岡田斗司夫が答える「彼女の推し活に嫉妬する」「2人続けて『将来が見えない』と振られた」

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概要

岡田斗司夫ゼミ「サイコパスの人生相談」の過去回から、恋愛にまつわる2通のお便りに答えた回である。元になっているのは2023年9月24日配信の第504回で、動画の最後には2026年時点の岡田による追加コメント(アップグレード情報)が付いている。1本目は、彼女の推し活に嫉妬してしまう大学生男性の相談。2本目は、2人続けて同じ理由で彼氏に振られた20代女性の相談だ。岡田は推し活について「傍から見ればみっともないもの」という立場を取る。3年後の追加コメントでも、この見方は変わっていないと述べている。

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推し活の広がりと2つの相談

冒頭で岡田は、「推し」「推し活」という言葉が当たり前に使われるようになって久しいと話す。今では日本国民の4割に推しがいて、推しの経済規模は年間4.1兆円に達すると言われているそうだ。

そのうえで、今回の2つの相談はどちらも恋愛絡みだと紹介する。恋人がいても必ずしも平穏で幸せに暮らせるわけではないことが分かる、というのが岡田の前置きである。

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相談1:推しのいる彼女に嫉妬してしまう

1通目は20代男性のゆかりさんからだ。大学生で、同い年の彼女がいる。彼女には推しがいて、ライブに通い、推しと話すために同じCDを10何枚も買うほどのファンだという。「推しが好き」ともよく口にする。

ゆかりさんは平気なふりをしているが、本当は嫌だ。彼女は「推しと恋愛は違う」と言い、ゆかりさん自身もそれは分かっているつもりでいる。それでも、彼女が異性を「大好き」と言うのを聞くとモヤモヤする。自分以外の異性のためにお金と時間を使っていると思うと悲しい。最近はゆかりさんにもその男性グループを好きになってほしいようだが、正直なところ嫉妬から、その推しが嫌いだという。

先日、彼女が推しと20秒ビデオ通話できるチケットを買ってはしゃいでいるのを見て、ついすねた態度を取ってしまった。「じゃあどうしたらいいの」と聞かれたが、何も答えられなかった。推し活をやめてほしいわけではなく、好きなものを取り上げられて悲しむ彼女を見たいわけでもない。自分はどうしたらいいのか、という相談である。

岡田はまず、この相談は半年前に読むのと今読むのとでは受け取り方が違うだろうと言う。今読むと、みんなの頭に「例の事務所」がちらつくからだ。

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「嫌だ」と感じるのは多数派だという見立て

岡田はゆかりさんの気持ちが「めちゃくちゃ分かる」と言う。さらに、男性の過半数、女性の大部分も同じように感じるだろうと見ている。

男女で「過半数」と「大部分」と差をつけた理由を、岡田は「自分の持論」と断って説明する。男性は自分の感情に鈍感なところがある。その原因として岡田が挙げるのは育てられ方の違い、つまり幼少期に付けられる「ベクトル」の方向の違いだ。男の子は、転んだときに痛いのを我慢すると褒められる。女の子は、転んだ人に同情すると褒められる。こうして女の子は、自分の体の変化に敏感になり、他人の体を気遣うと褒められるという方向付けを幼いうちに受ける。男の子は、不調や痛みを我慢するほど母親に褒められる。この差が20歳ごろまでにどんどん広がる、と岡田は言う。

その結果、自分の感情を無視できる男性が多くなる。一方で女性は、自分の感情にも他人の感情にも目が向くのが当たり前で、付き合っている男性の感情にまで気づくのが得意な人が多い。だから恋人に推しがいると、男性の過半数は実は嫌がっていて、女性の大部分も嫌がる、というのが岡田の推測である。「平気だ」と言う人もいるが、そういう人は少数派だろうと岡田は見る。数字を挙げても仕方ないがと断りつつ、人口の2割もいないのではないかと話した。

