マ・クベはなぜ「有能」なのか――岡田斗司夫が読む『機動戦士ガンダム』第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」
岡田斗司夫岡田斗司夫が『機動戦士ガンダム』のTVシリーズを1話ずつ解説する講座のうち、第66回から第68回をまとめた回である。扱うのは第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」だ。この話ではアムロが過去最高の強さを見せるにもかかわらず、ホワイトベースは最後に航行不能となって不時着する。岡田はこの結末から、ランバ・ラルに代わって登場した敵将マ・クベが「すごく有能な男」だと読み取る。講座の中心にあるのは、マ・クベのどこが優れていて、どこに弱点があるのかという問いである。
主人公側がはっきり負けて終わる回
岡田はまず、第22話が主人公側の完全な敗北で終わるエピソードだと位置づける。ガンダムでここまで明確に負けて「さあどうなる」と次回に続く構成は珍しい、というのが岡田の見方だ。
アムロは前回までのランバ・ラルとの激闘を経て吹っ切れ、パイロットとして覚醒している。今回もジオンのモビルスーツを次々に倒しており、ここだけを見ると調子が良さそうに見える。これまでのホワイトベースは、シャアの追撃から逃れて地球に降り、ガルマの包囲に追い込まれても逃げ延び、ランバ・ラルからも逃げ切ってきた。ところが今回は、アムロが過去最強でガンダムが奮闘したにもかかわらず、ホワイトベースは完敗する。岡田はこの点を、新しい敵マ・クベの有能さの証拠として扱っている。
敵将4人を5段階で比べる――シャアとガルマ
ガンダムの敵のうち、考え方や戦法、思想まで見えるライバルとして描かれたのは、シャア、ガルマ、ランバ・ラルに次いでマ・クベが4人目だと岡田は言う。そこで岡田はこの4人を「作戦立案」「指揮」「戦闘」「謀略」「カリスマ」の5項目、5段階で採点した表を示した。
シャアは作戦5、指揮4、戦闘5、謀略5、カリスマ4である。指揮が1点低いのは、自分で前線に出て戦ってしまうからだ。岡田は謀略を作戦と区別している。作戦は味方に通知して全員で力を合わせるものだが、謀略は場合によっては味方も欺かなければならない。シャアはこれが得意なので5になる。カリスマが4にとどまる理由として、岡田はガルマ事件でシャアが軍を追われたときに助命嘆願が出なかったことを挙げる。
ガルマは作戦3、指揮3、戦闘3、謀略1、カリスマ5と採点された。ホワイトベースを追い詰めたときの作戦は悪くないが、良くもないので3。指揮が4にならないのは、失敗すると部下を怒ってしまうからだ。一方で2まで落ちないのは、データを否定して「そんなことがあるはずがない」と言ったりせず、自分で前線に立つからだという。戦闘も、自ら戦闘機で前に出て、少なくとも撃ち落とされずに帰ってくるので3とした。
岡田が強調するのはガルマのカリスマである。ギレンもキシリアもドズルも国民にアピールしているはずなのに、国民の人気がガルマにだけ高いのは、マスコミの力ではなくガルマ自身のカリスマだろうと岡田は考える。謀略にまったく気づかない人の良さが、周囲に「助けてやろう」と思わせる。岡田は数字でたとえて、個人の能力がシャア100、ガルマ10だとしても、周りがそれぞれ3や5や10の力を持ち寄るので、総合力ではシャア100に対してガルマ150になりうると説明した。ドズルが「あいつなら俺をも使いこなせる」と言ったのはこういう意味ではないか、というのが岡田の解釈である。
アニメではこの点がほとんど描かれず、ガルマは気の優しい、頭の悪いお坊ちゃんに見えてしまう。岡田はここで安彦良和の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に触れ、そのガルマ像やシャアの動機の描き方が浅いと批判した。あくまで自分の想像だと断ったうえで、最初のガンダムを見て盛り上がっていたファンがバンダイや角川に入り、安彦さんの周りを固めた結果、ファンのイメージを拡大再生産するだけになってしまったのではないか、と述べている。岡田はこれを、同人誌のようになってしまったことがTHE ORIGINで最も引っかかる点だと言う。
ランバ・ラルとマ・クベ
ランバ・ラルは作戦4、指揮4、戦闘5、謀略1、カリスマ5である。作戦単体ならハモンのほうが優れていたかもしれないが、ラルは自分のやり方を通そうとするので4くらいになる。指揮が4なのは、自分も一緒に戦ってしまうと全体像を見切れなくなるからだ。謀略を重視せず、マ・クベのわざとらしい謀略に気づかなかったわけではないにしても「俺は平気だ」と踏ん張ってしまった。岡田は、それが結果的にラルの寿命を縮めたのではないかと見る。カリスマが5なのは、ラルの死後も部下が、ハモンの力もあったにせよ、仇討ちという命がけの作戦に付き合ったからだ。
マ・クベは作戦5、指揮3、戦闘4、謀略5、カリスマ1である。今回の包囲網を見れば分かるように、作戦の立案は非常に優れている。しかし自分以外をあまり信用していないので、実際の運用となる指揮は低い。戦闘の4について、岡田は全部が平凡なガルマより少しましな程度だと言う。新型モビルスーツのギャンを駆ってガンダムとある程度まで戦えたこと、新兵器アッザムを使い、隣に座る「怖い怖いキシリア様」に急かされながらも引き分けに近いところまで持ち込んだことを根拠に挙げている。
謀略は5で非常に高く、逆にカリスマは1、つまり人望がまったくない。岡田によれば、ガンダム世界でシャアやマ・クベのような謀略スキルを持つ人物は意外に少ない。連邦側でその素養があるのはレビル将軍、マチルダさん、それからミライも少しその考え方ができ、修行すればできるようになるのではないか、という程度だという。
岡田はマ・クベの人物像を次のように描く。エリートというより貴族育ちで、兵隊の気持ちを考えたことがない。そのため人望は低いが、忠誠心は高く、キシリアに壺を届けることにも一生懸命になれる。命令に従い、それ以上もそれ以下もしない人間は扱いやすく、敵の裏切り者でさえ扱える。裏切り者は欲望で動くので、交渉でコントロールできるからだ。逆に、武人としての意地を持つランバ・ラルや、ノリで戦う「ヤンキー体質」の黒い三連星のような人間には苦手意識があり、生かしきれない。
アッザムやギャンに自分で乗ることについて、岡田は戦闘好きだからとは見ていない。本当に好きならもっとうまいはずだからだ。むしろ、第一次大戦以前のヨーロッパ貴族のように、貴族は手下を率いて先頭に立つべきだという意識があるのだろうと推測する。その一方で書類ばかり見る官僚的な頭の良さもあり、この二つのバランスが崩れている。戦いながら戦略も練るアレキサンダー大王型にも、カーテンの陰で計画だけ立てて微笑む黒幕型にもなれない。そこがマ・クベの弱点だと岡田は言う。
もう一つのパラメーター「負け方」
岡田はさらに「負け方」という項目を追加した。マ・クベはプライドが高く負け方が下手なので、この項目はずば抜けて低い1だという。負けを認めたくないあまりに屁理屈をこね、駄々をこね、しまいには水爆ミサイルを発射するような駄々のこね方をするからだ。
シャアの負け方は4である。「認めたくないものだな、自分自身の過ちというものを」「私の読み違いか」のように、負けるとすぐ自分の何が足りなかったかを反省する。ガルマは「誰のせいだ」とすぐ怒るので2か3だが、お坊ちゃんにしてはそこそこなので3とした。
最も高いのはランバ・ラルの5だ。ラルは負けという結果にこだわらず、連続するゲームの中で次のゲームのスタート地点として捉える。ザクがやられたら次はザクなしで戦う、補給路を断たれたら補給なしで戦う、というように、負けを次の戦闘の初期パラメーターとして扱う。毎日戦闘をしているので一回ごとの勝敗に一喜一憂していられない。岡田は笑いながら、戦闘に慣れすぎて「戦闘バカ」になったのではないかと付け加えている。
なぜマ・クベというキャラクターが必要だったのか
岡田によれば、敵は強くなければドラマにならない。シャアの強みは謀略、つまり周りを騙して自分に都合よく状況を運び、ホワイトベースだけでなくガルマまで追い詰める面白さにあった。そのシャアが軍を追われて出てこなくなると、敵で謀略を使う人物がいなくなる。普通の軍人を出しても、力押しのタイプか、ランバ・ラルのように視聴者が同情して好きになってしまうタイプくらいしかバリエーションがない。
本来ならここでギレンを出したいところだが、ギレンと毎週戦うわけにはいかない。そこで毎週出せる「ギレンの代わり」、シャアの代わりとしてマ・クベが置かれた、と岡田は見る。ランバ・ラルはモビルスーツ乗りとして、男と男として「手強い」と思わせたが、マ・クベは謀略という別の力で中盤を持たせる。
岡田が面白いと感じているのは、その副作用だ。マ・クベで謀略的な強さを見せてしまったため、後に出てくるギレンはもっと負け方が下手で、戦いの下手な人物のように描かれてしまった。シリーズものでは、あるキャラクターで使った見せ方を他のキャラクターに使えなくなる。岡田はこれを将棋やチェスの盤上の駒にたとえ、後に出す駒ほど能力値は高くしなければならないが、能力の見せ方のバリエーションは限られてくると説明した。また、マ・クベの出番がなくなると入れ替わりにシャアが戻ってくる構造になっている点も、うまい作りだと評している。
オープニングの軌道図とラグランジュポイント
本編の前に、岡田はオープニングで久しぶりに示されるサイドの配置図を解説した。宇宙世紀0079年、地球の周りに建設された宇宙都市は建設順にサイド1、サイド2と呼ばれ、7番目のサイドが建設されて2年目に戦争が勃発し、この大戦でサイド6だけが残った、という導入である。
ここで岡田はラグランジュポイントを説明する。二つの天体の運動は特定できるが、三つ目の物体が加わると運動の式は非常に書きにくくなる。ただし、三つ目が無視できるほど小さい場合、地球と月の関係では5つの重力の均衡点が生まれる。普通なら宙に浮いたものは地球か月に落ちていくが、この位置にあるものはどこにも吸い込まれない。地球と月それぞれから60度の位置がL4とL5、月の手前と向こうがL1とL2、月の反対側がL3である。岡田は、地球と月の引力の中心は実は地球の地面より少し下にある、とも補足した。コロニーをL4やL5に何十基も作れるのは、そこに浮いていられるからだ。
図に描かれたサイドの位置について、岡田は自分の勝手な想像だと断ったうえで、最初は60度の位置を取り違えて別の場所に書いてしまい、後から間違いに気づいて描き直したのではないか、と推測した。さらに月の反対側のラグランジュポイントにルナツーを置き、その質量がそこそこ大きいため、サイド7はルナツーの周りを回る特殊な軌道になっているのだろうと述べている。
冒頭の戦闘は「快勝」を見せるための伏線
本編はいきなりガンダムとグフの戦闘から始まる。ガンダムのバズーカが敵基地に当たって大爆発し、炎に包まれたグフが飛び出してくる。グフはジャンプして背景の太陽に隠れ、ガンダムから見えなくなる。岡田はこれを第二次大戦の空戦技術や、戦国武将の戦い方のようだと言う。グフはヒートホークでバズーカを真っ二つにし、盾も二つに割るが、ガンダムは頭部バルカンでグフの目を潰し、見えなくなったところにビームサーベルを腹に突き刺す。岡田はこの決着のつけ方を『仁義なき戦い』の広島ヤクザ抗争のようだと表現した。
岡田がこの流れを細かく説明したのは、これが「軽快な戦闘シーン」だからだ。ランバ・ラルとの戦いでは、ガンダムが軽快に勝つ場面は意外に少なかった。今回は前半で、新兵器グフが出てきても危なげなく勝つところを見せる。それが後半でマ・クベが作戦を組み始めると勝たせてもらえず大苦戦する、という展開の伏線になっている。
グフの扱いにも意味があると岡田は言う。これまでグフはランバ・ラルの専用機のように見えていたが、今回から大量に出てくるので、敵がグレードアップした感じがする。同時に、ランバ・ラルに補給は届かないと言っておきながらグフをたくさん隠し持っていたマ・クベのずるさ、つまりランバ・ラルがなぜ負けたのかという事情まで見えてくる。
ブライトの昏倒とホワイトベースのブリッジ
ガンタンクも出動して敵を叩き潰し、戦闘自体には勝つ。しかしブリッジのブライトは汗をかいてふらふらしている。岡田は、ランバ・ラルの死の直前の回からブライトがずっと汗をかいて唸っていたことを指摘し、ブライトにも死亡フラグが立っているのかと思うほどの危うさだと言う。結局ブライトは椅子から落ちて倒れる。
