「Fラン卒・ブラック企業出身」から大手SaaSへ 第二新卒Dさんが転職を「100点」と評価する理由

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概要

転職系YouTubeチャンネル「サラタメ」のサラタメ氏が、第二新卒で大手SaaS企業に転職したDさんにインタビューした。Dさんは20代前半、社会人2年目である。本人の言葉ではいわゆる「Fラン大卒」で、前職はハウスメーカーの個人営業だった。転職先は大手SaaS企業で、職種はフィールドセールスである。社名は動画内では伏せられている。

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経歴だけ見れば不利な立場から、なぜ大手に転職できたのか。転職で何が変わったのか。インタビューでは、前職の実態、転職後の変化、転職活動で重要だったことが語られた。

転職理由1:営業なのに「打席」に立てない

Dさんは転職を考えた理由を二つ挙げる。もっと速く成長したかったこと、そして自分の市場価値を高めたかったことである。

一つ目の理由の背景には、前職での商談の少なさがある。Dさんによれば、月の新規商談は平均2件ほどだった。しかもその半分近くは、Amazonギフトカードやトミカといったノベルティ目当ての来場者だった。有効なリードで数えると、月1件、少ない月は0件だったという。Dさんは営業にとって打席数が重要だと考えていたが、打席にほとんど立てない。このままでは成長できないと感じ、業界そのものを変える必要があると考えるようになった。

リードの配り方にも問題があった。社歴の長い社員や店長、上司に優先してリードが回るため、その人たちは月4〜5件の商談を持つ。見込みの高いホットリードはすべて上司側に行き、新人のDさんには「わけのわからない」リードばかりが回ってきたという。受注数は給与に直結する仕組みだったため、打席が少ないことはそのまま報酬の低さにつながっていた。

転職理由2:市場価値が上がらない環境と、毎日2〜3時間の会議

二つ目の理由である市場価値も、打席数の問題とつながっている。ノベルティ目当ての客に商談をしても意味がない。スキルがまったく身につかないわけではないが、身につく速度が非常に遅い。新卒のうちはまだよくても、2年、3年経ったときの市場価値はかなり低いだろうとDさんは考えていた。

時間を奪っていたのが、毎日のようにある2〜3時間の会議である。他拠点の案件の進捗を全員で聞くだけの会議で、Dさんにとっては参加しなくてもよいものだった。サラタメ氏が「スプレッドシートにまとめて共有すれば一瞬で終わる」と言うと、Dさんも同意した。会議では役員がフィードバックをするが、その内容は結局「営業魂」「気合い」といった根性論で終わる。再現性がないので、聞いても意味がないとDさんは振り返る。

業務としての草刈り

スキルにつながらない仕事の例として、Dさんは草刈りを挙げた。会社が所有する不動産や土地を管理するため、夏でも草刈りに出たり、整備や旗の取り付けなどをしたりする必要があった。頻度は2週間に1回程度で、草がよく伸びる夏場は2週間に2回、1週間に2回のときもあったという。移動や処理を含めて1回2〜3時間かかる。遠い場所だと丸1日かかり、「草刈りだけの日」もあった。

若手だけの仕事でもなく、40歳前後になってもまだ草刈りをしている人がいたという。サラタメ氏は、不動産営業には必要な作業だろうとしたうえで、40歳の自分が草刈りをしている姿を想像すると耐えられないのではないかと述べた。Dさんは「不安でしかない」と答えている。

Dさんは、3年は勤めるべきだという考えもあり迷ったが、サラタメ氏の動画を見て一歩踏み出したと話す。社会人1〜2年目で見切りをつけた形である。

転職後の成長:商談数は10倍以上に

転職後に成長できているかと聞かれ、Dさんは「めちゃくちゃできている」と答えた。最大の違いは商談数である。前職と比べて月の商談数は10倍以上になったという。打席が10倍になれば挑戦の回数も10倍になり、失敗してフィードバックを受け、PDCAを回してスキルを高めるサイクルも10倍の速さになる。毎日が成長の時間になっていると話す。

商談の質も変わった。現職ではインサイドセールスが見込み顧客を選別し、ニーズを喚起したうえでパスを渡してくる。来る顧客は製品を理解し、困りごとを抱えている人たちで、Dさんは「全部が有効リード」と表現する。サラタメ氏は、この環境なら受注できたかどうかが自分の商談の実力によるものだと実感しやすいだろうと述べた。

年収・残業・休暇の変化

年収は約50万円上がった。一方で、稼働中は10分単位で予定が入るほど忙しいという。ただ、そのすべてがスキルや成長につながるので、Dさんは忙しさを前向きに受け止めている。

サラタメ氏は、前職はリードが少なく暇だったと思い込んでいた。しかしDさんによると、前職の残業は月60時間ほどあり、残業代は出なかった。無駄な作業が多いため本当に必要な仕事に時間を回せず、結局残業するしかないという悪循環に陥っていたという。