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対処法:理解あるふりをしない

ゆかりさんへの助言として岡田が勧めるのは、「理解あるふりをしない」ことだ。推し活を禁止する必要はないし、やめてくれと言わなくてもいい。ただ、「分かるよ、いいよ」とは言わない。理解あるふりはせず、「見えないふりをしたいから協力してほしい」とお願いする。あなたに推しがいることは分かった、でも思い出したくないから、それを手伝ってくれ、という言い方である。

岡田はこの話を、推しを持っていて恋人に理解してほしい側の人にも聞いてほしいと言う。理解してもらえる確率だけなら5分の1くらいはある。だが理解してもらえても、相手は心の中にいつも不満を抱えることになる。理解したうえで本当に平気な相手となると、さらに低い確率だろうと岡田は見る。だから交際中に推し活をするなら、こっそりやって徹底的に隠すのが原則だ、というのが岡田の考えである。

推し活は「傍から見ればみっともない」

岡田はさらに踏み込む。推しが異性であれば、アイドルでもアーティストでもアニメやゲームのキャラクターでも、他人から見ればはっきり言って「オナニーのネタ」と同じだという。肉体的なものか精神的なものかの違いにすぎず、他者から見るとみっともないものだ。岡田は「推し活はみっともない」ことだけは押さえておこう、と言う。

世の中には推し活をオープンに明るく語る風潮がある。しかし岡田はこれを、「大変態時代」が始まっているだけだと表現する。推しが結婚したりトラブルがあったりすると、みんなみっともない姿をさらけ出すではないか、というのがその根拠である。本人の中ではプラトニックで、恋愛とはまったく違うものなのだろう。それでも傍から見ればそれほど変わらない。「推しと恋愛は違う」というのは本人の内側だけの問題で、傍から見ればその区別に意味はない。岡田によれば、これは区別できないという意味ではなく、区別しても意味がないという意味だ。

自分の「ネタ」を母親に見られたい、理解されたいと思う人はいない。同じように、推しを理解してほしい、恋人にも推しを好きになってほしいと望むのは、もともと無理筋だと岡田は言う。お互いに推しがいて楽しく暮らせているカップルもいるだろう。だがそれは運が良くてレアなケースだと噛みしめればいい。それを当たり前と考えたり、そういう相手を探すべきだと言ったりするのはやめた方がいい、と岡田は述べる。

ゆかりさんへの結論はこうだ。彼女に推しがいるという事実だけ理解すればいい。そのうえで、正直にこう伝えればいいのではないか。「自分はそういうのを我慢できないたちなので隠してほしい。無理に平気なふりをするつもりはない。もし自分があなたの推し活を平気に思えるようになったら、それはあなたへの恋愛感情がほぼなくなったときだ。だから別れたら、あなたの推し活を全然応援できる」。

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相談2:2人続けて「将来が見えない」と振られた

2通目は20代女性のつなかんさんから。半年付き合った彼氏と最近別れたという。彼氏からは「今は楽しいからいいけど、将来が見えない」と言われ、さらに「君がいてもいなくても俺は何も変わらない」とも言われた。この言葉に強いショックを受け、「お互いにもっと合う人を見つけた方がいいよね」と別れを選んだ。

本題はここからだ。彼女は2回続けて男性に振られていて、その理由がどちらも「一緒にいて楽しいが将来が見えない」だった。男性にそう思わせてしまう原因は何なのか、岡田の見解を聞きたいという相談である。

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カメラ担当・山脇氏の推理と岡田の見解

岡田はまず、ゼミのカメラ担当である山脇氏の意見を紹介する。山脇氏は、これまで女性に愛想を尽かされて捨てられた経験しかないという。自分から別れを切り出したことも理由を告げたこともないので、どうすればこんな会話をする状況になるのかも分からない、と前置きする。そのうえで、あまりモテない男の心理として、次のように推理した。男は基本的に、プラスマイナスゼロの彼女とは別れを選ばない生き物だ。会う頻度が減ったり扱いがぞんざいになったりはしても、自分から切ることはしない。自分から別れを告げるのは、付き合い続けることに明らかなマイナスを感じたときだけだ、と。

