物をため込む妻と諦めた夫、6人家族の一軒家を「寄せる片付け」で立て直す

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概要

片付けのプロ・古堅純子が、6人家族が暮らす一軒家の片付けに取り組むシリーズの完結編である。前回はリビングの収納を見直し、散らかりにくいリビングダイニングにした。今回の課題は、そのとき脇へ寄せた大量の物をどこへ移し、どう収めるかである。物をため込んで床に置いてしまう妻と、収納を買ってきて片付けてほしい夫。夫は片付いた家をほぼ諦めている。古堅は、家族全員が「きれいを保ちたい」と思えるきっかけを作ることを目標に置き、物を捨てずに寄せる方法で家を作り直していく。

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夫が買ってきた収納と、使われない理由

作業の途中、母親は廊下沿いに置かれた棚や収納について古堅に説明した。ある棚は、父親が自分の判断で買ってきてパントリーに置いたものだった。母親はそれが好きではないらしく、使われないまま隅に追いやられていた。カラーボックスは実家から持ってきたものだという。洗面所で使ってほしいと父親が買ってきた洗濯用の収納も、同じように相談なしで買われたため、脇に寄せられていた。

母親によれば、父親はそれを怒っている。一方で父親は、「多分俺が言っても聞かないでしょ」と何度も口にしていたという。古堅が「父ちゃんに言われないようにしようよ」と声をかけると、母親は「そうしたい」と答えた。これに対して古堅は、父親はもう文句を言う段階を過ぎて諦めているだけだと指摘した。夫婦のすれ違いが、使われない収納用品という形で家の中に残っていたことになる。

廊下側の動線をどう扱うか

問題になった収納スペースには、廊下側にも扉がある。家族が廊下から洗濯物を掛け、各自が自分の服を片付ける場所にするつもりで作った扉だった。しかし母親の話では、実際にはそのように使われていない。古堅は、本来は動線になるはずの場所を物がふさいでいると指摘した。

母親は、物が多くてここに寄せるのなら廊下側からも取り出せるようにしたいと話した。さらに将来この場所を末っ子に譲り、末っ子の服も掛けたいと考えていた。古堅は、それは子どもが自分のことを自分でできるようになってからでないと難しいと答えた。すでに下着とパジャマは洗面所で完結するように変えてある。今はそこで回るようにして、子どもが別の場所へ物を戻しに来る動作は作らない方がいい、というのが古堅の考えだった。

「遊ぶ物」と「しばらく出番のない物」を分けて2階へ

寄せた物の行き先として、古堅たちは2階を選んだ。捨てなくてもいいが当面は出さなくていい物と、普段遊びたい物に分け、1階で稼働していない物を上へ運び上げていく。途中で母親に「カリンはここでやりたい」という希望があれば、その物は1階に残すことにした。

作業では入れ物の不足が問題になった。マグカップやポップコーンのケースなど大きな物が多く、ケースに入れないと積み上がるだけの状態だった。そこで作業の途中で母親に入れ物を買ってきてもらった。父親の部屋の奥にあった棚やラックも活用することにした。四角い物は、詰めるくらいなら積んでしまった方がいい、そうしないと入れ物がもったいない、と古堅は助言している。作業はパズルのような状態になり、2階は一時、全員が呆然とするほど物であふれた。

忙しい父親と、母親だけでは回せない物の量

作業中、父親の働き方も話題になった。この日も父親は仕事で片付けに参加できなかった。母親によれば、以前は3か月休みがないこともあった。休めた日は家族と過ごすため、片付けはどうしても後回しになってしまう。

古堅は、家を回しているのは母親だが、普段からこれだけの物を持っていたら回せない、自分がどれほど片付け上手でも無理だと話した。そして、父親はこの場所を毎日使うのだから、ここが良くなっていれば「自分は大事にされている」と感じられるはずだと続けた。子どもが小さいうちはまとまった時間がなかなか取れず、すぐに理想の状態にはならないかもしれない。それでも見た目だけでも変えて次の段階に進もう、と母親を励ましている。

予定になかった父親の部屋

古堅は当初、個室は手をつけないと言っていた。しかしこの家に来て、家族を養うために父親がとても頑張っていることを傍らで感じたという。そこで、将来は長男の部屋にしたいという夢がある父親の部屋を片付けた。古堅はこの部屋を「今日のところはお父さんにめちゃめちゃ稼いでもらえる部屋」と紹介している。この部屋を見て感動した次女も作業を手伝った。

以前は棚の上にプリンターが載っていて、その存在感が大きすぎた。家具の袖を外に出し、それまで後ろにあった棚を横向きにして、使いやすい棚に変えた。父親の部屋に手を入れた理由について、古堅はこう説明する。リビングもこうした部屋も一度きれいにすれば、きれいを保ちたいという気持ちが生まれる。家族みんながそう思ったときに初めて、この家は変わる。

