本人不在で娘の部屋をどう作るか 3階建ての家で2階のダイニングと3階の寝室を片付けた記録

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概要

「週末ビフォーアフター」#276は、3人家族が住む3階建ての家の片付けシリーズの第2回である。前回、この家のママは、かつて自分の部屋だった場所を娘の部屋にしてほしいと依頼した。今回の作業日、娘本人も家族も家にいない。幸せ住空間セラピストの古堅純子はママと2人で2階のリビングダイニングを担当し、スタッフのマナミとアイコは3階の娘の部屋と寝室を担当した。主題は、本人がいない状態で娘の部屋を作れるのか、そして片付けを望んでいるのがママ1人だけの家で何ができるのか、という点である。

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「片付けたいのはママ1人」という迷い

作業の途中、古堅とスタッフの間で、この家で片付けたいと思っているのはママ1人だという話が出る。それが分かるので、本当に進めてよいのかという迷いがある。スタッフは入り口の段階で家族の足並みを揃えておかないといけないと話す。一方で「こんな中で住みたいのかな」とも口にし、自分ならもう住みたくないと言う。家族の合意がないまま作業に入ることへのためらいは、最後の場面でもう一度取り上げられる。

斜めの天井とワードローブの入れ替え

3階の娘の部屋で問題になったのは、ベッドを置ける位置だった。天井か壁が斜めになっているため、ベッドは片側にしか置けない。この部屋には大きなワードローブがあり、娘の部屋には大きすぎる。服はママのほうが多い。そこで、ワードローブを隣の寝室へ移し、寝室にあったタンスと入れ替える案になった。ただし寝室も斜めの壁に当たる箇所があり、ワードローブは今のベッドの頭側に回すしかなかった。

ワードローブは非常に重く、スタッフが倒したり押したり持ち上げたりしながら運んだ。途中で段差やベッドに引っかかって進まなくなり、人を呼び足して回転させ、ようやく通した。古堅は後で、このワードローブは4人がかりだったと振り返っている。

大型の物の中には、捨てるのではなく売ることにした物もある。関係者の1人は、自宅で長く放置していてゴミだと思っていた物がまあまあの値段で売れた経験を話した。売る物は1階へ下ろすが、置き場がないため、ママの車を動かしてガレージに置くことになった。

一年中のクリスマス飾りと、埃をかぶった部屋

2階には、クリスマスの時期を過ぎても出しっぱなしの飾りがあった。娘が作って並べた物で、ママは片付けるよう言っても娘が片付けないと話す。ママ自身も、そのままにしておいたほうが楽しいと思っている。娘は絵を描くのが大好きで、こうした物をよく作るため、捨てられない。

古堅は、それなら娘の自分の部屋に全部並べるべきだと提案する。この家は家事代行を頼んでいるのに、物が多すぎて埃がまったく取れていない。これだけ物が置かれていると、どけて掃除しようという気にならない、と古堅は指摘した。

「便利を取るか景色を取るか」

2階のダイニング周りには、ママの服なども置かれていた。手の届く場所にあると便利なのは分かる、と古堅は認めたうえで、便利を取るか景色を取るかの問題だと整理する。ダイニング側にポールを置いて服を掛けるかどうかについても話し合い、ダイニング側は何も置きたくない雰囲気を作りたいと古堅は話した。

同時に古堅は、ママが帰宅したときに物を置く「逃がす場所」が必要だと考えた。片付けても物を置く先がなければ、また食卓や椅子の上に戻ってしまう。扉の中に物を綺麗に入れ続けるのは難しいので、物を一時的に受け止める「バッファゾーン」を作りたいとも話している。

娘の勉強場所が決まらないと、物の位置が決まらない

古堅は、この家の片付けの方向性が定まっていないと感じていた。狭さには、いろいろな物がすぐ手に取れるという良さもある。だから、今の状態のままママの物の場所を作るのか、別の形にするのかを決めなければならない。特に、娘がどこで勉強するかによって、娘の物の位置が変わる。