岡田もこれに同意する。別れの原因はたぶんつなかんさんにはない、というのが岡田の見方だ。女性は振られると理由を聞きたがる。だが男性は、自分の行動をあまり言語化しない。目標があるときは「俺はこうすべきだ、なぜなら」と雄弁に語る。しかし別れや何かをやめるといった撤退の決断については、理由を聞かれてもうまく言葉にできない。だから、そこで口にされた理由を本気で分析しても仕方がない、と岡田は言う。

岡田の推測では、元彼に新しい感情が生まれただけだ。新しい彼女か彼女候補ができて、つなかんさんに使う時間がもったいなくなったから別れようとした。これを避ける方法は、そういう理由で女性を振ったことがないタイプの男と付き合うこと。つまり山脇氏を彼氏にすればいい、と岡田は冗談交じりに提案する。その場で年齢を聞くと山脇氏は38歳で、今は彼女がいないという。見た目も想像しているより少し良いはずだ、モテないタイプなら浮気もしないだろう、と岡田は笑いを交えて紹介した。

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2026年の追記:山脇氏の紹介は撤回

動画の後に付いた追加コメントで、岡田はこの紹介の件に触れている。2026年現在、山脇氏本人いわく、実際に彼女を募集してみたら思った以上に大変でもう懲り懲りなので、今は一切募集していないとのこと。この件はなかったことにしてほしい、と岡田は述べた。

3年後に振り返る推し活:「自己表現」としての推し

推し活の相談に答えたのは2023年、3年前のことだ。岡田は、そこで話した考え方の基本は今も変わっていないと言う。本人の中でどれほどプラトニックでも、恋愛感情とは別物だと思っていても、他人から見るとオナニーのように見えてしまう。世間は推しをものすごく許容するようになったが、岡田自身の見方はあまり変わっていない。

ただ、この3年で世間の側には変化があったと岡田は言う。推しが「表現の手段」と見られるようになったことだ。「私の推しはこの人です」と周囲に示すことが大事になった。それはさりげなく身につけたアクセサリーでもいい。そうやって「これが楽しい、これが気持ちいい」と多くの人にアピールしているのだという。

昭和世代のおじさんである岡田のように、推しの表明をはしたないと感じる人はまだ多いだろう。恋人が熱心に推し活をするのは嫌だと思う人も多いはずだ。それでも、推し活を自己表現と考える人の割合がどんどん増えている。そうなると、こうした悩みには正直手の打ちようがない、と岡田は言う。

「推し活はいいけど、その話は俺に聞かせないでくれ」と彼氏が言ったとする。今なら「そんな彼氏ならこっちから願い下げ」と言われるだろう。彼女が友達に相談しても、友達は「そんな男とは別れなよ」と言うはずだ。

岡田は、推し活をする人に強く出られない理由として、オタクの歴史を挙げる。「いい大人がアニメを見るなんて気持ち悪い」と言われても、気にしないようにスルーし、逃げながら、少しずつ「自分たちはこれを見ていいんだ」という権利を主張してきた。その流れがあるから、推し活をする人に強くは言えないのだという。

今同じ相談が来たら

では、今同じ相談が寄せられたらどう答えるか。岡田の答えは、話し合ってダメそうならさっさと別れて新しい彼女を作るしかないのではないか、というものになりそうだという。

もうひとつの案として、岡田は相談者自身が適当に推しを作ることを挙げる。「俺以外の推しを作るのはやめてくれ」と思うのは、彼女を唯一無二のもの、つまり自分の心を預ける唯一の対象にしているからだ。それ以外に推しを作ってしまえば、リアルの彼女も推しのひとつ、「推し活の中のリアル部分担当」にすぎなくなる。そのほうが少し気が楽になるのではないか、と岡田は話を締めくくった。