片付けのプロの相棒アイコの家で、新しいキッチンに「全部入れる」300回記念回

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概要

「週末ビフォーアフター」の300回記念回で、幸せ住空間セラピストの古堅純子が訪ねたのは、依頼者の家ではない。長年一緒に仕事をしてきた相棒アイコの自宅である。アイコは26年使ったキッチンを入れ替えたばかりで、「収納量」を基準に選んだ新しいキッチンに、あふれるほどの食器や鍋をどう収めるかがこの回の課題になった。もう一人の相棒マナミも加わり、3人で作業した。古堅の立場ははっきりしている。物を無理に減らすことから始めず、よく使う物を手の届く場所に置き、収納の「枠の中」に収まる量を目指す。その方針で、物の多い家のキッチンがどう変わったかを追う。

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14年ぶりに訪れた相棒の家

古堅はアイコを「私の右手」と呼び、2011年のワークブックの頃から数えて14年、もうすぐ15年の付き合いになると振り返る。視聴者から「スタッフの私生活を見たい」というコメントが寄せられていたことも、今回の企画につながった。

家に入った古堅がまず驚いたのは、廊下にあるはずのない扉だった。アイコは廊下を収納スペースに作り替え、扉まで自作していた。飾り付けや手作りを好むアイコの家を、古堅は「ガウディ的」と評し、自分のように何も作らない人間とよく長く仕事をしてきたものだと笑う。一方で、廊下を収納にする発想については「空間より物が好きな考え」だと冗談めかして言う。マナミは、これを視聴者に教えると皆が廊下に収納を付けてしまう、「減らないなら増やせばいい」になるから危ない、あくまで枠の中で、と釘を刺した。

キッチンの中身は作業に備えてすべて出してあり、その量を見た古堅は「信じらんない」と声を上げた。家族構成も変わりつつある。ワークブックの頃は小さかった娘は25歳になり、息子はすでに家を出て、今は3人暮らしだ。娘も近く一人暮らしを始める予定で、アイコが持っていく物を選ばせたところ、ほんの少ししか選ばなかったという。

キッチンを替えた理由と、プロとしての気づき

入れ替えの理由は、26年使って各所が壊れてきたことだった。コンロは5回操作しないと火がつかない状態だったという。以前は緑だったキッチンを、アイコは白に近い、わずかに灰色がかった色に変えた。古堅は、色が明るくなって広く感じると言う。キッチンの前には夫が手作りしたカウンターがある。

新しいキッチンは収納がすべて引き出しになっている。これにはアイコ自身の仕事の経験が影響している。多くの依頼者の家を片付けるうちに、奥の物は取り出しにくいと実感したからだ。古いキッチンは扉が3枚あっても中が一続きの空洞で、アイコは自分でも驚くほど物を詰め込んでいた。古堅は、人が横になれるほどの空洞があったということだと言い、奥の物はなかなか取り出せないのだから、これからは枠の中で持てる量に絞っていくとよいと助言した。

もう一つの動機が食器の置き場所だった。アイコはこれまで大量の食器をすべて吊戸棚に入れていた。新しいキッチンでは、下の引き出しに食器を入れるのが望みだった。古堅はこれを、普段使いの物がこの場所にずらりと並び、ここだけで用が足りる状態が理想だとまとめている。

食洗機の位置とカウンター、動かずに暮らす動線

アイコが選んだのはタカラスタンダードのキッチンだ。アイコによれば、シンクの下に食洗機を付けられるのはタカラスタンダードだけだという。シンク下にこだわったわけではなく、ほかの場所に収納を多く取りたかったからだと説明する。古堅は、普通の家なら食洗機が場所をふさいで入らない位置に、たっぷり収納できるのはいいと評価した。

食洗機で洗った食器を出し、すぐ前のカウンターで食べ、背後には冷蔵庫がある。古堅は「一歩も動かずに」生活でき、食卓もいらないほどだと冗談を交えて感心した。ただしアイコによると、普段はその位置にゴミ箱を置いているという。

ほかにも手の込んだ点がある。ジーンズショップで不要になった棚をもらってきたところ、サイズがぴったりだった。古堅は、骨董風の物が好きなのはアイコらしく、自分やマナミの趣味ではないと言う。かつて上にあった長い棚は、頭などに当たるため夫に外してもらった。その棚にはM&M'sのキャラクターなどがぎっしり並んでいたという。作業前、古堅は「こんなにお皿がいるのか」と言いながらも、いつも通り使う物だけを手前に入れる方針で始めた。

一番厄介な食器から、よく使う順に

作業は、古堅が「キッチンの中で一番厄介」と言う食器から始めた。よく使う物から順に戻すのが原則で、最優先の場所は古堅が「トップオブザゴールデン」と呼ぶ、手の届きやすい高さの一番上の引き出しだ。古堅はアイコに、ここを開けるだけで生活できるくらい、毎日必ず使う物を選んでほしいと求めた。

ただし、そこにはカトラリーも入れる必要がある。古堅は、母親はいつまでも4人家族のつもりでいるから4人分の食器を持っている、と指摘した。引き出しには最初から仕切りが付いていて、古堅は、いつも自分が買ってくる100円ショップの安い仕切りは要らないと言う。

一方で限界も見えてきた。引き出しの内部が2段構造になっている箇所があり、収納量は増えるが、高さのある物が入らない。古堅は、何でも倍入ればいいわけではなく、高さを考えなければならないと注意する。アイコが最初に「背の高い物が入らない」と言っていたのはこのことだ。古堅は、どんな収納にも一長一短があると補足した。それでも内側の2段目の上段までなら取り出しやすく、2回引き出す手間はあるものの、この構造で食器はかなり収まりそうだと判断した。