ママは、娘に勉強はさせたいが、娘は勉強しないと話す。古堅は、落ち着かないので集中できないのではないかと推測する。勉強する場所とくつろぐ場所を決めなければ物の位置が変わってしまう。古堅自身は「こうでなければならない」という考えはないが、方向性が決まっていないのでどうしたらいいか迷っている、と率直に語った。掃除ならママの意思がなくてもいくらでもできる。しかし目的があって片付けたほうがいい、というのが古堅の考えである。

整然と並べる収納より「ロッカー」を

ママは当初、整然と整理する収納を求めていた。古堅はこれに反対する。結局は使う物が下に降りてきてしまうのだから、そもそも動いていない物はここに置かないほうがいい。整然と整理しても、それほど効果はない。整理し込むと出し入れができなくなるので、ロッカーのように開いていて物を突っ込める形のほうがいい、と古堅は話した。

古堅は、理想があるとしても、自分の性格に合った片付け方にしないと追いつかないと言う。ママについては、仕事が好きなのではないかと見ている。家のことがそれほど好きでないなら手を抜けるようにし、家事代行など助けてくれる人がいるなら、もっと頼ったほうがいい。「ここに突っ込んでおいていい」と頼めるだけでも、テーブルの上が綺麗に保たれ、帰宅したときにほっとできる、と古堅は勧めた。

収納の割り振りを考える際には、家族それぞれが座る位置も確かめた。夫が座る場所の後ろはママにとって取りにくい。見た目のよい写真は上の棚に飾り、見た目の悪い書類はしまう側に回す。物が広がっていると、しまう気配が見えてしまうからである。夫も料理をするという話から、夫の物は夫の側に置く分け方になっている家庭の様子を見て、古堅は一緒に住んでいるのに別々に暮らしているようだと感想を漏らした。

マナミの熱中症、古堅とママの2人作業に

作業の後半、3階担当のマナミが熱中症になったことが分かる。古堅は3階の作業に負けそうだと冗談めかして話し、最終的に2階はママと古堅の2人でできる限りのことをした、と締めくくりで説明している。

2階の成果:ダイニングテーブルの上を「更地」に

作業後、ダイニングテーブルの上には何もなくなった。古堅はこれを「更地」と呼ぶ。ママは、ダイニングテーブルを買った日以来かもしれないと話した。これまでは食事のたびに物をあちこちへ動かしていたが、いろいろな場所に物を置かない面ができたという。

階段を上がった先の棚の上には、ママが希望していた大きな花が飾れるようになった。古堅は、物がなくなるとこの大きな壁が生きてくると話す。壁をキャンバスのように使い、絵が好きな娘の作品やママの花を飾る場所にしてほしいので、ここに物を置かないでほしいと頼んだ。

その代わりに、物を置く場所を別の場所にたくさん作った。これが古堅の言う「ママのロッカー」である。物はここに隠し、散らかってきたらここを整理する。プリンターがある台は作業台として空けておく。そうすればダイニングテーブルの更地を保てる、というのが古堅式の基本だと説明した。棚の中は娘の物のラインとママの物のラインに分けてある。後で分かったことだが、夫が座る側はママの動線から遠いため、そこには食材や家の雑多な物を入れた。

物は捨てず、棚板を変えて見えるように

古堅によれば、この収納では物の整理は一切していない。棚板をすべて変え、いろいろな物が一目で分かって出し入れできるようにした。ダイニングテーブルの下で埃をかぶっていたホットプレートとコンロも収納に入れた。床に置かなければ埃がたまらず、掃除機もかけやすい。

使っていなかった食器は1つも捨てていない。白い箱に入れ、「使わない食器」と書いて下にしまってある。ママが大好きなワイングラスは上に残した。上段には普段使わない物や人形なども入れた。取り出しにくくはなるが、暮らしを優先した配置だと古堅は説明する。