ここで岡田はホワイトベースのブリッジのデザインを絶賛した。レーダー手が見ているレーダー画面は、下から見上げるショットでは真上にあり、正面からのショットではやや後ろの壁にあるように描かれている。つまり画面の位置が決まっておらず、背後に出入口のドアがあるはずの場所にまで現れる。見せたい情報が多いので、しょっちゅう嘘をついているのだ。
宇宙戦艦は船であると同時に戦闘機でもあるので、ブリッジを描くと、平らな床に椅子を並べるか、床を少しくぼませて人を並べる『宇宙戦艦ヤマト』のようなレイアウトになりがちだと岡田は言う。岡田自身もヤマトの、艦長が上に座り、斜め上に大型モニターがあるレイアウトを一つの究極だと思っていた。ところがガンダムは、斜めにはしごを渡し、その上にレーダー手を二人背中向きに座らせ、途中に艦長席を置いた。これで上下関係が生まれ、左右非対称の見慣れない構図になる。また大型スクリーンを使わず、その場にいないセイラらとは小さなモニター越しに話すので、コミュニケーションの難しさも表現できる。どこにカメラを置けばドラマが最も面白く見えるかを考え抜いたレイアウトであり、岡田は宇宙船のブリッジとして史上ベストだと考えている。
「戦闘中よ」――セイラの制止と海軍の規律
倒れたブライトに駆け寄ろうとするミライを、セイラが「戦闘中よ」と止める。岡田はこの制止が重要だと言う。戦闘中の配置は絶対で、持ち場を離れれば艦は機能障害を起こす。配置を動くには上官の承認が必要だが、ミライはホワイトベースのナンバー2なので、上官はブライトしかいない。ブライトが倒れた瞬間、ミライに許可を出せる人がいなくなり、ミライは動けなくなる。
岡田によれば、世界の海軍の平均的なフォーマットに従うなら、ミライはまず艦長が倒れたことを宣言し、先任士官として艦長の臨時代理を務めると告げ、異議があれば後で会議を開くと言い、それを記録させてから動かなければならない。これを怠ると、最悪の場合、軍法会議で最も重い反乱罪となり、銃殺刑になりうる。つまり、我を失ったミライをセイラが冷たく止めたように見えて、実際にはセイラはミライの命を救っている、というのが岡田の読みである。ミライは慌ててジョブ・ジョンらを呼び、ブライトを運ばせる。
岡田は陸軍と海軍の違いも説明した。陸軍では前線が地面の上にあり、進むか下がるかが基本で、兵は上官の指示を仰ぎ、許可なく下がってはならない。海軍も命令の徹底は同じだが、各艦に艦長がいて、結婚式のような儀式も司れる、一つの国の王のような存在である。これは本国からの連絡なしで部隊を運用するためのルールで、艦長が倒れたり明らかに正気を失ったりしたときの対処が徹底的にマニュアル化されている。岡田は、イギリス海軍の反乱事件などを経てできたこうした規律を宇宙SFに当てはめた作品として、早川書房から出ている「銀河の荒鷲シーフォート」シリーズを勧め、ガンダムを理解するためにも読んだほうがいいと述べた。
マ・クベの仕事――鉱山経営から打ち上げまで
Aパートの続きで、マ・クベは不機嫌にレポートを投げ出し、「エルランはろくな情報をよこさない」と言う。向かいに座っているのはジオンの服を着た連邦軍の軍人ジュダックで、連邦の裏切り者だ。岡田は、マ・クベの部下は全員立っているのに、ジュダックだけが座っていることに注目する。マ・クベの部下ではないからで、マ・クベも「ミスター・ジュダック」と呼ぶ。独裁的に見えるマ・クベは、実はルールを守る真面目な性格で、自分より格下の軍人でも直属でなければ椅子を勧める、と岡田は読む。
鉱山から定例報告を受けたマ・クベは部下を呼び出し、第7に続いて第8ボーキサイト採掘基地がやられたとはどういうことだと問い詰め、「あとは私がやる」と言い出す。岡田は、基地がやられたことではなく生産性の低下に苛立っている点をマ・クベらしいと見る。
ここから岡田は、マ・クベの仕事を推測で膨らませていく。地球攻略の軍事的中心は北米の地球方面軍司令部で、もともとガルマがトップだった。マ・クベはアジア・ユーラシア方面の責任者にすぎず、軍事的な中心ではない。しかし占領政策は事実上マ・クベが考えていそうだ、と岡田は言う。ジオンはコロニー落としで一気に降伏させるつもりだったが、連邦の抵抗が激しく、第一次大戦の東部戦線のような状態になった。戦争が長期化すると採掘が重要になる。「第8」という番号から、ボーキサイトだけでも採掘基地が最低8か所はあることになる。
ジオンは人工のコロニー国家で、鉱物資源がない。小惑星帯からある程度、木星からヘリウムや水素を持ってこられるとしても、それ以外の鉱物資源はほぼ地球頼みになる。モビルスーツも宇宙戦艦も地球からの資源補給がなければ作れない。岡田は、ジオンにはおそらく人間と電気しかなく、農場はあっても閉鎖系の農場は地球からの補給がなければ5年ほどで土壌が枯れると述べる。
そのうえで岡田は、マ・クベの仕事を5つに整理した。アニメで描かれたのは1番目だけである。
- 鉱山の採掘。ボーキサイトだけでも複数ある採掘基地に加え、鉄、銅、金、プラチナ、レアメタルまで含めた多数の基地を管理する。岡田は、あのデイリーレポートを毎日見て指示を出しているのだから一人で管理しているのだろうと言う。
- 鉱物の加工。鉱石をそのまま宇宙に運ぶのは無駄なので、周囲の岩を取り除き、インゴットや粉末に加工しているはずで、そのスケジュール管理もマ・クベだろうという。
- 輸送用の宇宙船の製造。往復型シャトルで資源を運ぶのは無駄すぎるので、使い捨ての化学燃料ロケットや、鉄のコンテナを打ち上げるリニアカタパルトを作っているのではないか、と岡田は推測する。
- 打ち上げの管理。バイコヌールの宇宙基地は位置的に接収しただろうから定期便を上げ、さらにヒマラヤ山脈を利用したリニアカタパルトでコンテナをマッハ26〜30まで加速して衛星軌道に上げているだろう、という。無人のコンテナなので無茶な加速もできる。軌道上ではパプア級補給艦が捕捉し、ブースターを付けてジオンへ送り出す。
- 以上の拠点の防衛。
岡田は、1〜4は従業員数千人規模の企業経営に近く、5だけが軍人の仕事だと言う。そのうえアッザムの運用テストまで、キシリアに教習所の教官のように横から叱られながら自分でやり、最後にはレビルと対決して連邦軍に水爆ミサイルを撃つという判断までしている。岡田は、ガンダムに登場する人物で最も有能な人間を一人選ぶなら間違いなくマ・クベを選ぶと言い、それなのにあまり日が当たっていないと述べた。この壮大な風景は外伝でも描かれていないので、いつか誰かに映像化してほしいとも語っている。南極条約違反については、南極条約を踏み越えて戦争を動かそうとした人物という点が面白いと触れ、後で説明するとした。
オデッサで「負けない」戦略と内通者エルラン
来るべき連邦の大反攻オデッサ作戦について、岡田はマ・クベが物量で勝てるはずがないと知っていたと考える。だからマ・クベが選んだ戦略は「勝つ」ではなく「負けない」だった。戦いをできるだけ長引かせ、泥沼化させて連邦を疲弊させる。
下手に勝つと、ユーラシアはジオンの制圧圏だということになり、ギレンらに目をつけられて直属の大部隊が送り込まれる。そうなるとマ・クベは基地を取り上げられてしまう。マ・クベは4つの大プロジェクトを動かしていることをできるだけジオン上層部に知られないようにしながら、キシリアに資源を送り続けたい。だから負けない程度に防衛し、この状態を続けようとしていた、というのが岡田の見立てである。
マ・クベはジュダックに「エルラン中将に伝えたまえ。明日一日、東ヨーロッパ戦線に配備した連邦軍の動きを極力抑えるように」と言う。岡田は、中将は大本営に顔を出して会議をしているようなトップ中のトップであり、そんな高位の人物がジオンの、マ・クベのスパイだということがここで明かされると説明する。マ・クベがホワイトベース攻略を自ら決めた目的も二つあると岡田は言う。採掘基地の生産性をこれ以上下げないことと、オデッサ戦を有利に、つまり負けないように運ぶことだ。何かをするときに目的を二つ以上作って同時に果たそうとするのがマ・クベの癖なのだろう、と岡田は見ている。
工程管理としての対ホワイトベース作戦
人相の悪いジオン兵たちが岩陰に隠れ、金属を身につけるなと装備を確認する。磁気探知で見つかるからだ。彼らは背負ったロケットでホワイトベースの後方から近づき、爆弾を仕掛ける。
岡田が注目するのは、爆弾を仕掛ける場所だ。一つはジェットエンジンのインテークのように見える部分で、これはミノフスキー粒子の射出口だと岡田は説明する。デザインした大河原氏は、どんなアニメかも分からずに描かされたのでジェットエンジン風にしたのだろう、とも言う。もう一つは黄色いドーム状の部分で、岡田はECM(電子攪乱装置)の発信場所だと説明する。岡田は以前の講座でここを遠心力で重力を作る区画だと説明していたが、後で設定を調べると胴体内部に回転するドーナツ状の区画があることになっていた。なぜ間違えたのかと資料を見直すと、昔読んだラポート出版の図鑑ではこのドームが重力区画になっていた。ホワイトベースのサイズで1Gを作るには一定の直径が必要なので、図鑑の解説者はここに入れたのだろう、と岡田は推測している。
重要なのは、工作員がブリッジを狙っていない点だ。ホワイトベースを破壊するつもりならブリッジに爆弾を仕掛けるはずだが、マ・クベの命令は破壊ではなかった。特殊部隊がしたのはレーダーを壊す破壊工作だけである。その後グフや戦闘機ドップで攻撃を仕掛けると、ホワイトベースは怖くなってモビルスーツを出し、戦力が艦とモビルスーツに分かれる。それぞれを各個撃破しようとするが、それすら最終目的ではない。本当の目的は、移動が難しい固定式の強力なメガ粒子砲の射程内にホワイトベースを誘い込むことだった。
岡田はこれを「工程管理」だと言う。企業経営と同じく、マ・クベは無理を一切しない。手持ちの素材でどう有利な位置に持っていくかを考え、敵を倒したいなら戦力を敵のところへ運ぶ必要はなく、自分の最大戦力のところに敵を運んでくればいい、と考える。小さな戦力を小出しにしてレーダーを奪い、先が見えない状態で「こっちなら逃げられる」と思わせた先で落とす。岡田は、侍っぽくない、ほとんど工場の組み立てラインのような考え方だと評した。
撃沈しない理由もある。ホワイトベースを破壊すれば、連邦はホワイトベースを諦めるだけで済む。オデッサ戦が近いからこそ、マ・クベは連邦に救助を出させたい。救助に来た部隊を少しずつ落としていけば、連邦は見捨てられずに戦力を小出しにし続け、出血が増えていく。岡田はこれを、ベトナム戦争でベトコンがアメリカ軍に対して使ったやり方になぞらえた。兵士の手足を撃って動けなくし、とどめを刺さずに放置すると、運ぶのに3人がかりになる。そこへ来た兵をまた撃つ、というやり方だ。
Aパートの最後で、ミライは第二戦闘配置を発令する。岡田の説明では、第一戦闘配置は総員配置で集中力が2〜3時間しか持たないとされ、第二戦闘配置は敵襲が予想されるのでパイロットはコックピットで待機しろ、という段階だという。レーダーに敵の大軍が映ると、ミライはアムロとハヤトにコアファイターでの発進を命じる。敵の規模が分からず、ブライトも倒れたので、ホワイトベースの近くで戦いたくない。超音速機を出して、なるべく離れたところで戦ってほしいのだ。岡田は、このミライの逃げたい気分が状況を悪くしていく、と見ている。
Bパート――崩れる指揮系統とブライトの恐怖
Bパートの冒頭で、コアファイターはガンダムから上半身を外され、クレーンで運ばれて発進する。後ろのハヤト機も同様で、ガンタンクから外したものだと分かる。岡田は、このカットはガンダムもガンタンクもすぐには出撃できないという後の状況のための伏線だが、カットだけ見ても意味は分かりにくく、かっこいいと思うだけだろうと言う。
現場に急行したアムロとハヤトは、ドップの編隊が二つ以上あることに驚く。アムロはコアファイター2機でどうにかなる数ではないと、ミライの指揮能力に疑いを持つ。もう一つの編隊にホワイトベースが襲われると、セイラはミライの判断を仰がずに独断でコアファイターを呼び戻す。こうして指揮系統はぐちゃぐちゃになっていく。