現在の残業は1日1時間ほどで、月20時間程度である。定時になるとほとんどの人が帰り始めるので、Dさんだけが例外というわけではない。有給休暇も自分の取りたいタイミングで取れる。予定を調整できていれば基本的に承認されるという。

人間関係と教育体制

前職は体育会系の気質が強く、理不尽なことも多かったため、Dさんは「ビクビクしながら」働いていた部分があったという。現職は優しい人ばかりで、優秀な人も「圧倒的に」多いと話す。

異業界・異職種からの転職だが、教育体制は整っている。入社後2か月ほどは研修がみっちり行われ、その後はバディ役の先輩がつく。商談の前、商談への同席、商談後のフィードバックに、その先輩が忙しいなか時間を割いてくれるという。

フィードバックの質の違いも大きいとDさんは言う。前職では根性論だったが、現職では失注の原因を分析し、次にどう進めるかを具体的に示してくれる。気づきが多く、それも成長につながっている。サラタメ氏が「同じ営業でも競技が違う」と言うと、Dさんは「これが営業か」という感覚だと応じた。サラタメ氏は、前職の経験から営業そのものを嫌いにならず、職種の軸をぶらさなかったことを評価している。

悪かったことは「周囲のレベルが高いプレッシャー」程度

転職して悪かったことを聞かれると、Dさんはかなり考えたうえで「ない」と答えた。強いて挙げれば、周りのレベルが高いので、ついていくのに必死になったり、本当にやっていけるのかと不安になったりすることはある。ただ、それが大きなストレスになっているわけではないという。今回の転職の点数は「普通に100点」とした。

成功の要因1:先入観を持たずに踏み出す

100点の転職をするために大事だったこととして、Dさんはまず先入観を持たないことを挙げた。いい大学を出ておらず、地場企業で高額商材の個人営業をしていた自分は、条件としては市場価値がかなり低かったと思う。それでも結果的に大手に入れた。だから先入観を捨てて一歩を踏み出す勇気が大事だった、というのがDさんの振り返りである。サラタメ氏も、Dさんの経歴を見ただけなら大手SaaSに行けるとは言えなかったと認めている。

成功の要因2:伴走型の転職エージェント

実際に活動を進めるうえでは、エージェント選びが重要だったとDさんは言う。利用したのは、サラタメ氏のYouTubeをきっかけに紹介を受けたエージェントで、1対1でかなり手厚く支援してくれた。その支援がなければ内定は絶対に取れなかったと話す。

面談は10回以上に及んだ。面接対策だけでなく、最初に自己分析へかなり時間をかけたという。業務経験の棚卸しにとどまらず、生まれたときまでさかのぼって振り返った。サラタメ氏は、有料のキャリアコーチングのような内容だと驚いている。

特に役立ったのは応募書類の添削と言語化の支援だった。前職での経験や自分なりの工夫を、どう伝えれば相手に伝わりやすいかを一緒に言語化してもらった。これがなければ話が「ぐちゃぐちゃ」になり、内定は出なかっただろうとDさんは言う。サラタメ氏は、成長機会が少ないことが転職理由である以上、面接で話せるエピソードも少なくなりがちだと指摘した。そのうえで、少ない経験のどこを志望企業にアピールすべきか助言を受けられたことが大きかったのではないかと尋ね、Dさんは同意している。

Dさんは2〜3社のエージェントに問い合わせ、比較したうえでこのエージェントが「圧倒的」だったと判断した。ただし初回面談では良さが分からなかったという。幼少期の背景まで詳しく聞かれ、なぜこんなことを聞かれるのかと戸惑ったのが第一印象だった。

応募を急かすエージェントへの警告

Dさんは、YouTubeなどで有名な別のエージェントも使った。そこでは面接準備がまったく整っていないのに「来週ここを受けましょう」と、とにかく早く応募するよう強く促されたという。サラタメ氏は、エージェントは応募させることで求職者に関する権利を確保できるため、応募を急がせる傾向があると説明した。Dさんも、それを強く感じたと答えている。

一方、Dさんが選んだエージェントは準備が整うまで応募させないほどだった。そのおかげで、Dさんは十分に準備した安心できる状態で、自信を持って面接に臨めたという。ただ、Dさん自身も一時は相手のペースに飲まれかけたと認めている。サラタメ氏によると、自身が推薦するエージェントから「いい候補者だったのに、ほかのエージェント経由で手当たり次第に応募していて支援できなかった」と相談されることもあるという。サラタメ氏は、応募を急かすトークスクリプトはよくできているので、冷静に比較して気をつけてほしいと呼びかけた。

締めくくり:サラタメ氏の見立て

インタビュー後、サラタメ氏は次のようにまとめた。SaaS業界にはホワイト企業が多く、転職先として勧められ、今もチャンスがある。Dさんが転職したのも今年のことである。「4年制大学卒」「営業経験あり」「若い」の三つがそろっていれば、たとえFラン大学出身でも、真剣に準備すれば内定の可能性は十分にある。第二新卒で経験もスキルも弱い状態から内定を取ったDさんの事例がその根拠だ、というのがサラタメ氏の主張である。