家出したアムロと「灼熱のアッザム・リーダー」を岡田斗司夫が読み解く
岡田斗司夫岡田斗司夫は、『機動戦士ガンダム』TVシリーズを1話ずつ解説する連続講座で、第18話「灼熱のアッザム・リーダー」を2回に分けて取り上げた。前話「アムロ脱走」でガンダムごとホワイトベースを飛び出したアムロ・レイが、近くの廃墟にこもって拗ねている。この回の筋はそれだけの地味なものだ。それでも岡田は、アムロやホワイトベースの面々の細かな心理と、連邦とジオンの戦争の転換点が描かれた見どころの多い回だと位置づける。一方で、後半の戦闘シーンについては「ガンダムで一番間抜けなシーン」と笑い、苦しい理屈で弁護を試みたうえで、最後には無理があると認めている。
劇場版では省かれた「地味な回」
岡田によれば、第18話はドラマ的には見逃せないが、ストーリー上はなくても成り立つ回である。そのため劇場版ではこのあたりが省かれている。ただ、ここを省くと、アムロが脱走した直後にランバ・ラルと出会う流れになり、見通しが良すぎて「すべてのものの距離が近すぎる」印象になる。だから自分はこの回が好きだと岡田は言う。
見るべきポイントとして岡田は二つ挙げる。一つは、逃げたアムロと、追いかけてくる幼なじみのフラウ・ボゥのやり取りだ。フラウは結果的にアムロとホワイトベースの間に挟まれ、つらい思いをする。もう一つは、この回あたりからジオンの新兵器が少しずつ登場し始めることである。
台詞のないキシリアの初登場と「ザビ家のシャア」説
物語はアムロではなく、月のジオン前線基地グラナダから戦艦グワジンが発進する場面から始まる。ナレーションは、ザビ家の長女でジオン軍突撃機動軍司令のキシリア・ザビが、資源の発掘にあたるマ・クベのもとを訪れようとしていると説明する。岡田はこのナレーションを「日本語がむちゃくちゃ」と評する。「最も重要である資源の発掘に当たっている」という長い修飾語がマ・クベにかかっているのに、そのタイミングでキシリアの顔がアップになるため、発掘をしているのがキシリアに見えてしまうからだ。
岡田が注目するのは、キシリアの初登場に台詞がないことである。デギン、ギレン、ガルマ、ドズルは、初登場時に必ず人物像がわかる台詞があった。キシリアだけは、フラッシュのような登場と顔のアップだけで済まされている。岡田は、この時点ではまだキシリアのキャラクターがあまり固まっていなかったのではないかと推測する。
そのうえで岡田は、キシリアを「ザビ家のシャア」と見ている。シャアは目だけを隠す仮面をかぶり、キシリアは目だけを出す仮面をかぶる。シャアが殺された父(と母)のために復讐を誓い、妹を思う「家族のために復讐する」人物だとすれば、キシリアは父を殺されたがゆえに実の兄ギレンを殺す宿命を負う「仮面をかぶって家族を殺す」人物だという。シャアが妹を強く愛するのに対し、キシリアはガルマが死んでも大してショックを受けず、むしろショックを受けた父を心配する。最後まで「お父さん大好き」なキャラクターとして描かれ、ギレンを撃つときも父の仇と言って撃つ。後の回(岡田は41話あたりと記憶をたどる)でシャアとキシリアが互いに仮面を外して本音を語り合う場面がスリリングなのも、この対称性があるからだと岡田は述べる。
廃墟のアムロと、夜空を横切るアッザム
サブタイトルの後、アムロは砂漠のゴーストタウンに身を隠している。ただしガンダムで歩いてきたので、町には巨大な足跡が残っている。ガンダムには布をかぶせ、空から見ればカムフラージュになっている程度だ。岡田は、何の用意もなく私物だけ持って飛び出したのに、よくこれだけの布があったものだと笑う。
アムロは持ってきた缶詰を食べ、物音がするたびに右手に置いた銃を構え、しばらくするとまた食べ始める。宇宙に出てからまともに眠れなかったと不満を言っていたホワイトベースより、一人の生活のほうがはるかに眠れず辛い。アムロはそれを思い知らされている最中だと岡田は読む。
物音の多くはネズミや風だったが、あるとき明らかに違う轟音がする。見上げると黒い影が通り過ぎる。これがジオンの新兵器アッザムだ。4本の脚がついた移動砲台で、岡田は戦車に近いものだと見る。監督の趣味からすれば本当はこうした兵器のほうが実用的だと考えていたのかもしれない、ただしあまりかっこよく描くわけにもいかなかったのだろう、と推測する。そして、この段階でアッザムを出しておいたことがシリーズ後半へのいい伏線になるとも指摘する。
カメラはアッザムの窓に寄り、アムロの視点で、中でキシリアとマ・クベが話している姿が見える。ここまで台詞はほとんどない。ナレーション、砂漠の町、足跡、隠したガンダム、怯えながら缶詰を食べるアムロ、そしてアムロには意味のわからない丸い物体と「偉そうなやつ」。岡田は、この時点ではアムロ自身もこれをどう解釈していいかわからない状態として描かれていると説明する。
ホワイトベースの怒り――「ゾンビに囲まれたスーパーマーケット」
場面は別のゴーストタウンに着陸したホワイトベースに移る。会話はフラウが説得されている途中から始まる。岡田は、アムロの居場所はもう全員が見当をつけており、話題は「誰が連れ戻すか」になっていると読む。
ハヤトが「アムロが帰ってきたらどうするんです」と聞くと、カイは「脱走者は死刑に決まってる」と言う。ブライトは軍規ではそうなっていると言い、セイラは「必要ならばそうするってことよ」と突き放す。岡田は、前々回に自分こそえげつない命令違反をしたセイラがこの回は徹底して冷たいと笑う。ミライが「およしなさい、セイラ」と止め、リュウが「俺たちは正規軍じゃないんだから、そんなことはしない」となだめても、セイラは「アムロのわがままを通させるわけにはいかない」と重ねる。フラウは「アムロが出ていったわけがわかったわ」と怒り、説得は場面の中でほぼ失敗している。
岡田は、昔はなぜ彼らがここまで怒るのかわからず、アムロ寄りに見ていたと振り返る。年を取って見返すと、ホワイトベース側の気持ちがわかるようになった。ポイントは「脱走」ではなく「ガンダムを盗んだ」ことだという。周囲は敵だらけで、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクがあるから生き延びてきた。岡田はこれを、ゾンビに囲まれたスーパーマーケットに100人ほどが立てこもっている状況にたとえる。3丁しかない銃の1丁を持ち逃げされたら、誰でも怒る。「百歩譲って逃げるのは仕方ないとしても、ガンダムは置いていけ」というのが皆の本音だろうと岡田は言う。
フラウの追跡と、銃を向けるアムロ
フラウはバギーでアムロを迎えに行く。岡田はまず、画面が斜めに傾いた構図に注目する。これがフラウの不安を表しているという。この回は14〜15歳の少年少女の冒険譚でもあると岡田は捉えている。第1話ではアムロが運転するエレカの助手席に座っていたフラウが、今は一人でバギーを飛ばし、後の回ではギアを切り替えてホバークラフトに変形させて飛んでいく。フラウがどんどんたくましくなっていく流れが見えるという。
運転中のフラウは、ミライの「みんなにバカな真似はさせないわ、私が責任を持つから」、リュウの「俺も保証する」という言葉を思い出す。岡田は、味方と言えるのはこの二人ぐらいで、その精一杯の約束も「悪いようにはしない」程度なのだと指摘する。
探す手間はない。砂漠にはガンダムの足跡がくっきり残り、町には昨日開けたばかりの空き缶が落ちている。角を曲がればいきなりガンダムの顔がある。岡田はここから、ホワイトベース側も実は面子を保ったまま平和に戻ってきてほしいと考えていたと読み取る。軍法違反だ死刑だと口では言うが、それはゾンビの群れの中で銃を持ち逃げされた不安をアムロにぶつけているだけだ。本当は「シャンシャン」で終わりたいからこそ、一番頼りにならない女の子一人に車を1台与えて「呼んできて」と頼んだ。この時点ではまだ「サークルの仲間割れ」に近かったと岡田は見る。
フラウが見つけたとき、アムロは携帯ストーブの前で毛布をかぶり、座ったまま眠っていた。気配で飛び起き、壁際で銃を構える。昨日の空耳ではなく足音だと確信し、完全に殺すつもりで待っている。一方のフラウは、毛布や缶詰の跡を見て「やっぱりここにいた」と安心して入ってくる。岡田はこの対比をうまいシーンだと評する。銃を向けられて怯えた顔をしたとき、フラウは初めて、アムロがどれほど追い詰められているかを知るのだという。
「許してくれる」の一言と、歩いて去るガンダム
フラウはできるだけ気軽に「みんな心配してるわよ」と話しかける。アムロはガンダムを指して「みんなが心配してるのはこいつだろう」と返す。フラウが「今帰れば許してくれる」と言ってしまうと、アムロは「許す? 何の話だい」と引っかかる。岡田によれば、アムロには許されない悪いことをしたという自覚があまりない。皆がどれほど怒っているかという発想もなく、視野が狭くなっている。だから「許してくれる」と言われて腹が立つ。一方で、「必要なのはガンダムで俺じゃない」というアムロの見方自体は、前回のラストで語られた通り当たっているかもしれない、とも岡田は認める。
アムロは「僕の気持ちがわかるもんか」と言ってコクピットのハッチを閉める。岡田は中二病っぽいとしながらも、このプロセスはシリーズの中で一度は絶対に必要だったと言う。アムロは戦いを望んで始めたわけではないが、最終的には戦争に積極的に関わる人間になる。そのためには、母とのことやククルス・ドアンの回などを経たうえで、この最もしんどい感情の場面を通らなければならなかった。以前のアムロなら「ガンダムを降りろ」と言われても「それでもいいですよ」と言えたはずだ。いつの間にか「ガンダムで認められているのが嫌だ」という気持ちになっていた。それがはっきりしたのが前回であり、今回の「僕の気持ちがわかるもんか」の中身は台詞としては語られない、と岡田は整理する。
ここでガンダムは飛び去るのではなく、歩いて去る。フラウはバギーでその後を追う。岡田は、ロボットアニメらしくない間抜けさがありつつ、この回は久しぶりに作画が良いと言う。特に好きだというのが、バギーが逆向きに停まっていたため、フラウがバックしながら頭をガンダムの方に向けて走り去るカットである。現場は面倒でやりたくなかっただろうが、絵コンテにあるから描いたのだろう。こうした細かい「手間場のリアリティ」の積み重ねが面白さを作っていると評価する。
ソリウム鉱山と「戦後の支配」
拗ねて歩くうちに、アムロはジオンの採掘場を見つけてしまう。身を隠したガンダムは頭部から集音アンテナを出し、キシリアとマ・クベの会話を傍受する。マ・クベは「1トンあたり2グラム、予想通り良質のソリウム鉱床です。あと五つもこの程度の鉱床を掘り当てれば」と言う。キシリアは、ソリウムに限らず連邦に貴重な資源を1グラムたりとも渡してはならない、それがこの戦いを勝利に導き、ひいてはその後の支配の確立にもつながる、と応じる。
岡田は、ここでキシリアが気を許した部下の前でだけマスクを外していることと、「戦後の支配」を考えている点に注目する。戦争に勝っても反乱が続けば、勝った意味がなくなる。岡田はナチス・ドイツ占領下のパリを例に挙げる。反乱軍に武装させないため、そして貿易権などの経済的利益をザビ家だけが握るため、キシリアは戦争に勝つためだけでなく、地球の資源が一切連邦側に渡らない仕組みを作れとマ・クベに命じている、と岡田は解釈する。
覗き込むアムロのもとにフラウが近づく。隠そうとするガンダムの指の間に割り込んで「わあ、すごい」と言う。三角形の隙間の手前にフラウの顔、奥にコクピットを開けたアムロを配した構図を、岡田は説明的だが絵として決まっていると評する。フラウは発見の重要性に気づいてホワイトベースへ知らせに戻り、アムロは偵察に残る。
ガンダムを整備していた子供たち
その頃、ホワイトベースでは苛立ちが頂点に達している。これまで出てこなかった整備員たちが急に登場する。溶接作業をしながら「こいつがジオンに寝返るってことはないだろう」と話し、年少の少年が「ありうるぜ、ガンダムを土産に持っていきゃ英雄扱いだ」と言う。ジョブ・ジョンが諫めるかと思えば「何しろ脱走した奴だからな」と乗り、「冗談じゃないぜ、まったく」と言いながら作業を続ける。
岡田によれば、この少年たちは制服を着ているが、どう見ても小学校高学年ぐらいだ。これは作画ミスではない。ホワイトベースに元々いた大人の兵士は戦死するか、ルナツーで負傷兵として降ろされた。残っているのはサイド7から逃げてきた子供と老人で、老人もほとんど降りた。本当に子供しかいないのだ。気が利いて年長の者はブリッジ周りにいて、よく出てくる少年でも11歳ぐらいである。
岡田が強調するのは、この子供たちこそ、アムロが寝ている間も寝ずにガンダムを修理し、次の出撃の準備をしてきた者たちだという点だ。アムロは「自分だけが兵隊でもないのに戦わされている」と言うが、整備する側もまた正規兵ではないサイド7の難民である。彼らにとってアムロは、ついこの間まで同じ学校にいて自分たちをこき使っていた年上の兄ちゃんでもある。だからこそ脱走が余計に許せないのだと岡田は読む。
なお、配信中のコメントで、この頭の大きな少年に「カル」という名前があると知らされた岡田は、自分も知らなかったと言う。そのうえで、当時アニメ雑誌の記者が毎週のように富野由悠季に張り付いて名前を尋ね、富野がその場でひねり出して答えることが半年ほど続いたと聞いている、その結果かもしれない、と付け加えた。
余談:軍艦のブリッジは空にできない
第2回の冒頭で、岡田は軍艦のブリッジについて短く補足した。岡田が以前読んだ資料では、軍艦のブリッジには24時間、責任者となるかなり階級の高い士官、操舵担当、連絡要員など最低3人がいなければならないという。ホワイトベースも停泊・整備中であっても、ブリッジに鍵をかけて無人にすることはあり得ない。だからミライやブライトやその代理が常に詰めることになり、慢性的な人手不足になる。
岡田はイギリス海軍の例も挙げる。艦長が死ぬなどしてブリッジ要員がいなくなった場合、最古参の士官が艦長代理となり、乗組員だけでなく乗り合わせた民間人や報道関係者からも志願者を募って当直ローテーションに入れる。追い詰められれば艦長が指名して強制的に徴用できる。軍艦の艦長は裁判官も兼ねるほど強い権限を持っている、と岡田は説明する。
「ここを潰せばオデッサ作戦はいらない」というアムロの勘違い
偵察を続けるアムロは、基地にザクが一機も置かれていないことに気づく。岡田によれば、アムロにとってオデッサ作戦は「連邦軍が今目の前の基地を潰すこと」に見えてしまった。オデッサの場所も、マ・クベの鉱山の全体規模も知らない。そこに地平まで続く鉱山基地があり、明らかにありえないほど偉い人物がいる。実際、鉱山基地のトップであるマ・クベがたまたまいた。アムロは「これならできる。ガンダムでここを潰せば連邦軍が動かなくて済む。もうブライトさんにもミライさんにも口を出させるもんか」と、味方してくれたミライまで敵に見えている。岡田は、悪意ではなく「自分が今一生懸命働けば全部解決する」という突破口を見つけた気持ちだったと読む。
アムロは気づかれてもいない基地にいきなりビームライフルで先制攻撃を仕掛け、反撃が始まったところでCMに入る。
「お前がやってみせよ」――キシリアの怒りを理屈で補う
CM明け、長い廊下をエレカで移動するマ・クベは、同乗するキシリアから「モビルスーツを前もって発見できなかった失敗、許しがたい」と叱責され、消え入るような声で「キシリア様」と答える。キシリアは「アッザムの性能テストには良い機会です。お前がやってみせよ」「直接連邦軍のモビルスーツを見るのも今後の作戦には役立とう」と命じる。
岡田は、基地の最高責任者である大佐が自ら新兵器に乗るのは無茶で、マ・クベが戦下手なのはキシリアも知っているはずだと言う。そのうえで「SFレスキュー隊」として、合理的に説明しうる理由を三つ考えてみせた。
