10年分の荷物が詰まった「ダンボールパレス」の家、リビングを空けるために一部屋へ寄せきった最終日

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概要

片付けの専門家・古堅純子が3人家族の家を片付ける「週末ビフォーアフター」の、この家の完結編である。前回は夫婦の寝室を分け、夫と妻それぞれの個室を作った。その結果、家中の大量の物がいったんリビングに寄せられた。今回の問題は、その物をどこへ移すかである。古堅たちは、一番広い部屋に物を集めてリビングを家族の共有スペースに戻す方針をとった。時間切れが迫るなかで作業はかなり強引になり、古堅自身も「半ば強引に寄せた」と認めている。

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作業前の「説教」と大谷翔平の話

作業の途中、古堅は冗談めかして「今から説教」と切り出し、家族に年齢を尋ねた。51歳という答えを聞くと、もう人生の折り返しで後半に入っているのだから、父も母も次の人生を歩むべきだと話した。

場を和ませたのは夫のエピソードである。夫は妻と大谷翔平の試合を見に行った。前から3番目の席をネットで取り、1席10万円を超えたという。ところが妻は古堅のファンで、「大谷に会った時より古堅さんに会った方が感動した」と言ったらしい。夫はそれを聞いて、大谷に勝っているのはものすごいことだと笑いながら話した。

妻の部屋に家具と荷物をどう収めるか

作業の中心は、リビングに寄せた物を移す部屋の配置決めだった。夫が寝るときに見ていた小さなテレビを運び、一方を書斎的なスペースにし、通路を確保する。妻の衣類は主にこの部屋に置くことになった。夫の物もこの部屋に入ってくるので、スペースを空けるためにいったん寄せる判断をしている。

机の配置では、最初はL字を考えていたが、L字にする必要はないという結論になった。まっすぐ置いた方がよく、リモートワークをするときの背景としてもその方がいいという理由である。現場ではサイズを測り、幅59センチなどの数値を確かめて「ギリギリいける」と確認しながら家具を入れていった。

荷物については「相当来る」という見立てだった。部屋の一部は歩けなくてもいいと割り切り、ダンボールはL字に積む方針にした。ただし窓は開けられるようにする。古堅たちは、部屋の周囲を回れる「ラウンドスクエア」ならできるが、中央に島を作るのは無理だと判断した。本棚は窓をふさがないよう、壁と平行にまっすぐ置き直した。夫の目の前には薬や書類を置き、振り返れば自分の物がある配置も話し合われた。

「まだまだかかる」焦りと、妻への言葉

中盤、ダイニング側の作業については「まだまだかかる」という声が出ていた。家の外に置いていた分もあり、先方が引き取ると言ってくれないと先に進めないものも残っていた。雨に濡れない位置にダンボールを並べる工夫をしながら、スタッフは外の荷物から減らしていく段取りを立てた。

作業の合間、古堅は妻にこう語りかけた。息子はいま頑張っている。母親も物と向き合うことで彼の苦労を分かち合い、自分自身の次の目標に向かえるようにした方がいいのではないか。ここを片付けて人を呼び、楽しい時間を過ごせば、仕事をしなければならない父親の気持ちも自然と上がっていくはずだ、という見方である。古堅は、まだ散らかっているのに家の空気がもう変わっているとも話している。

最後は一部屋に積み上げる

作業の終盤、家の一番奥には食料品や、最初からあった大量の水が運び込まれた。物はどんどん積み上げられ、キャスター付きの引き出しを動かすと中へ入れる出入り口になる、という構造ができた。スタッフはそれを「秘密の」場所や「ラピュタみたい」と表現している。量について「こんなに歩けるほど物があるのか」という声が出ると、「もう歩けない、歩かない」と割り切る場面もあった。

作業終了:リビングの公開

作業終了後、古堅は1日を振り返った。まず個室の再生に力を入れたが、寄せられた物のせいでリビングは最後の最後までリビングらしい景色にならなかった。相棒のマナミとアイコは機嫌が悪くなり、古堅自身はどちらに手を付けていいか分からず個室を掃除していたという。そのうえで「安心してください、片付いてますよ」と冗談めかして、リビングを公開した。

家族は「広い」と繰り返した。ソファはいくらでも置ける広さだが、すでに処分してしまったという。古堅は、小さな子どもの広場のようになったと表現した。トレーニング用品が多い家なので、ここで運動したり、家族でごろごろしたりゲームをしたりしてほしいと話した。新品の家具が並び、見せる物が収まった一角は「モデルルームみたい」だという。かつて部屋にそびえ立っていたダンボールがなくなり、声が響くようになった。夫はダンボールの山が崩れたことで部屋が白く、まぶしく見えると言った。

