日本はなぜ戦争責任をめぐる「謝罪と否定の繰り返し」から抜け出せないのか――中島聡氏のドイツとの比較

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概要

ソフトウェアエンジニアで起業家、元マイクロソフトの中島聡氏が、ChatGPTを聞き手役にしたインタビュー形式で戦争責任の問題を語った。中島氏自身、炎上しかねない話題だと前置きしている。扱う問いは、終戦から長い年月がたった今も、日本が第二次世界大戦をめぐって謝罪と否定を繰り返してしまうのはなぜか、である。中島氏の仮説は、日本にはドイツのナチスのような「明確な責任主体」が存在しないことが原因の一つではないか、というものだ。

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なお冒頭で、ChatGPTが名前を「さとし」ではなく「さとう」と読んだらしく、中島氏は「佐藤じゃなくてサトシ」と訂正している。

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毎年繰り返される否定と炎上

中島氏がこの仮説を考えた背景には、毎年終戦記念日が近づくたびに起きる出来事がある。右派の人々が南京大虐殺や従軍慰安婦の問題を否定する発言をする。それが中国や韓国の人々の反発を招いて炎上する。中島氏によれば、これが毎年のように繰り返されている。

中島氏は自分の立場を次のように説明する。自分も戦後生まれであり、いつまでも謝り続ける必要はないと思う。だからといって否定する必要もない。特に侵略戦争の中で残虐行為をしたことは否定すべきではない。学ぶべきなのは、そうしたことを繰り返さないためにどうすればよいかである。否定することは危険だと中島氏は考えている。一方で、ひたすら謝ったり賠償金を払い続けたりする必要もないという。中島氏は今の状況を、日本がいつまでたっても戦争の傷跡から立ち直れずにいる姿だと見ている。

ドイツでは責任の所在がはっきりしている

比較の対象はドイツである。中島氏にはドイツ人の友人もいる。中島氏の見方では、ユダヤ人の虐殺はドイツにとっても暗い過去であり大きな傷だ。ただドイツには、ナチスという明確な政治団体があり、その中にヒトラーがいた。その人たちがしたことは残虐であり、ドイツ人はそれを否定しない。否定すれば大変なことになるほどだという。

中島氏が整理するドイツの論理は次のとおりだ。ユダヤ人の大虐殺は非常に悪いことである。そして、そうした行為を起こしたヒトラーやナチスに政権を取らせてしまったドイツ人は反省すべきである。中島氏はこれを「すごく明確な、ある意味合理的な」整理だと評価する。「責任を押し付ける」という言い方は変だが、と断ったうえで、責任の所在をはっきりさせて次に進めている、と述べる。

その結果、ドイツでは虐殺を否定する人はおらず、謝り続ける必要もない、と中島氏は言う。議論の中心は、ナチスのような政党に政権を取らせてしまった失敗を二度と繰り返さないために何をすべきかに移っている。中島氏はこれを「反省に基づいた前向きの発想」と呼ぶ。日本ではそれができていないことが、中島氏にはとても不甲斐ないという。

日本で責任主体が曖昧になった二つの理由

中島氏は、日本でこの整理ができない理由を二つ挙げる。

一つ目は、責任を負わせるべき団体に名前がないことだ。日本の場合、行為の主体は旧日本軍である。旧日本軍は日本国の一部であり、ナチスのような政党ではない。そのため責任を切り分けにくい、と中島氏は見る。

二つ目は戦後の占領政策である。東京裁判でA級戦犯とされた人々はいったん投獄された。中島氏の説明によれば、戦後の日本では共産主義の運動が盛んになっていた。占領していたGHQは、日本が赤化してソビエト側に流れることを嫌った。そこでGHQは、非常に政治的な理由からA級戦犯の人々を釈放し、日本の赤化を避けるために利用した。中島氏はこれを、ドイツで言えばナチスにいた人々に相当する人たちが、日本では政界や財界で成功するという「非常に不思議なこと」が起きた、と表現する。

中島氏が特に挙げるのは、安倍晋三元首相の祖父である岸信介が総理大臣にまでなったことだ。総理大臣になった人まで含まれている以上、日本は「あの戦争は旧戦犯が起こした残虐行為だった」とは言えない。中島氏の考えでは、それが言えないために、日本はドイツのように過去を過去のものとして葬り去ることができない。その結果、今も謝罪と否定を繰り返している。中島氏はこの状況を「非常に悲しい」と語った。

中島氏は、この件では右派の立場にも左派の立場にも立ちたくないと強調する。望むのは次のような形で前に進むことだという。ナチスのような存在について「本当にあの人たちが悪かった」と認める。それを政治的な力を持つ組織にしてしまった国民にも責任がある。そして、そんなことは二度と繰り返してはならない。

必要なのは政府の公式見解

聞き手は、日本が今からでも歴史認識を健全な形で整理するには、具体的にどんなステップがあり得るかを尋ねた。中島氏の答えは、政府としてドイツに近い見解を公式に出すしかない、というものだった。

右派の人々は嫌がるだろうと中島氏は認める。それでも否定はできない、と中島氏は言う。日本軍は外国に対してだけでなく、日本人に対しても多くの悪いことをした。例として中島氏は二つを挙げる。まともな食料も与えずに兵士を戦争に行かせたこと。そして沖縄の一般の人々を盾にして戦ったこと。

そのうえで中島氏が求めるメッセージはこうだ。日本軍の行為そのものを個別に謝るのではない。そういう日本軍をのさばらせてしまったことを反省し、二度とそうしたことを繰り返さない国にしよう、と示すことである。日本の政治家にはそうしたメッセージを出してほしいという。石破氏がどこまでできるかはわからない、とも付け加えている。繰り返しになるが、謝る必要はなく、謝るよりも反省と再発防止の意思を示すべきだというのが中島氏の考えだ。

中島氏は最後に、それ以外の方法では、否定と謝罪の繰り返しというジレンマから立ち直る方法はないと思う、と述べた。聞き手役のChatGPTは、一部の層から反発があっても、日本軍が日本人自身にも苦しみを与えた事実を含めて過去を直視する姿勢を示せば、この繰り返しから抜け出せるのではないか、と受けた。そして今後の政治家の発信に期待を示して、インタビューは締めくくられた。