その頃ブライトは意識を取り戻すが、体が動かないことに驚き、「怖いのか」と気づく。岡田はこの場面を重く見る。かつてアムロが怖いから出撃したくないと言ったとき、ブライトは甘えるな、このままでもお前は殺されるのだと散々言ってきた。その自分が今、アムロとまったく同じ状態になっている。アムロがあれほど怖がっていたのに戦えるようになったのは、今の自分と同じ気持ちを乗り越えたからだ。それに比べて俺はなんて駄目なんだ、という思いがここで出てくる。岡田によれば、それまで対立しがちだったブライトとアムロ、そしてホワイトベースの結束がオデッサ戦あたりから固くなっていく。そのための儀式として、この場面は絶対に必要だったという。
空中換装とマ・クベの罠
敵の航空隊が多いと気づいたミライは空中換装を言い出し、アムロは戦闘中にやるのかと驚く。岡田は、これが当時のロボットアニメで定番だった空中合体をリアルに見せる手順だと説明する。当時は、コン・バトラーVなどの長い合体シーンの間なぜ敵が攻撃してこないのか、という突っ込みがよくあった。パイロットが一度反対し、「やるしかないのよ」「どうなっても知りませんよ」というやりとりを経て何とか成功させるプロセスを入れることで、戦闘中の合体にリアリティを持たせている、というのが岡田の解釈である。
アムロは空中でガンダムに合体し、ハヤトはガンタンクを外してしまっているのでガンキャノンに乗り換える。わざわざ手間をかけて乗り換えるのには理由がある、と岡田は言う。コアファイターのときは敵の弾を必死に避けていたが、ガンダムやガンキャノンで出た瞬間から弾がばんばん当たる描写になる。薄いアルミのような戦闘機に比べてモビルスーツは防御力が高いので、多数を相手にするなら一発も当たらないようにするより、多少当たっても平気なモビルスーツで出たほうがいい。その理屈が絵で説明されているのだという。
地上軍もいるのかとアムロが驚く場面では、陸上戦艦ダブデからマ・クベ本人が戦況を見ている。岡田は、わざわざ現場に出てくるのを「本当に仕事好き」だと言う。ガンダムはグフだけの部隊と戦う。これまで一機ずつ大事そうに出てきたグフが大量に投入され、マ・クベの装備がいかに潤沢かが分かる。見上げるとホワイトベースは弾幕にまみれている。
補給のために帰還したところで罠が炸裂する。基地を示す赤い印に、光るホワイトベースが近づいていき、マ・クベは「もうすぐだ」と笑う。メガ粒子砲がモビルスーツのハンガーデッキに命中し、致命的ではないが艦内は火災になる。岡田は、戦況図のパネル、照り返しの中で笑う悪役、やられる味方、炎上する艦内という流れを、普通のロボットアニメらしい見せ場だとしている。
ホワイトベースは不時着する。セイラの思いつきで発煙筒を焚き、もう燃えて駄目だというふりをすると敵は引き返す。ただし岡田は、とどめを刺すのがマ・クベの目的ではない以上、煙がそれほど出ていなくても敵は適当なところで引き返しただろうと見る。ホワイトベースには救援信号を出せる程度には生きていてもらわないと、マ・クベの作戦上都合が悪いからだ。
暗号無線という結末
最後にミライはレビル将軍へ暗号無線を送れと命じ、アムロがそれを見つめるところで第22話は終わる。岡田はこの場面をわざわざ見せる理由を説明する。オデッサ作戦の前は無線封鎖が敷かれ、お互いに連絡してはいけないルールだった。ホワイトベースがレビル宛てに無線を打てば、レビルがオデッサに来るという重要な軍事情報が敵に漏れかねない。それでもミライは、補給と修理がなければ動けない、救援を頼むという無線を出した。これこそマ・クベが望んだことであり、ホワイトベースはさらなる罠にはまった、というのが岡田のまとめである。
視聴率グラフとスポンサーの要求
講座の最後に、岡田は余談として大和田秀樹の漫画『ガンダムを作った男たち』を取り上げた。安彦良和がイケメンで、秘書に囲まれてシャンパンを飲み、夕食はマキシム・ド・パリを予約させる、といった誇張だらけの漫画だが、案外ガンダムの歴史には忠実で、梶原一騎作品のような面白さがあると岡田は言う。この漫画には、他ではあまり見られない本放送の視聴率グラフが載っている。ただしKindleなどのデジタル版では、他のイラストは入っているのになぜかこのグラフだけが抜けているという。
岡田が紹介した数字によれば、第1話は3.0%だった。当時はアニメの再放送でも6〜7%取っていた時代で、新作ロボットアニメとしては本当に悪い。放映直後から、監督の思い通りの作品はやめてスポンサーの言うことを聞いてくれ、と言われたのは当然だと岡田は言う。第4話「ルナツー脱出作戦」の5.9%が当時の最高で、その後は4%を超えればラッキーという状態が続いた。最低は第7話「コアファイター脱出せよ」の1.9%で、実質的に誰も見ていなかった数字だという。今回の第22話は4.0%だった。
岡田によれば、本当の問題は視聴率そのものより、メインスポンサーの玩具会社クローバーの玩具が売れなかったことだ。後にクリスマス商戦ではガンダムの合体デラックスが非常に売れるが、クローバーは視聴率の悪さから玩具も売れないと先読みしてしまい、全43話での打ち切りが決まった。
第1話のあたりから内容についての交渉も何度もあった。まずシャアが暗すぎるから殺せと言われた。仮面をつけて暗い声でぼそぼそ喋る奴が人気のない原因に違いない、他のアニメのように美形の悪役にかっこいいセリフを言わせろ、という要求である。これに対し、13話あたりで殺すのではなく左遷という形でスポンサーを納得させ、出さなくなった。また、ザクばかりでなく毎回新しい敵ロボット、いわゆるやられメカを出せと言われ、13話でグフ、18話でアッザム、次の23話でドダイYSとGアーマー、その次でドムと少しずつ新型を出していった。キシリアの隣でマ・クベが叱られるあのアッザムの回も苦肉の策だったと岡田は言う。2クール目最後の第26話あたりからは最終回まで毎回新型のモビルスーツやモビルアーマーが出てくるようになり、ようやくスポンサーが望んだ展開になる。
岡田は、富野監督がこうした無茶な要望を物語の中にうまく収めながら、番組を存続させるために手を尽くしていたことを覚えておいてほしい、と締めくくった。次回は第23話「マチルダ救出作戦」で、不時着したホワイトベースに連邦から救いの手、マチルダが現れる回になる。
おはようございます。岡田斗司夫です。テレビシリーズの機動戦士ガンダムを1話ずつ解説していく、ガンダム講座のお時間でございます。今日は第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」、これを話していく回の動画を再配信します。
この「マ・クベ包囲網を破れ!」というのを見た人なら知ってる通り、サブタイトルですね。つまりマ・クベ大佐という、ジオン、敵側のマ・クベ大佐という、割と中ボスですね、中ボスの用意した包囲、ホワイトベースを包囲する、動けなくする作戦ですね。これを破ることができずに、最後にはホワイトベースが航行不能の状態、つまりもう墜落というか、不時着した状態になるんですね。つまりこの主人公サイドの完全な負けで終わる、敗北で終わるエピソードでもあります。割とガンダムでここまではっきりと負けて、さあどうなるかというので次に続くと書いてるのは珍しいんですけれども。
主人公アムロ・レイは、前回までのランバ・ラルとの激闘で、割と吹っ切れてパイロットとして覚醒してるんですよね。ですからジオンのモビルスーツを割とバタバタ倒して、圧倒的な強さを見せてるんですけども、ここだけ見ると調子良さそうなんですよね。
でも、なんだろうな、アムロ・レイの覚醒があってガンダムが強いから、これまでのシャアとの追撃戦ですね、追ってくるシャアに対してホワイトベースが地球に逃げ切るとか、あと地球に降りてきたら、ガルマ・ザビの包囲にあって、ホワイトベースが追い込まれるか、それでも逃げてきたんですね。で、次はランバ・ラル。これも逃げてきたんですけども、今回は過去最強にアムロ・レイが強かったのに、ガンダムが頑張ったのに、ホワイトベースは完全敗北してしまうんですね。
ここからも分かる通り、ランバ・ラルに代わる新たなライバルキャラとして出てきたマ・クベですね。実はすごく有能な男でもあります。今回はそんな有能なマ・クベの、どの辺がすごいのかにフォーカスして第22話の話をしていきます。
この動画は、岡田斗司夫の機動戦士ガンダム完全講座第66回から68回までをまとめた、つまり1時間ぐらいある動画です。土曜の朝からすいません。いつもよりちょっと短いですよね。それではここから無料動画スタートです。
岡田斗司夫の機動戦士ガンダム講座。今日は第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」の回です。前回までで、かなり長かったランバ・ラルとの戦いが終わりですね。今回からは、これまでチラチラと見えていた敵のマ・クベ大佐が出てくる回です。
ガンダムで敵の将軍というか、戦うライバルですね。ライバルで、相手の考え方とか戦法というか思想まで見える敵としては、シャア少佐、ガルマ大佐、ランバ・ラルに次いで4人目なんですね。で、この4人を一応並べてみました。
敵のスキルということで、ちょっと見にくいかも分かりませんけど、4人並べるとこういう風になってます。1番上のシャア少佐は、作戦の立案能力が5段階で5で、指揮能力4。これ1点低いのは自分で戦っちゃうからですね、この人は。で、戦闘能力はもう文句なしの5です。
で、謀略能力っていう変な言い方ですけども、敵を陥れるような、これ作戦とまた違うんですよね。作戦の場合は味方にも通知して、全員で力を合わせてなんですけど、謀略の場合は場合によっては味方をも欺いて騙してやらなきゃいけない。そういうようなことに関しては、シャア少佐は割と得意なので5と。
で、カリスマは4ですね。カリスマが1ポイント下がってるのはなんでかって言うと、これ後で出てくるガルマに比べて、例えばそのシャアを引きずり下ろされた時ですね。つまりガルマ事件のおかげでシャアが首になった時に、シャアの助命嘆願というのがどこでもないと。
その辺は死んじゃった後のガルマが、いかにそれはマスコミの力なので国民相手にアピールしたとしても、同じように当たり前ですけども、ギレンだってキシリアだってドズルだって国民にアピールしてるはずなんですよ。ところがその国民の人気がガルマだけに高いというのは、これはもうガルマのカリスマ力だろうと。
で、アニメの中ではそこら辺があんまり描かれてないので、まるでガルマは、なんだろうな、気が優しい、頭の悪いお間抜けのお坊っちゃんってことになってますし、僕はやっぱこの辺がその安彦ガンダムの物足りないところでですね。安彦ガンダムの、ガンダム THE ORIGINの中のガルマ像っていうのは、全くガンダムファンの意見なんですね。
だからその安彦ガンダムって、これ僕の想像でしかないんですけども、一緒に作ってるメンバーというか、ブレーンにしてる人たちっていうのが、あくまで当初のガンダムを見て、ガンダムってこんなもんだという風にワイワイやってた人たちが、例えば株式会社バンダイに入ったり角川に入ったりして、ガンダム好きがその安彦さんの周りを固めていった結果、なんかこのファンのイメージの拡大再生産にしかなってないっていうことだと思うんですね。
だからそのシャアの行動の動機にしても、ガルマの人間的な描き方の浅さっていうのは、最初のガンダムがあって、それをファンがこう受け取ったっていう同人誌みたいになっちゃってるっていうのが、僕がガンダム THE ORIGINで1番引っかかってる点なんですけれども。
少なくともシャアはカリスマ4、さっき話した通り、部下には信頼されてるんだけれども、なんだろうな、ガルマのようなカリスマっていうのはあんまり見えなかったってことですね。
で、それに対してガルマ、シャアの友達なんですけども、これはどれもそんなに点は高くないです。作戦3。ホワイトベースを追い詰める時の作戦は決して悪くないんです。ただ良くもないので3、平凡。指揮力も3ですね。これも4にならないのは、失敗した時に部下に怒っちゃうからですね。で、2というほど落ちはしないのは、少なくともデータを否定するようなことはしない。そんなことがあるはずがないみたいなことを言わずに、自分で前線に立つんです。
で、戦闘力3っていうのも、精いっぱい自分も戦闘機に乗って前に出て、少なくとも撃ち落とされて帰ってくることはないので3ぐらい与えておこう。謀略1。こういうことに全く気がつかない人の良さっていうのが、カリスマ5につながってるわけですね。[笑い]
