会食コミュニティから「伴走支援」へ AKEY会・秋山吏功氏が語る地方企業のビジネスマッチングと、島袋直樹氏への公開コンサル

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概要

M&A BANKの島袋直樹氏が、経営者コミュニティ「AKEY会」を運営するAKEY CONSULTING代表の秋山吏功氏と久しぶりに対談した回である。島袋氏は冒頭、AKEY会を「マジなめてました」と振り返る。AKEY会経由で紹介された人のつながりから、気がつけば商売が潤っていたからだという。秋山氏も、M&A BANKの動画を見ていて「これはうち経由では」と感じることがあると応じた。

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話題は、AKEY会がランチ会中心のコミュニティからビジネスマッチング、さらに伴走型の支援へと形を変えてきた経緯と、その延長で行われた島袋氏の事業への「公開コンサル」である。

会員1800〜1900社で数を追うのをやめ、ビジネスマッチングへ

秋山氏によると、AKEY会の会員数は2000社に届かない1800〜1900社ほどまで伸びた。その規模になると会員をさらに増やすのが難しくなり、ビジネスマッチングに軸足を移した。マッチングが大きく伸びたため、今月から改めてコミュニティにも力を入れ始めたという。

かつてのAKEY会は、昼のランチ会に10〜20人が集まって自己紹介をし、その場で多少のマッチングが生まれて解散するという形式だった。島袋氏はこれを当時としては斬新だったと評する。現在のビジネスマッチングは、秋山氏が経営者と面談して課題やニーズを聞き出し、それを解決できるサービスを持つ会員企業を直接紹介するやり方である。ランチ会に参加しなくても、秋山氏がつないでくれる。

この仕組みはリニューアルというより追加料金のオプションだと秋山氏は説明する。コミュニティに入った会員のうち、自社サービスをより拡販したい企業が、アポ単価や固定費などを払い、AKEY側がアポイントを提供する。

地方の年商1億〜100億円企業には「お金の使い先がない」

マッチングの相手として多いのは、年商1億〜100億円ほどの地方の中小企業オーナーだという。島袋氏が、地方には近くにマーケティングを担える会社がないといった状況が今もあるのかと尋ねると、秋山氏は「めちゃくちゃあります」と答えた。

秋山氏は秋田の会社を例に挙げる。SNSマーケティングや広告運用をやりたくても、社内にも地域にも運用できる人がいない。地方企業には「お金の使い先がない」のだという。そのため、東京で電通出身者が手がけている、といった話はすぐに評価される。リテラシーの面でも東京ほど高くないので、東京の経営者は「こういうことができます」と教える側の立場で提案でき、受注につながりやすいと秋山氏は話す。

集客以外のニーズとしては資産運用が挙がった。ただ、最も多い発注は採用だという。地方は採用が難しいため、媒体ごとに発注先が分かれ、さらに施工管理はこの会社、営業職はこの会社と職種ごとにも分かれる。そのため、採用だけで5社、6社に発注するケースがある。

ほかに多いのが業務改善系だ。島袋氏は、2代目・3代目として当たり前にやってきた業務でも、外部のコンサルが入れば省略・改善できる部分が意外に多いのではと確認し、秋山氏も「非常に多い」と同意した。フランチャイズ(FC)加盟の案件も多く、島袋氏は「紹介してほしい」と身を乗り出していた。

マッチングしても成果が出ない会員がいた

コミュニティ側のアップデートについて、秋山氏は試行錯誤の経緯を説明した。以前は会をたくさん開いて経営者を集め、「たくさんつながってください」という運営をしていた。すると成果が出る会員と出ない会員に分かれた。そこで見込み顧客を直接つなぐマッチングを始めたが、それでも成果が出ない会員が出てきた。

秋山氏は、結局はいいサービスといい営業が必要だと考え、そこを作る段階から支援に入るため、AKEY会を「伴走プラスコミュニティ」という形態に変えたという。良いサービスを持っていても営業が強くない、営業組織づくりや営業担当者の採用が苦手、営業のマインドになれない、といった経営者を秋山氏が伴走して支える。島袋氏の言葉を借りれば「足りないよ、おらおらおら」と営業を後押しする役割である。

無料相談で多い3つの悩み、とくに「1人で頑張れない」

秋山氏によれば、無料相談で多い相談は大きく3つある。1つ目は自社の集客方法、つまり営業。2つ目は料金形態で、このサービスをいくらで売れば売れるのかという相談だ。3つ目は意外にも多い「1人で社長として頑張れない」というマインドの相談である。

