船舶免許は独学でも教習所でも、取得後の「海の知識」にはお金がかかる

YouTubeで開く ↗
概要

小型船舶免許の取り方を動画で解説し、「2万円で取れる」と独学を勧めている堀越氏が、東京の教習所「東京ハーバー」のホームページに書かれた指摘を取り上げた回である。その指摘とは、独学で安く免許を取っても、その後の船遊びにはお金がかかるというものだ。堀越氏はこの指摘に全面的に同意する。そのうえで、お金がかかるのは登録教習所を出た人も同じであり、本当に必要なのは操縦技術ではなく海の知識だと主張している。動画は、すでに免許を持っている人ではなく、これから取る人に向けたものだと冒頭で断っている。

8分で読めます

東京ハーバーのホームページが指摘していること

東京ハーバーのホームページには「間違いだらけの教習所選び」といった趣旨の内容があり、登録教習所、ボートスクール、独学のそれぞれに触れている。堀越氏の要約によれば、YouTubeなどで格安に免許を取り、運よく国家試験に合格できても、船遊びをするにはその後にお金がかかる、という内容だ。

堀越氏は、この記述の狙いを次のように推測している。しっかりした登録教習所を出れば、そのまま船遊びにも行ける。独学で簡単に取ってしまうと、その後どう遊ぶのかという段階で費用が膨らむ。つまり、10万円かけて免許を取るか、2万円で取ってその後に10万円ほどかけるか、という比較である。

「おっしゃる通り」と認める理由

堀越氏はこの指摘を「本当におっしゃる通り」と認める。自分の動画を見て2万円で免許を取り、翌日から船に乗れるようになり、明後日にレンタルボートを借りたとする。その人はどうするのか。お金がかかるに決まっている、と堀越氏は言う。船の知識がないのだから仕方がない。

独学で取って東京湾で遊ぼうとしても、どう遊べばいいかが分からない。船に詳しい知り合いがいれば一緒に乗って教わることもできるが、そういう人がいなければ「免許は取ったけど船に乗れない」という状態になる。この問題は、教習所を出れば解決できる部分もあるかもしれない、と堀越氏は一定の理解も示している。

教習所出身者の操縦技術の差は何に役立つか

堀越氏は、登録教習所を出た人のほうが独学の人より運転はうまいだろうと認めている。教習所では実際に船を操縦して4時間ほど講習を受けてから試験に臨むので、動画で学んで国家試験に受かった人との間には、少しは技術の差があるだろうという見方だ。

ただ、その差が何の役に立つのかと堀越氏は問う。船の免許で大事なのは操縦よりも海の知識だというのが、この動画の中心的な主張である。例として挙げたのは東京湾の航行だ。浦賀水道をどう進むか、観音崎までどう出るか、中ノ瀬の手前と裏側をどう通るか、観音崎を越えたらどう進むか。こうしたことは教習所にいても特に教わらないし、黒板を使って教えても役に立たない、と堀越氏は言う。結局は、登録教習所を出ても独学で取っても、お金を払って誰かに同乗してもらうしかない。

教習所を出るメリットとして堀越氏が挙げるのは、その教習所がレンタルボートも扱っている場合だ。何回かは同乗が無料になる可能性がある。堀越氏自身のところにもそうした仕組みがあったという。ただで同乗して、東京湾で簡単に遊べる程度までは教える。ただし、その後に横須賀や猿島へ行きたいとなれば、また同乗を頼むことになる。教習所を出ていれば、この部分の費用は抑えられるかもしれない、と堀越氏は留保をつけている。

着岸はきれいにできなくてもよい

操縦技術の中でも、堀越氏が特に「必要ない」と強調するのが着岸である。はっきり言えば、着岸はきれいにできなくてもいい。船首から桟橋に寄せ、近づいたら棒で引っ張り、ロープをかけて引き寄せる。それで着岸だ、というのが堀越氏の考えである。離岸についても同様に、できなくてもいいと述べている。

マリーナに船を置いている人や、高い船に乗っている人の中にも着岸ができない人はいる。小さい船で堀越氏がきれいに着岸しようが、40フィートの格好いい船で着岸できなかろうが関係ない、と堀越氏は言う。ハワイなどで船に乗った経験からも、きれいな着岸はあまり求められていないように感じたという。横に移動できるスラスターがあれば、それで済んでしまうとも付け加えている。

堀越氏自身は、きれいに着岸するための指導を有料で行っている。本人もそのことに触れ、無駄とまでは言わないが、それほど必要なことではないと述べる。船に100回乗れば、ハンドル操作や船の特性を理解して誰でも着岸できるようになる、という見方である。