人がいいんだけれども、その分周りに助けられて、あの人を助けようかとなってくると。その意味で言えば、能力自体はシャアの方が100かも分かりません。ガルマは10かも分かりません。しかしカリスマ力によって、あの頼りないお坊っちゃんを助けてあげようかという風に、みんなが3とか5とか10の力を持って寄ってくる結果、総合力で見ると、相変わらずシャアが100なのに対してガルマは150という風に行けると。この辺がその後ドズルが「あいつだったら俺をも使いこなせる」っていう風に言ったところではないかという風に思います。カリスマ、割とでかいです。
で、ランバ・ラル大佐、こないだ、前回、あ、前々回だ、死んじゃった人ですね。この人は作戦は4ですね。すごくいいというわけではないんです。作戦単体だけでは、おそらくハモンの方が良かったのかも分かりません。自分のやり方っていうのを通そうとするので、作戦自体の立案は4ぐらいになっちゃうんですね。
で、それに対して指揮も4です。ガルマより高く、シャアと同じぐらい。これも同じですね。自分で前に出て一緒に戦おうとしちゃうから。自分が一緒に戦っちゃうということは全体像を見切れなくなるので、あくまで1歩下がってる方が作戦担当としてはいいんですけど。指揮4です。
で、戦闘5。戦闘力はすごく高いです。これはもうシャアと同じ。謀略1。やっぱりこういう謀略みたいなものに気を使わなかったので、マ・クベのわざとらしい謀略に気がつかなかったということもないんでしょうけども、重視しなかったですね。そういうものがあっても俺は平気だっていう風に踏ん張っちゃった。それが結果的に彼の寿命を縮めたんじゃないかと。
で、カリスマは5ですね。これはもう死んだ後もまだ部下が、ハモンの力もあってなんでしょうけども、ランバ・ラルの敵を討つっていう、あんまり実際には得のない作戦、命をかける作戦にみんな付き合ってくれるというのは、カリスマ5があるからです。
で、今回のマ・クベ大佐です。なんだろうな。作戦は5ですね。今回の「マ・クベ包囲網を破れ!」で分かる通り、作戦の立案自体はすごくいいです。で、それに対して指揮は3。もうこれは可もなく不可もなくなんですね。作戦の良さに比べて、実際にそれを運用することに対して、自分自身以外はあんまり信用してないので、指揮力は割と低いです。
で、戦闘は4って書いてるんですけども、まあなんか、全部が平凡なガルマよりはちょっとマシなぐらいじゃないかなと。新型のモビルスーツ、ギャンに乗って、ガンダムとある程度のとこまで行けたとかですね。あとは全くの新兵器のアッザムを使って、隣に怖い怖いキシリア様がいて「さあどうすんの? はい、そっちのボタン押して」っていう風に言われながら、なんとか引き分けに近い状態まで持っていったというところでですね。戦闘力4ぐらい。
謀略5。これめちゃくちゃ高いです。それに対してカリスマ1ですね。人望が全くないという。ガンダム世界では、このシャアとかマ・クベが持ってる謀略を持ってる人は案外少ないんですね。で、おそらく連邦軍では、謀略スキルを持ってる人って、レビル将軍、マチルダさん、あとミライさんもちょっとそういう考え方ができる。で、アムロも多分修行すればそういう考え方ができるんじゃないかなという風に思います。
で、どんな人かですね。マ・クベ、今回のこの後に出てくるところのスクリーンショットなんですけども、マ・クベと、あと連邦軍でスパイになるジュダックです。エリートというより、この人は貴族育ちなんですね。なので兵隊の気持ちを考えない。あんまり考えたことがないと。なのでカリスマ値はやっぱり低いんですよ。その割に忠誠心は高いので、例えばキシリアに壺を届けるとか、そういうようなことに一生懸命になれるんです。
で、自分とは逆の、兵隊の気持ちを考えるランバ・ラルとか黒い三連星を活かせないんですね。だからこの人が活かせるのは、自分と同じような、命令に従ってそれ以上のこともそれ以下のこともしないような奴らは、すごく扱いやすい。だから逆に言えば、敵の裏切り者ですらも扱えると。それはなんでかって言うと、裏切るってことは欲望で動くから。欲望で動くということは、交渉できてコントロールしやすい。
それに対して、ランバ・ラルのような武人としての意地とか、黒い三連星のようなノリで戦闘をやったりするヤンキー体質の人には、なんかこう苦手意識があるので活かしきれないんですね。
で、アッザムとかギャンを自分で操縦して戦うっていうのは、戦闘好きなのかと思うんですけど、どちらかって言うとガルマよりマシな程度ですから、もし好きだったらもっとうまいはずなんですね。おそらく貴族が最前列に立って戦うっていう意識があるから。いわゆる第一次大戦以前の、プロシア戦争ぐらいまでのヨーロッパの貴族の考え方に近いですね。平民たちっていうのは力がないので、貴族が自分の手下を率いて戦う。で、その中でも貴族の跡取りというのは1番先頭に立って戦うというような考え方ですね。
そういう意識はあるんですけども、同時に書類ばっかり見てる、こういう風に書類ばっかり見てる官僚的な頭の良さゆえに、この2つがやっぱりバランスが狂っちゃってるわけですね。なんだろうな。戦いながら戦略も練るというアレキサンダー大王的にもなれないし、カーテンの後ろで計画だけ立ててうふふと微笑んでるっていう、そういう黒幕的な存在にもなれないと。そこら辺がこいつの弱点ではあります。
ただしプライドが高いので、負け方が下手なんですね。もし負け方っていうパラメーターをこの中に入れたとしたら、このマ・クベの負け方って群を抜いて低いですね。多分シャア・アズナブルの負け方スキルって4なんですよ。つまり「認めたくないものだな、自分自身の過ちというものを」とか、「私の読み違いかな」っていう風に言ったりする。負けたらすぐ自分のミス、自分のどこが足りなかったかを反省する負け方。パラメーターで言うと5段階で4です。
ランバ・ラルが1番高いんですが、これは後で説明します。で、ガルマは、すぐ「誰のせいなんだよ」って怒るので、負け方としては2か、まあ3ですかね。お坊っちゃんにしてみれば、そこそこそんなに悪くないんですか。3です。
で、ランバ・ラルはもう5です。負け方うまいです。負け方がうまいとは何かって言うと、負けっていう結果にこだわらないんですね。連続するゲームで次のゲームのスタート点だという風にランバ・ラルは考えてるんですよ。だからザクがやられたら次はザクなしで戦闘しなきゃなとか、もしくは補給路が断たれたら、あ、補給なしで戦闘しなきゃなっていうような、次の戦闘の時の初期パラメーターとしてしか考えてないんですね。
その辺りのランバ・ラルの負け方の見事さっていうのは、これはもう戦闘を毎日やってるから、1回ごとの勝敗に一喜一憂なんかしてられないっていう、この戦闘慣れというかね、戦闘ジャンキーに[笑い]なってバカになったんじゃないかなって思ってるんですけど、負けっぷりは本当に5点です。
で、マ・クベですね。マ・クベは1です。負けたと認めたくないあまりに屁理屈も言えば駄々もこねると。水爆ミサイルを発射するような駄々をこねますからね。そういう配点になると思います。
じゃあなんでこんなマ・クベのようなキャラを出したのかですね。ガンダムの22話において、なんでこんなキャラを出したのかって言うと、敵はやっぱり強くないとダメなんですよ。で、強さも色々な強さがあるんですけども、シャアのやっぱり強みっていうのは謀略を使うことなんですね。周りを騙して自分のいいように持っていって、ホワイトベースも追い詰めるんだけども、ガルマも追い詰めるというような、この謀略の面白さがあったんですけども。
シャアが一度軍を首になって今出てこない状態なので、敵で謀略を使う人がいないとドラマ的に面白くならないんですね。なので、どうしてもシャアがいなくなっちゃったら、その他の軍人、特に敵の軍人なんて力押しタイプか、ランバ・ラルみたいにちょっと同情してしまう、好きになっちゃうタイプかとか、あんまりバリエーションを出せないですね。なのでシャアのように謀略を使えるやつなんですよ。
で、本来は通常のアニメとかだったらここでギレンなんです。でもギレンと毎週戦うわけにいかないです[笑い]。機動戦士ガンダムがなんかこう、おかしくなってしまうのでですね。その毎週出せるギレンとしての、マ・クベというポジションがあると思います。
本来であればシャアがいなくなった後の、いわゆる謀略という、敵も手強いなと思わせてくれる。敵も手強いなと思わせてくれるのは、ランバ・ラルが同じモビルスーツ乗りとして、男と男としてっていうので手強いなという風に思わせてくれるし、後に復活のシャアが出てくると、やっぱり敵が手強いなとかずっとあるんですけど、この中盤を持たせるもう1つの謀略という力ですね。
で、逆に言えば、マ・クベで謀略的な強さを見せちゃったから、後に出てくるギレンはもっとなんか負け方が[笑い]下手で、なんかこう戦うのが下手な人みたいに描かれてしまった。面白いですね。
アニメってシリーズでやってると、あるキャラクターを出すと、その使い方を他のキャラに使えなくなってくるので、後ろに出てくるキャラであればあるほど、実は大ボスに近いんですけども、打てる手が限られてくるんですね。なんかそういう、将棋とかチェスみたいな盤上の駒っていうような言い方をするんですけど、後ろに出してくる駒であればあるほど、能力値自体は高くしなきゃいけないんだけど、その能力のバリエーションの見せ方は限られてくると。そういうゲームとしてアニメーションを見ると楽しいと思います。
というわけで、毎回出せるギレン、もしくはシャアの代わりとして出てきたマ・クベなんですけども、同じタイプのシャアとは、マ・クベの出番がなくなると次はシャアが出てくると、うまい構造になってます。で、今回の「マ・クベ包囲網」は、このマ・クベの基本性能ですね、戦闘のやり方、謀略の立て方、作戦とか指揮のやり方が分かる回でもあります。
で、オープニングですね。「宇宙世紀0079、地球の周りには巨大な宇宙都市が建設されていた」というところから始まるんですけども、この軌道図がバーンと現れます。「それらは建設された順番にサイド1、サイド2と呼ばれ」、サイド1がこれですね。サイド1、サイド2、これSに見えますけど、サイドSです。
「サイド1、サイド2と呼ばれ」、7番目のサイドが建設されて、1番遠いとこですね。「7番目のサイドが建設されて2年目、ジオンと地球連邦軍との戦争が勃発した。この大戦で4つのサイドが破壊され」て、これですね、「わずかサイド6が残るのみであった」。ここに1つ残るのみであったっていう風になってます。
久しぶりに出てきた全体の概況図です。ちょっと左右が逆になっちゃうんですけども、ラグランジュポイントっていう、これが真ん中の黄色いのが地球ですね。で、この青いのを月とした場合、ニュートンの万有引力の法則によって、2つの天体があった場合の動きというのは特定されるんですね。これはすごく簡単に、周りを円運動、楕円運動で動くっていう風に分かるんですけども、ところが3つ目のものが与えられた時に、どういう風に運動するのかの式ってのはめちゃくちゃ書きにくくなると。
ただし、この2つの天体よりもはるかに小さくて、無視できるほど小さい質量を持ったものの場合、この地球とその地球の周りを回る月との関係において、5つの重力均衡、どういう意味かって言うと、ここら辺に浮いてるものは何でもいいんですけど、地球にシュトーンと落ちちゃうんですね。引力に引かれて。ここら辺に浮いてるものは月にシュトーンと落ちちゃうんですけども。
ところがこの地球と月があって、月がぐるぐると回って、この引力の釣り合いが取れてる。引力の釣り合いが取れてるポイントっていうのは実は微妙です。月と地球の完全な引力中心点って、実は地球の内側にあるんですよ。この辺りにあると。地球が月を振り回す時に、ちょっと考えると、その中心ってこの外側にありそうな気がするんですけど、実は地球の地面よりちょっと下にあるんですね。
で、こういう運動してる時に、地球と月との60°のそれぞれのところにラグランジュポイントの4番5番、月の手前と向こうにラグランジュポイントの1番と2番、月の反対側にラグランジュポイントの3番があります。
