらい縁がなかったと話す。日本では仕事で使う免許という位置づけに近く、湖でバス釣りをする人が20馬力程度のボートで遊ぶ分にはよい、という程度の見方だ。それでも免許を取りたい人は多く、講習で目的を尋ねると、クルージングがしたいと答える人が多いという。

独学で取れるのに、なぜ教習所に払うのか

堀越氏は、教習所には実際に船に触れ、講師と直接話せるという利点があるので、今でも存在しているのだろうと認める。ただ現在は、YouTubeやブログ、TikTokなどに船舶免許の取得記録や独学での受験体験があふれている。船舶免許に限らず、何でも動画で学べる時代だ。それでも教習所に通う人が多い状況について、堀越氏は「僕が悪い」と、自分の発信がまだ届いていないことを理由に挙げる。

金額の差について、堀越氏は次のように説明する。独学なら試験代だけで2万5000円ほどで済む。これに対し、教習所ではたった2級のために7万、8万、9万円を払うことになる。船をしっかり学びたいという気持ちで教習所を選ぶ人が多いのだろうが、教習所に通ったからといって船の運転がうまくなることは「ありえない」と堀越氏は言い切る。実際の話を聞ける分、独学の人より知識は少し増えるかもしれないが、それが役に立つかどうかは本人次第だという。

操縦の腕は海に出た回数で決まる

堀越氏によれば、操船の技術や知識は、実際に船を動かした回数で身につく。免許取得後のスキルアップ講習や操船講習に参加すれば、スキルは確実に上がっていく。講習で「これをやってはいけない」と何度説明しても頭には入らず、実際の海に出ればまったく分からなくなるという。だからこそ、免許を取った後に講師やいろいろな人と一緒に海に出て学ぶ必要がある、というのが堀越氏の考えだ。

その前提に立つと、免許を取る段階にお金をかける意味は小さくなる。堀越氏はTikTokやYouTubeショートで1分ほどの解説動画を出しており、それを見るだけで2級船舶は取れると述べる。

落ちる人はどちらを選んでも落ちる

もちろん、動画だけで勉強して落ちる人もいる。ただ堀越氏は、教習所で5時間ほど講習を受けても落ちる人はいると指摘する。自分が講習を担当して落ちた人はいないとしたうえで、動画で学んでも教習所に通っても、落ちる人は落ちるという見方を示す。多くの受験者を見てきた経験から、動画を見て落ちた人は教習所に行っても落ちるだろうと話している。

免除制度(国家試験の一部が免除される講習コース)についても触れている。免除コースに8万〜10万円を払う人や、2級を取るためにわざわざ教習所に5〜6万円を払う人がいるが、何を学んでいるのか分からないという。免除には「勉強しなくても取れる」という噂があるものの、実際には免除でも勉強は必要で、基本的には同じ内容を学ばなければ取れないと堀越氏は説明する。勉強を一切したくない人にとっては選択肢になるかもしれない、という程度の位置づけだ。

2級はほぼ受かる:着岸より安全確認

堀越氏は、2級船舶は「絶対取れる」と繰り返す。海洋レジャー(試験を実施する日本海洋レジャー安全・振興協会)は年間の不合格者数を公表していないが、本当に数えるほどだろうと推測している。落ちたら運が悪かったと思えばよい、というくらいの感覚だという。YouTubeに「こんなミスをしたが落ちたか」とコメントしてきた人も、実際には合格していたそうだ。

実技試験について堀越氏は、着岸がうまくできない、人命救助がうまくいかないといった点は気にしなくてよいと話す。より大事なのは安全確認をしっかり行うことで、発進時の確認などの基本動作ができていれば十分だという。3時間ほどの講習で着岸をきれいにこなせるようになるのはそもそも無理であり、試験官もそこは求めていない。講習する側も、着岸をきれいにさせようとは考えていないという。時間の無駄で、どうせ上達しないからだ。だから動画でポイントだけをつかんで取得すればよい、というのが堀越氏の結論である。

高く払うと「乗らなければ」という負担になる

堀越氏は、取得にかける費用がその後の船との付き合い方にも影響すると考えている。10万円を払って免許を取ると、元を取るためにどうにかして乗らなければならず、ヤマハのレンタルボートクラブやマリーナのクラブに入会することになる。一方、2万円で取った免許なら、乗りたくなったときにスポットでレンタルしてみよう、くらいの気楽さでいられる。

堀越氏は、それくらいの距離感でよいと言う。釣りがしたいならお金を払って釣り船に乗れるし、クルージングがしたいなら既存の便に乗ればよい。そのほうが絶対に面白いという。本当に免許を使いたくなったら、5馬力や10馬力の船を借りて湖に出てみる、ジョイクラフトに乗ってみるといった遊び方を勧めている。自分の船を持っている人は別だとも付け加えている。

8万円が6万円になるキャンペーンは「謎」

堀越氏は、何度も独学で取れると言い続けているのに、いまだに教習所で取る人が多いことにも疑問を示す。Instagramでは「8万円が6万円になる」というキャンペーンを打つ教習所もあるが、これを「謎」だと言う。自前の船や試験会場を押さえていながら8万〜9万円を取る理由として、施設費が高い、船をレンタルしているなどの事情があるのかもしれないとは推測する。それでも、対処の仕方を教えるわけでもなく、船の操縦知識は何一つ身につかないと堀越氏は見ている。

ただし、教習所を全面的に否定しているわけではない。実際に船を操縦できる場であり、自分の動画よりは少し知識も得られるという意味では「いいとは思う」とも述べている。問題にしているのは、誰でも受かる試験のためにわざわざ高いお金を払う点だ。

「安く取る」から「取り方の一つ」へ

堀越氏がこの発信を始めたきっかけは、コロナ禍で自宅で何かできないかと考え、安く取る方法を広めようとしたことだった。しかし今は、これだけ情報を自分で探せる時代になった。だから、安く取ることが目的なのではなく、取り方の選択肢の一つとして独学を示しているのだと位置づけ直している。

堀越氏自身も教習所で講習を行っているが、教習所に来ても動画を見ても、言うことは同じだという。自分の学科の授業は15分ほどで終わり、あとは家でやってきてもらう。他の教習所が3〜4時間かける学科授業の内容も、何一つ変わらないと話す。

最後に堀越氏は、取れる勉強のために何万円も払うことを無駄だと思わない人は教習所に通えばよいと述べる。そのうえで、自分は無駄だと考えていると繰り返し、船舶免許は動画で取ってほしいと呼びかけて締めくくっている。