更年期のママが「振り向かずに」家事ができるキッチンへ:古堅純子が挑んだ平屋の食器配置

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概要

整理収納の専門家・古堅純子による「週末ビフォーアフター」の、3LDKの平屋に親子で住む家の片付けシリーズ第2回である。前回、古堅の訪問直前に実家じまいで荷物を引き取ったため、家の中は雑然としていた。今回の中心は、住人のママが何度配置を変えても納得できなかったというキッチンとダイニングだ。「ここで食べたい、調理もしたい」という多くの要望と、「振り向くとめまいがする」という身体の事情をどう両立させるかが問われた。

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リビングは「くつろぐ部屋」として残す

作業はリビングの確認から始まった。ママにはものすごく気に入っているソファがあり、どこへ引っ越しても持っていくほどなので、自分の身近に置いておきたいという。向きにこだわりはない。この部屋にはテレビがなく、ママはここでゆっくり過ごしたいと話した。古堅も、こちらの部屋は大きく変えず、問題は隣のキッチン側の配置だと見立てた。

先に買った収納棚が「パズル」を増やしていた

ママは古堅が来るのに合わせて収納棚(番組内では「システム」と呼ばれる)を買っていた。本当に何も入れる場所がなかったので、あった方がいいと考えたという。ところが、この棚をキッチンに入れるだけで疲れてしまった。きちんと整理して入れる余力は今はなく、物はぽいぽいと放り込まれている状態だった。さらに、ママは幅のある大きな棚を買ったつもりだったのに、届いたものは小さかった。測ったつもりだったのに、と本人は振り返っている。

古堅はまず、要望が多いことを指摘した。ここで食べたい、調理もしたい、ほかにもいろいろしたい。そうなると、何をメインにするかを決める必要があるという。ママが「食べたらダメということですね」と返すと、古堅は「食べてもいい」と答えたうえで、この棚を残す前提で考えるかどうかを尋ねた。ママの答えは「このシステムはなし」だった。

では棚をなくしたら、何で、どこで、どう食べるのか。ママ自身もそこに困っていた。先に家具を買うとまたパズルのようになってしまうので、「ここにこのくらいのものを置くといい」と言ってもらえれば、それを買いたいという。家には丸いテーブルがあったが、意外に大きいため、客用にしようという話になっていた。古堅はここで「まず引き算しよう」と宣言し、棚をいったん廃止することが決まった。

冷蔵庫は水のラインへ、食器は手の届く高さへ

配置の議論で古堅が最初に挙げたのは冷蔵庫の位置である。古堅は、冷蔵庫は意外と水まわりのラインにあった方がいいという。ダイニングとリビングの間にあれば、飲み物が入っていることもあって使いやすい。今の位置では少し遠いと古堅は考えた。

難しいのは食器の置き場所だった。ママは高い場所に手が届かない。上の段は手前しか見えず、台としてしか使えない。一方、下の段は楽だという。古堅は、上の棚がもう少し下がっていれば問題なかったと話した。以前に検討した場所は、狭いという理由でママが嫌がっていた。また、ある収納をやめられないかと古堅が聞くと、そこには食器が入っていて、ほかの場所に入れるのはママが苦手だという。古堅は、こうすればこれが嫌、ああすればあれが嫌という条件が多く、結局「じゃあこれがベストなのか」という話に戻ってしまうと、この家のキッチンの難しさを説明した。

中でもこの家ならではの条件が、「振り向くのが嫌」というものだった。ママは振り向くとめまいがするという。動画タイトルでは「更年期ママ」と紹介されている。古堅はこれを「難しい」と受け止めたうえで、なるべくL字のラインの中で家事が完結するように考える方針を示した。冷蔵庫を移すと、洗った食器を反対側に置かなければならなくなるのではないか、という懸念もママから出ている。

分類の作業:食材、調理道具、第2キッチン

方針が決まると、仕分け作業に入った。古堅はアシスタントのマナミに、そこにある物を分類するよう指示した。食材はパントリーへまとめる。しばらく使わない物は納戸、つまり「第2キッチン」へ回す。鉄板などキッチンの中に収まる物はここに置き、収まらない物は向こうへ移す。

引き出しを開けると、食材があちこちにばらばらに入っていた。古堅たちは調理用の物と食材の置き場所を分け、電子レンジやお湯で使う物をひとまとめにした。立てられる物は立てて収め、普段のキッチンでは使わない物は第2キッチンへ回した。棚の中に思い切り空いているスペースが見つかる一方で、ママは手前に取り出しやすさの高い物を置きたいタイプだと古堅は見ている。作業の途中では、ママの友人にも「このあたりで使う物が並んでいると嬉しい」とアレンジを頼んでいた。