で、このラグランジュポイントっていうのは、さっき言ったように、この辺に浮いてるものというのは地球に吸い込まれて落ちていくわけなんですけども、この位置にあるものは、どこにも吸い込まれないんですね。正確に言うと太陽っていうのがあって、太陽と地球との間にもやっぱりラグランジュポイントってのが発生するんですけど、そこまで考えなくても、この地球の周りには、月との関係において、ラグランジュポイント、つまりどこにも引っ張られない場所があるという風に考えてください。
なのでコロニーはこのL4とかL5という場所に、何十という風に作ることができるんですね。っていうのは、月にも地球にも引っ張られずにそこに浮いてることができるからです。こういうのをラグランジュポイントという風に言います。すいません。ちょっと面倒くさい話をしました。
で、よいしょ。軌道に戻りますけども、1番最初にこの簡単なラグランジュポイントの60°の位置に作って、で、ここに2つサイドを書いてるんですけども、これは僕の勝手な想像なんですけども、多分最初ここに作っちゃったんですよね、この位置に。で、間違えたんだと思うんです。これね、間違えやすいんですよ。ラグランジュポイントっていうのは、月と地球があったら60°って書いてあったら、それぞれ60°ずつの位置にあるという風に思い込んじゃうんですね。なのでここに最初書いたのが、後になって、あ、間違いだと気づいて、ここにこう持ってきたんじゃないかという風に思います。
で、この月の反対側のラグランジュポイントにさらにルナツーっていうのを置いて、このルナツーの質量がそこそこでかいので、このルナツーの軌道上にさらにサイド7を置いたと。だからサイド7だけちょっと、ルナツーのおそらく周りをぐるぐる回る特殊な軌道になってるんだと思います。
この辺のコロニーなんかに関しては、もっともっと話したいことがあるんですけども、長くなっちゃうので。こういう風な配置でしたということで、本編に入ります。よいしょ。
いきなりガンダムとグフの戦闘シーンから始まります。で、今回はガンダムがこうバズーカを撃ったところから始まって、その弾が敵の基地に当たると、敵の基地が大爆発すると。そうすると炎にくるまれた何かが飛び出して、アムロがあっと見てると、これがドーンと着地すると、炎にまみれたグフが出てくると。
で、アムロが再びまた攻撃すると、こいつが避けて、トマホークを持って飛びかかってきて、ガンダムの持ってる盾を真っ二つに切るというような戦闘がありながら、ガンダムは最終的にこの背中に持っているビームサーベルでグフの腹をぐさっと刺すと。これで勝負がつくんですけど。
正確に言うと、バズーカの弾が飛んでいって、炎にまみれたグフが飛び出して、ガンダムがまたバズーカで、避けて下がるグフですね。で、ジャンプするグフが、これがまた太陽に隠れるんですね。この背景の太陽に隠れてガンダムから見えないっていう、第二次大戦の戦闘機乗りとか、戦国武将のなんかこう血トシみたいなものになると。
で、太陽に隠れて、アムロが驚くと、トマホークで襲ってきて。で、バズーカで撃とうとしても、そのバズーカがトマホークで真っ二つに切られてしまうと。で、盾で受けて、盾も2つに切られるんですけど、なんとかおでこのバルカン砲で応戦して、おでこのバルカン砲がグフの目に当たって、目が破裂して見えなくなったところに、ガンダムが持っていたビームサーベルを相手の腹に突き刺して。ここら辺はもう仁義なき戦い、広島やくざ戦争みたいなもんですね。そういう戦いのやり方で、グフが大爆発して終わりと。
この一連の流れをなんで説明したのかというと、軽快な戦闘シーンなんです。やっぱりランバ・ラルとの戦いにおいて、実はガンダムで軽快な戦闘シーンって割とないんですよね。なので今回でようやく、前半で軽快な戦闘シーンを見せて、敵が新兵器のグフを繰り出してきても、ガンダムは、ちょっと、すいません。ちょっと喉が引っかかっちゃった。すいません。すいません。
ガンダムは、なんかちょっと苦戦するように見えても危なげなく勝ってしまうっていう、そういういいところを見せると。で、これは後半、マ・クベがいよいよ作戦を組み出したら、なかなか勝たせてくれない、大苦戦してしまうというやつの伏線なんですね。なので久々にガンダムの軽快な戦闘シーン、敵のモビルスーツをやっつけて勝つっていう、すごい手順を見せてくれたんですよね。
で、敵がやっぱりザクじゃなくてグフになってしまってるので、やっと勝ったという感じはするんですね。で、これまでランバ・ラルの愛機としてグフっていうのを出したんですけども、それ以外にやっぱり出してこなかったので、なんかランバ・ラル用のスペシャルのモビルスーツな感じがしてたんですよね。ところが今回から、このグフがバンバンバンバン出てくるんですね。なのでなんか敵がグレードアップした感があると。
で、同時にその敵の、マ・クベのずるさも見えると。ランバ・ラルに散々、補給は届かないって言ってたのに、グフをめちゃくちゃ隠してたじゃないかっていうのが分かるんですね。こういう敵のグレードアップ感と同時に、ちょっとこいつが持ってるずるさ、なんでランバ・ラルが負けちゃったのかっていう事情まで見せてくれるという展開です。
で、その頃、ガンタンクも出動して、ようやく敵を全部叩きつぶしました。ようやく敵を叩きつぶして戦闘終了なんですけども、ところが、戦闘自体は勝てたんですけども、それをやってる人間は余裕がないと。いつもブリッジで座って指揮してるブライトですね。ブライトがどんどん汗をかいてフラフラフラフラしてると。
前回のリュウの、2回続けてやった死ぬ直前の「アムロ、お前は」とか「ブライト、アムロを許してやれ」って言ってる時に、ずっと汗かいてうんうん唸ってるんですけど、あれと同じなんですね。もう嫌な予感っていうか、ブライトにも死亡フラグが立ってんのかと思うぐらいの、この危なさ加減です。で、結局ブライトは、自分が普段座ってる椅子から落ちて倒れてしまうと。
これまで言わなかったんですけど、このブリッジの椅子と上のレーダー手のこのデザイン、すごいうまいと思うんですよね。まずレーダー手が見てるこのレーダーの画面全体が、いつも背景の一部にあると。これ、どういう構図になってるのか、いつも嘘ついてるんですよ。下から見上げる時はこのレーダー画面が真上にあるように書いてるし、今回のように前からのショットでは、レーダー画面がやや後ろの壁にあるように書いてます。
つまりホワイトベースのレーダー画面って、場所が決まってないんですね。巨大なレーダースクリーンって、なんか真後ろにあったり、真上にあったり、好きな場所に移動するんですよ。これも正確に言うと、ここの後ろにドアがあって、みんなが入ってくる出入り口があるから、絶対ここのはずがないんですけども、割と見せたいものが多いので、例えば敵の戦闘機です、待ってください、後ろから現れましたという時に、ここら辺で見せたいものだから、割としょっちゅう嘘をつくんですね。で、そういう嘘をつくのに、なんかちょっとうまい構図になってるっていうのと。
あと、どうやっても宇宙空間で戦闘する船ですから、船であると同時に戦闘機であるみたいな、2つの側面を持って、戦闘機とか爆撃機とか飛行機と船と両方の特徴を持ってるので、こういうブリッジ、指揮所みたいなものを書く時って、どうやっても椅子を真っすぐ平たい床に並べるか、もしくは平たい床をちょっとくぼませて人間を並べるかっていう、宇宙戦艦ヤマトの時のレイアウトみたいなものがどうしても出てきちゃうんですけども。
機動戦士ガンダムって思い切って、はしご、斜めのはしごをまずレイアウトして、その上にレーダー手を背中向けに2人座らせると。で、この途中に椅子を配置して、ここにブライトを座らせると。で、これのおかげで上下関係っていうレイアウトが発生して、おまけにちょっと見慣れない左右非対称な感じですね、これができてると。
だから、このホワイトベースのブリッジって、僕は本当に宇宙船のブリッジ、戦闘のレイアウト史上ベストだと思うんですね。宇宙戦艦ヤマトで割と、あ、これが宇宙戦艦の戦闘指揮所としてこれなんだっていう、艦長が上に座ってて、みんなが平面にレイアウトされてる。で、斜め上に大きいモニタースクリーンがある。僕はあれが1つの究極だと思ってたんですけど。
機動戦士ガンダムでは、そういう大きいモニタースクリーンっていうのを使わないと。ブライトの前にあるやつとか、アムロの前にあるやつは必ず小さいモニター画面で、そこにセイラとかブライトが映ることで、彼らのコミュニケーションを取る難しさっていうのが表せると。で、このブリッジも、セイラとか、その場にいない人と会話する時って、ブリッジの窓の前の方にある小さいテレビモニターみたいなものに顔が映る。で、ブライトはこのはしごみたいな斜めにかかったところの間にある椅子に座ってると。
これ本当に、今言ったように、アニメーションでなかなか放っといたらできないですね。上下のレイアウトっていうのをちゃんと使いながら、カメラ位置を豊富に取れる。どこにカメラを置けばこのドラマが1番面白く見えるのかっていうのを考え抜いたレイアウトだと思うんですね。
まあまあ、ホワイトベースのブリッジのデザインを褒めるのはこれぐらいにしますけど、そこから落ちてしまうわけですね。バタっと落ちるんです。この下にもスクリーンがあるのが、もうね、貧乏性というか、使えるものは全部使って説明しようという、どうなってもドラマを続ける時に苦労しないようにしてるんですけど、それはいいです。
で、慌てて駆け寄ろうとするミライです。セイラは「戦闘中よ」と言って止めます。止めるの大事なんですよね。なんでかって言うと、戦闘中の配置って絶対なんですよ。持ち場を離れてはいけないって言うんですけど、なんでかと言うと、持ち場から離れて逃げられると、もうそれだけで船っていうのは機能障害を起こしちゃうからなんですね。なので戦闘中の配置は絶対です。配置から動くには上の承認が必要なんですね。
で、この場合、ミライというのはホワイトベースのナンバー2なので、上司というのはブライトしかいないんですよ。なのでミライは、実はブライトが倒れた瞬間から、自分が動いてもいいですかと許可を出してくれる人がいなくなるので、絶対に動けなくなるんですね。で、これに違反すると軍法会議っていうのになっちゃうんですね。
で、ミライはどうするべきだったかと言うと、おそらくですよ、世界中の海軍の平均的なフォーマットに従えば、まず艦長が倒れたと宣言して、以後、先任士官って言うんですけども、つまりその場にいる士官、士官候補生の中で最も早く役職に就いたと思われるミライが、「私は先任ですので、ブライト艦長の臨時の代理を務めます。これに異議がある人は後で申し出てください。会議を開きます」という風に言って、それを言うのと同時に記録させて、記録したのを確認した上でないと動いちゃダメなんですね。
で、これをやらないと、実は最悪の場合、罪になっちゃうんですね。軍法会議の中で1番重い反乱罪になって、銃殺刑による死刑になっちゃうんです。なのでセイラはそれを知ってたので、動くなっていう風に命令すると。ミライに「戦闘中よ」っていう風に言って止めるので、なんかこうミライさんが我を失って、セイラさんがそれを冷たく止めたみたいに見えるんですけども、セイラがやってるのはミライの命を救ってるんですね。戦闘中に動くと軍法会議にかけられて、あんた死刑になるわよっていう意味なんです。
で、慌ててミライは、サンマロだかジョブ・ジョンだかを呼んで、ブライトさんを助けてもらいます。で、この辺りの、なんでダメなのかっていうのは、『銀河の荒鷲シーフォート』っていう早川のSFのシリーズがあるんですけども、ここに結構出てきます。めちゃくちゃ詳しく出てくるんですけども、軍隊組織とか、あと海軍の考え方が分かって面白いんですね。
さっきから僕、海軍って言ってますけども、海軍と陸軍は全く別の組織なんですよ。陸軍っていうのは、あくまで上官にその指示を仰いで、現場戦闘員のできる判断っていうのは割と区切られてて、何か1つ変わるごとに、じゃあどういう風にしましょうかと上官に決めてもらい、ひたすらその場は動かないとする。なんでかと言うと、陸軍では前線っていうのが地面の上にあって、そこから前へ進むか後ろへ行くのかっていう、基本的にこれの考え方なんですね。なので許可なく後ろに下がってはいけないし、前に進めと言われたら何が何でも前に行かなきゃいけない。ただ兵隊っていうのは徹底的に命令を守ることを求められる。