島袋氏はこれに強く共感し、「俺も1人で頑張れない」と話す。できないわけではない。ただ、自分が食べていけるだけの状態で満足でき、高みを目指す必要がないのだという。だから外部株主を入れてケツを叩いてもらい、大きな責任を負って挑戦する、と自身のやり方を語った。秋山氏も同じで、自身にも外部の人についてもらっていると明かした。

秋山氏は、SNS運用、広告運用、営業支援のような差別化しにくいサービスを受託する会社ほど、「これをやっていて意味があるのか」「このままで稼げるけれど、ずっと自分が稼働し続けるのか」と迷いやすいとも指摘する。これは秋山氏自身の経験でもある。同社は現在6期目だが、4期目まではSNS運用やインフルエンサー事務所といった仕事をしていて、本人いわく「うだつの上がらない系人生」の4年間でもんもんとしていた。AKEY会を立ち上げて初年度に3億円規模の売上を作ったところから変わったという。

秋山氏は自分のモチベーションについてもこう語る。たとえば目標を達成できなければ家族に危害が及ぶと言われれば頑張れる。しかし、ブランド品や家、FIREといった欲望は、叶わなくても死ぬわけではない。そこそこ豊かに暮らせるので頑張る理由がなく、折れてしまう、というのが秋山氏の見方だ。

半年間の伴走パッケージの中身

1人で頑張れない経営者向けの支援は6ヶ月間のパッケージだと秋山氏は説明する。月2回、秋山氏との面談がある。中身の一つは営業ノウハウで、同社は多いときに経営者とのアポを500件ほど取っていたため、どんな施策でアポが取れるかをすべて伝えるという。

もう一つはサービスの作り方やプラン設計である。秋山氏は、AKEY会で初年度3億円ほどを作ったこと、ビジネスマッチングも始めて3ヶ月目ほどで売上数千万円が出ていて粗利も高いことを挙げ、短期間で事業を伸ばすのが得意だと述べた。これらを半年で自分たちでできるようにする「内製化支援」を掲げている。コミュニティ形式なので、同じ課題を持つ仲間と学び、合宿なども行う。ビジネスマッチングは希望者向けで、アポ単価や成功報酬が別にかかる。

島袋氏は「すげえ響く」と応じた。2〜3年前、秋山氏のことを少し怪しいと思いながら相談し、紹介を受けた結果、今の事業の一部が生まれ、経済的にも潤ったという。経営者はちょっとしたきっかけで変わるものだとし、自身も数ヶ月前にもんもんとした時期を経て「やる気スイッチ」を押したら、同じ出来事でも捉え方が変わり、働くのが楽しくなって事業が伸びたと振り返った。

公開コンサル①「持っているお金を全部使えばいい」

話は島袋氏自身の相談に移る。1人で頑張れない自分はどうすればいいかと問われた秋山氏は、「今持ってるお金全部使えばいいんじゃないですか」と答えた。頑張らないと会社が潰れるくらいの大きな投資をすればいい、という提案だ。島袋氏は過去の失敗を経て以前よりお金の使い方に慣れ、実力も上がっているはずなので、投資でリターンを得る確率も上がっている、というのが秋山氏の見立てである。ROASの計算はしっかりしつつ、取れる選択肢は以前より増えているはずだから、もうリスクを取りに行っていいのではと続けた。島袋氏は「ちょっとビビってたな」と応じ、今のままなら大きくへこまず先も見えるが、それでいいのかと迷っていたことを認めた。

超一流人材を市場の5倍で採る

秋山氏は、自分がやって良かったこととして、ある経営者から聞いた話を紹介した。2歳ほど年上で年商200億円に届きそうだというその経営者は、超優秀な人材を超高い給料で採用しているという。新規事業をやるときは、すでにそれができそうな人を社外から見つけて高い給料で採用し、それで全事業が大きく伸びているという話だった。

秋山氏はこれを受けて、ビジネスマッチングを立ち上げる際、営業責任者に「28年生きてきた中で一番すごいと思った人」を、かなり高い報酬で迎えた。結果として事業は大きく伸び、トッププレイヤーなので自分で数字を上げてくれるうえ、マネジメントもしっかり担ってくれるため、秋山氏自身のマネジメント負担はほぼなくなったという。秋山氏は、超一流の人材を市場の5倍ほどの報酬で採用してみてはどうかと島袋氏に勧めた。