第一は、苦手なことを避ける根性への怒りである。マ・クベが事務方で軍人向きでないことはわかっているが、敵との戦闘はランバ・ラルに「外注」したつもりで油断していた。もうすぐオデッサで戦うのはお前自身だ、補給と情報だけ出していればいいわけではない、というわけだ。キシリア自身はマスクをつけて宇宙から地球に降りるという不得意なことをしているのに、マ・クベは苦手なことを避けて壺を集めている。さらに、ランバ・ラル隊はドズルの配下であり、自分の拠点が襲われればドズルに対するキシリアの面目にも関わる、という事情もあったかもしれない。
第二は、マ・クベに軍人としての箔をつけさせたいという期待である。マ・クベはキシリアの腹心だが、すでに大佐で、これ以上引き上げるには戦功が必要になる。ガルマですら手柄なしに昇進しても国民は納得しないと言っていた。しかも鉱山事業はジオン本国でも規模を隠しているため、マ・クベの大きな貢献は軍内ですら知られていない。「ひいき」と言われずに引き上げるには、連邦の新兵器を自ら落とすのが一番だった、と岡田は考える。
第三は、連邦のモビルスーツを直接見ておく必要である。この時点でシャアはすでにキシリアの配下に入っており、後のニュータイプ部隊につながる動きが始まっている。岡田によれば、ギレンもドズルも見逃しているニュータイプを使った戦争が、モビルスーツ登場時のように戦局を変えるかもしれない。キシリアはそれに半信半疑ながら賭けつつ、新型機も開発していた。アッザムでどこまでできるか試させたかったのではないか、というのが岡田の推測だ。本人も「理屈で考えるとこれぐらいしか思いつかない」と前置きしている。
モビルアーマーとニュータイプ、キシリアの二つの路線
岡田はさらに後半の展開を踏まえ、キシリアの人事の意図を読む。ソロモン攻防戦でドズルが敗れた後、マ・クベはグラナダから残存艦隊を率いて救援に向かうが、間に合わない。「急いで来たのにもう戦争は終わったじゃないか」と他人事のように言い、さっさと帰ろうとして、部下から、逃げてくる味方を助けてくれると信じられるから自分たちは命令一つで死ぬかもしれない戦いに行けるのだ、と諫められる。するとマ・クベは「なるほど」と救助を始める。岡田はそうエピソードを語り、マ・クベとはそういう人物だとまとめる。ジオンは地球連邦の腐敗を正すと掲げる「進行国家」であり、ナチス・ドイツのように思想を背負った軍隊である。指揮官は部下より優れた姿を見せなければならない。それはスペースノイドが地球人類より偉大であることの見本になるからだ。キシリアはマ・クベの人望のなさを知っていて、まず前に出て戦ってみせろと性根を入れ替えさせようとしたのかもしれない、と岡田は言う。
もう一つの読みはモビルアーマーの位置づけだ。岡田の説明では、モビルスーツは人間の宇宙服・作業服を18メートル程度まで大きくしたもので、モビルアーマーは宇宙戦艦を2人乗り程度まで小さくしたもの、まったく別のアプローチの兵器である。キシリアは連邦に勝つために、反応速度の速い「人間を超える人間」を乗せるニュータイプ路線をシャアに、ニュータイプ抜きでも「ダメな人間でも勝てるスーパー兵器」の路線をマ・クベに任せていたのではないか。そう考えると、エルメスのような例外はあるにしても、シャアの部隊にモビルアーマーが少ない理由も辻褄が合う、と岡田は述べる。
喋るガンダムと、横並びで操縦する二人
戦闘はまず戦車隊、次に地下から現れる格納式トーチカとの撃ち合いになる。岡田によれば、トーチカのビーム砲は地下の膨大なエネルギー源から供給を受けているため、ガンダムのビームライフルよりはるかに強力だ。ガンダムはライフルも盾も吹き飛ばされるが、ほぼすべての砲台を沈黙させる。油断した瞬間、あの夜に見た黒い物体が頭上を通過して着陸し、ようやく全体の形が見える。
コクピットには、マ・クベの隣にキシリアが並んで座っている。岡田は、教習所の教官席のようで、ブレーキがついているのではないかと思うほどの距離だと言い、これを『機動戦士ガンダム』で一番間抜けなシーンだと笑った。命令するなら後方にいればいい。アッザムが圧倒的に優位なら中にいるのが一番安全だという理屈は立つが、それにしても二人横並びでキシリアが「なんとかせよ」と逐一命じる構図は、タイムボカンシリーズのようだという。
アッザムは真上を取り、金属の粉を撒く。ガンダムは何も考えずにそれを撃ち落とし、粉が周囲に降る。続いて「アッザム・リーダー発射」の号令で、プロペラで飛ぶ装置がガンダムの周りにワイヤーを張り、電磁波を出す。岡田はこれを、金属粉を加熱する電子レンジのような仕組みだと説明する。表面温度は4000度に達し、ここでガンダムが初めて喋る。「パイロットおよび回路保護のため、全エネルギーの98%を放出中」。岡田は初放送当時、これを『ベルトクイズQ&Q』のコンピューターのようだと思ったという。機体内にエネルギーが残っていると誘爆するため放出しているのだが、アムロは「98%、それじゃ動けない」とうろたえる。
やがて電磁波が弱まり、ガンダムが「攻撃エネルギー低下」と二度目の発話をする。アムロは動けるようになり、アッザム・リーダーを撃ち落とす。ガルマ戦以来のビームジャベリンを手にアッザムに飛び乗り、砲台を一つずつ潰していく。キシリアは「早く振り落としなさい」と命じ、アムロは「落とされてたまるか」と叫ぶ。上に乗られたら誰でも振り落とそうとするのに、それをわざわざ命じるキシリアは、もはや冷静なキシリアではないと岡田は突っ込む。
基地爆破の命令と「第102採掘基地」
劣勢になると、キシリアは「これまでのようです。機密保護のため基地を爆破しなさい」と命じる。マ・クベが「しかし、あそこにはまだ兵士どもがおりますが」とためらうと、キシリアは「構いません。何よりも国家機密が優先します」と言い切る。岡田は、ファンの間で部下を見捨てる冷たい人物と言われがちなマ・クベですら兵士を気にかけているのに、キシリアはそうではないと指摘する。キシリアにとって鉱山は連邦に渡してはならず、しかも味方にも知られてはならないものだ。だから敵に渡るくらいなら爆破する。岡田は、このやり口に「すごくシャアの匂いがする」と言う。
爆発でガンダムは吹き飛ばされ、アッザムは悠々と去る。キシリアは「連邦軍のモビルスーツ、噂以上の性能と見た。我らもテスト中の各モビルスーツの実戦配備を急がねばならない」と語り、後半の新型ラッシュへつなぐ。それでも岡田は、この回のキシリアの登場は明らかに失敗だったと断じる。ザビ家、その下の将軍、実際に出てくる部下という上下関係に気を遣って作ってきたのに、二人が運転席と助手席で戦ってしまったことで、「覚えておれ」と捨て台詞を吐くヤッターマンのドロンジョのようになってしまったという。
アムロは基地を落としたと素直に喜び、地下に入る。情報回路はほとんど破壊されていたが、見つけた命令書には「第102採掘基地」とある。自分が潰したのは百も二百もある採掘基地の一つにすぎなかった。戦争を終わらせたつもりになっていたアムロは、紙を投げ捨てて後悔する。
死にかけたジオン兵の「まさか」と「命がいくつあっても足らんぜ」
外に出ると、ジオン兵が倒れている。死者の半分以上は実は自爆によるものだろうが、アムロにとっては自分が手を下したことだと岡田は言う。兵士は母親の写真を取り落としている。アムロは水道の水を手ですくって飲ませる。砂漠の秘密基地に少年が現れたことに驚いて「君は」と聞く兵士に、アムロは「通りかかった者です。もうすぐ連邦軍かジオンの救助隊が来るでしょう」と不自然に答える。
岡田が好きだというのは、そのときの兵士の「まさか」という苦笑だ。ここは秘密基地であり、ジオンにとってすら存在しないことになっている。死んでも戦死報告が本国に届くかわからない。そんな任務に就かされていたのだから、救助が来ると言われても笑うしかない、と岡田は読む。
アムロは発煙筒を渡し、「希望はいつも持ってなくちゃ」と言って去ろうとする。兵士は呼び止め、「もしお前さんがあのモビルスーツのパイロットなら、信じられんがね、敵に甘すぎる。命がいくつあっても足らんぜ」と言う。アムロは怯えた顔で「ありがとう」と答える。
岡田は、昔はこれを粋な忠告と感謝のいい台詞のやり取りだと思っていた。今見直すと、兵士はこのとき殺意を持っていると読む。自分たちをこんな地の果てで、家族にも知られず死ぬ目に遭わせたのはこいつだと気づいた。しかしもう銃を持つ力はない。だから「命がいくつあっても足らん」とは「お前はいつか殺される」という意味であり、放送後の補足で岡田はこれを「俺が殺せなくても、俺の仲間がいつかお前を殺す」という呪いの言葉だと言い換えた。アムロの「ありがとう」は忠告への感謝ではない。少し良いことをしたつもりの相手から殺意を向けられたと初めて知り、怯えながらそう言うしかなかったのだ、と岡田は解釈する。
すれ違う双方と、フラウの「人の気も知らないで」
アムロの出番はここで終わる。フラウの知らせで駆けつけたホワイトベースは破壊の跡と発煙筒の煙を見つけ、確認に向かう。岡田は、おそらくあのジオン兵は助かるのだろうと見ている。ミライは「ここはメインベースではないわね」、セイラは「でなければガンダム一機に潰されはしないわ」と冷静に言い、ブライトは、ガンダムのせいで敵はガードを固めてしまったと判断すべきだと困惑する。セイラは「アムロ、今ごろ英雄気取りでしょうね」と言い、岡田は、この回のセイラはどこまでも嫌な女だと笑う。
岡田のまとめでは、双方に歩み寄りの気持ちはあった。アムロは手柄を立てて帰れば丸く収まると思い、ホワイトベースは仲の良いフラウを送って機嫌を直してもらおうとした。だが、アムロはやらなくてもいい戦いで虚しさを味わい、助けたつもりの相手から敵意を向けられた。ホワイトベース側は、余計なことをしたうえに英雄気取りだろうと反感を募らせた。姿が見えないアムロについてカイが「逃げたんだよ」と言うと、フラウはいたたまれずにブリッジを飛び出す。今度は誰にも頼まれていないのに、夕暮れの砂漠でバギーを走らせながら「何をやってるのよ、アムロったら。人の気も知らないで」とつぶやく。双方の気持ちがわかるフラウが、その間に挟まれたところでドラマは終わる。
岡田は、アムロが勝手に戦いを仕掛けたのは、頭を下げてではなく「お前がいなきゃダメだ」と言われる形で帰りたかったからだと見る。そして、その戦いが虚しかったと無言で思い知らされる場面を『宇宙戦艦ヤマト2』と比べる。ヤマトは26話かけて最後に「俺たちがやったのはガミラスを滅ぼしただけではないか」とやったが、ガンダムはそれを前半でさらりと、主人公に絶叫させず無言で見せる。そこに富野演出の凄さがある、と岡田は評する。
視聴者だけが全体を知る構成
放送後、視聴者から質問が寄せられた。マ・クベがわざわざキシリアを連れて視察に来たのだから、アムロが攻撃した鉱山は重要だったのではないか、というものだ。岡田はSFレスキュー隊としての想像だと断ったうえで、キシリアほどの重要人物の動きは隠しても諜報に引っかかるし、工場で作るアッザムの存在も秘密にはできない、と答えた。公式にはアッザムを届けてテストを見に来ただけで、秘密なのは鉱山の数と全体の埋蔵量だ。だから個別の鉱山の重要度は問題ではなかったのではないか、というのが岡田の見立てである。
岡田はさらに、ホワイトベースの面々が「ガンダム一機にやられる程度の鉱山」と言うのは、キシリアの命令で自爆させられたことを知らないからだと指摘する。ジオン兵の恨みも本来はキシリアに向かうべきなのに、兵士もホワイトベースもそれを知らない。フラウが泣きながらアムロを探していることもアムロは知らない。マ・クベもキシリアもアムロもシャアも、みな一部の事情しか知らないまま判断している。全体像を知っているのは視聴者だけだ。第1〜2話では視聴者は台詞から状況を推理するしかなかったが、このあたりから視聴者の視点が登場人物より上に上がるよう組み立てられている。岡田はこれを、本能寺の変が起きることを知っている視聴者が大河ドラマを見ながら先回りして心配するような、歴史劇に近い作り方だと説明する。
次回の「ランバ・ラル特攻!」について、岡田は今回ラストでフラウが飛び出したのも、砂漠の町でアムロとランバ・ラル隊が出会い、そこにフラウが偶然入ってくる次回の動きにつなげるためだと述べる。捨てる場面がないので4回に分けて解説すると予告した。
メタ視点での弁護:スポンサーの要請と、マ・クベの戦い方の誤り
最後の追加解説で岡田は、キシリアとマ・クベが並んでアッザムに乗る理由をいくつか絞り出したものの、見直すとやはり厳しい、無理だと認める。「お前がやってみせよ」は絵を作るための仕方のない台詞だという。
作品の外に視点を広げれば、スポンサーである玩具会社の要請が関係していると岡田は考える。当時の子供向けロボットアニメでは敵幹部が自らロボットを操縦するのが当たり前で、富野の初期メモではギレンまで専用モビルスーツに乗ってガンダムと戦う構想だったという。初回放送のガンダムは中高生以上には注目されたが、スポンサーが玩具を売りたかった小学校低学年には受けなかった。そこで、12話以降、毎回新型モビルスーツを出す、ランバ・ラルのように小学生男子が憧れる男らしいキャラクターや、それをいじめる不気味で冷たいマ・クベを出す、ガンダムの合体・空中換装シーンを本編に紛れ込ませる、さらにGファイターを登場させる、といったテコ入れが入った。富野はスポンサーの要請をできるだけ組み入れたうえで自分のやりたいことをやる方針だった、と岡田は説明する。
普段ならそれらしい理屈やドラマをつけたはずだが、18話はアムロとホワイトベースの対立という重いテーマを抱えている。これは最終話「脱出」でアムロが「僕には帰れるところがあるんだ」と言う場面を際立たせるための、正反対の状態を描く回だ。アッザム戦は「おまけ」であり、二人が乗り込む理由を描く尺もアイデアもなかったのだろう、と岡田は推測する。
戦い方そのものも間違っていると岡田は言う。アッザムの強みはガンダムのビームライフルよりはるかに強力なメガ粒子砲であり、ライフルが届かない遠方、たとえば成層圏あたりから一方的に撃つのが最善だった。それなのにマ・クベは「上を取りましたぞ、キシリア様」といちいち報告しながら近づき、真下を攻撃する武器もないのに上を取り、結局ガンダムに乗られてしまった。アッザム・リーダーも、本来は敵の動きを止めて援護のモビルスーツにとどめを刺させるための補助兵器である。長距離武器しか持たないアッザムが単独で使っても意味が薄い。アッザムは一騎打ち用ではなく、戦隊単位で運用する移動要塞だというのが岡田の見方だ。
ではなぜマ・クベはそんな戦い方をしたのか。岡田の答えは、隣にキシリアが乗っていたからだ。後に素顔や人間味を見せるキシリアではなく、ジオンの将官を平手打ちで殴るほど怖いキシリアが隣にいて、平常心で操縦できなかった。昭和の接待ゴルフで、平社員が運転する車の助手席に部長が乗ってあれこれ言うようなものだ、と岡田は笑って講座を締めくくった。
おはようございます。岡田斗司夫です。土曜の朝をですね、今週もテレビシリーズの機動戦士ガンダムを1話ずつ解説していく、ガンダム完全講座の時間がやってまいりました。今回はですね、第18話「灼熱のアッザム・リーダー」ですね。前回の「アムロ脱走」で文字通りホワイトベースから脱走というか、とんずらしてしまったアムロ少年。それもガンダム持ってですね。しかしそのまま行方不明になったかというと全然そうではなくてですね、ホワイトベースの目と鼻の先にある廃墟に立てこもって1人で拗ねてるわけですね。一応ガンダムは隠してるんですけどですね。なんか誰か俺に謝りに来て、説得に来てよ感丸出しで拗ねてるわけですね。
で、そんなアムロに対してですね、ホワイトベースの他のメンバーはですね、怒り心頭なわけですね。戦場で脱走って言ったら普通銃殺だよねみたいな話をしてるぐらいですね。しかしガンダムが帰ってこないと、また彼らは彼で困ったことになるから、どっちもお子様、どっちも拗ねてるわけですね。アムロを置いてですね、オデッサに向かうわけにもいかない。またアムロ無視でガンダムだけ掘り出して帰れるのかというと、アムロ抜きで正直もう生き残る術はないというのは彼らも分かるわけですね。