上手い下手はセンスで決まる

動画のコメント欄には、「教習所を出たが着岸がまったくできない」「独学だがきれいにできた」「独学で取ったがまったくできない」など、さまざまな報告が寄せられているという。堀越氏はそれらをまとめると結局はセンスだと言う。センスのある人は登録教習所を出ても独学で取っても、きれいに何でもできる。自分が見てきた中でも、運転できない人は登録教習所を出てもできず、下手な人は下手だという。

さらに堀越氏は、船の操縦は小学生にしてもらってもいいものだと述べる。海では駄目な場面もあると前置きしつつ、椅子の上に立って前が見え、ハンドルを右か左に回せば船が動くと分かっていれば誰でも運転できる。車のようにアクセルに足が届かないといった問題もない。だから船の免許は技術を求めるものではなく、大事なのは海の知識だという結論になる。

海の知識は地域ごとに、お金を払って学ぶしかない

では、その海の知識を登録教習所で教えてもらえるのか。東京ハーバーは熱心に教えてくれるのかもしれないが、自分には分からない、と堀越氏は留保する。ただ、受講者がまず求めているのは免許の取得であり、教習所は遊べるように教えるとしても、1から10まで教える時間はないというのが堀越氏の見方である。

具体例として、東京ハーバーで免許を取り、芝浦あたりで遊んだあと、八景島の方へ行こうとする場合を挙げている。八景島には定置網があるが、東京ハーバーを出たからといって八景島での遊び方が分かるわけではない。八景島でレンタルボートを借りるなら、そこのインストラクターにお金を払って教わるしかない。どこに定置網があるかは海図になんとなく書いてあっても当てにならない。一緒に乗って、ここが危ない、あれが危ないと教わらなければ怖い。自分のためにも絶対にお金を払って教わったほうがいい、それは必要経費だ、と堀越氏は言う。

館山の方、たとえば有名な「ばんや」へ行きたい場合も同じだという。そのあたりの定置網をどうするのか。登録教習所を出たからといって、館山まで行って遊べるように全部教えてくれるわけではない。どこかでお金を払うしかない。

沖縄でも同様で、沖縄で乗るなら沖縄の水域を教えてもらう必要があり、そこでお金を払う。これは登録教習所で免許を取った人も同じだ。教習所で取ったからといって沖縄の水域が分かるわけではない。だから船に乗るうえで、そこでお金を払うのは絶対にやらなければならないことだ、と堀越氏は考えている。

費用の目安と「2万円で取って10万円払う」という勧め

堀越氏が示した目安では、東京湾でインストラクターに同乗してもらう費用は、その人の1日分でおよそ1万5000円程度だという。レンタルボートを2万円ほどで借りれば、場所によっては分からないが、1万円ちょっとで教えてくれるのではないか、とも見積もっている。こうした同乗講習には参加したほうがいいと勧める。

堀越氏は、独学で取ったあとに10万円、20万円かかることもあるが、船遊びとはそういうものだと考えている。そして、教習所に10万円払っても、その後にまた10万円払わなければならないのだから、2万円で取って10万円を払ったほうがいい、と繰り返し述べる。ヤマハのマリーナで船を借りても、どうせお金を払って学ばなければならない。ヤマハで借りる場合は行ける範囲が限られているので、横浜ベイサイドで船を借りて、その周辺を教えてもらうのがいいだろう、とも話している。

教習所のホームページをどう読むか

堀越氏は、どの教習所も自分のホームページに悪いことは書かないだろうと指摘する。堀越氏の教習所のホームページにも、独学で取ってくださいとは書いていない。YouTubeでは、登録教習所に行ったほうがいいに決まっていると言っている。ただ、独学でも取れるのだから独学で取ろう、独学で取れるのに行くのは損だという話をしているだけだという。

教習所に行けば色々教わるし、優遇や書類が楽になるといったメリットもあるかもしれない。それでも、その後にお金がかかるのは皆同じだ、と堀越氏は強調する。

無免許者の運転と船長の見張り

動画の終盤で堀越氏は、船の免許の性質について自分の理解を語っている。免許を持たない人が「運転させてくれ」と言っても、沖縄のような広い水域なら、車を運転できる人なら船も動かせる。無免許の人が操縦してもよい場面があるのはそういうことであり、その場合は船長がしっかり周りを見張る。免許を持たない人に運転させ、船長が周囲を見張る。それがこの船の免許だ、と堀越氏は捉えている。勘違いしないように、と呼びかけつつ、これは自分なりの捉え方だとも添えている。

結論

堀越氏は、東京ハーバーのホームページは面白いことが書いてあるので、これから免許を取る人は参考にするとよいと勧める。船の写真を載せていない教習所、きれいな海の写真だけを載せている教習所には注意、という記述についても「その通り」だとし、沖縄の有名な教習所は船の写真を載せていない、載せられない理由があるのだろうと付け加えた。

堀越氏の結論は、船遊びにはお金がかかるということに尽きる。だからこそ、免許を取る段階は格安で済ませよう、と言っているだけだ、として動画を締めくくっている。