ママのパソコンは後ろに置き場を作った。ママは帰宅するといつも椅子の上に物を置いてしまう。古堅は、ここは食卓なので物の置き場にしてはいけないと話し、そのために置き場を作ったと説明した。ママは袋に物を入れたがるので、本当は好ましくないが袋も残した。あまり手をかけすぎず、定位置を決めて戻せば、この景色は保たれるという。ママの好きなワインのコルクも残し、古堅は飲んでばかりいないで少しは掃除して、と冗談を言った。

リビング側は、あえて何も置かない状態にした。この家は毎日がクリスマスのように仲の良い家族なので、美しく飾れる場所にしたかったと古堅は話す。ママは2階を「大成功」と評価した。

3階の娘の部屋:ベッドを置けるスペースができた

3階は主にマナミとアイコが担当した。膨大な量の物を娘の物とママの物に分けて収めている。娘の部屋には、ママが希望していたベッドを置けるスペースができた。部屋にあった物が非常に重かったため、隣へ移すのに時間がかかったという。ベッドをどちらに置くかを考え、家具をL字に配置した。

本棚には大量の物が入り、段差をつけて見やすく並べてある。元は下にたくさん置かれていた物を上げて収めた。古堅は、工夫がなければこうはならないと話す。娘が好きなように飾れるようになり、好きなキャラクターの「無一郎君」なども並べられる部屋になった。古堅は、ここで勉強はしないかもしれないが、絵はたくさん描けるのではないかと見ている。

ただし、娘の服を入れた収納の中には物がかなり寄せられている。時間的に見直すのが難しかったことに加え、娘がいない間に勝手に判断できなかったためである。古堅は、今後見直すべき部分なので、ママが娘と一緒にやってほしいと頼んだ。

3階の寝室:昼には「悲惨な状態」だった部屋

娘の部屋の隣は、現在ママと娘が一緒に寝ている寝室である。最終的に娘が自分の部屋で寝るようになれば、ママの部屋になる予定だ。大きなワードローブがこちらへ移り、こちらにあったタンスが娘の部屋へ移った。ただ、古堅によると、娘の部屋からこちらへ来た量のほうが多かったという。作業の途中ではベッドの上に物が山積みになっていた。古堅は昼休みにこの部屋を見て、もう二度と3階には上がらないと心に誓ったほどだったと笑いながら話す。

完成後の寝室は、すっきりした部屋に変わった。クローゼットには前日まで夫の服が入っていたが、今はママの服が収まっている。ただ、扉の後ろには少し物が寄せてある。古堅は、それはまったく問題ではない、景色が大事なのだと話した。

感動を共有する家族がいないという問題

古堅は、今日の見届け役がママ1人しかいないことを気にかけていた。1人だと感動が弱い。この感動を家族と共有できれば、綺麗な状態をこれから家族で協力して保っていこう、というスタートが切れる。苦労を知らないと感動は薄れてしまう、と古堅は話す。

娘の部屋も収納の中は寄せたり埋めたりしているので、まだ手を入れる必要がある。古堅は、家族が帰ってきてダイニングやリビングでくつろぎ、自分の部屋ももう少し片付けたい、娘も自分の部屋をもっと可愛くしたい、と部屋に愛情を持てるようになってほしいと望む。そうなれば部屋はもっと良くなり、家族関係も築けるのではないか、というのが古堅の考えである。ママにも整理しきれていない物が多く残っているので、少しずつ改善してほしいと話した。

ママは、1人ではまったくできなかったと振り返る。毎日物に囲まれて気分が晴れなかったが、道筋を作ってもらえたことがスタートになり、1つずつ片付けられると話した。古堅は、今日はママのために6人が動いたと伝え、ママがここから活躍してくれれば頑張った甲斐があると応じた。

その後の報告

放送の最後に、後日の報告が紹介された。ママによると、娘は自分の好きな物を嬉しそうに並べ替えていたという。古堅は、これからも自分の部屋を大切にして暮らしてほしいと述べた。一方で、娘の服の収納の見直しや、家族全員で片付けた状態を保てるかどうかは、この家族に残された課題である。