ということでですね、アムロの世話焼き係だったフラウがですね、アムロとホワイトベースとの間に立ってですね、どうにかそこを曲げて戻ってきてくれませんかという風にですね、アムロを説得するんですけども、説得する時にですね、どうしてもだらしないアムロの面倒を見ていたお隣のお姉さん的なポジションのフラウというのが出てきてしまってですね、つい説教モードで話し出すわけですね。まあ、これもよろしくないわけなんですけどもですね。
こんな風にですね、大枠だけ話すとですね、中学生の家出かみたいな話なんですけど、そんな地味なエピソードの中であってもですね、例えばアムロとかブライトのですね、細かな心理、さらにはですね、連邦とジオンのですね、戦争の転換点だとかですね、割と見所の多い回でもあります。この動画はですね、岡田斗司夫ゼミ第52回から53回をまとめたものです。動画の1番最後にはですね、追加の話がまだあるので楽しみにしてください。それではここから無料動画スタートです。
今日からですね、18話「灼熱のアッザム・リーダー」のですね、解説に入ります。この回はですね、「灼熱のアッザム・リーダー」というタイトルから分かる通りですね、ジオンの新兵器ですね、モビルアーマー・アッザムっていうのがですね、登場したりですね。あと、キシリアとマ・クベの会話劇が見れたりですね。あと、昔のマニアの方はすごいご存知な、ガンダムが喋るというですね。正確に言うとガンダムのコクピットのコンピューターが喋るんですけど、ガンダムに声あったんだって、案外可愛い声してるなっていうですね。そういうエピソードなんです。
で、出ていったアムロ、前回の「アムロ脱走」で家出したアムロとですね、残されたホワイトベースのメンバーで、その間に挟まれたですね、フラウ・ボゥっていうですね、このドラマを見ていただきたいと思います。アムロの気持ち自体は、ブライトに対する反発とか、あとそれに対して、なんかこう自分をあんまり買ってくれなかったミライとかですね。あと色々もう本当に自分にとってはうるさいほどあれこれ言ってくるフラウ・ボゥに対するイライラ感とかですね。結構語られてるんですけど、それ以外のですね、ホワイトベースのメンバーであるですね、カイさん、リュウさん、あとセイラさんですね、そういう部分がですね、今回はきっちり描かれてるエピソードではあります。
今回もですね、無料の終わりで追加の解説をしますので、それではですね、機動戦士ガンダム第18話「灼熱のアッザム・リーダー」ですね。第1回目の解説。これ前後2回の解説になります。第1回目の解説スタートです。それではどうぞ。
機動戦士ガンダム講座。今日はですね、第18回「灼熱のアッザム・リーダー」です。前回17回のですね、「アムロ脱走」で、主人公アムロ・レイはですね、ホワイトベースの中の人間的な、いざこざと言いましょうか、自分を信頼してくれないですね、ブリッジのみんなとの信頼関係が崩れてしまってですね、ガンダムを盗んで逃亡するという形でですね、夜の闇の中へ消えてしまいます。
で、今回その続きなんですけれども、基本的にですね、見るべきポイントというのは、逃げたアムロと、あと追いかけてくるですね。追いかけてくると言ってもなんかね、もう逃げた場所がもう丸分かりっぽいんですよね。で、フラウ・ボゥっていう昔の幼馴染みの女の子が追いかけてくるんですけど、このフラウとのやり取りですか。で、フラウ・ボゥが結果的になんかこう中間になってしまって、ちょっと辛い思いをするって感じなんですけど、もう1つは、ジオンの新兵器がですね、徐々にこの回ぐらいから出すっていう風なことですので、大事といえば、なんだろうな、ドラマ的にはこれ見逃せない回であるんですけど、ストーリー的にはですね、なくっちゃいけない回でもないんですよ。
だから劇場版でもちょっとここら辺はスルーされてしまいます。ただここをスルーすると、その劇場版でアムロが脱走したら直後にランバ・ラルと出会ったりするというような流れになってしまって、なんかこう見通しが良すぎるというかですね。なんか全てのものの距離が近すぎるようになっちゃうんですね。だから僕は好きな回でもありますということですね。
1番最初からですね、巻ジガンダムなんですけども、最初からですね、前回ショッキングにもアムロが脱走したのにですね、全然違うところから話が始まります。「月にあるジオンの前進基地グラナダから戦艦グワジンが発進した。ザビ家の長女、すなわちジオン軍宇宙攻撃軍総司令、キシリア・ザビ少将の旗艦である」ということでキシリア・ザビ。キシリアっていうのはですね、ザビ家のですね、長女、お姉さんですね。この人の持ってる戦艦グワジンが発進したと。
「キシリアは地球連邦軍にとってもジオン軍にとっても最も重要である資源の発掘に当たっている、マ・クベの元を訪れようとしていた」と。これもですね、もう日本語が本当に分かりにくいんですよ。「キシリアは」っていう主語から始まって、目的語は何かっていうとマ・クベなんですね。マ・クベの元を訪れようとする。で、マ・クベの説明が、「地球連邦軍にとってもジオン軍にとっても最も重要である資源の発掘に当たってる」マ・クベっていうですね、この今の長いのがマ・クベの修飾語なんですけれども、もう日本語は結構むちゃくちゃです。「戦いはホワイトベースと関係なく進んでいた」ということで、「キシリア、ザビ家の長女、すなわち」っていうところで、もうこういう風にバーンと出てくるんですね。
今回ですね、これまでガルマ・ザビの葬式で出たことはあったんですけども、セリフもほとんどなくですね。とりあえず大きい登場、どんなキャラかっていうのが、実はその機動戦士ガンダムのテレビシリーズを見てもほとんど出てこないです。だから今回貴重なですね、キシリアというのがどういう人物かですね。「最も重要である資源の発掘に当たっている」っていうナレーションの時に顔がドンとアップになるんでですね、なんか資源の発掘をやってるのが絶対こいつだと思うんですけども、これもやっぱり後で出てくるマ・クベというやつなんですけれども。
ということでですね、ただ初登場でありながら絵だけの説明ですね。で、これまでデギンにしてもギレンにしても、ガルマにしてもですね、ドズルにしても、全員初登場の時には必ずセリフがあったんですよ。セリフがあってどんなキャラクターかって、例えばドズルなんて「ふん、また変わらんな」とか、もう戦争がこんなにやってんのに防衛は全然できておらんじゃないかっていうようなところで、どういう風なキャラクターなのかあったんですけど、キシリアに関してはこのインパクトのあるですね、フラッシュ登場と顔のドーンのアップだけでですね、やってしまうんですね。で、キシリアはこの立ち姿のみでやるという風なところで、多分まだこの時にキシリアのキャラクターがあまり決まってなかったというところがあると思います。
これ見せた話した方が早いですね。キシリアっていうのはですね、実はなかなか本音を見せないキャラクターなんですね。僕はザビ家のシャアではないかと思ってるんですよ。つまりシャア・アズナブルと同じく仮面をかぶることで、シャアは目だけを隠すんですけども、キシリアは目だけを出すんですね。そういう風な仮面を被ることでですね、なんだろうな。シャアが家族の復讐、殺された父親と、あとなんか母親のためのですね、テレビ版ではなんとなくそれが想像なんですけども、復讐を誓い妹のことを思うっていう、家族のために復讐をするキャラクターだったとすると、キシリアっていうのはですね、仮面をかぶって家族を殺す話なんですね。父親が殺されたゆえに実の兄を殺す宿命になってしまったっていうので。
なのでこの後41話のですね、「再会、シャアとセイラ」の回だったかな。で、その回ではですね、シャア・アズナブルとキシリアが互いに仮面を外して本音を語り合うっていう回が、なんかね、すごいスリリングなんですよね。だからキシリアって割と見過ごされてるキャラなんですけども、実はザビ家側に用意されていたシャアと同じようなキャラクターだっていう風に見ると、お話の、なんだろうな、どういう風にキャラクターを組み合わせて作ってるのか見えやすくなると思います。
で、シャアがひたすら妹大好き人間なのに対して、実はキシリアはガルマが死んだ時でも大してショックでないんですね。それよりもショックを受けている父親が心配でしょうがないと。最後の最後までお父さん大好きキャラとして描かれていて、で、最後、実のお兄さんのギレンを殺すのもですね、父親の仇と言って殺すんですね。なので、そこら辺がですね、ちょっとこのキシリアの面白い見え方ではないかなって思います。
ということでサブタイトル。このキシリアが出てからようやっと「灼熱のアッザム・リーダー」ですね。何のことかよくわからないですね。灼熱だって。前回が「アムロ脱走」なんですよ。
その前がなんかこう「セイラ出撃」、「アムロ脱走」で「灼熱のアッザム・リーダー」、なんじゃこれは。で、この次が「ランバ・ラル特攻!」なんですよ。なんか分かりやすいタイトルの間になんでこれが入ってるかよくわかんないんですけれどもですね。脱走したアムロはですね、行く当てもなく、とりあえず砂漠のゴーストタウンみたいなところに身を隠します。身を隠すと言ってもですね、ガンダムで歩いていって身を隠すからですね、なんか別にギャグでも何でもないんですけども、ゴーストタウンにいきなりガンダムの足跡がこう残っててですね。
ガンダムを隠してるとですね。こういう風に、1番最初このホロのところ、アンテナのところに引っかかってるホロのアップから始まって、それがロングになるとどんどん全景が見えてくるんですけども、もちろんアムロだってですね、砂漠の中に、多分食料何日か分しか持ってなくて飛び出しただけ、私物持って飛び出しただけなのでですね、何の用意もないんで、よくガンダムをこれだけ隠せる布があったなぐらいなんですけども、一応空から見ても、カムフラージュになってる程度ですね。そういう風なカムフラージュをしてですね、アムロはひたすら隠れてますですね。
隠れてるアムロ、こんな感じですね。持ってきた缶詰でずっと食事を取ってると。で、物音がするたびにこちらの右手に置いてるですね、銃を慌てて構える。何かと言うと構える。で、ちょっとしたら銃を置いてまた食べるっていうですね。全然、なんだろうな、もう俺は1人で生きてくんだって思ったんですけども、案外その居心地が悪い、もうこんなとこは地獄だと思ってたホワイトベースに比べたらですね、1人で暮らすことの方がはるかに、なんか全然寝れないし、「宇宙に出てからまともに寝れたことなんかないんだよ」って言ってるんですけども、それよりはやっぱりずっと今の方が辛いわけですねっていうのを、アムロも分かってる、思い知らされてる最中です。
で、こうやってビクビク何度も何度も隠れながら、物音とかするたびに、実はそれネズミとか風とかなんですけども、そうではない、間違いのないゴーっていう音がするんですね。でゴーって音がするから何だろうと思って夜空を見上げると、なんか黒い影が通りすぎると。で、これが今回出てくるですね、ジオンの新兵器アッザムですね。4本の足がついた移動砲台というかですね。砲台みたいなもんで戦車に近いもんなんでしょうね。で、多分監督の趣味からすると、本当はモビルスーツっていうものよりもこういう兵器の方が実用的だという風に考えたのかもわかんないですけど、あまりですね、かっこよく描くわけにいかないということですね。
これがこうずっと飛んでく。これまでのモビルスーツと全然違う。ただこれがシリーズ後半になってくると、このアッザムっていうのを18話で出しといたことがいい伏線になってくるんですけどもですね。ずっと飛んでると、で、この飛んでるとこの窓のところにカメラがクローズアップになっていってですね、アムロの目線でですね、多分こんなにはっきりは見えないんでしょうけども、さっきのキシリアとあとマ・クベが話してるのが見えると。このナレーションの流れからですね、あ、これがキシリアが、なんだろうな、月の基地グラナダから持ってきた新兵器、マ・クベ用に持ってきた新兵器だなというのがなんとなく分かるようになっています。
ここまでは本当にセリフ全然なしですね。ナレーションがあって、で、砂漠の街があって、そこにガンダムの足跡があって、隠してるガンダムがあって、で、1人で黙々と、何度も怯えながら食事を取るアムロですね。缶詰の食事だけがあってですね。で、音がするのでアムロがビクっとして上を見ると、そうするとこのアッザムっていうのが、アムロにしたらなんかわけのわかんない丸いものが通りすぎたと思うと、その窓の中でなんか偉そうなやつが話してんのが見えるっていうですね。今んところお話の中でアムロがこれをどういう風に解釈していいかわかんないというような状態になってます。
やっとですね、ホワイトベースにカメラが行きますですね。ゴーストタウン、多分アムロがいるのとは別のゴーストタウンにもう着陸してるホワイトベースですね。メインブリッジでですね、フラウがみんなから説得されています。で、このみんなの目線っていうのは何を見てるのかっていうと、こう窓の外を見てるんですね。フラウ・ボゥが窓の外を見ていて、みんな大体視線を合わせてくれてると。で、どうもフラウは説得されてるらしい。会話の途中からだからどういうことなのかよくわかんないと。で、多分アムロのいる位置なんてのはもうみんな見当ついてるんですね。だからアムロが逃げてどこにいるのかわかんないではなくて、誰が説得して連れ帰るかって話になってるんです。
で、ハヤトが「もしアムロが帰ってきたらどうするんです」っていう風に聞くと、カイが不用意に「それはお前、脱走者は死刑に決まってる」っていう風に言うと、フラウ・ボゥが「嘘、嘘でしょ」っていう風に慌てると。ブライトが「軍規ではそうなってる」と、軍の法律ではそうなってると言うと、フラウ・ボゥが「今まで一緒に戦ってきた仲間をどうしてそんなことできるの」って言うと、セイラが「必要ならばそうするってことよ」とですね。
「セイラ出撃」の回でえげつない命令違反しといてですね、なんか今回のセイラさん、とことん冷たいんです。最後に至るまで。「必要ならばそうするってことよ」って言って、ミライさんが「およしなさい、セイラ」って、さすがのミライさんも止めます。で、「ね、フラウ」っていう風に慰め出すんですね。で、フラウ・ボゥは怒ってですね、「アムロが出ていったわけが分かったわ。こんなとこに呼び戻すもんですか」と。もう完全にこの中で説得失敗なんですよ。だから何やってんだお前らって思うんですけど、こいつを説得するんだったらちゃんと説得せんかいって思うんですけども。
リュウがですね、ここはちょっと大人ですね、リュウがですね、「まあまあフラウ、落ち着けよ。俺たちは正規軍じゃない。だからそんなことはしないよ」っていう風に、死刑なんかするはずがないよっていう風に言うんですけども、セイラがですね、またさらに「でもリュウ、このままアムロのわがままを通させるわけにはいかないわ」っていうですね、どの口で言うんだっていうようなことをツッコミ入れてきたらですね、リュウは「それは勝手な行動したんだから」って言った。で、そこでミライさんが「フラウだってそう思うでしょ」、「それは分かりますけど」っていう風にフラウが言うと。つまりホワイトベースのメンバーっていうのは、その程度の差はあれ、アムロに対してですね、なんかこう怒ってるんですよ。
で、僕はなんか昔はよくこれがわかんなかったんですよ。なんでこいつらこんな怒ってるんだろうと。だって怒られるだけのことしたじゃんかっていう風にアムロ寄りで考えたんですけども、ところが年取ってからガンダムを見るとそうでもないんですね。ホワイトベースの人の気持ちがなんとなく分かると。で、なんでかと言うと、このホワイトベースの人の心理考えてみたらですね、アムロが脱走したというよりは、ガンダムを盗んだっていうところにやっぱポイントがあるんですよね。