それに対して海軍は、海軍も徹底的に命令を守るっていうのは同じなんですけども、そのポイントポイントに艦長というのがいるんですね。陸軍みたいに、少佐の上は中佐、その上は大佐っていう、連続的に流れていく指揮系統ではなくて、艦長というのがいて、艦長っていうのは例えば結婚式みたいな儀式も司ることができるしっていう、もう本当に王なんですね。1つの国の王みたいなものをやると。
で、それは本国からの連絡なしに1つの部隊を運用するためのルールであって、この艦長が倒れたり、もしくは周りから見て明らかに頭がおかしくなった時にどういう風にすればいいのかっていうのが、徹底的にマニュアル化されてると。マニュアル化される前に、大体普通の人間がじゃあこうすればいいんじゃないかってやったことっていうのは、ほとんどダメなんですね。
で、それはイギリスの例えば戦艦のバウンティ号とか、いろんな反乱事件というのがあった末にできた、ガチガチの海軍特有の法律っていうのがあって、それを宇宙空間の中に当てはめるとどういうことになるのかっていうのが、SF宇宙アクションの中に書いてあって、すごく面白いんですね。ガンダムを理解するためにも、これを読んだ方がいいんじゃないかなと思うので、おすすめですので読んでください。
それでは、まだ機動戦士ガンダムの22話「マ・クベ包囲網を破れ!」が始まって多分2分ぐらいしか経ってないんですけども[笑い]、次回もっと進めますので楽しみにしてください。それではまた次回。
「マ・クベ包囲網を破れ!」Aパートの続きです。マ・クベ大佐、不機嫌という感じですね。不機嫌にレポートを投げ出します。ポイントLはろくな情報をよこさないと言ってます。で、前に座ってるのは、実はこれジオンの服を着てるんですけど、連邦軍の軍人ですね。つまり連邦軍の裏切り者、スパイがここにいるわけです。
で、マ・クベの前でこの人は座ってます。大体マ・クベの部下ってのは全員立ってるんですよね。で、マ・クベの前で座ってるのはなんでかというと、マ・クベの部下じゃないからです。だからマ・クベも「ミスター・ジュダック」ってミスター付けで言ってます。
それはマ・クベっていう人が、実は独裁的に見えて、ルールをすごく守る人だと。これはいろんな描写があって、実はルール破りするような人に見えるんですけども、多分マ・クベの性格はすごい真面目でルールを守る人なんでしょうね。だから自分よりはるかに格下の軍人であっても、自分の直属でない限りは椅子を勧めて椅子に座らせてるんですね。で、自分の部下は全部立って報告をさせると、そういう風な性格です。
で、鉱山から今週の成績こんなんですっていう定例報告があって見てますね。で、経過報告があると。で、それを見た瞬間に部下を呼び出して問い詰めます。「第7に続いて第8ボーキサイト採掘基地がやられたとはどういうことだ」っていう風に言います。で、「あとは私がやる」っていう風に言い出します。
ボーキサイト採掘基地の生産性低下にイラつくんですよね。面白いのは、基地がやられたのを怒るのではなくて、生産性が下がってるのを怒るところなんです。これがマ・クベらしい。
で、まとめてみたんですけども、要点として、今回何を話すのかなんですけども、まずマ・クベのお仕事というのは何だったのかですね。このマ・クベ大佐の仕事って何だったのかって言うと、地球全体を支配する、地球全体を攻略するような、そういう軍事的な中央は、北アメリカにあるんですね。北アメリカに地球方面軍司令部っていうのがあって、元々ガルマ・ザビがトップだった部分です。今はガルマ・ザビがいないので誰かがやってるんでしょう。[咳払い]
で、マ・クベっていうのはただ単にアジア、ユーラシア地方の、その方面の責任者みたいなもんで、それも軍事的な中心ではない感じなんですね。ところが事実上は、地球の占領、占領政策っていうのはどうもマ・クベが考えてそうだと。
本当は元々ジオンとしては、地球はコロニー落としで一気に降伏して、そこから先は地球を占領すればいいだけだと思ってたんですけど、案外地球の抵抗、連邦軍の抵抗が激しくて、戦争がもう勝った負けたと言えない、いわゆる第一次大戦の時の東部戦線のような状態になってるわけですね。で、戦況が悪化してしまったと。その結果、採掘が大事になってきたんですよね。
第8ボーキサイト採掘基地ってことは、ボーキサイトの採掘基地だけで最低8箇所あるんですよ。で、ボーキサイトってのはアルミニウムとかジュラルミンを作る時に必要な鉱物なんですけども、ジオンの鉱物資源、ジオンって人工コロニーだから鉱物資源
がないんですよ。鉱物資源がなくてですね。で、小惑星帯からまあ多分ある程度持ってくることはできると思います。あとは木星からヘリウムとか水素も持ってこれるでしょうけどもですね。それ以外の大体の鉱物資源っていうのは地球頼みになっちゃうんですね。で、ジオンのモビルスーツも宇宙戦艦もですね、地球からの補給、こういう鉱物資源の補給がなければ作れない状態。ジオンにはおそらく人間と電気しかないですね。農業部分もあるから、農場があるから、ま、食料は最低限あるんでしょうけども、それも地球からの補給が絶えずなければ、閉鎖系の農場っていうのは5年ぐらいで土壌が全部枯れちゃうんですよね。で、戦争が長期化した時からもう地球からですね、どうやって資源を持ってくるのかというのは大事になってきてしまいました。
で、マ・クベの大事なお仕事、5つあります。アニメで描かれたのは1番だけなんですよ。鉱山の採掘ですね。自分の基地以外の戦闘は、ま、北アメリカのですね、地球方面軍の仕事なんでしょうけども、この鉱山の採掘ではですね、ボーキサイトだけでも82箇所以上ある採掘基地の管理をしなければいけないと。他に、ま、鉄とかですね、銅とか金とかプラチナなんかのですね、ま、レアメタルを含めてですね、採掘基地は全部で何百箇所あるのかアニメの中では描かれてないんですけども、この管理をですね、マ・クベは1人でやってるんですね。恐ろしいですね。あんなデイリーレポートを毎日見てこういう風にしろって言ってるわけだから、管理1人でやってます。恐ろしい。
で、2番。鉱物をですね、そのまんま宇宙空間に持っていくわけないんですよ。そんな無駄なことするわけがない。できたんだったらですね、その周りにある無駄な土とか岩とかをいっぱい取るように、全ての金属資源もですね、周りのですね、岩とかをガリガリ取って、ま、インゴットの形にするなり粉みたいな形にするのかわかんないでしょうけども、これ加工しなきゃいけないわけですね。で、多分このスケジュール管理も全部マ・クベが1人でやってると思います。恐ろしいです。
で、次、どうやってこれを宇宙空間に運ぶんだ?ジオンまで運ぶんだってことなんですけども、そのための宇宙船までですね、ま、作るしかないんですよ。何回も使える往復型のシャトルもあるとは思うんですけども、往復型のシャトルでこの資源を運ぶなんていうのは無駄すぎるんですよね。だから使い捨ての化学燃料ロケットもあるでしょうし、あとね、リニアカタパルトを使ってですね、鉄のコンテナーをそのまま打ち上げるという風なこともやってると思います。で、そういうものの多分製造管理もですね、マ・クベがやってると思います。恐ろしいですよね。
で、4番目、そういう宇宙船の打ち上げ。これの管理もですね、マ・クベなんすよ。バイコヌールの宇宙基地は、ま、場所的に接収したと思うから、そっから定期便の打ち上げやってるんでしょうけども、ヒマラヤ山脈を利用したですね、リニアカタパルトも、ま、使ってると思います。この資源をですね、簡単な鉄のコンテナで覆ってですね、マグネットの力でですね、レールの上をですね、第一宇宙速度ですね、マッハ26とかマッハ30ぐらいまで加速してですね、衛星軌道まで打ち上げるわけですね。で、ま、人間が乗ってないですね、コンテナの中に、鉄のコンテナの中に鉱山の鉱物が入ってるだけなんで、無茶な加速もできるんですよ。だから、ま、ものすごく壮大な風景だろうから、いつかね、誰かに映像化して欲しいんですけど、このマ・クベのやってることって実はすごいんですけども、ガンダムの外伝みたいなもので全然出てこないですよね。こんな面白いことやってるのにって思うんですけども。
で、ま、軌道に達したですね、鉄のコンテナはですね、ま、エンジンとかが付いてないので、そのままパプア補給艦でですね、捕捉されて加速ブースターをつけられて、そのままジオンに行く軌道に載せられるか、まあまあ、無人で発進されるんでしょう。で、ま、この事業だけでおそらく従業員数千人規模のですね、会社運営に近いと思うんですけども、この担当もマ・クベですよね。恐ろしいです。恐ろしいな。
で、以上ですね。この4箇所のですね、基地のですね、防衛もですね、マ・クベが担当してるわけです。この上のね、この4つは会社運営なんですよ。会社、企業経営なんですけど、この5つ目はですね、完全に軍人の仕事なんですね。で、おまけにですね、マ・クベはですね、以前モビルアーマー・アッザムの運用テストまで自分でやってたわけですね。キシリア様が横に座りながら、なんかもう教習所でですね、はい、ブレーキもっと早くって言われるみたいにですね、「何をしてる?」「はあ」とかって言いながらですね。モビルアーマーの実用テストまでですね、自分でやるというですね、どんだけ働くねん、マ・クベということですね。よくマ・クベ死ななかったなどころか、最後はですね、レビル将軍と対決してですね、なんだろ、連邦軍に水爆ミサイルを撃つという重要な判断までやってるから、本当にね、機動戦士ガンダムのシリーズに登場した人間の中で多分1番有能な人間、誰か1人選べって言われたら、僕間違いなくマ・クベ選びますよ。これ以上有能な人間はこのアニメに1人もね、出てこないんですけれども、割と日が当たってないと思います。
南極条約違反っていうのがですね、こう出てきたんですけど、南極条約違反というよりは、南極条約を踏み越えて戦争をですね、動かそうとした人っていうのが面白い。ちょっとこれ後で説明しますけども。
で、それに加えてですね、今回の連邦のですね、大反撃、オデッサ作戦ですね。で、実はですね、僕が思うにマ・クベはですね、物量で戦ったとしてですね、これ勝てるわけがないと知ってるんですね。オデッサ作戦で、ジオンは勝てるはずがない。なので、マ・クベが選んだ戦略は「負けない」なんですよ。勝てないのは分かりきってるから負けない。なのでこのオデッサ大戦というのをですね、できるだけ長期化させたり、ずるずると泥沼化させて、連邦をですね、なんだろう、疲弊させるのがマ・クベの戦略だったと思います。で、勝つ必要ないんですよ。負けないで十分なんですよ。だから下手に勝つとどうなっちゃうのかって言うと、あ、じゃあアジア、ユーラシア大陸はオデッサ作戦が失敗したのでジオンの制圧圏だということですね。ギレンとかに目をつけられて大部隊を送られるんですね。で、そうすると直属の大部隊を送られるとですね、マ・クベはですね、基地を取り上げられてしまうんですね。マ・クベはここであくまで目立たず、こんなとんでもないですね、4大プロジェクトを転がしてるということができるだけジオンの上層部にバレないようにですね、しながらですね、キシリアにひたすら資源を送りたいわけですね。だから勝つ必要ない。勝っちゃうとジオンのですね、本体が送り込まれてしまう。そうではなくて、負けない程度にですね、防衛をしていて、ずっとこの状態を繰り返そうとしてたわけだと思います。
で、ですね、この次はマ・クベとですね、このジュダックの会話に戻ります。「エルランもろくな情報を提供せん」っていう風にですね、言いますけども、このセリフはもちろんジュダック、この裏切り者ですね、を通して連邦のエルラン中将という人に伝えようとしてるわけですね。「ミスター・ジュダック」、ミスターという風に言います。直属の部下ではない連邦軍の士官ですからですね、ミスターをつけて呼ぶわけです。「ミスター・ジュダック、エルラン中将に伝えたまえ。明日1日、東ヨーロッパ戦線に配備した連邦軍の動きを極力抑えるように」という風に言いますですね。ま、ここでですね、連邦軍の中には裏切り者がいて、こいつが実は裏切り者で、その背後にいるのはですね、さらに高いですね、中将ですね。少将、中将、大将っていう風にですね、位が上がってくんですけど、もうね、中将ですからトップ中のトップです。官房本部に顔出して会議やってるような人なんですけど、そういう高い位の人が実はジオンのですね、マ・クベのスパイだということがここで分かるわけですね。
