着物と服で歩けなかった2階を衣装部屋と寝室に 床置きだらけの一軒家、完結編

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概要

古堅純子さんの「週末ビフォーアフター」で3回にわたって取り上げた一軒家の完結編である。住んでいるのは3人家族。前回は1階の物を2階へ寄せ、リビングと和室の景色を変えることに成功した。今回の課題は、その寄せた物を2階でどう収めるかだ。2階には大量の洋服と着物があり、もともと歩くのも難しい状態だった。古堅さんのチームは限られた時間で、元夫婦の部屋を衣装部屋に、もう一部屋をお母さんとおばあちゃんの寝室に作り替えようとする。

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前日の嵐と「和服の墓場」

作業の冒頭では、チームがこの家の服の量に圧倒されていた様子が語られる。前日に家を見たメンバーの一人は服の多さが頭から離れず、珍しく眠れなかったという。古堅さん自身も、前日に来た途端に嵐に見舞われたことを冗談めかして振り返る。「天からも見放されている」「日本の文化を冒涜するような部屋は良くない」と笑いに変えているが、着物が大量に積まれた部屋を、後に古堅さんは「和服の墓場」と呼んだ。息子の部屋を片付けるどころではなく、廊下にも物があふれていた。

作業中、現場の空気が重くなった場面もある。古堅さんは「雰囲気が暗い」「良くない」と言い、小さなことでも喜びを分かち合って、みんなで明るくやろうと声をかけている。

着物をどうするか、依頼者もまだ決めていない

最大の懸案は着物だった。依頼者のお母さんに聞くと、掛けてある着物は手元に残したいが、それ以外はとにかくしまいたいという。将来的には処分するか、帯などに作り替えるかを考えているものの、まだ結論は出ていない。

古堅さんはここで、まず種類ごとに分類すること、そして収める場所を作ることを優先した。人に譲るにしても、スペースがなければ動かしようがないからだ。依頼者が決めきれていない物について、その場で要不要を迫ることはしていない。

部屋を「衣装部屋」と「寄せ部屋」に分ける

2階の方針は、部屋の役割をはっきり分けることだった。元夫婦の部屋の片側をクローゼットとし、洋服を並べて人が歩いて回れる「ラウンド」できる状態にする。もう一方の側は「寄せ部屋」として、布類や見栄えのよくない物を集める。古堅さんは、下の階の景色を変えたいので、2階に上げる物はいくらでも受け入れる構えだと話している。そのぶん2階のこちら側は物が積み上がるかもしれない、とも認めている。

作業の指示もこの大枠に沿っていた。細かく判断するのではなく、物の系統ごとに大まかに寄せていく。本の類は決めた場所に積みたいので、そこを空けるためにとにかく移動させてほしい、という具合である。押し入れの上段にある物を上へ持っていくといった細かな確認も、そのつど現場で飛び交っていた。

動かない家具と、足りない時間

中盤は力仕事の連続だった。家具を動かそうとしても、下にはバッグが大量に埋もれており、上には物が載っている。絨毯を噛んでいないかを確かめ、中の板や中身を全部出してから動かそうとするが、一度は「もうこれ絶対動かんわ」と古堅さんが声を上げるほど動かなかった。掘り出すべきかどうか迷いながら作業を進める場面もあり、別の家具は中身を出しても入らないことが分かって配置を考え直している。

終盤に入ると時間が切迫する。「今3時半です」「あと30分でも厳しい」というやり取りがあり、ピアノやベッドなど大物がまだ残る中で、何をどこまで入れるかをその場で決めていった。古堅さんによれば、最後の1時間は「ひっちゃかめっちゃか」で、全員で動いたという。

完成した衣装部屋

2階の衣装部屋は、朝から最後まで一人のメンバーが担当しても終わらなかったと紹介される。それでも、廊下に山のように掛かっていた物は一つも残っていない。元夫婦の部屋は、依頼者の希望どおり衣装部屋に生まれ変わった。

部屋の中はぐるりと回れる動線になり、着物のエリアと普段着のエリアに分かれている。ただし、見きれなかった物が一角に残っており、これは依頼者自身が追って整理してほしいと古堅さんは伝えた。依頼者は「1人じゃ考えつかない、思いつかない」と感想を述べ、古堅さんは「下より喜んでいる」と笑った。