現在ホワイトベースの状況はどんなところかと、周り敵だらけなわけですよ。で、そこにガンダム、ガンキャノン、ガンタンクがあって今まで生き延びてるわけですね。言い換えれば、ゾンビの世界、ゾンビに囲まれた世界で、スーパーマーケットの中でなんか100人ぐらいとか生き残ってるわけですね。で、この100人がスーパーマーケットの中で生き残ってて、銃がないとゾンビと戦えないんですよ。3丁しかない銃のうちの1丁を持って逃げられたら、それは怒りますよね。
これゾンビに囲まれた世界っていう風に、なんかそのガンダム以外の例で考えたら、それみんな怒るわと。100歩譲ってアムロが逃げるのはもう仕方ないとしても、ガンダム置いてけよと。スーパーマーケットの中で喧嘩したからと言って、3丁しかない銃を持ってったらそれはみんな怒るだろうって思うんですけど、なんかそういう風なことだと思うんですけども、そこはみんなの本音ですよね。で、説得されて、フラウはですね、バギーに乗ってですね、アムロを迎えに行きます。
はい、お疲れ様でした。今日の無料はここまでです。アムロがですね、ガンダムを盗んで家出した。ホワイトベースを脱走したと。本放送の時もですね、やっぱ見てる時にここまでの問題とは分かんなかったんですけど、大人になってからガンダムを見返すと、これすごいことしてるなというか、えぐいことしてるなという風に思ったので、そこの部分も重点的に解説してみました。
後半でも引き続き「灼熱のアッザム・リーダー」の前半の解説です。アムロを探してですね、ついにフラウ・ボゥは1人バギーを走らせて、砂漠の町へ走っていくんですけども、あっという間にですね、アムロとガンダムを見つけてしまいます。で、そこでフラウ・ボゥはですね、こんなに早く見つけたんだから結局ホワイトベースのみんなも知ってるっていうようなことを暗に言いながら、早く戻ってくるようにですね、アムロを説得するんですけど、失敗して、アムロはまたガンダムに乗って、じゃあまた見つからないところに行ってやるぜとどっかへ行ってしまうと。
後半のポイントはここからのですね、アムロとフラウ・ボゥのやり取りですね。2人のちょっとした言葉遣いからですね、アムロやフラウ・ボゥが何を考えているのかっていうのを読み取っていこうと思います。また、セイラ、リュウのようなですね、ブリッジに出入りできるんですけども、ホワイトベースの中で言えばいわゆる1軍メンバーではない2軍メンバーですね。その人たちがアムロに対してどんな感情を実は持っていたのかですね。それまでは見えていなかったものもですね、どんどん明らかになっていきます。
ここから先はですね、有料の放送になります。続きが見たい人はですね、YouTubeのメンバーシップか、ニコニコのブロマガチャンネル、また岡田斗司夫アーカイブのどれかを選んで入会してください。後半が終わった後でもですね、もうちょっと生放送で、ちょっと解説をしたいと思います。それでは後半の動画スタートです。
このバギーを走らせるシーンもですね、フラウ・ボゥがガーっと運転してるんですけども、地面が斜めになってですね、この斜めになってるこの構図で、フラウ・ボゥの不安さっていうのを象徴ってか表現してます。で、この回の見所は、フラウ・ボゥ、アムロ・レイ共に大体14歳か15歳ぐらいなんですけども、それぐらいの少年少女の冒険譚でもあるんですね。つまりこれまでみんなと一緒だったのが、アムロが1人ぼっちで逃げて、それをフラウがなんかこう自動車に乗って追いかけるっていうですね。実はこれかなりアドベンチャームービーの作りになってるんですね。
で、第1話では例えば、みんなが避難する時にも小さいエレカっていうですね、電動自動車をアムロに運転してもらって助手席に座っていたフラウ・ボゥが、今やバギーに乗って砂漠の中をすっ飛ばして、で、この話数の後半ではですね、ギアを切り替えたらですね、ホバークラフトに変形させて飛んでいくっていうですね、なんかこのお転婆と言いましょうか。フラウがどんどんやるようになっていくっていうのがこう見える。そういうような流れ、たくましくなったなって思うんですけども、ちょっとこの斜め構図がフラウの不安をですね、表現してると思います。
運転しながらですね、フラウ・ボゥはですね、どんどん不安になります。回想シーンですね。「みんなにバカな真似はさせないわ。私が責任持つから」っていう風にミライさんが言ってくれてる。リュウも「俺も保証する」って言ってくれる、言ってくれるわねっていう風に説得されたのを思い出して、ちょっと不安になるんですけども、なんていうかですね、大体この2人ぐらいしかもう味方いないですよね。ホワイトベースの人格者ですからですね。いつもの人格者が、それも精一杯の約束が「悪いようにはしない」なんですよね。いや、セイラさんはひどいやろうなって思いながらですね、フラウ・ボゥはですね、車を飛ばしてですね、行きます。
一応ですね、説得されたのはこの2人の言葉を信じたからだっていうのが分かります。で、フラウ・ボゥどうやって探すのかなと思ったらですね、もう砂漠にくっきりとガンダムの足跡がガンガンガンガン残ってるんですよね。で、それで足跡を辿っていくと砂漠のゴーストタウンに行って、で、砂漠のゴーストタウン走ってるとですね、もう、なんだろうな、空き缶が落ちてるわけですよね。アムロは缶詰の食料しか持って逃げなかったっての分かってるし、本当につい昨日使ったばかりの空き缶が落ちてるのでですね。ああ、もうアムロここに違いないと思って街の中をですね、バギーで走ってるとですね、もう平気で見つかるわけですよね。いきなり角曲がったらガンダムの顔ですからです。
いや、これ何言いたいのかって言うと、「アムロ脱走」と言ってガンダム持って逃げたからと言って、実はそのホワイトベースにしてみても、どうやればお互いのメンツが保ったまま帰ってくるだろうって平和的なことを考えてはいるわけですね。それはなんか軍法違反だとか、見つかったら死刑だとかです。色々なことを言うことは言うんですけど、それはさっき話した通り、ゾンビの群れの中で銃を持ち逃げされたゆえに自分たちの不安がすごい高まってると。で、その高まった不安をアムロに向かってぶつけてるだけで、実はなんかね、平和な仲良しシャンシャンな終わりを求めてるからこそ、逃げた場所が丸分かりのアムロに対してフラウ・ボゥっていうですね、1番頼れない女の子1人に車1台与えて、なんかこう呼んできてっていう風にお願いするわけですね。だから割とサークルの仲間割れに近いような、この時はなんかまだそういう風な状態だったと思います。
で、ガンダムの顔が見えてですね、あっという間に見つかるとですね。で、アムロはフラウ・ボゥが見つけた時はですね、もうさっきのですね、食料食べてる時のポーズのまんまですね、目の前にとりあえず携帯のストーブがあって、毛布かぶって座ったまま寝てるんですね。全然寝転がらず座ったまま寝てて、で、気配をはっと感じてですね、いきなり起き上がって銃を持って、まず壁際で銃を構えるんですね。つまりもう音がしてはっきりと、これは昨日みたいな気のせいではなくて足音だと分かったから、敵だと思って、で、銃を持って壁際で座ると。でこれはもう完全に殺すつもりなんですね。完全に殺すつもりで銃を構えてると。で、逆にフラウは部屋ん中入ろうとしたら毛布とか缶詰の跡が見えると。ということは、あ、ここにやっぱアムロいるんだと思って安心して入ってくるフラウと、殺す気で待ってるそのアムロ・レイとの対比っていうのが割とうまいシーンです。
で、入ってきたフラウ・ボゥにですね、アムロは銃を向けて、そん時にフラウ・ボゥはめちゃくちゃ怯えた顔するんですけども、ようやっとここでアムロがどれぐらい怯えてるのか、どれぐらい追い詰められてるのか分かるわけですね。フラウにしてみたら、なんか拗ねて出ていったから呼び戻すつもりで来たんだけども、アムロが銃を構えてて自分の方に向けた瞬間に、ようやっとそのアムロの追い詰められ方が分かるんですよね。
で、一生懸命アムロのですね、心をほぐそうとして、できるだけ気軽にフラウ・ボゥは話しかけます。「みんな心配してるわよ」っていう風に言うんですけども、アムロはですね、なんかそのガンダムに近づいてですね、「みんなが心配してるのはこいつだろう」っていう風にガンダムを指さします。で、「違うわよ。今帰れば許してくれる」っていう風にフラウ・ボゥが言っちゃうんですね。そこにアムロが引っかかって「許す?何の話だい」っていう風に聞いてしまうと。アムロにしてみれば、許されない悪いことしたという自覚があんまりないんですね。
それよりは、「アムロ帰ってきてよ。みんな待ってるから」って言われた時に、帰ってきて欲しいのは俺じゃなくて、ガンダムが欲しいだけだろうって。それはその通りなんですけども、なんかみんながどんな気持ちになってるか、どれぐらい怒ってるのかって発想が全くなかったので、そこら辺はアムロも本当に視野狭窄になってるんですね。なので、「今帰れば許してくれる」って言われた時に、なんかすごいムカっときちゃうんです。なんでそんなこと言われなきゃいけないのと。
なんか一生懸命フラウ・ボゥはみんながアムロを必要としてるっていう風なことを伝えようとするんですけども、アムロにはガンダムが必要なだけで俺は必要ないじゃん。いや、確かにその通りなんですよ。前回「アムロ脱走」のラストで語られたのそこですから。本当はガンダムしか必要とされてないのかもわかんなくて、アムロはですね、ますます拗ねた心をこうこじらせてしまう。で、フラウ・ボゥが迎えに来てくれたんですけども、目の前でコクピットに入って「僕の気持ちが分かるもんか」とか言いながら蓋をこうグイーンと閉めてしまうわけですよね。
なんか、中二病といえば中二病っぽいんですけども、やっぱこのプロセスは1回絶対やっとかなきゃいけなかった。シリーズ40何話ある中で、アムロがその、なんだろうな、自立するためですね。やっぱそのみんなに必要とされて、どんどん戦闘力が上がってっていうのはあるんだけども、元々そんなやりたくて始めたことじゃなくて、で、最終的にはその戦争の中に積極的に関与していく人間になるんですけども、そのためにはこの1番感情的にしんどいシーンですか。その母親云々もあったし、あとそのククルス・ドアンもあったし、「時間よ、止まれ」もあったんですけども、何より自分の中で、なんだろうな、俺はやらされて、みんなのためにやっている。降りろと言われた。ガンダム降りろと言われたと。
それまでのアムロの心だったら、前回の「アムロ脱走」なんですけども、ガンダム降りろと言われたら、いやそれでもいいですよっていう風に言ってたはずなんですけど、いつの間にかそのガンダムで認められてるのが嫌だっていう気持ちにどっかでなってしまってたわけですね。それがはっきり分かったのが前回で、で、今回は帰って来いという風に言われてですね、なんかこう「僕の気持ちが分かるもんか」っていう。その気持ちは何なのか、そのドラマの中ではっきりとセリフにはなってないんですけど。
アムロはガンダムに乗ってですね、これまた飛んでいけばかっこいいんですけどもですね、「僕の気持ちが分かるもんか」って言ってですね、ガンダムに乗ってですね、歩いて去るんですよね。フラウ・ボゥが「待って、アムロ」って言って、こうまたバギーに乗って、歩いてるガンダムの後ろから走っていくというですね。当たり前といえば当たり前。間抜けといえば間抜けなんですけども、ちょっとですね、なんでしょうね。ロボットアニメっぽくない。その割にやたら今回作画がいいんですよ。久しぶりにいい作画の回です。よりによってこの回でこの作画良くなくてもって思うんですけども、この構図好きです。
このバギーが後ろ向いてないんですよ。アムロが立ち上がった時にバギーがこっち側向いてるので、わざわざフラウはバギーに乗ってバックしながら、右旋回でバックしながら頭をですね、ガンダムの方に向けて走り去っていくというですね。めんどくさくてやりたくないと思うんですね、現場の人間も。ただ、コンテに書いてあるしっていう風なことでやったんでしょうけども、こういう細かい細かいちょっとしたリアリティみたいなものを積み上げていって、面白さっていうのを作ってくれてます。この構図、僕かなり好きです。間抜けは間抜けなんですけども、去っていくガンダムの背中がちょっと寂しげに見えるところですね。
ところがですね、そうやってですね、拗ねて歩いてくガンダムです。歩いてくうちに「あれは」っていうので見つけてしまいます。これアップになった、またここにキシリアとマ・クベがいるんですけども、採掘場を見つけてしまうんですね。で、慌ててガンダムはこう小山みたいなものがあって頭を下げて、もう本当にモビルスーツが頭を下げて屈んで、肩か頭の辺りから、いわゆる音波の採集のアンテナみたいなものを出してですね、盗聴するんですね。そうするとキシリアがですね、会話をしています。
マ・クベ「1tあたり2gですね。予想通り良質のソリウム鉱床です」。ソリウムというレアメタルが取れる。「あと5つもこの程度の鉱床を掘り当てれば我が軍は」っていう風に言うと、キシリアがそれを受けて「ソリウムに限りません。連邦には貴重な資源を1gたりとも渡してはならないのです」「それがこの戦いを勝利に導き、ひいてはその後の支配の確立にもつながるわけだ。マ・クベ、心してな」。一連のセリフがあります。
これをこうアムロは聞いてる、盗聴してるわけですね。アムロにはまだ何のことか分からないんですけども、1tあたり2gしか入ってない、もう大変貴重な鉱石。それがもう良質な鉱床という風に言われてるんですけど、取れると。ソリウムというのはガンダムの中に出てくる架空の鉱石で、資源で、どういうようなものかわかんないんでしょうけど、すごい貴重なもんなんでしょう。で、キシリアはこの時にですね、マスク外して顔を出してます。気を許した部下にだけ顔出してるのかも分からないんですけども、セリフに注意ですね。戦後の支配権を考えていると。
つまり、「それがこの戦いを勝利に導き、ひいてはその後の支配の確立につながる」という風に言ってます。つまり戦争に勝って戦争が終わっても、その後ですね、ずっと反乱とかされたらですね、一時期のドイツに占領されていたパリとかですね、そんな感じです。ずっと反乱が起こってたらですね、全然、なんだろうな、せっかく戦争して勝った意味がなくなっちゃうわけですね。なのでそういう風な芽を潰すためにも、反乱軍に武装させないためと、あとはその経済的な利益ですか、貿易権など一手にザビ家のみが握っておくために、地球の資源っていうのを戦争に勝つためだけに独占するんではなくて、地球側に一切渡らないような仕組みを作れっていう風に、そのマ・クベに命令してるわけですね。
で、ガンダムがですね、その山の間で隠れてこうやって見てるのに気がついたフラウが近づいてきて、「わあ、すごい」っていう風に見てます。これ上下にあるの何かとガンダムの指なんですけども、フラウが覗こうとしたら「こら」って言ってガンダムがこう手を出して、こんな風にこう隠そうとするんですよ。とフラウ・ボゥがこの間から入ってきて、グイってこの指と中指の間に入ってきて「うわ、すごい」って言ってるシーンなんですけども、なかなか可愛い。ロボットの手がこんなに簡単に開くのかどうかっていうのはともかくとして、ここで三角形の隙間を開けて、ここにフラウ・ボゥの顔アップで、この奥にコックピットを開きっぱなしのアムロを入れるっていうですね。なんかその説明的であるんですけど、絵としてすごく決まってる感じがするんですね。
で、アムロが「こら、見つかったらどうするんだ」っていう風に怒ると、「失礼ね。そんな迂闊じゃないわよ。すごいね。ホワイトベースに連絡しなくっちゃ」ということで、フラウ・ボゥはこの基地を見つけてしまった重要性に気がついてですね、ホワイトベースに連絡しに帰ります。アムロはそのまま偵察に残ります。
