趣味の料理が家中にあふれる「キッチンが2つある家」 片付け前のルームツアー

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概要

「週末ビフォーアフター」第270回で、古堅純子が訪ねたのは一軒家に夫婦2人で暮らす家庭である。住み始めて18年になり、子どもたちはすでに独立している。玄関はいつも片付いているが、その先は夫婦それぞれの趣味の道具で埋まっている。今回は片付けに入る前のルームツアー編で、家の現状と夫婦それぞれの悩みを確認し、当日の作業方針を決めるところまでが描かれる。

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製造許可のために増設した2つ目のキッチン

リビングに入るとすぐ、古堅は「食べ物屋さんかなにかやってるんですか」と尋ねる。この家にはキッチンが2つある。1つは自宅用、もう1つは製造許可を取るために増設したキッチンだ。夫婦によれば、許可を得るにはキッチンが2つ必要だったという。一時期はイベントに出店して販売していたが、今は店としての活動はしていない。

増設キッチンには冷蔵庫も一式そろっていて、古堅は「もう1軒家があるみたい」と表現する。作業すると暑くなるため、エアコンも付けた。料理は職業ではなく趣味で、将来仕事にしたいかと聞かれた夫婦は「趣味でいい」と答え、趣味として極めたいと話す。古堅は、趣味が高じてここまで設備を整えたことに素直に驚いている。

増設したキッチンは部屋の前にはみ出す形になっており、以前はそこまで作業場が広がっていなかったことも確認される。

夫は梅干し、妻は菓子とパン

作るものは夫婦で分かれている。増設キッチンに並ぶ樽はすべて夫が漬けた梅干しだ。卵の殻も大量に干してあり、妻は用途を詳しく知らないが、肥料か虫よけに使うらしいという。妻は梅作りが好きではなく、殻の山も「汚いから嫌」と言う。古堅は「梅干しは体にいいから最高よ」と返している。

妻の担当は菓子やパンで、キッチンにある型や道具の多くは妻のものだ。量が2人で食べるには多いと古堅が指摘すると、販売したいと思って作っていた時期があったという。作る理由を聞かれた妻は、自分が食べたいからでもあり、作ること自体が好きだからでもあると答えた。

作業場としての不満と、居場所のない道具

妻は増設キッチンについても悩んでいる。置き方が気に入らず、使いにくい。古堅が見ると、コンロの上に卵の殻が乗っていた。妻によれば、手洗い場に鍋が置かれることもある。どちらも夫が蒸し器などを使った後、乾かすために置いたのだろうという。希望は、もっと作業しやすい空間にすることだ。

リビングに入ってすぐの場所にも菓子作りの道具が置かれている。妻自身もこの配置は気に入っておらず、ほかに置き場がなかったのだと説明する。古堅も、本来は作業スペース側にあるべき物で、リビングの景色に合っていないと見る。

一方で、ダイニングの階段下収納は空のままだった。使いづらい形で、どう整理すればよいか分からずにいるという。古堅は、見ていくと家の中には意外と収納があちこちにあるとも指摘している。

「図書館」になったダイニング

元のダイニングスペースは、古堅が「図書館みたい」と言うほど本で埋まっている。家を建てたときから本を置くつもりの場所で、床の補強もしてあるという。自宅キッチン自体は古堅から見てもきれいで、広さもある。

妻がキッチンで取り外したいと言った部品について、夫は「付けたのはママだからね」と返す。古堅は、突っ張り棒や棚を見て、長く収納の工夫を続けてきた家だと感じたと話す。妻は、いろいろな情報を見すぎているのかもしれないと振り返る。誰かが良いと言った方法を試し、合わなければやめる。その繰り返しで収納ボックスも増えた。最近も冷蔵庫の中を整理しようと箱を買い足している。

妻は、物を外に出して置くのではなく、きちんと収めたいと考えている。古堅の見方は違う。物が多すぎて収まりきらず、はみ出しているのが現状であり、考えるべきはどう暮らしたいかだという。

なぜ依頼したのか、どこまで減らしてきたのか

妻は古堅のYouTubeを見ている視聴者だ。依頼した理由を聞かれると、自分ではできず行き詰まったからだと答えた。古堅も、詰め込み、寄せ尽くして入る場所がない状態だと受け止めている。

ただ、何もしてこなかったわけではない。妻は自分の物をかなり捨て、しばらく使わなかった物は処分するようにしてきた。菓子作りの道具も整理済みだという。それでも、あの量が残っている。妻は、必要な物まで捨ててまた買い直すことは避けたいと話し、古堅は「分かるわよ」と応じた。

人を泊められる和室に戻したい

1階のリビング隣には和室がある。整理は始めたものの、そこから進んでいない。古堅はこの部屋を「バックヤード」にして片付ける手もあると提案するが、妻の希望ははっきりしている。押し入れには何が入っていてもよいが、部屋は人が来たときに泊まれる場所にしたい。当初はそういう部屋だったのに、物があふれてから人を呼ばなくなったという。

子どもたちはそれほど遠くない所に住み、家庭を持っている。以前は家族で泊まりに来ることもあったが、今の状態になってからは呼んでいない。来てくれれば泊めたいので、寝られる状態にはしておきたいと妻は話す。古堅は「まあまあハードル高いこと言ってる」としつつ、この部屋は物を置かない前提で片付けると確認した。