「動線に物を置かない」という約束

古堅さんが依頼者に強く求めたのは、動線上に物を置かないことだった。入り口に物を置くと、そこから溢れて階段の手すりにまでいろいろな物が掛けられてしまう。だから、決めた境界線の内側には必ず入れる。この部屋はどれだけ散らかしてもいいが、他の場所は散らかさない。これだけは約束してほしいと念を押した。

しまうことが苦手な人に合わせた仕組みでもある。古堅さんは「しまえない女にはしまわせません」と言い、この部屋では「置くだけ、かけるだけ」を徹底すればよいと説明する。取り込んだ洗濯物も全部ここに置くと決めるだけで家事はずっと楽になるはずだ、というのが古堅さんの見立てである。この部屋には作業台と作業スペース、ドレッサーまでそろっており、依頼者はここで仕事もできる。古堅さんは、家の階数より机の数のほうが多いと冗談を言い、「こんなに贅沢な家はない」と話した。

長男の部屋に手をつけなかった理由

古堅さんは、今回長男の部屋は片付けられなかったと最初に断っている。理由の一つは時間だが、それだけではない。古堅さんのやり方は関係者がそろって作業することが基本で、人数が多ければ同時に複数の部屋を進められる。しかし、本人がいないところで部屋を勝手に片付けることには慎重にならざるを得ない、という。衣装部屋とお母さんたちの寝室を作るために、長男の部屋は後回しになった。

その代わり、階段の手すりに掛かっていた長男の服はすべて衣装部屋へ移した。ここで着替えるようになれば、長男の部屋も少しずつ片付くだろうと古堅さんは考えている。さらに、この部屋を見れば長男も少しは片付けたくなるのではないか、娘さんと3人で頑張ってほしい、と期待を込めて話した。

お母さんとおばあちゃんの寝室

最後に紹介されたのは、お母さんがおばあちゃんと一緒に使う寝室だ。時間の都合で収納の中までは手が回らず、物を寄せる形になったと古堅さんは認めている。1階の和室にあった組み立て式のベッドは、もともと娘さん用だったが、お母さんのベッドとして使うことになった。おばあちゃんのベッドと合わせて、同じ部屋に2台が並んだ。依頼者は今日からベッドで寝られることになる。

古堅さんはここでも冗談交じりに裏話をしている。時間が過ぎているのに家具を動かすと言い出され、腰が悪いので座っていてと前日に言われていたのに、当日は誰も声をかけてくれず、腰を削るようにして床拭きをしたという。そのうえで、お母さんには困難を乗り越えて明るく生きてほしい、ただその気持ちでここまでやった、と語った。

6時間で変わった景色と、残された課題

感想を求められた依頼者は、何年もかけても自分では景色がまったく変わらなかったのに、たった6時間でここまでしてもらえた、と驚きを口にした。

古堅さんは、細かいところは見ないでほしいと返している。自分たちは景色は作れるが、物の整理まではできない。寄せただけの物がたくさん残っていて、「志半ば」なのだという。そのうえで、この先は一人で抱え込まず、娘さんと協力してほしいと伝えた。娘さんにはお小遣いをあげたり、おいしいものを食べさせたりしながら、少しずつ手伝ってもらえばいい、という助言である。

娘さんは、家が散らかっていたときは帰るのも憂うつだったが、こんなにきれいにしてもらえたので月に1回は帰ろうかと思うほどだと話した。古堅さんは、食卓でおいしいものを食べていろいろな話をし、寝る場所もあるのだから、ゆっくりしてお母さんと話し合えるようになってほしいと応じた。そして、それがお父さんの願いだと思うので家族の時間を大切にしてほしい、と締めくくった。依頼者が「大成功です」と答え、作業は終わった。

番組の最後に古堅さんは、物が多すぎてトラブル続きだったが、なんとか2階の衣装部屋と寝室を生まれ変わらせることができたと振り返った。これからは娘さん夫婦を呼んで、楽しい時間を過ごしてほしいと話している。ただし、衣装部屋に残った未整理の物、収納の中身、手つかずの長男の部屋は、家族が今後取り組む課題として残された。