作業中、妻はあのダンボールを「捨てる」と言っていたという。古堅は、捨てたらその中身をどうするのかという話になるほど大変なものだったと振り返っている。

更地になった場所を保つ仕組み

ダイニングのテーブル周りも何もない状態になった。古堅は、ここには置きっぱなしにせず、脇に置いたワゴンに物を置くよう勧めた。置き場所があればそこに戻せばいいし、ワゴンが一杯になったら少しずつ片付ければいい。ワゴンは視界に入りにくい位置にあるので、扉がなくても場所を変えるだけで物を隠せる。更地が見えていれば、すぐに食卓でご飯を食べられるし、急な来客ももてなせる。これが古堅式だと説明した。

妻によれば、子どもが友達を呼びたいと言っても、片付いていないからと1か月ほど断り続けていた。最終的に来てもらうことになったときは、物を寄せて隠す形でしのいだという。

残った課題:キッチンと家全体

一方で、古堅は課題もはっきり示した。キッチンの一部はピカピカに磨いたが、そこだけが新品のように輝き、周りは何十年も住んでいるように見える。その対比が「虚しく見える」とまで言った。この家は時間をかけないと難しいと判断し、今回は区切りをつけるという。

家族は、今後このリビングでゲームやストレッチをしたいと話した。息子は、いまの取り組みが終わったら友達をたくさん呼びたいという。古堅は、物が多すぎて今までできなかったことなので、大人ものびのび暮らした方がいいと応じた。カーテンレールの取り付けなど細かい点も残っており、物はまだ多いので見直して進化させてほしいとした。リビングダイニングは家族から「大成功」との評価を得た。

物が集まった部屋:仕事はできるが、ほぼ歩けない

最後に公開されたのは、家中の物が寄せられた部屋である。もともと夫の部屋はダンボールだらけの「ダンボールパレス」だった。その中身がいったんリビングに移り、リビングを空けるために今度はこの部屋へすべてが集められた。古堅は、最初は考えながら指示を出していたが、結果的には全部崩れたと笑いながら説明した。部屋はほとんど歩けないが、夫が仕事をできる状態にはなっている。

古堅によれば、妻の物ばかり並べると夫の仕事がこれ以上先延ばしになるのではと考え、夫の大事な物も入れたという。クローゼットのラインも作ってあり、妻がここで着替えたり服を出し入れしたりできる設計になっている。ただし、そのラインは現状すべて埋まっている。ダンボールパレスの物というより家中の物が寄ったため、想定以上の量で「ここが限界」だったと古堅は認めた。

それでも妻は、以前はダンボールが斜めに積まれていて手を付ける気にもなれなかったが、きれいに並んでいるので1個ずつ取っていこうという気持ちになれると話した。古堅は、物をあまりこの部屋から出さず、中で作業するよう助言した。中へはアイコの説明どおり、動く部分とスーツケースをずらして入る。この部屋がこうなったおかげで、3つの部屋がとりあえず片付いたというのが古堅のまとめである。

家族の感想:夫と息子

夫は、1日でここまでできるとは考えられないと言い、チームを「尊敬した」と語った。自分で作業を体験して驚いたという。息子は、以前はどの部屋にも入れなかったが、今は全部の部屋に入れるので、それだけでかなり進化したと話した。

古堅は、完璧を目指すといつまでも終わらないので段階を踏むことが大事だと述べた。作業中に夫の「野望」をたくさん聞いたことに触れ、自分もスパルタになってしまったと認めている。そのうえで、夢がある方が前向きになれるし、家族が後で「あの時頑張ってよかった」と思えるようになってほしいと話した。

妻の言葉:大きな変化は悪いことだけではない

最後に妻が自分の思いを語った。病気が分かったとき、先への不安や「なぜ自分が」という怒りがあり、人生が1日でこんなに変わるのかと愕然とした。家族や周囲の力を借りて日常生活を取り戻したものの、心のどこかでまた人生が急に暗転する日が来るのではないかと怯えていた。

今日は、何年も「どうにかしなきゃ」と自分に重くのしかかっていたことが、古堅たちと家族の力で1日で片付いた。人生が大きく変わるのは悪いことだけではないと体験でき、勇気が出たという。家族にはずっと我慢をさせてきたが、これからはのびのび過ごせる。家で遊んだ家族はまたそれぞれの場所で頑張ってくれるだろうと思えるし、自分もこのすがすがしい空気の中で、好きなことややりたいことを少しずつ見つけていきたいと語った。

古堅は、3人のチームワークと家族愛がこの家を変えたのであって、自分たちは手伝っただけだと応じた。無理せず少しずつ頑張ってほしいと伝え、この回は「成功」で締めくくられた。

結び

番組の結論は、一番広い部屋に物を寄せることで、リビングを家族の共有スペースに生まれ変わらせたというものだ。ただ、寄せた部屋はほぼ歩けない状態で、キッチンを含む家全体も時間をかけないと片付かないと古堅自身が判断している。強引に寄せた物を、家族がこれから少しずつ見直していけるかどうか。それが残された課題である。