その頃ですね、ホワイトベース内はですね、イライラの頂点です。もうそれまで出てこなかった整備士たちが急に出てきてですね。溶接工事をしていたです。「こいつがジオンに寝返るってことはないだろう」って言うと、これジョブ・ジョンさんっていう人なんで、時々出てくるちょっとした存在感がある人ですけど、「まさか」って言うと、この小坊主がですね、「いや、あり得るぜ。ガンダム土産に持っていきゃ英雄扱いだ」と、ジオンに寝返るとかですね。
「あり得るぜ」ってことを言ってるのが、どう見ても小学校6年生ぐらいのやつで、これ絵のミスじゃなくてそうなんですよ。考えてみたらこれ制服着てるんですけども、ホワイトベースで元々配備されていた大人のですね、兵隊さんたちは全部戦死か、もしくはルナツーでですね、負傷兵として引き取られて、本当に今残ってるっていうのは、そのなんだろう、サイド7から逃げてきた子供たちと老人で、その老人もやっぱまたほとんど降りちゃったからですね。これマジで子供しかいないんですよね。
で、子供たちの中でもいささかでも気が利いて、なんだろうな、年齢が上がってるようなやつらっていうのは、多分もうメインブリッジ近辺か、これまでにセリフ付きなので、ここら辺の、これこいつしょっちゅう出てくるんですけども、高くってももう11歳か12歳なんですね。アムロが14、5歳ですから、もうここら辺のやつっていうのは小学校4年生、5年生、6年生ぐらいの間ぐらいだと思ってください。そいつらがですね、ジオンに寝返るってことはないだろうなとか、ガンダム土産に持ってきゃ英雄だぜっていうことで、じゃあちょっとはしっかりしてるジョブ・ジョンがですね、間に入っていさめるのかと思ったらですね、「何しろ脱走したやつやからな」って言うと、ジョブ・ジョンが「ああ」っていう風に相槌打ってですね、「冗談じゃないぜ全く」と言いながらまた作業を続ける。
文句を言いながら、この子供たちはちゃんと働いてるんですね。で、これ何かって言うと、これまでガンダムを整備してくれた子供たちなんですよ。アムロは自分だけがまだ兵隊でもないのに戦わされてるっていう風に言うんですけども、そのガンダムを整備していて、アムロが寝てる間に寝ずにガンダムを修理して、次の出撃の用意をしてくれてるのもまた子供たちなんですね。それの連鎖の中で、なんかみんな正規兵ではなくてですね、サイド7の難民なんですけども、彼らにとってアムロって何だったのかって言うと、もちろんガンダムで戦ってるやつなんですけども、ついこの間まで自分と同じ小学校に行ってた、なんか自分たちをこき使う年上の兄ちゃんなんですね。なのに脱走したという風なことで、余計許せないっていう感じになってると思います。
じゃあですね、「灼熱のアッザム・リーダー」第1回、ここまでにしたいと思います。続きは第2回で。はい、お疲れ様でした。今日の限定放送はここまでです。
まあね、なんだろう、今コメント見てたらですね、例の頭の大きいですね、小学生みたいに見えるやつはですね、カルという名前だそうですね。僕も知りませんでした。名前ついてたんだなと思います。次回はですね、「灼熱のアッザム・リーダー」の第2回、後半ですね。18話の解説はですね、これで終わりなのでですね、残りの戦闘シーンからエンディングまでを全部語ります。久しぶりにもうね、コンパクトに語る回になりますね。アッザムとの戦闘シーンは、絵面としてはですね、機動戦士ガンダムの中でもですね、ちょっと珍しい戦闘シーンっていうかです。元々人間型のモビルスーツじゃなくて、モビルアーマーなので絵にならないんですよね。
で、そのコックピットの中にですね、なぜかあの基地の最高司令官であるマ・クベが座っててですね。で、それだけでもちょっとこれどうなのっていう感じなんですけど、その隣にジオン本国の、ナンバー3ですか、ギレン・ザビ、その次っていうですね、キシリア・ザビ少将までですね、一緒に乗って、横でですね、チラチラみたいに色々言うっていうですね、タイムボカンのようなですね、悪役トリオみたいにですね、悪そうなメカの操縦席、本当に悪そうなメカなんですよね。仲良く並んでですね、敵が喋ってるという構図が見れます。これについてですね、ちょっとSFレスキュー隊としてですね、愛と知識を総動員してもうちょっと弁解してみようと来週思います。ということで来週をお楽しみにしてください。それではこの後プレミアですね。ほんのほんのちょっとだけありますので、そちらの方でまたお会いしましょう。ということでですね、来週のガンダム講座ですね、5月19日です。それではそれまでですね、皆さんも体にですね、注意してください。ではまた来週。バイバイ。
はい、オッケーですね。はい。さっき、カルっていうのって昔ね、アニメックのムックで見たような気がするんですけど、基本的にガンダムの登場人物って全部名前ついてる。ついてるっていうかね。放映後、もうその頃からアニメ雑誌の人たちはですね、毎週毎週富野さんに張り付き状態だったので、名前は何ですか?という風に聞いて、富野さんがもうその場でこうひねくり出して答えるっていうのがですね、半年ぐらいずっと続いたそうなんですけども、それのおかげで決まったのかなとも思います。
あとですね、軍艦のブリッジの話ちょっとだけしますけど、軍艦のブリッジっていうのはですね、24時間営業で、営業って言うのも変ですけども、必ず責任者として、かなり位の高い士官が1人と、あとは操舵担当って、舵を取る担当ですね。あと、なんだろうな。それ長代理と、あと操舵担当または操舵担当代理と、あとそれに対する連絡要員っていうのが最低3人はですね、軍艦っていうのはブリッジにいなくてはいけないそうなんですね。僕の昔読んだやつではですね。なのでホワイトベースもですね、必要がなくてもミライさんとかですね、ブライトさん、またはそれの代理がブリッジにいつもいなきゃいけないので、慢性的な人手不足なんですよね。で、これを運用を誤ると後にですね、軍法会議などが待っていて、いかにですね、いやその時は人数足らなかったんですとかですね、ほとんど生き残ってる人間がいなかったんですと言っても、こういうところはですね、軍がすごいきっちりしてる、恐ろしいところなんですね。
だからどういう風になるのかって言うと、イギリス海軍の場合はもう本当に、志願制でその場で徴用するんですね。つまり軍艦とかが攻撃を受けたりして、ブリッジとかで本当に人がいなくなってしまって艦長とかが死んでしまった場合は、その場にいる1番古くから士官になってる人が艦長代理になって、乗組員でもいいですし、もしくは一般のお客さんでもいいんですね。お客さんみたいな人が乗ってたり、マスコミの人が乗ってたりしたらですね、その中から志願を募って、それをどんどんどんどん任命していって、軍艦のその今言ったローテーションの中に入れてくっていうことを必ずやらなきゃいけないと。で、それは基本的には志願なんですけど、いよいよ追い詰められると艦長は指名して強制的に徴用することができると。それぐらい船の艦長、特に軍艦の艦長っていうのは裁判官も兼ねますのでですね、かなり強い権力を持ってるんですね。まあ、なんかそんなことも考えながら機動戦士ガンダムを見ていると、なんで夜みんな眠いのに限らず誰かがホワイトベースのブリッジにいなければいけないかですね。これは基本的にホワイトベースがどっかに停泊していて整備中であってもですね、ブリッジ鍵かけて誰もいませんっていう状態とかはありえないっていうですね。これら辺も軍の厳しいルールだと思ってですね、見といてください。
今日はですね、第18話ですね、「灼熱のアッザム・リーダー」の2回目の解説になります。先週の放送でですね、前半のドラマ部分は終わったのでですね、今回はロボット戦闘シーン、いわゆるアクションパートとその後のエピソード部分の話になります。18話のアクションパートというと、新兵器のモビルアーマーですね。モビルアーマーが初めて登場する回なので、モビルアーマー・アッザムとの戦いになります。この戦闘ですね、見たことある人はご存知の通り、これまでのロボットアニメと比べて、これまではガンダムって割とリアルな展開だったんですよ、ロボットの戦闘に関しては。ところが今回ですね、いきなりいわゆるチープなロボットアニメと同じようなお話になっちゃってるんですね。新型のロボットが来たので、司令官自らがですね、それを操縦してですね、敵と戦うというですね、なんて言うんですかね、70年代ロボットアニメでよくあるですね、ダメなパターンにまるまるなっちゃっててですね、おまけにそのマ・クベの隣にはですね、ジオンの軍の中でも本当に2番目に偉いですね、キシリア・ザビが一緒に座ってるというですね、1つ間違えばタイムボカンシリーズのようなですね、感じになってるんですよ。
だから、ただこれをですね、この回はダメだとかですね、残念だっていう風に言っちゃうと、割とちょっと子供っぽいかなと思うので、今回のですね、無料放送分ではですね、なぜそんな最新兵器、新型兵器にですね、マ・クベが自らですね、司令官が乗りですね。で、あと、キシリアもですね、ジオン軍のナンバー2のキシリアまで一緒に乗ることになったのかについて、SFレスキュー隊としてですね、一応、この辺じゃないかなっていうですね、落としどころの理屈みたいなものを考えたいと思います。今回もですね、無料の終わりですね、追加の解説をするのでお楽しみにしてください。それでは機動戦士ガンダム第18話「灼熱のアッザム・リーダー」ですね。後半第2回目の解説になります。それではどうぞ。
機動戦士ガンダム講座、第18話「灼熱のアッザム・リーダー」ですね。今日は18話の第2回目をやります。前回ですね、アムロが脱走して、ジオンの採掘場を見つけた。で、その採掘場の中にキシリアとマ・クベがいるのを見つけたということで、フラウ・ボゥはですね、ホワイトベースにそのニュースを知らせに行って、アムロはまだ偵察を続けてます。で、一方ホワイトベースの中ではこれまでガンダムを整備してくれていた子供たちですね。これ制服を着てるんですけども、小学校4年5年6年ぐらいのですね、子供たちがですね、だんだんだんだん不満を募らせてるというところまで話しました。
で、アムロ偵察してたんですけども、あれ行けるじゃんっていう風になんか勘違いしてきちゃうんですね。偵察していたアムロですね。実はこの基地にですね、ザクがないことを発見します。あれ、これザクないぞと。ということは、今自分が乗ってるガンダム1機でこの基地を叩くことができるんじゃないかと。明らかに自分が覗いてた中ではジオンの偉いやつがいて、ものすごいでかい採鉱基地だということでですね。自分1人でこの基地倒したらもうオデッサ作戦いらないんじゃないかと。要するにオデッサ作戦っていうのは何かって言うと、連邦軍が今目の前で見ている基地を潰すことだっていう風に短絡的に考えちゃったんですね。アムロにしてみればオデッサ作戦ってオデッサの場所も分からなければマ・クベの鉱山の全体規模がどれくらいかわかんないですよ。でもたまたま見たらアムロにとってはもう地平まで続いてる鉱山基地があって、そこに明らかにジオンで、確かにそうなんですよ、ありえないぐらい偉いやつと、これ偶然なんですけども、本当にその鉱山基地の1番トップであるマ・クベがいたわけですね。で、それを見ちゃったから、ここを叩けば戦争が終わるという風にアムロは勘違いしちゃったと。
「これだな、レビル将軍がオデッサで叩こうというジオン軍の鉱山」っていう風に喜んでしまいます。「ザクは1機も置いてないようだな。これならできる。ガンダムでここを潰せば連邦軍の軍隊が動かなくて済む。もうブライトさんにもミライさんにも口を出させるもんか」っていう風にですね。味方してくれてるミライさんももう敵に見えちゃってるわけですね。なのでガンダムでここを潰せばもうオデッサ作戦なんて待たなくてもいい。俺1人が戦争を終わらせてやるっていうですね。なんか自分としては突破口を見つけた感じなんですよね。別に悪意なく、今ここで自分が一生懸命働けば全てが解決するんじゃないかと思ってですね。アムロはですね、よしと思ってビームライフルを構えて先制攻撃を始めてしまうんですね。向こうが気がついてもいないジオンの採掘基地にいきなりビームライフルで先制攻撃を始めてしまう。そうするとジオンの基地の方からも反撃が始まるというところでですね、ドドンドドンってことで、この位置で途中のコマーシャルですね。やっとここまでで前半終了です。
で、前半が終わったらですね、即攻撃を受けてるジオンの内部になってですね、いきなりですね、マ・クベが怒られてるシーンから始まります。マ・クベはですね、なんかエアカーみたいのに乗ってですね、すっごい長い廊下みたいなとこあるんですが、その廊下をエアカーでビーと、キシリアさんを乗せながら2人で走ってるんです。で、マ・クベはですね、一生懸命周りに指示してるんですね。「80秒、急げ」っていうのを言ってるんですけども、キシリアさんから「マ・クベ、モビルスーツを前もって発見できなかった失敗、許しがたい」っていう風にですね、いきなり言われてですね、マ・クベめちゃくちゃビビってですね、「キシリア様」っていうもう本当消えるような、聞いたことがないような「キシリア様」って言うんですね。で、そしたらキシリアがですね、「アッザムの性能テストには良い機会です。お前がやって見せよ」って言うとですね、マ・クベが「は、キシリア様、必ず」って、ものすごい怒られたものなのですが、「は、キシリア様、必ず」と。考えてみたらなんで基地のトップであるマ・クベ大佐がですね、そんなことしなきゃいけないのかと思うんですけども、なんかもう話の流れ上、ストーリー的にはもうこれうやむやのうちにやってるんですよ。どう考えても今回いくら新型兵器だからと言って「お前がやって見せよ」っていうのも無茶だし、だってマ・クベが戦争下手なのキシリアも知ってんだけども「お前がやってみせよ」と。「モビルスーツを前もって発見できなかった失敗、許しがたいや」「キシリア様」「アッザムの性能テストには良い機会です。お前やってみせよ」って言って「は、キシリア様、必ず」っていうと、キシリアのですね「直接連邦軍のモビルスーツを目にするのも今後の作戦には役に立とう」のセリフでこう終わるんですけども、一応ですね、それでも僕なりに合理的にですね、キシリアがこんなに怒る理由を考えてみたんですよ。で、一応ですね、この「モビルスーツを前もって発見できなかった失敗、許しがたい」っていうのは何かって言うと、マ・クベ、お前が事務職だというのは分かってる。軍人としては元々向いてないっていうのは分かってんだけども、油断しすぎと。壺とか色々好きなもんもあるだろうけど油断しすぎと。なんでそんな油断したのかって言うと、お前、敵との戦闘はランバ・ラルにもうお願いした気になってるだろと。外注してお願いしたからもう自分は忘れていいと思ってるだろうけども、忘れんなよと。もうすぐオデッサで戦うのお前なんだからなと。
いくらランバ・ラル隊が、なんだろうな、敵討ち部隊だからと言って、あいつらに補給と情報だけやってりゃいいのかって言うと、そうじゃないと。お前も戦争当事者だってことを忘れるなと。なんかね、ついついランバ・ラルに外注して忘れてたという、苦手なものを避けよう根性がですね、まずこれが許せないんですね。キシリアは、私もこんな苦手なこと一生懸命やってんのにと、私なんかこのマスクつけながら地球になんか宇宙戦艦で来て、乗り換えてなんかずんぐりむっくりみたいなやつで降りてきてっていう不得意なことやってんのに、お前なんか苦手なことすぐ避けて壺を集めてて、そういう根性が許せない。で、おまけにランバ・ラル隊にガンダムを任せてるっていう。ランバ・ラル隊ってドズル兄ちゃんのいわゆる配下だぞと。で、それに対してこっちが襲われるようなことになったら、これドズル兄ちゃんに対しての私の体面っていうものもあるだろうっていうのも、ちょっとあったかもしれない。まずここで激しくキレて怒るわけですよね。もう本当にお前すぐ不得意なものから逃げるなっていう怒りです。