で、マ・クベはですね、ここでですね、自分で作戦を立てて、もういい、俺がやるということでですね、ホワイトベースを攻略すると決めました。で、それはなんでかって言うと、これ以上ですね、採掘基地の生産性を下げないためなんですよ。で、同時にですね、マ・クベというのは何かやる時は目的を2つ以上こう作って同時にやろうとする。多分癖があるんだと思うんですけど、次のですね、オデッサ戦ですね。オデッサの戦闘を有利に運ぶ。有利に運ぶっていうのはどういう意味かって言うと、何でしょうね。負けないようにですね。勝たなくてもいいから連邦が困るように、ま、負けないようにするためにですね、どういう風にするのかという2つの目的があるわけですね。採掘基地の生産性対策で、それがですね、次の作戦です。
これですね、岩陰に隠れるジオン兵なんですけど、ま、みんな人相悪いです。すごい人相の悪いおっさんばっかり集まってるんですけども、彼らがですね、ホワイトベースに直接取り付いて爆弾を取り付けようとしてます。で、彼ら今装備の確認とかやってるんですけども、とりあえず体に金属製のものを帯びるなと、いわゆる磁気探知機で分かってしまうからと。で、こっそりと、ホワイトベースにですね、ロケット、背中に背負ったロケットでですね、近寄って爆弾を仕掛けようと。で、仕掛ける爆弾の場所が問題なわけですね。
で、ホワイトベースにですね、飛んで近づいていって、ホワイトベースのノズルが見えるんで後ろから近づいてるわけですね。で、これはホワイトベースのですね、ま、こ、ここなんですよね。ここ分かるかな?ここ、ジェットエンジンのインテークみたいに見えるんですけども、ま、大河原さんがですね、このホワイトベースをデザイン描いた時はもう全くどんなアニメかも分からずにですね、描かされたわけだから一応ジェットエンジンみたいに描いてるんですけども、ここがですね、ミノフスキー粒子っていうですね、今回のガンダムの世界の中でレーダーの力をなくすためのですね、ま、粒子なわけですね。それの射出口にですね、行くと。で、その他の人たちはこの黄色いですね、このドームみたいな部分ですね。このドームみたいな部分に貼り付くと。で、これ何かって言うと、電子撹乱装置、ECMって言うんですけど、それのですね、ま、発信場所なんですよ。後で開いて中からメガ粒子砲が出てくるんですけど。
で、あのね、だいぶ前に僕が機動戦士ガンダムの話をする時の最初の頃に、ここが重力区画だって説明したことがあるんですね。つまり、機動戦士ガンダムの中で遠心力が発生してるですね、ドーナツ状の部分があって、そん中では人間は普通に立って喋れると、それはここだって話した時があって、で、後になって設定を改めて調べてみたら、この胴体の中に、ドーナツ状の部分が、それが回転してるというですね、設定になってたんですね。で、あれ、なんで僕それ間違えたのかなと思って、こないだ資料見てたらですね、昔僕が読んでいたラポート出版っていう会社、アニメとかを出してた出版社の、そん時の、なんか図では、内部図鑑では確かにここになってるんですよ。で、いうのはなんでかって言うと、ホワイトベースのサイズからするとこの中にある程度の直径で作る遠心重力だったらですね、1Gの環境を作れないわけですね。最低でもこれぐらいの直径がないとダメなので、多分その図鑑でですね、解説した人はここに入れたんだと思います。で、僕もそれでずっとね、覚えてたんですけども、ま、関係ない話です。
えっとですね、ホワイトベースに取り付いて、この巨大なですね、ミノフスキー粒子排出口とですね、ECM発信機ですね。で、ポイントはですね、ブリッジに行ってないんですね。本当はマ・クベが、ホワイトベースを落とすつもりでは、ホワイトベースを破壊するつもりだったらここに爆弾仕掛けるはずなんですよ。そうするとブリッジが破壊されて、ま、ホワイトベースってはですね、なんだろう、落ちちゃうわけなんですけども、マ・クベの命令というのはホワイトベースの破壊ではないんですね。で、爆弾仕掛けた後、彼らはですね、逃げ出して、で、うまくですね、ホワイトベースを破壊できました。で、ちょっとこれが今邪魔だからとりあえずこっち置いときますね。
で、マ・クベの作戦とは何だったのかって言うと、特殊部隊によるですね、レーダーを壊しただけなんですよ。それの破壊工作なんですよね。で、この後このホワイトベースに対してグフというですね、モビルスーツであったり、あとドップという戦闘機で、ま、攻撃を仕掛けてですね。で、戦闘機が飛んでくるとですね、ホワイトベースは怖いと思って自分たちもモビルスーツを出すわけですね。で、モビルスーツを出すことによってホワイトベースの戦力はモビルスーツとホワイトベースとに2つに分かれてしまう。で、これをそれぞれ各個撃破しようとすると。でもこれも目的ではない。最終的な目的はこのホワイトベースをですね、落とせるだけの強いビーム砲ですか、メガ粒子砲がある。ま、移動が難しいんですけども、固定した砲があって、ここにこいつを近づけることなんですね。で、この射程圏内に近づけてこいつを発射して、こいつに大被害を与えると、これが目的なんです。
だから、マ・クベの作戦っていうのはもう本当に工程管理なんですよ。さっき話したですね、こんな企業の運営はマ・クベじゃなきゃできないと言うんですけど、マ・クベの作戦も同じでですね、無理は一切しないんですね。そうでなくて、自分の手持ちの素材でどういう有利な場所に持っていくのか。要するにこいつを倒したければ無理して戦力をこいつに持ってく必要がないと。自分たちが持っている最大の戦力のところにこれを運んでくりゃいいだけだと。そのために、いろんなちっちゃい戦力を小出しにして、で、こいつのですね、レーダー能力とかを奪っておいて先が見えないようにして、こっちだったら逃げれると思って、とりあえず逃げた先で落としてしまうという考え方なんですね。すごい無駄のないビジネス的な、軍人ではないというか、ま、本来の軍人もこういう風に考えるべきなんでしょうけど、あんまり侍っぽくない考え方です。
ま、工程管理のプロなので対ホワイトベース戦もですね、ほとんど工場の組み立てラインみたいに考えてるんですけどもですね。で、同時にですね、これはホワイトベースに穴を開けるのが目的で、飛べなくなる、なくすりゃいいって考えてるからなんですね。落としちゃダメなんですよ。ブリッジをなんで破壊しないのかと同じで、ホワイトベースを破壊したら連邦軍はホワイトベースを諦めるだけで済むじゃないですか。でもオデッサ戦がもうすぐ近づいてるからこそですね、ホワイトベースを諦めるんじゃなくて救助に行かせたいんですよ。で、連邦からホワイトベースに救助に行かせて、その救助に来たやつをまた個別にちょっとずつ落とすことでですね、ホワイトベースを見捨てるわけにいかないということで連邦軍が戦力をちょっとちょっと出して、どんどんどんどん出血量が多くなって体力を奪っていくというですね、ベトコンのやり方ですね。ベトナム戦争の時にアメリカ軍がですね、散々やられたベトコンのやり方ですね。まずアメリカ兵の手とか足を撃って動けなくすると。で、動けなくしたらとどめを刺さずに放っておいて、そこに、動けなくなった兵隊っていうのは3人がかりぐらいでないと運べないわけですよね。で、3人ぐらい来たところをまた撃つっていうですね、そういう作戦に近いです。ま、ここら辺マ・クベのですね、物の考え方ですね。
で、ですね、Aパートの最後ですね、ミライはですね、第2戦闘配置を発令しますですね。おそらく第2戦闘配置っていうのは何かって言うと、第1戦闘配置が総員配置ってやつで、これは集中力がですね、2、3時間しか持たないという風に言われてるんですけども、第2戦闘配置はですね、ま、敵襲が予想されるのでパイロットはコックピットに入ってそのまま待機しろっていうですね。第1ではないんですけども、まあ5時間も6時間もできるようなもんじゃないです。で、そこでレーダーにですね、敵の大軍が映ったので、ミライはですね、アムロとハヤトにですね、コアファイターで発進を命じます。この時点ではですね、ミライにはですね、敵の規模が分かんないんですね。なのでホワイトベースから離れたところで戦って欲しいんですよ。ブライトが倒れてしまったのでですね、ホワイトベースの近くで戦闘したくないので、コアファイターという超音速のジェット機を派遣して、なるべくホワイトベースから離れたところで戦争、戦闘して欲しいと。このまあミライのなんだろうな、逃げたい気分っていうのがですね、状況を悪くしていくわけです。ここまでですね、機動戦士ガンダムですね、マ・クベ包囲網を破れ、Aパートですね、前半の解説を終わります。
機動戦士ガンダム第22話は、マ・クベ包囲網を破れ、Bパートですけども、ミライからのですね、命令でコアファイターが発進します。で、後ろ見て分かるようにですね、コアファイターさっきまでガンダムにくっついてた状態なんですね。で、ガンダムの上半身Aパーツを剥がして、で、コアファイターを露出させて、これを無理やり運んで今から発進させるわけなんですけども、ま、これはですね、ガンダムがすぐに出撃できなくするための、ま、できなくなってしまったという伏線なんですね。で、後ろにいるですね、ハヤトって言って後ろにいるのがコアファイターのハヤトなんですけど、ハヤトも同じようにクレーンで運ばれてるんですよ。ということは、やはりこのハヤトのコアファイターも、元々はですね、ガンタンクに入ってたやつを外したわけですね。だ、ガンダムもガンタンクもですね、すぐに発進できない状態だっていう、後に出てくる状況の説明のためにこのカット入ってるんですけどね、なかなかね、このカットだけ見てもそういう意味っていうのはわかんないんですね。かっこいいって思うんですけども、なんでこれを入れてるのかって言うと、絵コンテ描いた人間がこれ後に、すぐに行けないという伏線のためだと思ってるんですけど、なかなかね、よくわかんないですよね。
で、現場にですね、急行するアムロとハヤトなんですけども、まあ、あのね、ジオンの航空兵力がですね、なんだろうな、いわゆるドップの編隊がですね、1つだけじゃないです。群れが2つ以上あることに驚くんですよ。で、ここでですね、アムロはミライの指揮能力に疑いを持ってしまいます。とりあえず離れたところに行って戦って、コアファイター2機で戦ってる。コアファイター2機でなんとかなる数じゃないぞと思います。で、もう1つのですね、ドップの編隊に、ホワイトベース自体も襲われて、セイラは驚いてもう独断でコアファイターを呼び戻しますですね。いちいちミライのですね、判断を仰がずにですね、コアファイター帰ってきてホワイトベースの援護に当たってくださいと、セイラもですね、独自で命令を発してしまって、ホワイトベースの指揮系統はぐちゃぐちゃになっていきます。
で、ま、その頃ですね、ブライトさんはようやく目が覚めて椅子で起きようとするんですけども、自分がですね、体が動かないのに驚きます。意識はあるけど体が動かないんですよ。で、なぜ体が動かん、怖いから、怖いのかっていう風に分かるんですよね。で、やっとアムロの気持ちが分かるんですよ。いわゆるアムロに出撃しろって言って、いや、怖いから嫌だと言われた時に、なぜなんか、あ、そんな甘ったれたこと言う、死んでもいいのかと、このままだってお前は殺されるんだと散々言ってた自分がアムロと全く同じ状態になってるってのが分かって、これ以降ですね、そのブライトとアムロはただでさえ、ま、雪時してたんですけども、このオデッサの戦いあたりからですね、ホワイトベースの結束がどんどん固くなっていくんですね。この固くなっていくための儀式として絶対に必要だったのが、ブライトがアムロの気持ちというか、かつてのアムロが何を乗り越えて今のアムロになったのか、なんでアムロはあんなに怖い怖いと言って戦闘に行きたがらなかったのに行ってくるようになったのかというのは、自分のこの気持ち、今の気持ちを乗り越えたからなんだ。それに比べて俺はなんでダメなやつなんだっていうのが、ま、この寝たきりブライトさんからですね、こう出てくるわけですね。これが必要だったわけです。
