日銀保有ETFを新生児に1000万円ずつ配る:中島聡氏の少子化対策・ETF処分の同時解決案

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概要

日銀が保有するETF(上場投資信託)の売却を発表したが、すべて売り切るまでに100年以上かかるとも報じられている。中島聡氏はこの報道を受け、自身のメルマガに書いた提案をAIアシスタントに読ませて解説させた。提案の内容は、これから生まれてくる子どもたちに日銀保有のETFを配り、ETFの処分と少子化対策を同時に進めるというものだ。動画では、自作のAIツール「MulmoChat」と対話しながら、提案の中身の説明、財政負担についての補足、実現に向けた方法の検討、政策提言用プレゼン資料の作成までが行われた。

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発端:「売り切るまで100年以上」という報道

中島氏はまず、日銀のETF売却に関する報道をアシスタントに調べさせた。アシスタントは関連記事の要点を3つ挙げている。1つ目は、日銀が保有ETFを市場で売却する方針を発表したものの、そのペースが非常に緩やかで、全部を売り切るまでに100年以上かかる可能性があるという見方。2つ目は、売却の狙いが金融政策の正常化と市場の歪みの是正にあり、同時に市場の過度な混乱を避けるために極めて長期の計画になる可能性があるという指摘。3つ目は、時間をかけて段階的に売ることで市場への影響を最小限に抑えたいという日銀の意図を、市場関係者が分析した記事である。

中島氏は後半で、この状況について「正常化に100年かけるのはどうもおかしい」と述べている。提案はこの問題意識から出発している。

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提案の仕組み:誕生した子どもに時価1000万円分のETF

アシスタントが読み上げた提案の骨子は次の5点である。

  1. これから生まれてくる子ども全員に、時価1000万円分のETFをプレゼントする。
  2. 子どもが18歳になるまでは親が管理する。
  3. 18歳になる前に売却した場合、売却分は親の収入として課税される。
  4. 18歳を超えて子どもが売却した場合は、値上がり分にのみキャピタルゲイン課税がかかる。
  5. 子どもがこの資金を使って起業した場合はキャピタルゲイン課税が先送りされ、会社の売却や株式の売却まで課税されない。

この設計には、家庭の経済状況によって行動が分かれるという狙いがある。所得の低い家庭は、ETFを売却して養育費や学費に充てられる。所得が少ないので、親の収入として課税されても税負担は軽い。一方、資産に余裕のある家庭では早期売却に高い税率がかかるため、18歳まで待って教育費や起業資金に使うのが賢い選択になる、と提案は説明する。

数字の見積もり:10年で日銀の帳簿から消える

提案によれば、日本では現在年に約70万人の子どもが生まれている。1人に1000万円分を配れば年7兆円分となり、約10年で日銀のバランスシートからETFを消せる計算になる。しかも売却は各家庭の判断で少しずつ行われ、その多くは18年以上先になるため、市場に一度に放出されるわけではない。

起業への効果についても試算がある。この資金で起業すればエグジット(会社や株の売却)まで税金を払わなくて済むため、起業のインセンティブが高まる。仮に3%の人が起業すれば、毎年2万社以上のベンチャーが生まれることが期待できる、と中島氏は見積もる。

一方、提案文はコストも明記している。政府の借金は帳簿上70兆円増える。それでも、中途半端なばらまきや消費税減税をするより、これくらい思い切った金額を少子化対策やベンチャー支援に使うのは悪くない、というのが提案の結論だ。

アシスタントはこれを「少子化対策と金融政策の正常化を同時に目指す大胆な提言」と評価した。

中島氏の補足:政府負担は実質35兆円程度ではないか

読み上げの後、中島氏はメルマガに書いた内容を口頭で補足した。法律上変えなければならない点はいろいろあるが、それは政治家が決められることだとしている。

主な補足は財政負担についてである。メルマガでは政府の借金が70兆円増えると書いたが、日銀はもともとETFを30何兆円で買っている。そこで政府が仮に35兆円で日銀から買い取り、値上がり分は政府が受け取る形にすれば、政府の借金は35兆円しか増えない、と中島氏は考え直した。さらに、18歳まで待つ人と待たない人がいるにせよ、売った段階で課税できるので税収としてある程度戻ってくる。そのため、この政策だけで見れば政府の借金が大きく増えるわけではない、というのが中島氏の見立てである。

株価への影響については、人々が売るタイミングによって当然影響は出るだろうと認めている。そのうえで、解消にかかる期間を次のように見積もった。日銀の帳簿から消えるのは10年だが、市場での売却が終わるまでには「10年+18年+アルファ」かかるので、なだらかに30年ほどかけて解消されることになる。100年待つよりは早く終わり、少なくとも日銀の帳簿からは10年で消えるという点で、「僕はとてもいいと思う」と中島氏は述べている。

どうすれば採用してもらえるか

次に中島氏は、この案を実際に採用してもらうにはどうすればよいかをアシスタントに尋ねた。YouTubeで話すのもよいが、政治家に届けたい。自民党か野党かという話ではなく超党派で進めたいので、多くの政治家や、場合によっては役人に検討してもらう方法を考えたい、というのが問いの趣旨である。

アシスタントは3つのルートを挙げた。1つは、政策提言の形で文書化し、各政党の政策調査会、超党派の勉強会、国会議員の事務所などに送ること。2つ目は、インフルエンサーや経済評論家、有力メディアに取り上げてもらい、議論を喚起して政策決定者の耳に届きやすくすること。3つ目は、公開フォーラムやシンポジウム、SNSでのキャンペーンを通じて一般市民の支持を集め、政治家が無視できないほどの関心を生むことである。これらを組み合わせるのが有効だとアシスタントは答えた。

なお動画の末尾には、同じ質問をした別テイクも収められている。そこでアシスタントが「このユーザーさんの提案」と言い、中島氏が「ユーザーさんって言わないで。僕だから、中島だよ」と訂正する場面があった。

視聴者へのお願い

中島氏は、この動画は数万人程度が見るだろうとして、視聴者に何をお願いすべきかも尋ねた。アシスタントの答えは次のとおりである。まず、提案の内容を自分なりに検討してもらう。そのうえでSNSで意見や感想を添えてシェアする。知り合いに政治関係者や役所の関係者がいれば紹介を頼む。地元の国会議員や地方議員に直接提案として届ける。さらに、賛同者がオンライン署名を始めたり賛同者リストを作ったりして、「これだけの人が支持している」と政治家に示せれば、インパクトはより大きくなる。

プレゼン資料の作成

最後に中島氏は、アシスタントに政策提言用のプレゼン資料を作らせた。生成された映像資料は、提案の仕組み(付与、18歳までの親の管理、売却時期による課税の違い、起業時の課税繰り延べ)、背景データ(年間約70万人の出生、10年で約70兆円分を市場に戻せること、日銀保有ETFは簿価約35兆円・時価約70兆円)、起業効果(3%が起業すれば年間2万社以上)、財政負担(帳簿上は70兆円の債務増だが、値上がり分を政府が受け取れば実質35兆円程度に抑えられる可能性)を順に説明する構成になっていた。

中島氏はこの資料を「いい感じ」と評価し、X(旧Twitter)などで配布するつもりだと述べた。動画は、アシスタントが視聴者にシェアと拡散を呼びかける締めの言葉で終わる。法改正の具体的な中身や、売却タイミングが株価に与える影響の大きさについては、動画の中では詰められていない。