で、「お前がやってみせよ」っていうのはなんでかって言うと、マ・クベはそんなことを言いながらもですね、キシリアにしてみたら腹心の部下なんですよ。で、これただもう大佐なんですよ。これ以上ね、やっぱマ・クベを出世させようとしたらですね、軍人としての箔をつけなきゃいけないんですよ。それはなんか自分の可愛い弟のガルマですか?ガルマが手柄もないのに少将だ、中将だと言っても国民は納得してくれないとガルマですら言ってたわけですね。キシリアにしてみてもこんなにマ・クベのやつを、でおまけにね、実はマ・クベの鉱石ってジオン本国では明らかにしにくいんですね。地球のなんかレアメタルみたいなもの掘ってるって言っても、掘ってる規模も何もかも隠してるわけですよ。だから実はマ・クベってジオンの勝利のためにものすごい貢献してるんだけども、実はジオンの軍内ですらマ・クベがどれぐらいすごいことやったのかっていうのは秘密のままなんですよ。だからお前これ以上、私がひいきって周りに言われないために引き上げようと思ったら、軍人としての箔もちょっとは必要だと。そのために1番いいのは連邦軍の新兵器を自分で落とすことだと。なんかね、ドズル配下のランバ・ラルとかシャアみたいな存在としてこれからも重宝するための期待というのもあって、「お前がやってみせよ」っていうのを言ったんではないのか。これ2つ目です。
で、3つ目はですね、連邦軍のモビルスーツ戦力を直接見るのも今後の作戦には役に立とうっていうのは、ちょうどですね、キシリアっていうのはどういう状態だったかって言うと、「ジオンの脅威」の時にですね、シャア・アズナブルがいわゆる軍隊をクビになって民間になってたと。で、その時に近づいていった諜報員が、キシリアの配下のものだなっていう風にシャアが言ってます。つまりもう今この時点で、キシリアの配下にシャア・アズナブルが入ってるんですね。で、ちょうど何やってるのかというと、後に出てくるニュータイプ部隊みたいなものの指導が始まってる。でも多分キシリアはそれに対して半信半疑かもしれない。だから新しいモビルスーツの開発も始めてるんですけども、そのお兄さん2人が、ギレン・ザビもドズル・ザビも完全に見逃しているニュータイプを利用した戦争。これによって戦争が全く変わるんじゃないのかと。つまりそのジオンの戦争の始まりは、モビルスーツっていう連邦が予想もしていなかった兵器で、新しい局面に立った、圧倒的優位に立ったわけですね。ということはキシリアが持っている駒のニュータイプっていうのも、モビルスーツ並みの新しいものとしてキシリア個人を強くする目的に使えるんじゃないのかっていう考えもあったんではないか。それもあるので、この新兵器のですね、アッザムというやつでどこまでできるのかちょっと試して欲しいっていうのもあったという風に。なんでここまでキレて、なんでお前が直にやってみよっていうのを、なんか理屈だって考えようとしたらこれぐらいしか僕思いつかないんですけど、そんなもんじゃないかなと思います。
で、ガンダムの戦いが始まります。ビームライフルをバーンと撃った後ですね、どんどん反撃されるんですけども、戦車隊が出てきたらガンダムがビームライフルで応戦してですね、十分以上に戦ってます。で、戦車隊が倒れたら次は地面がガバっと割れて、地下からなんか格納式のトーチカからですね、砲台がどんどん出てきてガンダムを撃ちます。砲弾も飛んでくるし、ビーム砲も撃ってくると。もう地下にある多分膨大なエネルギー源、原子炉みたいなものからエネルギーを受けてるんで、ガンダムのビームライフルよりはるかに強力なビーム砲がバンバンバンバン飛んでくるんですね。で、戦闘ですね、今持っているライフルも盾も吹っ飛ばされてしまって、ガンダムはなかなか苦戦するんですけど、それでも一応ほぼ全ての砲台を沈めるという形で沈黙させることに成功します。
で、アムロはこれで終わりかっていう風に一瞬油断するんです。もうこれで勝ったのかと思ったらですね、頭の上をですね、いきなりなんか真っ黒のものがグーンと通りすぎるわけですね。アムロがですね、砂漠の1人の夜に見た、空を飛んでいたものがゴーっと通りすぎると。で、「こいつは」ってアムロ言うんですけど全く正体が分からないんですよ。で、これが頭の上をですね、ゴーンと通りすぎてガンダムの後ろに着陸するところでようやっと形が見えるんですね。この絵です。上の絵です。形が見える。多みたいなものから4本足が出ていてですね。で、その周りにいっぱい大砲とかビーム砲がついたものです。移動式のトーチカという風に言われてるんですけど、で、なんだろうな、重力みたいなもので、ジェット噴射とかそういうのじゃないもので空をふわふわ浮くことができるとですね。で、このコクピットの中にですね、これがね、なんかね、やっぱどう考えても間抜けなんですけども、マ・クベ、「お前がやって見せよ」って言ったからと言ってですね、隣のいわゆる自動車教習所の教官の席ですよね。ひょっとしたらブレーキついてんじゃねえのかって思うんですけども、そこにキシリアがきっちり座って、もういい司令官なのかダメな司令官なのかわかんないんですよ。命令するんだったら自分が後方にいればいいのにです。
ま、これも理屈で考えれば、アッザムの方が圧倒的に優位だから、これだけ基地が破壊されたらアッザムの中に入ってるのが1番安全と言えることは言えるんですけども、まさか2人乗り、それも横並びですね。横で「なんとかせよ、なんとかせよ」としょっちゅう命令してるんですけども、「ガルマからのデータより性能ははるかにいいらしいな。用心してかかれ」って、マ・クベが「はっ」って言いながらこうガチャガチャ操作してるんですけど、機動戦士ガンダム全体って多分これ真面目に作ってるけど、僕1番間抜けなシーンだと思うんですね。はい。すいません。もう僕も笑ってしまいました。
いや、本当にマジで隣に座ってたし、あとマジで、なんて言うのかな、教習所の車の助手席と運転席の距離だったのですごいおかしかったんですけども、やっぱりね、「お前がやって見せよ」っていうセリフの解釈は色々あって面白いと思うんですよ。こっから先の話を考えると、つまり宇宙要塞ソロモンの敗北、ジオンの敗北までのストーリーを全部俯瞰して考えると、キシリアっていうのはですね、マ・クベの人望のなさを何よりも知っていると。マ・クベは才に長けて、自分では謀略は得意なつもりなんですけども、それはキシリアに言わせるとですね、まだまだその素人の考える陰謀謀略ですよね。つまり部下の目にどういう風に映ってるのかというとこまで考えないので、あんな風に堂々とですね、部下の前で壺を愛でたりするわけなんですよね。で、それやってもいいんだけど、それより部下より前に出て、真っ先に戦う姿を見せないとダメだと。
なんでかと言うと、ジオンというのは新興国家で、地球連邦に対する軟弱を正すっていうのかな。地球連邦は腐敗した、我々は正しいんだというポジションなんですよ。で、それはナチスドイツと同じように、ヨーロッパがもう腐敗しているから、我々ゲルマン人、アーリア人がですね、正しくヨーロッパ、世界を導くんだ。だからナチスドイツっていうのはもう軍服もかっこよくなきゃダメなんだみたいなですね。そういう、1つの国、1つの軍隊に思想がバックにこう通ってる状態なんですね。なんとなく戦争を売られたから買うと言うんじゃなくて、戦争を仕掛ける側だから彼らにはこう理念っていうのがあるわけなんですよ。だから将官というのはいわゆる部下とかよりも優れた人間であらねばいけない。見せねばいけない。それはなんでかと、スペースノイド、コロニーに住んでる人間が地球人類よりも偉大だからだというのの例になるからなんですね。サンプルになるからなんですよ。
だから今回の戦いで、もちろんこっから先、別にネタバレでも何でもないんですけども、マ・クベは敗れるわけなんですけどもですね。ここでなんでキシリアに「お前がやってみせよ」という風に言われたのかというと、同じことの繰り返しになるんですけどね。この後ガンダムのずっと後半で宇宙要塞ソロモンの攻防戦っていうのがあるんですよ。で、そこでドズル・ザビがですね、ホワイトベースを含む地球艦隊と戦って、敗北するわけですね。で、敗北する時に兵隊たちがうわーと逃げ出すと。で、その時になってようやっと、月からですね、月のグラナダというところからマ・クベがですね、残存艦隊を率いて救助に来るわけです。救助というか、助っ人に来るわけですね。しかし相変わらずマ・クベのことですから、なんかわかんない変な完璧主義が出たのかもわかんないですけども、結局遅れてですね、戦争には間に合わなかったと。マ・クベが着いた時には、もう戦争が終わってたと。で、その時もマ・クベは相変わらずですね、他人事みたいな口調で「やれやれ、急いできたのにもう戦争終わったじゃないか」っていう風に言うんですね。
で、それをですね、やっぱマ・クベの近くで見ていた将兵たちは心の中でどんな気持ちがしてんのか。多分はらわたが煮えくり返ってるわけですよね。あと半日、あと1日前に出ていればジオンは負けなかった、ソロモンは落ちなかったという風にやっぱ思ってると思うんですね。で、マ・クベはですね、もうダメだからさっさと帰ろうっていう風に言うとですね、部下に怒られるんです。「すいません。こういう時は何があってもまず味方を助けましょう」と。逃げてる味方を助けてくれると。「そう思うから僕らはあなたたちの命令1つで宇宙で死ぬかもしれない戦いに行くことができるんです。いざという場合、味方が自分の命を投げても助けてくれると思うから。それが仲間ってもんです。戦友ってもんです。あんたには分からんでしょうけどね」っていう感じですね。部下に言われた時、マ・クベが「ああ、なるほど。言われてみればそうだよね」って言ってですね、いきなり仲間の救助を始めるんですけども、結局そういうやつなんですよ、マ・クベっていうのはですね。
まあまあそこら辺キシリアはですね、もうこの頃から分かってたので、とりあえずお前前に出て戦闘してみろと。その上で部下に死んでこいという風に言えというような、ちょっと性根を入れ替えるようなですね、叱咤なのかも分かりませんし、あともう1つ、モビルアーマーっていうのは、こっから先の展開を見てもですね、キシリアは2つ手を考えたわけですね、連邦軍に勝つためには。1つはニュータイプ部隊。しかしこれは不安定でまだわかんない。もう1つはニュータイプを使わなくても勝てるかもしれないです。ニュータイプ抜きでモビルスーツという概念をもう1回元に戻すですね、モビルアーマーって考え方ですね。
モビルアーマーっていうのは言っちゃえば戦艦をひたすら小さくしたものなんですよ。モビルスーツというのは戦う個人をひたすら大きくした、いわゆる1m、2mぐらいの宇宙服、作業服というのをひたすら大きくして18mぐらいにしたらモビルスーツなんですけど、モビルアーマーっていうのはですね、宇宙戦艦をひたすら小さくしていって、中に人間が2人しか乗れないようにしたらどういう風になるだろうかって、全く別のアプローチの兵器なんですね。なので、ニュータイプ抜きで勝てる兵器としてのモビルアーマー、もう1つは人間じゃなくてもっと反応速度が早い人間が乗って勝てるモビルスーツっていうですね、2つの路線をキシリアはやっていて、で、その1つを、人間を超える人間を乗せるものをシャアの方に任せて、もう1つですね、ダメな人間でも勝てるスーパー兵器っていうのをですね、マ・クベの方に渡してたっていうです。この流れで見ると、割とですね、シャアのところには案外モビルアーマーがなかった理由っていうのも、分かりやすくなるんじゃないかと思います。もちろん、エルメスとかですね、例外的なものはあるんですけど、割とシャアはですね、いわゆるモビルスーツの延長線上の部隊ばっかりを率いていて、で、他のモビルアーマーっていうのはですね、シャア以外のところに割と割り振られてた。なんかそこら辺はですね、辻褄が合ってくるんではないか、SFレスキュー隊としてですね、そんな風に考えました。
さて、後半はですね、アクションパートとその後ドラマのですね、解説です。中でもですね、注目していただきたいのはですね、破壊されたジオンの基地での、アムロと名もなきジオンの兵隊とのやり取りを描いたシーンです。基本的にですね、実はアムロって家出はしたんですけども、帰りたくて仕方がないんですね。つまりみんなに連れ戻してもらうために家出したみたいなところもあるんですよ。だから何でもいいから手柄を上げて、みんなのところにですね、やっぱお前がいないとダメだという風に言われて帰る形を望んでるんですね。で、そういう理由でですね、今回の戦いを勝手にですね、頼まれてもいないのにですね、これまで「僕は戦いたくないんですよ」っていう風に言ってたのに自分から仕掛けるのは、やっぱ帰っていくきっかけ、ホワイトベースに帰れるきっかけが欲しくて戦うことになるんですけど、全てが終わった後、自分の戦いっていうのはいかに虚しかったか、無意味だったかということを思い知らされるわけですね。で、それをですね、結果によって、自分が仕掛けた戦いによって死にかけてる人を見つけたアムロは、苦しむジオン兵を助けようとすると。
で、この人間関係を押さえた上でシーンを見るとですね、すごい大人っぽいシーンというかですね、割となんだろうな、宇宙戦艦ヤマトで26話延々やって、最後で「俺たちがやったことは何だ、ガミラスを滅ぼしただけじゃないか」っていうのをですね、アムロは、機動戦士ガンダムでは割と前半の方でさらっとやってるという辺りが、その富野演出のですね、割と凄さっていうかですね。こういうのって本当はもっと盛り上げて主人公に絶叫させたいところをですね、あえて無言でやることで、こちらの方にアムロが感じてることをひしひしと感じさせると。この辺の演出がすごいと思います。
こっから先はですね、有料の放送になります。続きが見たい人はYouTubeのメンバーシップ、ドワンゴのブロマガチャンネルですね、もしくは岡田斗司夫アーカイブ、どれか好きなもの選んでですね、入会してみてください。僕としてはですね、アーカイブが1番ありがたいはありがたいんですよね。YouTubeのメンバーシップはですね、なんだろうな、アーカイブの中に入ってる文字起こしが見れないのです。文字起こしをできれば見ていただきたいし、で、ドワンゴのブロマガチャンネルはブロマガチャンネルの方で、あれ1ヶ月縛りの契約なのでですね、なんかこう月頭に入らないとどうしてもなんか損した感じになっちゃうというのか、そういうのがあるので、できればアーカイブの方がありがたい。実はアーカイブのが1番安いというのもあります。
後半が終わった後ですね、追加で、ちょっと待って。コメントでマ・クベ21歳だって書いてるけど、マ・クベ21、すげえな、そんな設定あったの知らなかった。後半が終わった後でもですね、生放送で追加の解説ちょっとだけします。それではですね、マ・クベ21だそうです。俺、後半やったら調べときますけどもですね。それでは後半スタートです。さあ、調べよう。
うんとですね、アッザムからですね、攻撃があってですね、普通にガンダム戦ってるんですけども、真上に来るんですね。この攻撃しながらアッザムが真上に来て「上を取ったぞ」っていう風に、なんだろう、マ・クベが言うと、変なものが発射されるんですね。で、ガンダムも何も考えずにビームライフルでそれを撃ち落とすとですね、周りに金属の粉がパラパラパラっと来ると。で、アムロはこの金属の粉が何のことかわかんないですけども、無数の金属の粉が周りに落ちてきて、次に「リーダー発射」っていうので、なんかこう不思議なですね、プロペラで飛ぶ変なものが出てきて、で、それが周りにですね、ワイヤーを打ち出して、ガンダムの周りをワイヤーで囲って、そっから強力な電波というか電磁波を出すんですね。