「お化け」のようだったクローゼット

父親の部屋のクローゼットも大きく変わった。古堅によれば、この場所は「お化けみたい」な状態で、物置のようになっていた。床にもいろいろな物が置かれていた。疲れて帰ってくる父親がすぐ仕事に取りかかれるよう、ぐるりと回れる動線を作り、開かなかった扉も開けられるようにした。反対側からも中が見え、鏡も付いている。

母親は、ここは物を押し込む部屋だと思っていたので、こうして回れるようになるとは思っていなかったと驚いた。古堅は、父ちゃんも母ちゃんも喜ぶクローゼットになったと応じた。

子ども部屋は手をつけず、本人の気持ちに任せる

一方、子どもたちの部屋には手を入れていない。古堅は子どもたちに、これを見て自分の部屋も片付けたいと思わないかと問いかけた。母親に言われて仕方なく片付けるのでは、いつまでたってもきれいにならない。片付けは本人の気持ち次第だ、というのが古堅の考えである。長女には、もっときれいな部屋で暮らしたいと思った気持ちを忘れないよう伝えた。下の子たちが忘れそうなときは、長女と次女が小さな先生になって言い聞かせるよう冗談まじりに頼んでいる。

2階の「地獄」の結末

最大の課題は、家中の物が集まった2階だった。古堅自身が途中は大変なことになったと振り返る場所である。完成した2階を見た家族からは歓声が上がった。家のほとんどの物が上がったにもかかわらず片付いており、奥には物がまとまったうえで、パソコンを開いて仕事ができるほどの空間まで生まれた。

古堅は、母親はもともと物を2階に上げたかっただけなのに、結局2階を片付ける時間がかかったと話した。そのうえで工程を説明した。遊ぶ物とそうでない物をしっかり分け、1階で動いていない物を上に並べ、入れ物を少し買い足した。ただし、物の量に対して入れ物が足りないからといって、入れ物を増やすことが最善とは限らないとも付け加えている。それでも、分けられているだけで1階の暮らしはまったく変わるという。

母親は、棚などを買うことは買うが活用しない、引っかける収納も買ったのに使っていなかったと打ち明けた。古堅は、すでに許容範囲を超えた量を持っていると答えた。捨てるには時間がかかり、使い切れていない物も多い。だからこれからは「増やさない暮らし」を少しずつ続け、10年がかりで減らしていけば、この部屋も誰かの部屋になるだろうという見通しを示した。今回はそのスタートラインに立てた段階だ、というのが古堅の評価である。

子どもたちの感想

子どもたちもそれぞれ感想を話した。次女は、大変だったけれどきれいになって嬉しかったと話した。2階で作業していた長女は、物で埋まるほどだったので本当に片付くのかと思っていたが、片付いてよかったと振り返った。古堅は、人手があったからできたことで、家族だけなら一生かかっても終わらなかっただろうと応じている。三女は、あれだけ物があったのにこんなにまとまったのなら、自分の部屋もきれいにできるかもしれないと話した。古堅は、姉と母親と一緒に挑戦してみるよう勧めた。

弟は、1階も2階も広く感じたと話した。おもちゃは使えるけれど戻すのが大変すぎる、みんながおもちゃを置いていくので片付けで忙しくなる、とも訴えた。古堅は、たくさん持っていると大変になるということだと説明し、片付けることより遊べるスペースを大事にし、使ったら戻すよう約束させた。

母親の言葉と「今日がスタート」

2階の作業をほとんど見ていなかった母親は、こんなに使っていない物があったことに驚いたと話した。自分一人ではこれだけ寄せることも片付けることもできなかった。古堅やスタッフ、子どもたち、手伝いに来た友人のおかげだと感謝を述べ、家がきれいになったことをきっかけに自分も変わり、この状態を保てるようにしたいと語った。古堅は、今日からがスタートでありこれをゴールにしないように、と念を押した。

父親の反応

最後に、帰宅した父親の反応が隠し撮りで紹介された。何もなくなったリビングを見た父親は、驚きつつも「1週間ぐらい持つかな」と冗談を口にした。棚については、きれいで取り出しやすいと繰り返し感心した。自室では、机がキャスターで動かせるようになり、高さも低くなって仕事がしやすくなったことに気づいた。古堅が「これでパパの収入を上げてください」と言っていたと家族に聞かされると、「これ以上(働いたら)死ぬよ」と笑って返している。

クローゼットについては「広すぎてそわそわする」「寝られる」「お店みたい」と話した。2階は子どもたちとスタッフのまなみが中心になって作業したと説明を受け、1階の物が全部ここに来ていることを確かめた。父親は最後に、見違えて言葉にならないほど感動している、本当に助かったと感謝を伝えた。

古堅は、家中で使われていない物を1か所に集めたことで、家族みんなが喜ぶ家に変えられたと締めくくった。そして、これからは家族で協力し合い、散らからない暮らしを続けてほしいと呼びかけた。ただし、物の総量はまだ許容範囲を超えたままである。増やさない暮らしを10年かけて続けられるかどうかは、この家族のこれからに委ねられている。