島袋氏は、ミダスキャピタルの吉村氏が以前の動画で人材へのこだわりを語っていたことを思い出したという。エアトリの時代、新規事業がなかなか立ち上がらなかったが、傑出した人材を採用したら一気に変わってグロースした、という話だ。1人の力で事業が一気に改善するので、圧倒的な成果を出してきた人をいかに採用するかにこだわる。その話と今回の話がつながり、組織を考えるうえでのヒントになったと島袋氏は述べた。

公開コンサル②クラブピラティスの増店と初期費用

秋山氏が島袋氏の会社で最も伸ばしたい点や課題を尋ねると、島袋氏は「高い目標を掲げたら課題は切りがない」と答えた。クラブピラティスをもっと増やしたい。そのためには業務改善が必要で、高速でPDCAを回して実績を作れる人がほしい。M&A BANKのチャンネルを伸ばし、アドバイザーへの相談を増やし、アドバイザーも採用したい。一方で、目標を高く持ちすぎるとハレーションが起きることもあり、迷いもあると語った。

秋山氏が整理すると、ピラティス事業の課題はFC加盟の拡大で、そのためには加盟者の開拓だけでなく既存店舗のオペレーション改善が必要ということになる。島袋氏は、基本的には既存オーナーがさらに儲かれば増店のスピードが上がり、新規を取らなくても増えていく理屈なので、その増店率を上げる施策を回してくれる人がいれば理想的だと説明した。

増店しないオーナーのネックを問われた島袋氏は、クラブピラティスは初期費用がかなり高く、その重さがあると答えた。機材、建築、物件取得費を一緒に考えて安くし、実装までコミットできる人がいれば良いかもしれないという。

これに対し秋山氏は、本当にやりたい人はお金をかき集めてでもやるので、「やりたい」と思わせるネタ作りが大事だと返した。FCで重要なのは「1億円払ってでも1億円以上儲かるかどうか」で、ROASさえ合っていれば払わない理由はない。1億円払えば1億円以上儲かる箱を作り、導入事例などで理解してもらう。つまりROASの合うサービスを作って広げるだけだ、というのが秋山氏の考えである。いいサービスを作るうえでのボトルネックは現場に入らないと分からないと断ったうえで、その一つがオープン済みスタジオの収益改善であり、現場に入って収益が上がらない原因を特定し解決する人材が必要なのではと確認した。島袋氏は「まさにそういうの」と同意した。

「年収6000万円で採っても回収できるモデル」をめぐって

秋山氏は具体的な試算を示した。店舗の収益改善・オペレーション改善ができる人を月500万円、年6000万円で採用したとする。市場相場からすれば高い。しかしそれで1店舗あたりの収益が例えば10%改善すれば、その分が店舗数だけ積み上がる。既存オーナーの満足度が上がって増店率がどれだけ上がり、新規獲得にどれだけ効くかが分かれば、6000万円払ってでも採用できると判断できる、という考え方である。

島袋氏は「6000万はちょっと高いわ」と笑いつつ、1000万円や3期のスポットならありかもしれないと応じた。大枠の考え方には賛成で、業務改善のスペシャリストを今の店舗に入れて何ができるかを試す必要があると思った、と述べた。秋山氏が「全然回収できると思いますけどね」と重ねると、島袋氏は年収6000万円にビビっているだけだと認めた。秋山氏は、自社で採用した営業責任者にもそれくらいの金額を払っていると明かしている。島袋氏は、計算したらできるかもしれない、社内から「6000万でやります」と手が挙がるかもしれない、と冗談交じりに返した。

秋山氏は、AKEY会を運営してきて痛感したこととして、儲かるビジネスを作ることの大切さを挙げた。儲かるビジネスでなければいい人材に十分な報酬を払えない。いい人材が集まれば顧客やシェアを増やせる。たとえば1億円でCOOを採用しても、1億円以上のリターンが出ればいい。だからこそ、それだけのリターンを出せる事業を作らなければならないと最近考えている、と語った。島袋氏は「また新しい視点をもらった」と受け止めたが、年収6000万円という数字に踏み切るかどうかは、この場では決めていない。

終盤、島袋氏は、このサービスがコミュニティとビジネスマッチングの両方を含むのかを改めて確認した。秋山氏は、個別の無料相談で面談したうえで案内し、相談にはすべて本人が対応すると答えた。島袋氏が「M&A BANK特典」を求めると、秋山氏は内容は未定のまま「なんかつけます」と引き受けた。