「はははは、上を取ったぞ」っていうですね、戦国武将とか忍者物みたいなセリフがあって、「リーダー発射」ってことでアッザムからリーダーが出てくる。「灼熱のアッザム・リーダー」ってこのことですね。アッザムっていうなんかこう空を飛ぶみたいなやつが出てきて、で次に「リーダー発射」って、このセリフでしかわかんないんですけど、「リーダー発射」っていうことでこの金属の粉の用途もやっと分かる。このリーダーというやつがですね、周りに飛ばしたワイヤーからですね、電磁波をバーっと出すと、その周りの金属の粉が加熱されて、ガンダムの周りの温度が見る見るうちに上昇していくと。で、アムロは「な、なんだ、うわ」って言ってると、なんかコクピットの中の数値を見ると表面温度4000°と。「さっきの砂みたいなやつのせいか」ってことで、ようやっとアムロは敵のやり方に気がつくと。なんか周りに降らした金属の粉みたいなものを電磁波で熱することによって温度を上げるっていう、いわゆる電子レンジの応用とか電子レンジそのものみたいなことで、このモビルスーツを倒そうとしてるんですね。
だからそこでですね、ガンダムファンだったら1度は突っ込んだことがあるですね、喋るガンダムのシーンですね。初めてガンダムが喋ります。「パイロット及び回路保護のため全エネルギーの98%を放出中」ですね。なんか俺はこれ初放送の時見た時はベルトクイズQ&Qのコンピューターみたいって言ったんですけど、それももう皆さん分からないです。いわゆる1970年代にイメージされていたコンピューターってこうじゃないのって、なんか「我々は地球を」ってみたいなやつで、「パイロット及び回路保護のため」っていうの、本当にこんな感じで言うんですよ。で、「全エネルギーの98%放出中」っていうレポートに対してアムロが「98%、それじゃ動けない」と。とにかく今表面温度4000°なので、ガンダムの中にエネルギーがあったらそれが誘爆してしまうということで、もうエネルギーのほとんどを外に放出してるっていう風にコンピューターが告げると。でアムロは戦えない状態になってくると。
で、これに喜んでですね、マ・クベがですね、コクピットの中で「効果がありました、キシリア様、成功です。なんと言ってもモビルスーツの研究に関してはこちらの方が長いですからな」っていう風にまた隣同士の席で言うとですね、キシリアが隣で「放熱磁場が弱まってきたようです。早くとどめを」っていう風に、なんか敵討ちのですね、兄弟みたいになってるんです。お兄さん早くとどめをみたいな感じで。「早くとどめを」と言うとマ・クベが「了解しました」って言うんですけども、ところがですね、だんだんだんだんさっきのアッザム・リーダーから出ていた電磁波が弱くなってくると。そうすると、ガンダムの2回目のセリフです。「攻撃エネルギー低下」っていう風に言われて、アムロが「動けるな」っていう風なことで、動いてですね、アッザムからの攻撃を避けます。で、キシリアが「避けられた」っていう風に驚いて、マ・クベが「ザクならとっくに弱ってるはずです。もう一度行きます」って言うんですけども、ガンダムがですね、この油断してる時にアッザム・リーダーを撃ち落としてしまいます。
ガンダムの反撃が始まります。久しぶりに出てきたですね、武器ですね。ガルマとの戦いの時に使ったですね、ビームジャベリンっていうですね、ビームサーベルからなんか柄が、棒が出てきて、その先っぽだけにビームがつくっていうですね、槍の状態です。この槍の状態を持ってですね、ガンダムがアッザムの上に乗っかって戦います。で、上にですね、落ちないように取り付くと、もうアッザム本体に穴を開けて、砲台とかを1つずつ潰してですね、取り付いてしまうんですね。
キシリアは「早く振り落としなさい」っていうですね。マ・クベは「はっ」て言うんですけども、キシリアさん、そんなことを言わなくても、このシチュエーションになったら、上に乗られたら誰でも振り落とすかと思いますけども、もう横に乗ってるキシリアさん、冷静なキシリアさんではないんです。「早く振り落としなさい」「はっ」って、アムロはアムロで「落とされてたまるか」っていうですね。ガンダムシリーズでこんな間抜けなセリフの応酬ってあんまりないんですけど、「早く落としなさい」「はっ」「落とされてたまるか」ってすごい分かりやすいセリフの後、なんかここの、アッザムがぐるんと旋回するシーンとかがあって、マ・クベがですね、「ああ」って言うんですけど、なんで「ああ」っていうのかって言うと、こう落とされそうになりながらもですね、ガンダムが手に持ったジャベリンでもうバンバンバンバン砲台を潰すからですね、破壊される砲台と。
で、いきなりまたこの仲良しですね。キシリアさんが命令、マ・クベがビビるっていう顔してるんですけど、何かと言うと「これまでのようですね。機密保護のため基地を爆破しなさい」ってキシリアさんが言うと、マ・クベがたまげて「は、しかしあそこにはまだ兵士どもがおりますが」って言うんですけども、キシリアが「構いません。何よりも国家機密が優先します」と。マ・クベが「は、承知しました」ということでですね。「これまでのようです」って諦めるのも早ければ、「機密保護のため基地を爆破しなさい」という風に言って。で、割とね、ガンダムファンの間でもいろんなところ見ても、マ・クベっていうのは部下を見捨てるとか冷たいという風に書かれるんですけども、そのマ・クベですら「あそこにはまだ兵士がおります」っていうのに、キシリアさんは「構いません。何よりも国家機密が優先します」と。なんでかって言うと、マ・クベにとって鉱山っていうのは、このジオン軍の鉱山ですね、ソリウム鉱山っていうのは連邦との戦争に必要なもの、これによって連邦との戦争に勝利するものなんですよ。キシリアにとってはですね、連邦に渡してはいけないものであって、おまけにジオンにも、味方にも知られてはいけないものだから。だから敵の手に渡るぐらいだったら、我々が手放さなければいけないぐらいだったら、もう今爆破してしまうという風に考えるんですね。で、やっぱり僕、このキシリアってすごいCIAの匂いがするんですね。やり口が全てCIAの匂いがするっていうのが、まあまあこのシーンで分かると思います。
で、ですね、「は、承知しました」という風にですね、マ・クベがしぶしぶスイッチを入れるとですね、はるか地平線の方で、これアッザムの上に乗ってるガンダムなんです。アッザムの上にガンダムが取り付いて、アッザムも一生懸命落とそうとしてますけど、向こうの方で大爆発が起こってですね。で、このおかげでガンダムがですね、吹き飛ばされてしまいます。鉱山基地が大爆発です。アムロが「ああ」って言いながら吹っ飛ばされて、「基地が爆破」って信じられない顔してます。「基地を見捨てたのか」。アムロも驚きですね。
で、吹っ飛ばされたガンダムが見ていると、アッザムは悠々とですね、空を飛んで逃げていくですね。で、その中でですね、キシリア、ま、自分勝手なセリフなんですけども、「連邦軍のモビルスーツ、噂以上の性能と見た。我らもテスト中の各モビルスーツの実戦配備を急がなければならない」っていうですね。一応この後半に、新型モビルスーツがバンバンバンバン出てくる後半に流れるセリフにこう繋がっていくんですけども、もうこの回のキシリアさんの登場、明らかに僕は失敗だったと思ってます。もうね、どんなにね、言い訳しても、これまで一応ザビ家で、その下にいる将軍で、実際に出てくる部下たちっていう力関係、上下関係ってのをすごい気を使って作ってたのが、今回やっぱキシリアさんとマ・クベが2人並んで運転席と助手席で戦っちゃったので、もうねヤッターマンなんですよね。これ本当に「覚えてろよ」とか「今度こそは」とか、「それにしてもガンダムめ、次回こそ許さんぞ」っていう、なんかドクロベエ様にお仕置きされる前のドロンジョみたいになってる感じが、ヤッターマンシリーズの匂いがするですね。でももうこれしかやりようがなかったんでしょう。
で、アッザムが逃げていったんですけども、アッザムに乗ってたのがまさかザビ家の、なんだろう、将軍とは知らなかったアムロは、大きい敵を逃したというよりは、鉱山が自爆したっていうのもあるんですけど、鉱山をやっつけたことで大喜びです。で、ガンダムから降りてですね、鉱山を見るんですけど、もう何もないんですね。で、地下に入っていってこの基地の全貌を調べようとするんですけども、「やった、やったんだ」。ふふ、連邦軍が全力で潰そうとしていたジオンの基地をやったんだっていう風に、アムロ素直に喜んでます。で、基地の地下に入っていって情報回路と
かを調べるんですけども、情報回路がほとんど破壊されてると。で、やっと見つけた1枚の紙、命令書を見たら「第102採掘基地」と書いている。「第102採掘基地だって!? 僕がやったのはたくさんある採掘基地の1つだったっていうことなのか。レビル将軍が叩こうとしてるのはこんな鉱山じゃないのか。もっとすごい鉱山のことなのか」ってことで、「ちくしょう」ってこの紙を投げ捨てて、アムロは自分がやったことがなんか無意味だったと、もう100も200もある鉱山のたった1つを落として、自分は戦争を終わらせてたつもりになったということで、すごい後悔するんですね。
で、落ち込んで外へ出るとジオ兵が倒れてると。つまりもう自分は今日山ほど人を殺したわけですね。まあ、死んだのの半分以上は実は自爆で死んだんでしょうけど、それはアムロには関係ないことです。アムロにしてみれば自分が手を下したことですね。で、ジオ兵が死にかけてると。で、はあはあ言ってて、母親の写真を持ってたのがもう手から落ちてしまってると。で、アムロは思わず近くのですね、水道から水を手で汲んで、その手でジオ兵に持っていって飲ませると、ジオ兵が驚いて「君は」と。だってこの砂漠のど真ん中で秘密の採掘基地だから、絶対に近づく人なんかいるはずがないんですね。そこに男の子が来て水を飲ましてくれたので「君は」っていう風に聞くと、アムロは「通りかかった者です」って不自然な答えをすると。「でもじき連邦軍かジオの救助隊が来るでしょう」っていう風にアムロは答えます。
でね、俺ね、このやり取りが好きなんですけども、「連邦軍かジオの救助隊が来るでしょう」って言った瞬間の、死にかけてるジオ兵がちょっと笑いながら「まさか」って言うんですよね。で、この「まさか」っていうのがなんかね、その秘密基地だからなんですね。結局ジオにとっても秘密基地だから、この基地が消えてしまってもジオで誰1人、採掘基地の存在すら知らないと。だから誰も助けに来るはずがない。
じゃあなんで次に連邦軍が助けに来るっていう風にこいつが言うのかと。またはなんでこんな子供が1人きりで来たのかって言うと、ああ、こいつがなんかさっきまで俺たちを攻撃した相手なんだという風に分かったっていうのもあると思います。ただそれよりは、やっぱこの「まさか」っていうのは、俺たちこの第102採掘基地っていうのは完全にそのマ・クベの秘密にしてる採掘工場だから、働いてることも秘密だから、俺たちが死んでも戦死報告が果たして本国に行くのかも分かんないですね。俺たちの遺骨があの家族の元に行くのかも分かんない。なので、そんな任務につかされてたんだから、「もうすぐジオの救助隊が来ます」っていう風に言われても「まさか」って思わず笑っちゃうんですよね。
で、えー、「待っててください」と。それと、「これ発煙筒ですから、助けが来たら使うといいです」っていう風にアムロに発煙筒を渡されます。そうするとジオ兵が「すまんな。そんなに早く来るのかい、助けが」って聞くと、アムロは「来ますよ。希望はいつも持ってなくちゃ」って言って、「では」って言って去ろうとします。そうすると去ろうとしてるですね、アムロにジオ兵が「よう」って声をかけるんですね。で、アムロが「え」って振り返ったら、「もしお前さんがあのモビルスーツのパイロットなら、信じられんがね。パイロットなら、敵に甘すぎると命がいくらあっても足らんぜ」っていう。この時ですね、パイロットなら甘すぎるぜ。お前がパイロットっていうのは信じられんけど、もしそうだったら甘すぎる。敵にあの、命がいくらあっても足らんぜっていう風に言うと、アムロが怯えたような顔で振り返って「ありがとう」って言うんです。
で、これもやっぱ僕、昔見た時は、いわゆるいいセリフのやり取りだと思ったんですよ。なんか最後、罪の意識もあって、アムロとしては何にも役に立たないことをしてしまったから、ちょっとぐらい意味があることしようとして、ジオ軍の生き残りの兵士についついこうなんか助けてしまった。で、発煙筒まで渡したと。そうすると、そいつが実はガンダムのパイロットだってことを見破っていて、そのちょっと粋な感じ、おしゃれな感じで、「そんなことをしてた、敵に情けをかけたら命がいくつあっても足らんぜ」って言うと、アムロは「ありがとう」って言うって思ったんですけども。
これね、この流れ全般で見ると、こん時に、こいつもう死にかけてるんですけども、あの、殺意を持ってるんですね。自分が攻撃したやつが誰か分かったと。「え、そんなに早く来るのかい、助けが」って言うと、アムロが「来ますよ」というところで、あ、やっぱりこいつは俺たちを攻撃してきたあのモビルスーツのパイロットなんだと。俺たちをこんな目に合わしたのは、こんな人知れず地球の果てでですね、ジオ本国の家族も知らない場所で死んで、俺の死亡報告も行かないようなところで死ぬはめになったのはこいつなんだと。でももう自分は息絶えつつある、死につつあるから、もう銃を持つ力もないと。
だから本当言えば恨み言とか言ってもいいですし、殺してやるとかですね、地獄に落ちろみたいなことを言いたいんですけども、なんかこいつの中で、いや、あの、「命はいくつあっても足らんぜ」っていうのは、お前いつか殺されるよっていう風に言ってるんですね。で、アムロが「ありがとう」っていう風に言ったのは、その忠告に対してありがとうって言うんではなくて、自分に殺意を向けられてるのが初めて分かった。自分としては死にかけた兵隊を助けてあげたから、ちょっといいことしたつもりが、相手に「お前だったのか」っていう風に気づかれて、殺意をまともに向けられたのが分かって、ちょっと怯えながら「ありがとう」って言うしかなかったって。ああ、こんななんか深いドラマのやり取りがあったんだなっていう風に、なんかね、ちょっと今見ると、あの、発見しました。
でこの後ですね、「ありがとう」ってアムロが言った後ですね、もうこれでアムロの出番、この回ないです。で、ホワイトベースがですね、ようやくフラウ・ボゥから連絡を受けて現地に急行すると、もう延々破壊された後なんですね。で、破壊された後の中から発煙筒から煙が上がってんのが見えると。「発煙筒だ。確認する、接近しろ」という風なことで、ホワイトベースが多分あのジオ兵を見つけたんですよ。だから多分あのジオ兵は助かるんだと思います。
でもホワイトベースの中ではですね、ミライが「でもここはメインベースではないわね」と。つまりそのマ・クベの鉱山のメインの基地ではないと。セイラが「そうね。でなかったらガンダムたった1機に潰されはしないわ」って、すごい冷静なこと言いますが。「うん。困ったことをしてくれたな。ガンダムのおかげで、敵は我々に対して完全にガードを固めちまったと判断していい」と。セイラさんがですね、「アムロ、今頃英雄気取りでしょうね」っていう風に、どこまでも今回嫌な女なんですね。
でですね、結局その関係をもうちょっとでもお互いまともにしようとして、アムロはアムロで手柄を立てた上でホワイトベースに帰れば、もう戦争も終わるし、シャンシャンだと思ってると。ホワイトベースはホワイトベースで、アムロに対して反感を持たないように、まず仲良しのフラウ・ボゥをやって気を納めてもらおうとですよ。お互いに実は歩み寄りの精神があったんですけども、結局やったことによって、アムロはなんかやらなくてもいい戦いをやって、助けたつもりの人からなんか「お前のことは許さないぜ」みたいな感じで見られて、すごい虚しいと。ホワイトベースはホワイトベースの方で、アムロの活躍っていうのを、やらなくてもいいことやってくれたおかげでと。で、おまけにあいつは今頃英雄気取りに違いないってことで、ホワイトベースの中でますます反感の火が上がっちゃってるっていうとこです。