鍋、調理器具、「使う1個」の見極め

別の引き出しには鍋や調味料を割り振った。アイコの鍋は多いが、マナミの基準で見ると全部が多く見えてしまう、という話にもなる。マナミは、編集中の別の動画で依頼者に「うちも多いですか」と聞かれ、多いと答えたことを持ち出し、自分のことは棚に上げていたと笑った。それでもアイコの家の量は、4人でも入りきらないほどだと3人は話す。

細かい物も一つずつ判断した。プリン型は、アイコがプリン好きなので残す。調理器具は縦に立てて入れるとちょうど収まり、アイコがもともとやりたかった入れ方になった。子どもが小さい家庭でよく見る仕切り付きの朝食プレートも、子どもが社会人になった今も毎朝パンを食べるときに使うので、取りやすい上段に置いた。月に2回ほどしか使わないが場所を取る大きなフライパンは、ふたなどとセットで下段に置くことにした。娘が買ってくれたミニオンのパンケーキ用の道具も出てきて、古堅は余計な物を買うのがこの家族だと笑う。一方で保存容器は意外に少なかった。アイコの家では料理を全部食べてしまうからだという。ゴミ箱が下にあるので、引き出しは1か所で足りるだろうという話にもなった。

作業中、アイコ自身が整理のアドバイザーのような判断を口にする場面もあった。アイコもマナミも整理収納アドバイザー1級の資格を持つが、アイコは自分ではその資格を生かしたことがないと認めた。引き出しに予想以上に物が入るのを見て、3人は「タカラ、意外と入りますね」と話し、古堅は「宝を舐めんなよ」と言った。ただし何の案件でもないと念を押している。

完成したキッチンの配置

作業後、古堅がルームツアー形式で仕上がりを紹介した。夫が3か月かけて作ったカウンターは元の位置に戻った。上の棚は、古堅が来たときには物が山盛りだったが、古堅式で物を立てて並べ直した。新しいキッチンには、出してあった物がすべて収まった。とはいえ古堅は、娘が独立して2人暮らしになる家庭にこれほどの食器が必要なのか、とも感じたと率直に述べている。

配置はラインごとに分けた。一角をコーヒーとお茶のラインにまとめ、普段使いの取り皿や大皿、朝食セットを手前に置いた。古堅は、仕切り付きの朝食プレートは使っている人なら分かる使いやすさだと言う。トップオブザゴールデンの引き出しには食器を入れ、このキッチンにはこうした引き出しがもう一つあるため、そちらにはカトラリー類を入れた。ゴールデンゾーンが2倍あることで、洗った物を一歩も歩かずに戻せるようになった。古堅はこれを「夢のような」と表現し、宣伝ではないのに自分がタカラスタンダードの使いやすさを紹介しているのは不思議な状況だと付け加えた。アイコは、引き出しに茶碗を入れるのが夢だったと話した。

コップは以前引き出しに入れていたが、中で割れたことがあったため、上の棚にある飲み物関係の「水のライン」へ移した。見えているコップが今使う物で、その後ろには使わないコップがかなりの数あると古堅は明かし、日々の暮らしは手前の物で足りるはずだと言う。見えるように縦に置いたが、アイコは何でも多めに買うタイプなので、時間が経つとまた山盛りになりかねない、とも古堅は予想する。それでも、この棚の上には引き出しがあるので、それ以上は物が入らない。アイコは、これまでは引き出して開けるのが面倒で使わない物がたくさんあった、見えていれば余計に買い足さずに済みそうだと応じた。

火と作業のライン、重たい引き出し

火のラインでは、以前は鍋を取るたびに上の物をどけなければならなかったが、並べ直したことでワンアクションで取り出せるようになった。古堅はこれを、アイコが普段仕事で依頼者の家にしている収納そのものだと言い、こうしたシステムでなければここまで整然と並ばないと話す。これまでぶら下げていた大きなフライパンもセットで収まった。これはハンバーグを500g一度に作るためのフライパンで、ほかにフライパンが何枚あってもこれには敵わないとアイコは言う。古堅も捨てないと明言した。

作業台の下の段には鍋のセットが入り、南部鉄の鍋まで引き出しに収まった。アイコは特にこれを喜んだ。水のラインの引き出しはどれも非常に重い。古堅は、入れた瞬間から満タンになるのがアイコらしいと言いつつ、全体を見渡せるので使いやすくなったはずだと評価した。これまで使っていなかったブレンダーなどの調理家電も、すぐ取り出せる位置に待機させた。最後に紹介したのは細かい物専用の小さな引き出しで、つまようじやキッチンバサミなどを包丁より先に取れる位置に入れた。作業時間は約2時間半だった。

「多くないと思っていたが、多い」

振り返りで古堅は、マナミの新居では引っ越しを手伝ったが、アイコの家は以前子ども部屋を見たときの印象から、キッチンだけはやりたくないと思っていたと明かした。長く一緒に働いてきたからこそ、こういう時期が来たのだと感慨を語っている。

アイコは、自分の物はそれほど多くないと思っていたが、多いと気づいた、見直そうと思うと答えた。古堅は、多くの家を見すぎると感覚が狂ってしまうのだと言い、ひとまず収まってはいるが、まあまあ多いと念を押した。そのうえで勧めたのは、一気に捨てることではない。使われていない食器を少しずつ出して実際に使い、使ってから手放すというやり方だ。アイコは今回の結果を「大成功」と答えた。

物の多い家でも、入れ方次第で片付く。これを古堅は相棒の家で示した。ただし、収納が埋まったことで物の量という課題がはっきり見えたのも事実だ。古堅が勧めた「使ってから手放す」を、2人暮らしに向かう家でアイコがどう進めていくかは、この回の時点ではまだこれからである。