で、敵の航空隊がですね、多いのに気がついて、ミライはですね、空中換装をやろうという風に言い出します。で、アムロ驚きます。戦闘中に空中換装をやるんですかという風に言うんですけども、ロボットアニメで当たり前だったいわゆる空中合体ですね、合体シーンっていうのを、ま、リアルに見せる手順なんですよ。まあね、それまでね、ツッコミ結構あったんですよね。当時のロボットアニメで。なんでコン・バトラーVとか何でもいいんですけども、長々とした合体シーンがあるんだけど敵からですね攻撃されないんだというような突っ込みがいっぱいあったんですけど、それ一応富野喜幸なりの、ま、それに対するですね、リアリティの出し方っていうのは、少なくともパイロットがそれに対して1回反対すると。戦闘中に合体なんかできるわけがない。でもやるしかないのよ。もうどうなっても知らないですよと言って、なんとか成功するってプロセスを入れることで、戦闘中の合体というのに対して、ま、ちょっとリアリティ出してるわけですね。
で、ガンダムですね、空中でアムロはですね、いわゆる合体します。で、ハヤトもですね、急いで帰ってきて、もうね、ガンタンクばらしてるのでガンキャノン乗ります。乗り換えます。で、両者ともですね、なんでここでわざわざ手間かけて乗り換えたのかって言うと、さっきコアファイターに乗ってる時は敵の弾に当たらないように散々避けてるんですけども、ガンダムに合体したり、ガンキャノンで出撃した瞬間から敵の弾がバンバン当たる描写が出てくるんですね。なので、あ、なんか、まあ、薄っぺらいアルミ板でできてるようなコアファイター、飛行機に比べてガンダムとかガンキャノンっていうのは防御力が高いんだなと。だ、多数を相手に戦闘する時は1発も当たらないようにするよりは、少なくとも敵の弾が多少当たっても大丈夫なようにモビルスーツで出た方がいいんだなっていう理屈が、ま、ここで絵で説明されるわけですね。
で、その時にですね、ガンダムが「地上軍もいるのか」っていう風に言って驚くんですけども、地上軍どころかですね、この中にいるのはですね、現場にわざわざ出てくるマ・クベ様ですね。本当仕事好きです。わざわざ現場に出てきます。地上戦艦ですね。ダブデっていうですね、地上戦艦だそうです。ダブデからですね、戦況を見るですね。
で、この後ですね、ガンダムはグフのみの部隊ですね。これまでですね、グフが出てくる時、新型モビルスーツですね、このグフというのが出てくる時っていうのはすごい大事そうになんか一機ずつ出てきたんですけども、これがもう大量に出てくるんですよ。で、もう装備がいかに潤沢かっていうのが分かります。マ・クベはですね、こういうですね、新型の新兵器の装備をですね、めちゃくちゃたくさん持ってるので、あ、マ・クベなんか贅沢に使うなっていう風に思うんですけど。で、見上げるとですね、ホワイトベース、アムロが見上げるとホワイトベースはもう敵機にまみれて、いわゆる落とされそうになってるんですね。で、帰還してですね、1回全部エネルギー、ビームライフルのエネルギーの補給とかを済ませてもう1回出ようとしますと。しかしそこにですね、マ・クベの罠が炸裂ですね。
ま、マ・クベですね。もうふふふふって言って、この赤いのが基地ですね。光ってるのがホワイトベースで、だんだん近づいていってるのですね。マ・クベはですね、喜んでるわけですね。それ、もうすぐだ、もうすぐだと言いながら。ホワイトベースは敵のビーム砲にドカーンとですね、モビルスーツのハンガーデッキですね。ま、致命的ではないんですけども、それでも偉いことになる感じのところにですね、当てられて、で、船内は火事です。イケメンのジョブ・ジョン君がもうダメですという風な感じで報告してますけども、船内が火事になってしまうわけですね。
いや、なんかね、この辺りね、普通のロボットアニメでいいですよね。この辺り普通のロボットアニメの、なんかでかい戦況を映すパネルが現れて、よく分かる図が出てきて、下から照り返して悪者が笑っていて、味方がやられて、で、船内が大火事になるんですね。ガンダムをですね、メガ粒子砲で狙撃するというですね、戦略です。で、これでホワイトベースは不時着するんですよ。で、その場でですね、セイラさんが思いついた戦略、作戦で、ま、発煙筒をですね、焚いてホワイトベースから煙がもうもうと出て、まるでホワイトベースが、ま、もう燃えていてもダメだというふりをすると、それで敵は引き返すんですね。で、これで敵は引き返してくれるんですけども、ま、多分さっき言ったようにですね、とどめを刺すのがですね、マ・クベの目的ではないのでですね、別に煙がそんなに出てなくても今回は適当なところで引き返したと思います。せめてホワイトベースはですね、救援信号を出せる程度には生きてないとマ・クベの作戦上都合が悪いからですね。
で、最後はですね、この22話の最後ではですね、ミライさんはレビルに無線信号を送れと言います。無線、暗号無線を送れと言います。で、それを見つめるアムロというとこで終わるんですけども、なんでそのミライさんがですね、暗号無線を送れっていうシーンをわざわざ見せるのかとですね、実はそのオデッサ作戦の前は、お互い連絡はしてはいけないというルールが決まっていたからなんですね。で、お互い無線封鎖っていうのをしていて、で、どこに誰がいるのかを分からないようにすると。例えばレビル将軍宛てにホワイトベースが無線を打っちゃったら、レビル将軍がオデッサに来るっていうすごい重要な軍事情報が敵にバレてしまう可能性があるわけじゃないですかと。でもミライさんはですね、もうこの状況はどうしようもないと思ってですね、レビル将軍に、ホワイトベースはもうこれ補給とか修理がないと全然動けません。どういう風にすればいいですか?救援お願いしますという無線信号を出しました。これがま、マ・クベの狙いですね。マ・クベの狙いにはまってしまったというところでですね、この回は終わります。これぞマ・クベの望んでいたことで、さらなる罠にはまったということですね。
こっから先は限定になります。ま、限定の話を、これからするんですけど、ま、余談なんだけども、ここなんですね、余談っていうのは。えっとですね、ガンダムを作った男たちというですね、漫画があるんですけど、ま、極端な漫画なんですよ。いわゆる面白がらせるために大げさに描いてる部分もかなりあるんですよ。例えば安彦良和がめちゃくちゃイケメンで、で、「安彦良和」って言って出てきて、髪の毛がね、薄いところだけちょっと本当なんですよね。で、なんだろう、可愛い子の秘書に取り囲まれて毎日シャンパンを飲んでですね、で、気分が変わった、今日の仕事はこれぐらいにしようって言ってですね、晩御飯はですね、銀座のマキシム・ド・パリを予約してくれたまえというですね、漫画みたいな、漫画なんですけど、安彦良和。で、そこにですね、アンパンと牛乳を食べてるですね、富野喜幸が来てですね、ま、富野さん、この時はこんなハゲてないんですけども、ハゲに描いてるわけですね。ハゲに描いてですね。で、機動戦士ガンダムの企画書を渡すというシーンがある。ま、そういういわゆるなんちゃって漫画なんですけど、実はね、案外ガンダムの事実というか歴史に忠実なんですよね。で、忠実な上に誇張して描いてるところが、ま、その梶原一騎的というかですね、巨人の星とかですね、あしたのジョー的ですごい面白い漫画なんですけども、
この漫画の中にですね、面白いグラフが出てきます。で、あんま他でね、出てこない資料なんで、僕もこの漫画の中から引用させてもらうんですけども、ガンダムのですね、本放送視聴率グラフってやつなんですね。ガンダムを作った男たちに掲載されてるんですけども、これね、デジタル版では入ってないんですね。だからKindle版とか電子書籍版のガンダムを作った男たちでは他のイラスト入ってるんですけど、なぜかこのグラフだけ抜けてるんですよ。
で、第1話がですね、3.0%です。まあ悪いです。当時ね、なんだろうな、再放送、アニメの再放送ですら6%、7%ぐらい取ってた時代に、新作のロボットアニメでですね、初回3.0%。本当にね、悪いんですよ。だから初回放映された瞬間にもう、なんだろうな、はい、あ、富野監督、思い通りの作品作るのはやめてスポンサーの言うことちょっと聞いてくださいっていうのは当たり前なんですね。3%から始まってですね。で、その後ちょっと上がって3話のです、あ、4話だ。ルナツー脱出作戦で5.9%。もうこれがね、ほとんどここに行くまでですね、最高なんですよ。で、富野さんやっぱりね、ほら見たことかと思ったのは、出てきてからすごい数字が上がるんですね。一気に8%超えるんですけど、ま、そこまではこのルナツー脱出作戦が最高でですね、ま、そっから先4%を超えればラッキーというのが続くんですね。1番低いのがですね、第7話コアファイター脱出せよの1.9%。1.9%という数字は何かって言うと、当時のですね、そのニールセンとかの視聴率調査で事実上見てる人がいない0%の時にですね、0ではなくて1.9って表示されたという伝説があるんですけども、本当にね、誰も見てなかったっていうことなんですね。1.9っていうの。で、こういうのがですね、半年間ですね、ずっと続いたわけなんですよ。で、今回のですね、22話はですね、マ・クベ包囲網を破れはですね、なんとか4.0%、ま、4%行ってるんですよね。
で、ま、そういう風に書いてるんですけど、本当の問題はですね、この視聴率が悪いってことではなくって、この視聴率が悪い結果、スポンサー、メインスポンサーのクローバーというおもちゃ会社が出しているおもちゃが全然売れなかったことなんですね。で、本当はこっから先、クローバーはクリスマス商戦に出すですね、ガンダムの合体デラックスがものすごく売れるんですけども、この視聴率のあまりの悪さにクローバーはおもちゃも売れないに違いないという風にですね、先読みをしてしまったんですね。先読みした結果、ガンダムはですね、全43話ですね、打ち切りが決まってしまったわけなんですけども、ただもうこのものすごく視聴率が悪い第1話の辺りからですね、何度も内容に関してですね、交渉がありました。
まずシャアが暗すぎるから殺せと。仮面をつけて暗い声でボツボツ喋るやつが、人気がないの原因に違いないと。他のアニメ見てみろと。なんか美形みたいな悪役が出てきてかっこいいセリフを言ってるじゃないかと。あんなのを出してくれと、とりあえずあいつは殺してくれと言われたのでですね、ま、この辺りですね、13話あたりでですね、殺してですね、殺したんじゃないですね。ジオンの脅威でなんとか左遷という形にスポンサーをこう納得させて、いや、殺すのやめて、ちょっともう左遷ってことにさせてくださいよっていう風なことで出さなくなったと。で、毎回新しいロボットを出せという風に言われて、他のアニメみたいに、もうずっとね、ザクばっかり出てくるんではなくて、毎回新しい敵のロボット、いわゆるやられメカっていうのを出せっていう風に言われたので、13話でグフを出して、18話でですね、アッザムを出して、あれも苦肉の策なんですよ。マ・クベがですね、キシリア様の隣で怒られるですね、変な回なんですけど、アッザムも一応スポンサーの意向を受けて毎回新型メカを出せって言われて、18話でアッザムを出して、で、今回との次の回のですね、23話ですね、ようやく、ま、あ、違う。次回でドダイYSとGアーマーというですね、新型メカを出して、その次にですね、ドムを出すっていうですね、なんとか新型の敵のメカをちょっとずつ出してきたんですね。で、2クール目最後のですね、第26話からですね、この辺りからはですね、毎回毎回最終回に至るまで新型のですね、モビルスーツやモビルアーマーが出てくるというですね、ようやくスポンサーが望んだような展開になるんですけど、それをね、もううまくお話の中に納めてるのも、ま、見所です。このようにですね、富野監督はですね、スポンサーの要望をなんとか取り入れながら、こんなね、結構無茶入れながら取り入れて、番組の存続のためにですね、手を尽くしていたということだけ覚えといてください。
第22話ですね、マ・クベ包囲網を破れ、後編はここまでです。次回はですね、第23話マチルダ救出作戦です。
はい、お疲れ様でした。今日のですね、後説ですね、Apple情報特にありません。マ・クベ大佐すごいなと思ってですね、来週を楽しみにしてください。で、もう不時着してですね、動けなくなったホワイトベースに対して、ついにですね、連邦軍から補給というかですね、救いの手が現れるですね。第23話マチルダ救出作戦。出ましたね、マチルダさんですね。次の動画でお会いしましょう。ではまた来週。バイバイ。
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