で、え、「アムロ、今頃英雄気取りでしょうね」っていう風にセイラさんに言われて、「でもどこにも姿が見えません」ってハヤトが言うと、カイが「逃げたんだよ」って言うと、そうするとフラウがいたたまれなくなって、このブリッジから走って逃げちゃうんですね。で、走って逃げながら、またバギーでですね、もう1回、誰にも今度は頼まれてないのに、依頼されてないのに、夜の街です、もう夕暮れの街をバーっとさ、街じゃない、砂漠の中をもう1回ガンダムの足跡を求めて、もう見失ってるガンダムの足跡を求めて走らせながらですね、「何よ、アムロったら。人の気も知らないで」っていうのが最後のセリフなんですね。
この「人の気も知らないで」っていう風なことで、お互いに反感を持っていって、お互いにその気がないのにどんどん反目し合ってるですね。反感が高まってる間に挟まれて、どっちの気持ちも分かるフラウは、「何よ、アムロったら。人の気も知らないで」って言いながら走っていくと。ここでこうドラマは終わります。
えっとですね、ガンダム18話「灼熱のアッザム・リーダー」こんな感じなんですけども、次回19話はですね「ランバ・ラル特攻!」なんですけども、まあ超かっこいいですからですね、楽しみにしてください。では次回のガンダム講座でお会いしましょう。
はい。どうもお疲れ様です。あのさっきコメントで出たですね、あの、マ・クベ21歳、嘘だそうです。僕らも一瞬ですね、パニックになって全員で調べたんですけども、まあマ・クベの年齢は分からなかったんで。そしたらあのコメントで「すいません、嘘です」と言ってくれたんで、ようやく安心しました。もう本当にびっくりしました。
えっとですね、あのYouTubeプレミアムの方の会員のですね、ああさんからですね、コメントで質問が来てます。「最後にアムロは自分の攻撃した鉱山が、いくつもある中の1つに過ぎないと愕然。しかし、マ・クベがわざわざキシリアを連れて視察に来たんだから、重要な鉱山だったのではないでしょうか」という風な質問が来ています。
え、まあ、あの、これはあの、僕のSF考証としてのですね、勝手な想像なんですけども、あの、キシリアの動きっていうのはですね、別にどんなに秘密にしても、あんなに重要人物だから敵の諜報網に引っかかっちゃうわけですね。だからあくまでやっぱあの、アッザムのテスト視察っていうかですね、あの、新型のモビルアーマーができた。これも工場で作ってるもんだから、秘密にできるはずがないんですよ。だからそれをマ・クベに届けて、それの試運転というかテストを見に来たというですね、公式にはそこだけしかないわけですね。
で、鉱山の何が、あのソリウム鉱山の何が秘密かったら、埋蔵量なんですよ。どちらかって言うと、鉱口がいくつあって、全体の埋蔵量がどれだけあるのかっていう部分が秘密なだけであって、だからその鉱山、どの鉱山が重要ではないんですね。その鉱口の数が、まあポイントなんですね。どれぐらい取れるのか。なので、まあ個別にですね、ここの鉱山が重要とか、そういうのはなかったんじゃないかなという風に僕は考えてます。
え、でですね、まああと最後のですね、ジオン軍兵士の言葉ですね。「命がいくつあっても足りないぜ」っていうやつはですね、やっぱあの、俺はお前を殺せないけど、あの、俺の仲間がいつかお前を殺すよと。あの、ちょっと親切にされちゃって、お前も多分悪気なかったんだな、悪いやつじゃないんだな。でも俺は絶対に、あの、許さないし、俺の仲間もお前を許さないと。で、俺の仲間がいつかお前を殺すよって、あれは呪いの言葉なんですよね。呪いの言葉をアムロに言うのでですね、アムロがですね、あんなにビビってちょっと振り返ったんだっていう風に考えれば、割とあの面白くですね、この対立が見れるんじゃないかと思います。
あと、あの、最後、あの、ホワイトベースのですね、人たちが、ガンダム1機でこんなにやられちゃうなんて、ここは大した鉱山じゃなかったんだ、なんでこんなところでアムロは必死になったんだ、みたいなこと言うんですけども、あの、ホワイトベースのクルーが知らないのはですね、キシリアの命令で自爆させられたってことなんですよね。つまりガンダムにやられて、あの鉱山がボロボロになったんではなくて、実はガンダムがやっつけたのはごく一部でですね、キシリアはですね、この鉱山の規模を知られてはまずいってことで自爆させたんですよ。
だから本当言えば、あのジオン軍の兵士の恨みの持っていき先はキシリアであるべきなんですけども、そういうの知らない。で、ホワイトベースの仲間たちもそれを知らない。で、フラウ・ボゥがどんなに心配して、で、あの、ブリッジの中でいたたまれなくなって飛び出して、泣きながらアムロを探してるのかも、やっぱこれもアムロも知らないですね。
で、この富野演出の『機動戦士ガンダム』の面白さっていうのは、みんなそれぞれ一部しか事情を知らなくて、きっとこうに違いないと、あの、ある程度自分たちが知ってるつもりでいろんな判断をして、それはもうマ・クベもキシリアもアムロもシャアも全員そうなんですよね。そしてその中で全体像をある程度分かってるのはですね、視聴者だけと。テレビを見ているこちら側だけが全体で何が起こってんのかを分かっていて、そして個別の人たちが、あ、こんだけしか情報を知らない、こんだけしかもうあの分かってないから、この人はこんなことを思ってるんだっていうのを知る立場にあるとですね。
そろそろその見てる側の視点がもう少しずつ上に上がるような組み立て方をしてるんですね。あの、第1話、第2話はどんな状況かが全く分からなくて、そして登場人物のセリフから状況を推理するしかないっていうですね、視聴者の方がいわゆるステージで言うと下で、登場人物の方が色々知ってる状態からですね、この辺りになってくると、見てる側の方が全体を俯瞰的に見れるようになってくるですね。
あの、かなりその歴史に近いですね、作り方ですよね。いわゆる本能寺の変とかが起きた時にですね、テレビを見てる側、ドラマを見てる側が、だから、だからこうなるの分かってるから、こうすればいいのっていう風に心配するじゃないですか、先回り。あれがですね、そろそろ起きてる大河ドラマのですね、見せどころになっています。
えー、さて、次回からですね、いよいよ名エピソード「ランバ・ラル特攻!」です。もう、今回ラストですね、フラウが飛び出して探しに行ったのも、やっぱ次の「ランバ・ラル特攻!」のシーンと動きを合わせるためなんですね。もちろん数日後のことだとは思うんですけども、アムロがですね、砂漠の町でランバ・ラルたちと出会って、そこに偶然フラウが入ってくるっていうのもですね、この1つ前のあの「灼熱のアッザム・リーダー」のラストで、フラウが夜中に飛び出したっていう動きを受けての、まあドラマ展開だと思っていただければ面白く見れると思います。
家出中のアムロとランバ・ラルの部隊が砂漠の中でさびれた店で会うというですね、まあドラマのパートですね。あとは、え、実はですね、あの、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ザク、グフっていうですね、全てのこれまで出てきたですね、モビルスーツが勢揃いして大迫力の戦闘シーンを繰り広げるシーンで、え、あとはですね、アムロとですね、ランバ・ラルの1対1の、もう本当に黒澤明の剣劇のようなですね、チャンバラシーンですね。
え、最後はホワイトベースのですね、独房に放り込まれたアムロのですね、「あの人に勝ちたい」というですね、初めて殺したいとかですね、殺したくないというか、アムロがこれまで言ったのは、逃げなければいけない、殺さなければいけない、殺したくないだったんですけども、あの、「あの人に勝ちたい」っていう風に思えたのはなんでか。それはランバ・ラルという男に最初に尊敬の念を抱いたから勝ちたいと思えたんだっていうですね、はっきり戦う動機を得るというですね、まあ成長のシーンですね。とにかくあの盛りだくさんで捨てる場所がないのでですね、「ランバ・ラル特攻!」のやつはですね、あの全4回に渡ってお届けしますので、楽しみにしてください。ということで、え、来週をお楽しみにしてください。はい、お疲れ様でした。
今日の無料動画はここまでですね。あの動画の中でですね、そのマ・クベとキシリアが横に並んでですね、アッザムに乗り込む理由っていうのを、まあ何とか絞り出せたんですけど、今見直すとですね、やっぱりね、厳しいですよ。ていうか、無理ですよ。え、「お前が、あの、やってみせよ」という風にですね、キシリアさん言うんですけどですね、無茶というかですね、まああの絵を作るための仕方ないセリフですね。
まあ作品の外まで、あのね、視点を広げたらですね、この辺はスポンサーのおもちゃ会社からの要請が関係してるんだと思います。というのは、それ以前のですね、いわゆるロボットアニメ、子供向けのロボットアニメだったらですね、敵の幹部がですね、ロボットを操縦するのが当たり前だったのもあるし、そもそも『機動戦士ガンダム』の富野メモと言われるですね、初期のメモではですね、最後はですね、ギレン・ザビまで専用モビルスーツに乗ってガンダムと戦うという設定だったので、まあ一昔前のアニメだったらアリだったんですけども、ガンダム以降からやっぱこう徐々に変わってきたんでですね。まあキシリアさんは最後までモビルスーツに乗りませんし、そもそもですね、マ・クベが乗るのもかなり無理がある話なんですね。
うん。で、以前のですね、動画でも話した通りですね、ガンダムの初回放送っていうのは、ハイティーン、いわゆる中学生、高校生以上のですね、視聴者には注目されたもののですね、スポンサーがおもちゃを売りたかった小学校低学年の子供たちには全く受けなかったわけなんですね。で、そこで話をもっと分かりやすくするために、シャアというライバルは何を考えてるのか分かんないから、華々しく散らせて、「おのれ」とかって言って死んでしまえとか、殺してしまえという風に言われてたりとかですね。あと毎回新しいですね、ロボットを出せってことですか、スポンサーの要請が入り、え、それをもとにですね、また富野さんもですね、スポンサーの要請はできるだけ組み入れた上で自分の好きなことをやるというポリシーで作ってますので、なんとか組み入れるわけですね。
で、このテコ入れが効いてくるのが12話以降ですね。え、新型のモビルスーツが次々登場したりですね、ランバ・ラルのような男らしくて分かりやすい、小学生の男子に憧れてもらえるようなですね、キャラが出てきたり、あとマ・クベというですね、これもまた分かりやすい不気味で冷たい敵キャラが出てきて、これが男らしいみんなが大好きなランバ・ラルをいじめるみたいなですね。まあそういうですね、毎回あの手この手でですね、え、盛り上げようとすると。あと毎回のようにですね、練習シーンとしてガンダムの合体シーンですね、空中換装シーンをですね、本編に紛れ込ませるようになったのも、これも12話頃からなんですね。え、さらにこの先ですね、待望の、まあ、あの、誰にとって待望か分かんないですけど、ガンダム強化メカ、Gファイターがですね、Gメカが登場するわけですね。
まあ、なのでですね、今回のですね、悪の親玉キシリアとその手下マ・クベが乗り込んだ巨大メカがですね、新型メカがガンダムと戦うという展開も、そういう分かりやすさをですね、スポンサーからの要望をですね、いっぱい取り入れた結果だと思います。で、普段のガンダムだったらですね、キシリアとマ・クベが乗り込むにしてもですね、一応それらしい理屈付けというかドラマがあったはずなんですけども、ただこの18話はですね、このアッザムとの戦い以外に考えなきゃいけないことがいっぱいあるわけですよ。アムロが脱走してるわけですよ。だからここで子供向けアニメじゃないことをやってるのに、もう1回ですね、子供向けのおもちゃアニメとしてですね、義務が上から寄りかかってきたから、偉いことになっちゃってるわけですね。
え、18話のお話というのはですね、アムロとホワイトベースのメンバーとの対立であり、え、最後にですね、和解ですね。あの、一番最後のですね、第43話「脱出」でですね、アムロがホワイトベースのみんなの元に帰って「僕には帰るところがあるんだ」っていうのをですね、際立たせるための、一番書かなきゃいけない、それと正反対の状態なんですね。なのでこれはもう本当にあの、やるしかないわけですね。
で、これをですね、まあまあ、あの、なんとか、家出したアムロがですね、なんとか帰るきっかけを作るためにですね、無理に手柄を立てようとするとか。で、それが今回のメインなわけですね。まあアムロもですね、そのジオンのですね、鉱山基地を見つけてアッザムと戦ったりするっていうのは、実はホワイトベースに帰りたかった。で、帰るためには頭を下げて帰るんではなくて、手柄を立てて帰りたいという風に思ってた。この辺がポイントだと思います。
あの、まあだから、そのアッザムとの戦いはおまけなわけで、おまけのために時間を割いてる暇はあんまりないのに、そこになぜマ・クベとキシリアがアッザムに乗らないといけないのかというですね、まあまあ見てる人が納得する理由をですね、どうも入れる尺もなければ、もうね、アイデアも尽きてたというですね、まあこの辺のメタ的な視点でですね、フォローするぐらいしかないんですね。
あとアッザムを操縦する時のですね、マ・クベの戦い方、絶対間違ってるわけですね。アッザムの強みって、ガンダムのビームライフルよりもですね、はるかに強力なメガ粒子砲を持ってるわけですよ。で、当然ガンダムのビームライフルもですね、遠くまで届くし威力もでかいわけだから、遠くからですね、ガンダムと戦うのが一番いいわけですね。なのにマ・クベがやったこと何かって言うとですね、あの、まあ本当はさっきも言ったようにですね、あの、ビームライフルが届かないような遠方からメガ粒子砲で攻撃だったんですけどもですね、空の上からですね、一方的になんか攻撃してですね、あの、アッザムがふわふわ動きながら移動するから、まあまあね、あの、本当は空のはるかに高いところから、成層圏あたりから攻撃するのが一番良かったと思うんですけどね。
え、にもですね、関わらずですね、「やった、上を取りましたぞ、キシリア様」とですね、いちいち報告しながらですね、ガンダムに近づいて、え、その結果ですね、アッザムの上に乗られるっていうですね、一番こう、まあ間抜けなことされちゃうわけですね。え、マ・クベさんね、それまずいっすよね。あの、アッザムは真下を攻撃する武器なんかついてないんだから、そもそも「上を取りましたぞ」っていうのもないわけですよね。
で、秘密兵器のアッザム・リーダーというですね、タイトルにもなってるですね、電磁網みたいなのもあるんですけど、あれもね、やっぱりね、相手の動きを止めてその後とどめを刺すためのサブウェポンであってですね、あれはあの、相手の動きを止めて、他の援護のモビルスーツに敵を攻撃させるためのものなんですね。だからアッザムの攻撃用じゃないんですよ。だってアッザムって長距離用の武器しか持ってないんだから。近距離で敵を網で捕まえて、もう1回長距離に離れて、でなんかメガ粒子砲で撃てって言うんですかって話になっちゃうわけですね。あの、本来、本当に1対1の格闘戦用ではなくて、艦隊単位で運用する移動要塞なわけですね。
え、じゃあマ・クベはですね、なんでそんな、まあこんなに突っ込まれるようなですね、間違った戦い方をしてしまったのかというと、もうその理由は簡単ですね。隣にキシリア様が乗ってるからですね。あの、後々ですね、え、素顔を見せてくれたりですね、優しい人間味を見せてくれるキシリア様ではなくてですね、あの、ジオンの将官をですね、平手打ちで殴ってですね、あの、「ふざけたことをお言いでない」っていう、ものすごく怖いキシリア様がですね、隣で乗ってるので、平常心で運転できなかったというですね、まあそんな感じだと思います。なんかね、え、昭和の時代の接待ゴルフみたいなんで、部長がですね、助手席に乗っててですね、平社員の運転にあれこれ言ってるようなもんです。怖い、怖い。
え、それでは今日の動画はこの辺でですね。次回ですね、第19話「ランバ・ラル特攻!」の動画でお会いしましょう。それではまた来週。バイバイ。
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