2階の妻の部屋:洗濯物の下で眠る

2階には3部屋ある。古堅は、物が多いだけで掃除は行き届いていて清潔だと評価している。

最初に見た妻の部屋では、置き場のないタンスをどこに置くか、ちょうど動かしている最中だった。子どもが小さかった頃から使ってきたタンスで、古堅は夫婦2人の今の暮らしには要らないのではないかと見る。趣味のミシンもあるが、物に埋もれて今は使えていない。

この部屋は洗濯物干し場も兼ねている。妻は干してある洗濯物の下に布団を敷いて寝ており、干せる場所がここと洗面所しかないからだという。押し入れには、4人ほどが寝られる来客用布団が入ったままだ。布団の上げ下ろしもできないほど物が多く、古堅は「動いていない物の量がすごい」と指摘する。

大きな収納には主に妻の服が入っているが、きちんと収まっていない。引き出しの約3分の1は裁縫用の生地で、開けにくいためあまり使われていない。段ボールはメルカリなどで売るときの梱包用に取ってあるという。古堅は、物を整理してシンプルに暮らしたい気持ち自体はあると受け取っている。

この部屋の奥にある収納は、妻の部屋を通らないとたどり着けない。夫も物を取るために通り抜けてはいる。

「全部が途中」になった背景

古堅は妻の部屋を見て、何もかもが途中で終わっていると感じたと話す。これに対し妻は、忙しかったことに加えて、心身を病んでしまい何もしたくない時期があったと打ち明けた。今は元気になり、だからこそ片付けたいのだという。古堅は、つらい時期があっても今は力が戻り、やる気になっているのが伝わると応じている。

夫の部屋:「片付けた」と「1年前から変わっていない」

妻が「もっとひどい部屋」と言うのが夫の部屋だ。夫本人は片付けたと言うが、妻は1年前から何も変わっていないと話す。古堅は、思ったより広いと感じた一方で、どうやって寝ているのかと尋ねた。夫はここで寝ることもあれば、1階の和室で寝ることもある。和室には少し前まで空きがあったが、今は物でいっぱいだという。

この部屋にはほぼ動いていない物が置かれ、3人分の衣類もある。妻は、減らさないと片付かないと夫に言い、夫は減らしていると答えていたが、当日の朝に部屋を見て落胆したという。妻はこの景色が嫌で、部屋に入りたくないと話す。

作業方針:まず「寄せ部屋」を決める

ひと通り見終えた古堅は、まず2階を整え、1階の物を上に移す流れを考えた。優先順位を尋ねると、妻は「難しい」と答える。古堅は、夫の部屋のほうが明るく整理しやすいので、夫にこだわりがなければいったんここに物を集める案を出す。

背景には古堅の会社の進め方がある。1つずつ「要るか要らないか」を問う片付けではなく、家が片付き、後から住人が自分で整理を続けられる仕組みを作る。この家の物は多いが、使える物も多い。残す物と使い切って捨てる物があるので、一気に捨てようとすれば10年はかかるのではないかと古堅は言う。子どもの家族を泊められる状態は今日中に実現してあげたいが、物の整理は今日だけでは難しい。だからどこかにまとめる場所が必要になる。

妻は、孫たちが来れば夫の部屋が遊び部屋になるはずだと懸念を示した。古堅は、そうした使い方は次の段階の目標だと整理する。動いていない物が多いせいで作業スペースが悪くなっているので、まずは物をまとめて様子を見る。夫の身支度の場所は別に作ってもよい。

寄せる場所の見直しと、この日のゴール

作業開始後、夫の寝場所の話に戻る。夫はできれば2階で寝たいと言い、2階にはマットレス付きのベッドもある。夫婦は一緒の部屋で寝たいわけではなく、それぞれの寝場所を持っている。古堅は、来客を泊める場所を2階にするか1階にするかで寄せる場所が変わると整理した。妻は来客は1階でよいと答える。

最終的に、寄せる場所は2階に上げるのではなく、1階側にする方向で落ち着いたと読み取れる。一度上に運ぶと下ろすのが大変で、隠しておくにも1階のほうが隠しやすい、と古堅は言う。妻もこれに同意した。その場所は自分がぜひ空けたいと思っている所なので、そこに物があればかえって整理する気になり、手が動くと思うという。ただし発言は「ここ」「そこ」が中心で、具体的にどの部屋を指すかは字幕からは特定できない。古堅は、寄せた場所では当面催し物のような使い方はできないと断っている。

妻の「後で自分で捨てます」という言葉に対し、古堅は、自分は捨てることを拒否しているのではなく、捨てるには時間がかかるから後で本人にやってもらう考えなのだと説明した。この日の目標は、人手で一気に物をまとめて片付いた景色をつくり、妻がさらに元気になって、やりたいことができるようにすることだ。

終盤では夫の希望も語られる。今は「基地」にある本を自分の部屋に置きたい、妻の物は妻の部屋へ行けばよいという。キッチンが2つあるこの家がどう変わるかは次回以降に持ち越され、今回はここで終わる。