古堅は後の振り返りで、古堅式ではキッチンから手をつけると地獄になるので、誰もやりたがらない禁じ手だと語っている。今回は配置の悩みが深かったため、結局朝からマナミとキッチンで奮闘することになった。

「いる・いらない」を聞かない古堅式

作業の合間に、ママの友人が古堅にこの仕事を始めたきっかけを尋ねた。古堅は27歳から掃除の仕事を続けており、家事代行サービスの現場に出ていた。物の多い人や片付けが苦手な人も多かったため、掃除のついでに片付けもするようになり、整理収納アドバイザーの資格を取ったという。

ただし古堅は、自分のやり方は資格で学ぶ方法とはまったく違うと話す。一般的な片付けのように「これいる?」と確認することを、古堅は一切しない。いるかいらないかを聞き続けると、いつまでたっても終わらないし、誰も聞かないからだという。代わりに、お菓子ならお菓子の場所というように定位置を先に決め、いらない物はあとで本人が抜けばいい、というのが古堅の考え方である。

作業中、ばらばらに置かれていたカップが見つかり、欠けていたセットの一つだったと分かる場面もあった。古堅たちは、この家の親子はどちらもこだわりが強いと話している。「いいよ、いいよ」と言いながら、ここはこうでなければダメ、という部分があるという。袋を開けると中に何かが入っていて、処分をめぐってやりとりが起きる場面もあった。

リビングの披露:ちょい置きは扉の中へ

作業後、まずリビングが披露された。ママは部屋が明るくなったことに驚いていた。古堅によると、リビングの配置は大きくは変えていない。ただ、あちこちにちょい置きの物があふれていた。さらに、奥にあった家具が窓の動線をふさいで出入りしにくかったため、横置きを縦置きに変え、そこをママのちょい置き場所にした。

いつも使うバッグもそこに入れた。古堅はママに、なるべく隠すこと、そのへんにぽいぽい置くくらいなら自分の部屋まで持って帰ることを求めた。キッチンの作業で出た物は、ママの友人が見つけた大きな収納に入れてくれた。古堅はその中が驚くほどぎっしり詰まっていることも隠さず見せたうえで、扉を閉めれば見えないので、ちょい置きは扉の中でするようにと伝えた。これを守ればこのすっきりしたこたつ周りを維持できると念を押し、ママは鍵の置き場所も中に作ったので、帰ったらそこに入れると答えている。

キッチンの披露:丸テーブルで食事ができるようになった

キッチンでは、これまで使えなかった丸テーブルが食卓として使えるようになっていた。ママは「ここでご飯が食べられる」と喜んだ。マナミがまず冷蔵庫を動かし、水のラインに置いた。古堅は、こうすればダイニングに近くて使いやすいと説明している。

冷蔵庫の隣には、振り向くとめまいがするママのために、よく使う食器を入れた。ママが手の届かなかった上の段ではなく、下の段にまとめている。古堅が実際に食器を出し入れしてみせると、食器はたくさんあるものの、普段使っているのはごく一部だと分かった。古堅は、ここだけで生活できることが分かったと話した。古堅にとっては腰より低い位置でも、ママにとっては使いやすい高さである。背が20センチ違うとそうなる、と古堅は説明した。

古堅はカウンターを、いつもきれいにしておく場所だと位置づけた。ここでコーヒーを入れて、息子の好きなコップで「いらっしゃい」と出せば、目と目を合わせて会話もできる。テーブルには4人分の椅子がある。作った物をその場で食べ、すぐに片付けられる。キッチン側の「第1会場」と納戸の「第2会場」の両方が整ったと古堅は語った。

作業中、ママの友人は、またここに物を置き出すのではないかと心配していたという。古堅はママに、ここに「ちょい置き厳禁」と書いておくよう冗談めかして伝えた。マナミも、棚のサイズを間違えたことに触れつつ、収納場所は多くないので、この棚には食材とあまり使わない食器を入れたと説明した。そのうえで、しまう場所と出す場所が近くなったので使いやすくなったはずだと話している。

残された課題:物が寄せられたママの寝室

最後に向かったのは、片付けの過程で物が寄せられ、「地獄」になったママの部屋だった。タンスはすでにパンパンで、これ以上は入らない。ママはここを寝るための静かな場所にしたいので、物の場所を別に一つ作るしかない、と古堅は考える。机を移動させて動線を確保し、途中のリメイク作品はハンガーにかけ、一角を作業場にする案が出た。布団はあるがベッドはない、という状態も確認されている。

リビングとダイニングは作り変えられたが、物が寄せられたママの寝室をどうするかは次回に持ち越された。